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2005年5月29日 (日)

バイオマス・ニッポンのゆくえ

ここ数年、バイオマス(Biomass)という言葉が国内でもだいぶ広まってきましたが、これは2年半前(2002年12月)に閣議決定された「バイオマス・ニッポン」がひとつのきかっけでした。それ以前は、専門家の間だけで議論や研究されていたものが、そのころから行政や民間企業を巻き込んでバイオマスの利活用が具体的に検討されるようになってきました。ただし、バイオマスの種類が非常に広範囲にわたり、利活用の技術も非常に数多くある為、利活用の実施にあたっての検討・評価には、様々な課題が残っています。

バイオマスの種類には、木材などの木質バイオマスから、生ごみなどの食品残渣、鳥・豚・牛などの畜糞など多くのものがありますが、それぞれの発生状況は地域により大きく異なります。これらのバイオマスは広く薄く分布している為、収集や運搬にかなりのコストが必要になることが常に課題となっています。そこで、まずは比較的収集が簡単なものから利活用が検討されているのが現状です。例えば、製材所の端材、牧場での畜糞、スーパーの生ごみ、下水処理場などですが、実は国内でもっとも大きなバイオマス利用事例は製紙工場の黒液の処理(ボイラーで燃焼して発電)です。最近増えているのが、いわゆる「ごみ発電」で一般家庭からでるごみを燃焼して発電していますが、ごみの中の生ごみや紙などを計算で推計して、バイオマス相当分としているようです。発電以外のバイオマスの利用形態としては、堆肥化やプラスチック代替などの多くの種類がありますが、それぞれ課題をかかえています。

ひとつの課題しては、やりやすいものからバラバラに行っている現在のバイオマス利活用を、もっと体系的に地域の特性に合わせて最適化して行うことではないでしょうか。バイオマスに関する技術的な知見をまとめたバイオマスハンドブックのような本もありますし、数々の技術や装置が開発されてきていますが、これらの技術を的確に利用しつつ、綿密な計画のもとに各地域の特性に合わせて事業として成功させることが重要だと思います。そのためには必要な人材やノウハウをうまく育てることが必要になってきます。国内ではまだまだ成功事例が少ないですが、失敗した事例でも広くそのノウハウを共有、体系化して今後に生かすことが必要ではないでしょうか。数年前からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施している数多くの技術開発、FS(事業検討)、FT(実証試験)のノウハウもそのひとつだと思います(膨大なレポートが技術情報データベースからダウンロード可能です)。

各地域が特性に合わせた事業を検討する動きは以前からあり、NEDOの地域新エネルギービジョン策定等事業や最近では農水省のバイオマスタウン構想などがありますが、この様な動きさらに一歩進めて継続的に地域や民間主導で的確に事業として実施することが重要だと思います。

08:28 午前 バイオマス |

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