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2005年6月30日 (木)

成長の限界 人類の選択

5/30の「サステイブルな本 -Part1-」でご紹介した「成長の限界 人類の選択」をやっと読み終わりました。もっと早く読み終わる予定が、他の本に浮気をしている間に1ヶ月もかかってしまいました。やはり持続可能(サステイナブル)な社会を語る上で、この本は欠かすことができません。その分、内容が重く、なかなか読み進めることができなかったというのはやはり言い訳でしょうか。

読み終わってみると、「成長の限界」に関する内容は想像以上に重いものでしたが、後半に記述されている「人類の選択」が実はこの本で著者が言いたかったことだということが良くわかりました。この本の中ではシステム・ダイナミックスという手法を用いて人類の将来をシミュレーションしているのですが、そのときに11のシナリオを示しています。このうち、持続可能なシナリオは実質的には1つしかありません。このシナリオでの前提条件は世界全体が2002年以降に以下の項目を実行に移すということです。

  • 人口を安定させる。
  • 工業生産を安定させる。
  • 資源の利用効率をあげる技術へ投資し、採用する。
  • 工業生産単位当たりの汚染排出を減らす技術へ投資し、採用する。
  • 土壌の侵食を抑える技術へ投資し、採用する。
  • 土地の収穫率を向上させる技術へ投資し、採用する。

これだけの前提条件が満たされた初めて人類は持続可能な社会を構築することができると述べられています。つまり今すぐにこれらの項目を実行しなければ、人類が持続可能な社会を構築する可能性は限りなくゼロに近づいていくことになります。

それでは今、私達はこれらの項目を実現する為に何をすべきなのでしょうか?この本の最後の2つの章では、それに対する著者らの考えや思いが切々と述べられています。本の前半の重苦しさに比べると、これらの記述は楽観的とも言えますが、それこそ「人類の選択」へ希望をつないでいるのではないでしょうか。まず著者らが述べている持続可能な社会を再構築する指針は以下のとおりです。いずれも示唆に富んだ指針です。

  • 計画づくりの視野を広げる
  • シグナルを改善する
  • 対応時間を短縮する
  • 再生不可能な資源の消費を最小限にする
  • 再生可能な資源の衰退作用を防止する
  • あらゆる資源を最大限に効率よく用いる
  • 人口と物理的資本の幾何級数的成長を減速させ、最終的には止める

著者らはこれらの指針を実行することにより、人類がこれまで経験してきた農業革命や産業革命に続く「持続可能性革命」が起こることが必然となるとしています。著者らはその実現の為の五つのツール(言葉)を提示していますので、最後にそれを列挙したいと思います。いずれのツールもこの本の最後に提示されることにより、非常に深い言葉として心に刻まれます。是非、前半だけではなく、この本の後半をじっくり読んで見てください。自分もこれから何回も読み直したいと思います。

  1. ビジョンを描くこと
  2. ネットワークをつくること
  3. 真実を語ること
  4. 学ぶこと
  5. 慈しむこと

11:44 午後 環境 |

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