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2005年6月 4日 (土)

バイオマス利用の課題

本ブログも開始から一週間が経過しました。まだまだアクセスをして頂ける状態にはなっていませんが、できるだけ1回/日の投稿を目標に、「サステイナブル」、「環境」、「エネルギー」、「バイオマス」、「バッハ」の各カテゴリで順番に書いています。というわけで、本日は「バイオマス」の2回目です。

人類は古くから「バイオマス」を燃料や肥料などとして利用して来ました。バイオマス利用の原則は、その利用速度が再生速度を上回ってはいけないということです。例えば、森林の木材をボイラーで燃焼させる場合でも、製材所の端材や間伐材をつかうべきで、間違ってもその為に木材を伐採することはあり得ません。よって、バイオマスを利用する場合には、どこにどれだけのバイオマスが余剰にあるかを、まず調べて、それに最適な利用方法を決める必要があります。

バイオマスには、木質、食品残渣、畜糞などがありますが、最近はこのうち木質(端材、間伐材など)の利用が全国的に行われています。ただし、製材所で発生する端材についてはかなりの部分はリサイクルが行われており、実際にボイラーなどで燃焼させる割合はかなり少なくなっています。特にバイオマス・ニッポンが始まってからは全国的にバイオマス発電の設備が増えてきており、木質チップが不足する事態も予測されます。食品残渣や畜糞については、主に微生物発酵による堆肥化処理が行われいますが、問題は堆肥化したものの使い先が限定されているということです。堆肥は畑によって必要とする時期や種類が異なり、マッチングしなければ結局は埋め立て処理をすることになります(それでも畜糞を野積みにするよりはましですが)。

バイオマス発電は、小型(1トン/日以下)のものから大型(数10トン/日以上)のものまで、様々な方式の設備が稼動を開始しています。比較的昔から行われているのが、製材所に併設されたボイラー燃焼+蒸気タービンの設備で、安定的に端材が供給され、発生した電力と熱を製材所ですぐに利用できるというクローズドサイクルを形成することが容易にできます。ところが、最近のバイオマス発電設備は、実証段階ということでとりあえず木質チップを集めて来て発電を行っても、それを設備内で一部消費して残りを電力会社に売ろうとしても非常に安い値段でしか売ることができません。2年前にRPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)が施行され、基本の売電価格に上乗せする「新エネルギー等電気相当量」を設定できることになりました。国内電力各社は、一定割合の新エネルギーを利用することが義務付けられていますが、その目標が低く抑えられておりその価格が低迷しています。バイオマス発電では熱利用が重要と言われていますが、ごみ発電設備での熱利用と同様に、なかなか安定した利用先は無いのが現状です。

一方、堆肥化の方は「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が昨年末に完全施行され、各地に堆肥化設備が整備されました。しかしご存知のとおりその堆肥を利用する農地が十分に整備されておらず、農家の高齢化などと合わせてなかなか難しい状況のようです。やはり、堆肥化によるバイオマス利用については、農業の事業化などにより、農業と一体となった取り組みが必要だと考えられます。

08:31 午前 バイオマス |

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