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2005年7月 4日 (月)

京都議定書への取組み

先月発行された「平成17年版環境白書」では、京都議定書に代表される地球温暖化対策について第1部「脱温暖化」として50ページ近くを割いています。これは、日本が8年前に議長国として取りまとめた京都議定書が本年2月に発効し、温室効果ガス排出量の削減約束を達成する必要があるからに他なりません。これまでの産業界中心の省エネルギー対策だけでは不十分であり、日本での温暖化対策はこれからが本番になるということを国民に訴えているという感じです。

日本が持続可能な社会を目指す上で、この京都議定書の発効は大きなターニングポイントになると言っても良いと思います。それはこれまでのエネルギー政策を根本的に見直すきっかけになると考えられる。経済優先の政策の中でエネルギー自給率は実質5%以下まで低下し(「日本のエネルギーはサステイナブルか?」参照)、今後の数十年に渡るエネルギー需給については、多くの不確定要素があります。本年3月に総合資源エネルギー調査会需給部会が答申した「2030年のエネルギー需給展望」でも様々なシナリオが検討されていますが、これからの数十年は現在の状況の延長では予測が非常に難しいことが良くわかります。

まずは削減約束を達成することが日本の当面の目標となりますが、この目標達成が今のままでは実は実現不可能だと言われています。削減約束は基準年(1990年)に対して、第一約束期間(2008年-2012年)の温室効果ガス総排出量平均値を6%削減するというものですが、政府の「京都議定書目標達成計画」では、追加対策として12%削減が必要となっています。これは、これまでの対策だけでは排出量が6%増加してしまうからです。

この追加対策のもっとも大きな柱が「省エネ」によるCO2削減です(-4.8%)。昨今の「クールビズ」や「チーム・マイナス6%banner_rectangleなどの宣伝もその一環ということになりますが、特に民生部門と運輸部門に大きな期待がかかっています。これだけ国民への「省エネ」を強く訴えるのはあの石油ショック以来ではないでしょうか。本来であれば「省エネ」を引き続き実施すべきだった時期にバブルやバブル後の景気低迷があって、経済対策優先になり、その機会を逃してしまいました。

この他に、フロンなどの温室効果ガス対策で-1.7%、森林吸収源で-3.9%、京都メカニズムで-1.6%となっており、合計で-12%の追加対策となっています。京都メカニズムについては、いわゆる「排出権取引」をベースにしたCDM(クリーン開発メカニズム)やJI(共同実施)などですが、まだまだ枠組みだけで、実施するにはいくつものハードルがある様です。排出権取引の市場にしてもどの様な形で取引されるのかまだまだ不透明ですが、様々な試みが始まっています。

京都議定書の仕組みには、多くの問題点があることが指摘されており、米国も離脱していたり、中国を含む開発途上国は削減義務を負っていません。それでも日本がこの京都議定書に取組むことは、非常の大きな意義があると思います。それは、国民一人ひとりが持続可能な社会を目指すことを考えるきっかけになり、その目標に向けて様々な取組みをすることができるからです。その意味でこの2005年は、日本にとって大きなターニングポイントの年になると思います。また、自分自身もその位置づけや、今後の取り組みをじっくり考えて、少しずつでも実行して行きたいと思います。

09:58 午後 環境 |

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マンモスが地球温暖化を警告していることが解った。 愛地球博の呼び物として人気になっている 1万8千年前のユカギルマンモスが地表に姿を現した 背景には深刻な温暖化の影響があると警告した。 マンモスが見つかったサハ共和国では国土のほぼ全域が 永久凍土でその上に森..... [続きを読む]

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