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2005年7月11日 (月)

サステイナブルな交通手段

2003年度の日本の温室効果ガス(主にCO2)の排出量の中で、運輸部門は20%以上を占めており、1990年度よりも20%近く増加しています。これは、国内の車の保有台数が4000万台を超え、1990年度から30%以上増えている上に、燃費の改善が進んだ一方で大型化が進んでいるからです。乗用車は一家に一台が当たり前になり、数台を所有することも珍しくありません。また、近年の公共投資による道路網の整備により立派な道路が増え、走行距離も伸びる傾向にあります。

現代文明の中で、自動車はその象徴とも言えるものですが、多くの問題点を抱え、持続可能な社会を目指す上でも大きなハードルとなるものです。それゆえに自動車会社は環境対策に力を入れており、技術開発の先端を行くと共に、環境イメージでは常にトップクラスにいるような環境コミュニケーションあるいは環境マーケティング活動を展開しています。それでも持続可能な社会を目指す際には、自動車は大きな矛盾を抱えた存在であることに変わりはありません。生活の利便性に欠かせない面がある一方で、現在の自動車は再生不可能な化石燃料を大量に消費し、温室効果ガスを排出し、環境へ大きな負荷をかけています(それゆえにハイブリッド車や燃料電池車が開発されてはいるのですが...)。その上、リサイクルには多額のコストがかかり、最近、施行された自動車リサイクル法によりようやくリサイクルの目処が立ったような状態です。さらに、最近は減少傾向にあるとはいえ、年間1万人近い人が自動車による交通事故で亡くなっています。癌などの病気や自殺等の社会問題を除けば、ある工業製品が原因となって亡くなったり、怪我をする人数としてはもっとも多いのではないでしょうか。

日本の産業界では自動車産業が大きなウェイトを占めており、特に最近はその傾向が顕著です。しかし、今後、数十年の長期で考えたときには、やはり日本は持続可能な社会の実現の為に脱自動車社会を目指す必要があるのではないでしょうか。狭い日本で、これだけ公共交通が発達していれば、自動車を使わない生活もそれほど非現実的ではないと思います。近年、観光地などでは自然環境や都市環境を守るために自動車の乗り入れを規制するケースも増えて来ており、この際には、公共交通の利便性を高め、ある程度運賃を下げる様な政策がポイントの様です。

自分も自動車を運転するので、その便利さは分かっているつもりですが、そのデメリットも最近、感じるようになりました。人が歩行したり、自転車を使ったり、公共交通機関を使う場合に比べ、車の維持コストが大きいだけではなく、化石燃料を消費して地球温暖化の原因となる二酸化炭素やその他の有害物質を排出します(新型ほど、排出量は少なくなりますが...)。また、歩行者から見た自動車は走る凶器そのものに時として見えます。本来、道路交通法では、横断歩道を歩行者や自転車が横断しようとしているときには、必ず一時停止をしなければいけないなずですが、それを守っている自動車は非常に少ないのが現実です。法律を守れない車がこれだけ走っている状況が果たして正常な状態と言えるのでしょうか。

持続可能な社会を実現する為に、できるだけ自動車を使わない生活が、やり方によっては日本では比較的容易に達成できるかもしれません。まずは、必要以上に自動車を使わない、使う自動車はなるべく小型(軽量)で燃費の良いものを選ぶことが必要です。さらに、公共輸送機関をさらに使いやすいものにして運賃を値下げする政策や、歩行者や自転車に優しい街づくりなどが求められると思います。これらは、最近、話題の「ファクターX」に通ずる話ですが、新たな技術革新を待たずに実行できる方法です。

08:51 午後 環境 |

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