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2006年2月18日 (土)

脱温暖化2050シンポジウム

16日に開催された環境省主催のシンポジウム「脱温暖化社会に向けた挑戦」に参加して来ました。少し遅れていったのですが、300名入る会場はほぼ満席で、京都議定書発効から1年目のイベントということもあったと思いますが、関心の高さを窺うことができました。これもポスト京都議定書の動きのひとつだと思いますが、この様な動きをきっかけに日本人の苦手な長期ビジョンについて、市民や経済界なども参加して活発な議論や行動ができるようになれば、とても素晴らしいことだと感じました。

[シンポジウム:脱温暖化社会に向けた挑戦]
日時:2006年2月16日(木) 18:00-20:30
場所:青山スパイラル
http://2050.nies.go.jp/sympo/20060216.html

このシンポジウムにあたり、小池環境大臣から日英の共同研究プロジェクト
「低炭素社会の実現に向けた脱温暖化2050プロジェクト」発足に関するが発表
が行われました(ちなみに英国側は、環境・食糧・地方開発省DEFRAだそうです)。

[共同研究プロジェクト発足プレスリリース]
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/2050proj/press/index.html

日本側では、平成16年度から国立環境研究所が中心となって「脱温暖化2050研究」がスタートしており、昨年の11月にシンポジウムを開催しています。
[脱温暖化2050プロジェクト]
http://2050.nies.go.jp/index.html

[第一部]
基調講演の一人目は国立環境研究所の藤野純一氏(まだ30代前半と若い!)。
特に気になったトピックスは、以下の2つです。

(1) 地球シミュレータによる2100年までの温暖化シミュレーション結果
  これは、今週土曜日にNHKで放送されるNHKスペシャルで見ることができます。
    [気候大異変] http://www.nhk.or.jp/special/
(2) COP/MOP1で発表されたCO2排出量に関する各国シナリオ
  大きく3つのグループに分かれる。日米型(漸減)、欧州型(半減)、発展途上国(増加)
   http://2050.nies.go.jp/sympo/cop11_side.html

二人目は、英国エネルギーセンター(UKERC http://www.ukerc.ac.uk )のJim Skea氏。英国での脱温暖化への取り組みを紹介。トピックスを列挙すると...

  • 気候変動に関して警告する本(2005):"Avoiding Dengerous Climate Change"
  • 気候変動に対する危機感が大きい:ライフスタイルや価値観の変革が求められる。
  • 2003年のエネルギー白書において、2050年までにCO2排出量を60%減と明記
  • 京都議定書に対しては、第一約束期間で12%減。超長期的には、2100年で80%減
  • 産業界が参加して、国内での排出量取引(UKETS)を実施。
  • 40% House (40%までエネルギー消費量を削減した家を作るガイドライン)
  • 炭素税や炭素基金、自然エネルギー政策(固定買取価格制度)
  • 企業(産業界)とのパートナーシップが重要
  • もはや将来はエネルギーの自給自足はできない(現在は北海油田により自給自足)

[第二部]
パネルディスカッションは、NHK教育テレビの土曜フォーラムで放映される予定。パネルディスカッションにしては、割とかっちりとしたシナリオの元に実施され、途中で3回以上もビデオが問題提起のために上映されていました。

国立環境研究所の西岡秀三氏とUKERCのJim Skea氏がオピニオンリーダ的に発言していました。西岡氏は、この日本の「脱温暖化2050」プロジェクトのリーダーをしており、日本人が「気候のめぐみをかみしめる」重要性を強調していました。JFS共同代表の枝廣淳子さんも市民の視点から有意義な発言を多くしていました(世界規模で、個人単位で排出量を取引するアイデアや低炭素社会に対して人々の夢やロマンを持つことが大切さなど)。東京大学の花木啓祐氏は、都市工学の立場から、人口減の社会におけるコンパクトシティのあり方について言及。都市と農村が結びつくことの重要性や、日本社会が知的に成熟する必要性など。シャープの富田氏は、太陽光発電などの環境配慮製品の技術の開発や普及が日本の将来にとって重要であることを強調していました。パネラーの各氏とも、真の脱温暖化には、低炭素社会に向けたライフスタイルと世の中の仕組みを変えることの重要性を強調していたことが印象的でした(現在の延長では、2050年の50%減は達成できないとの認識)。

今年6月13日には、国際ワークショップに先立って共同研究の内容などを報告するシンポジウムを開催するとのことでした。今後の活動に注目して行きたいと思います。

11:38 午後 脱温暖化 |

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