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2006年5月19日 (金)

バイオガスのエネルギー利用

 バイオガスというと、何を想像するでしょうか?

いわゆる生物由来のもの(バイオマス)から発生するガスですが、主成分はメタンガスや二酸化炭素などからなっています。バイオマスが微生物により分解されて発酵するときには、そのときの酸素の供給具合によりメタンが主に発生したり、二酸化炭素が発生したりします。前者を嫌気性発酵(メタン発酵)とも言い、後者を好気性発酵といいます。

この好気性発酵を利用すると生ごみや畜糞から堆肥を得ることができます。この堆肥により農作物の栽培に必要な土壌の改良をすることができます。堆肥化の際に発生する二酸化炭素は、もともと空気中の二酸化炭素を吸収したものなので、カーボンニュートラルということになります。

 これに対して、嫌気性発酵の際に発生するバイオガス中のメタンは、温室効果ガスの一種であり二酸化炭素よりも23倍も大きな温室効果があります。様々な状況で発生するこのバイオガス中のメタンガスをそのまま大気に放出するのは、地球温暖化の抑制の面でも好ましくありません。そこでこのバイオガスを有効に活用しよう取り組みが世界的に行われています。

 バイオガスは生物が暮らしているところであれば、大抵のところで発生します。もっとも身近な例では「おなら」でしょうか(失礼!)。牛のゲップなども温室効果ガスとしてのバイオガスの発生源とされています。そして、おそらく都市でもっとも大きなバイオガスの発生施設が下水処理場ではないでしょうか。日本国内では牛や豚の頭数よりも、人間の数の方が多いので、畜糞からの発生量よりも多いと考えられます(未確認ですが...)。もちろん、畜糞も産業廃棄物の中でもっとも多いものですから、堆肥化できない分については、メタン発酵が有効な場合もあります。このバイオガスに関する計画の進め方は、NEDOが作成したガイドブックに詳しく載っています(畜産系バイオマスのところ)。

[バイオマスエネルギー導入ガイドブック第2版 2005/9]
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/shinene/baiomass2_kai.pdf

北海道では、牧畜が盛んですので、この畜糞からのメタン発酵、そしてバイオガスによる発電の実証試験が多く行われています。ただし、国内でこのバイオガス発電を行う場合には、大規模な酪農を行っていて、欧州の様に広大な牧草地を併せ持つ北海道の様な地域に限定されるのではないでしょうか。収集の効率化や液肥の活用がポイントになります。
このバイオガス発電を含む新エネルギーの普及状況がわかる「新エネルギーマップ」が北海道の全域を網羅しています。

[北海道 新エネルギーマップ]
http://www.nedo.go.jp/nedohokkaido/photo/180331map2006.html

同じバイオガスによる発電技術としては、生ごみによるものがあります。こちらは食品リサイクル法にもとずつ再生利用の中で「メタン化」として位置づけられています。これもこのNEDOのガイドブックの中で、「食品系バイオマス編」として取り上げられています。今年の4月には国内最大規模のバイオガス発電施設が、東京都のスーパーエコタウンの中で動き出しました(処理能力110トン/日)。

[東京都スーパーエコタウン 食品廃棄物リサイクル施設]
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/recycle/superecotown/syokuhin.htm

 海外の事業としては、最近、京都メカニズムの中のCDM(クリーン開発メカニズム)でバイオガス発電による温室効果ガス削減事業が行われています。この中では、畜糞だけではなく、最終処分場などから発生するメタンガスで発電するものもあります。バイオガスは、海外ではより身近な存在なのです。以下のページにCDM事業の一覧があります。

[京都メカニズム情報プラットフォーム 承認プロジェクト一覧]
http://www.kyomecha.org/about.html#projectlist

生ごみや畜糞、下水処理場から発生するバイオガスの有効利用は地球温暖化対策としてこれから益々重要になるのではないでしょうか。

11:05 午後 バイオマス | | コメント (0) | トラックバック (1)