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2006年10月 6日 (金)

スウェーデンの脱石油宣言

昨年10月にスウェーデンのペーション首相が2020年までの脱石油宣言を行い、その後、具体的な検討を行うための審議会が12月に設置されました。この「脱石油宣言」は、もちろん気候変動への対応を含む持続可能な開発(発展)に向けた戦略の一つですが、近年の原油価格高騰の背景にあると言われている「ピークオイル」とも関係しているはずです。いずれにしてもこのバックキャスティング的な手法は、より海外からの石油に依存している日本でも大いに見習うべきものだと思います。

この審議会のレポート"Making Sweden an OIL-FREE Society"が6月に発表されています(簡単な紹介がNEDOの海外レポートにあります)。

[レポート本文(英語)]
http://www.sweden.gov.se/content/1/c6/06/70/96/7f04f437.pdf

[NEDO海外レポートでの紹介]
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/985/985-11.pdf

それによると、2004年時点でのスウェーデンの石油依存率(一次エネルギーベース)は、32%となっています。内訳としては、やはり運輸部門(自動車)が2/3ともっとも大きい割合を占めていますが、このあたりの構造は日本とあまり変わらないのかもしれません。ただし、民生部門や産業部門では、石油依存からの脱却がかなり進んでおり、11%程度に過ぎません。特に進んでいるのが、発電部門で1%以下、一般家庭やビルなどに普及している地域熱供給で8%となっています。このあたりが脱石油を目指す下地が十分にあるということなのでしょう。

スウェーデンでの2020年までの目標としては、以下の4つのものがあります。

  • スウェーデン全体で、20%以上のエネルギー利用効率化を図る。
  • 家庭と商業ビルの暖房には石油を使用しない。
  • 運輸部門や農業、林業、漁業などの産業分野で40~50%、ガソリンや軽油の使用量を削減する。
  • 全産業部門において25~40%、石油使用量を削減する。

この目標達成により石油への依存率は18%程度となるはずです。もちろん完全な脱石油ではありませんが、この目標を達成することにより石油依存を大幅に減らすことができ、将来の完全な脱石油を達成することが可能となってきます。ちなみに、日本では現在の一次エネルギーの石油依存率が50%程度であり、2030年までに40%以下にするという見通しが立てられていますが、中東への依存率はむしろ増加を続けている状況です(エネルギー白書)。

このレポートに書かれている実現に向けた政策については、別途、ご紹介したいと思います。

10:33 午前 エネルギー |

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Sweden: We will break dependence on oil by 2020 http://www.edie.net/news/news_story.asp?id=10987&channel=0  スウェーデンの持続可能な発展相モナ・サハーリン(Mona Sahlin)は自国の石油への依存を2020年までに打ち破る計画を発表した、ということです。 スウェーデンには化石燃料への依存を打ち破る国際的なモデル国になる機会がある、とDagens Nyheter誌に書いたとのこと。 ”世界中... [続きを読む]

受信: 2006/10/06 18:05:11

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