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2006年12月30日 (土)

2006年の振り返り その1

今年も残り1日となりました。このブログを始めてから1年半。なかなか思いとおりに記事の更新ができず、ほとんど中断状態の時期もありましたが、ここまで何とか続けることができました。最近、書かなければならないことは寧ろ増えていると感じています。来年こそは、1週間に1回は記事の投稿を続けて行きたいと思います。

さて、今年の記事の振り返りです。やはり、地球温暖化に伴う気候変動や、私達の社会や文明の持続不可能性など地球規模で、かつ、私達の社会への影響がとても大きいテーマが目白押しでした。状況は、決して良い方向へは進んでいるわけではありませんが、持続可能(サステイナブル)な社会を作るためにこれから私達がしなければいけないことは、膨大にあります。そんな危機感と希望が入り混じった1年間でした。

1月から5月までの記事を紹介します。とても幅の広いテーマが取り上げられていますので、何度も振り返りが必要かもしれません。どの記事に興味がありますか?興味のある記事には、コメントやトラックバックをお願いします。

[長期ビジョン] 持続可能な社会を作るためには、ビジョンが重要です。

[ESD-J] 「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」が始まりました。

[食料自給率] 都道府県別の食料自給率を紹介しました。

[脱温暖化2050シンポジウム]  地球温暖化を抑制するために何をすべきなのでしょうか。

[排出量取引]  CO2排出量を削減するための取組みのひとつです。

[エコロジカル・フットプリントその2]  環境への負荷(足跡)の収支がわかる指標です。

[環境基本計画への意見募集その2] パブコメに意見を出してみました。

[持続不可能性] 過去の歴史に学ぶことは重要です。

[持続不可能性その2] 生態系の持続可能性に学ぶことも重要です。

[気候ターゲット2℃] 地球温暖化問題と気候変動を直視する必要があります。

[バイオガスのエネルギー利用] 技術ネタですが、有効な技術の普及が必要です。

07:05 午後 サステイナブル | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 4日 (月)

スターン・レビュー:気候変動の世界経済への影響

近い将来(あるいはすでに)、地球温暖化に伴い世界的な脅威(リスク)となってきている世界規模の気候変動が世界経済へ与える影響を評価し、気候変動を最小限に抑えるための対策に必要な費用(コスト)を算出したレポートが英国で去る10月30日に発表されました。元世界銀行上級副総裁のニコラス・スターン博士が気候変動・開発における経済担当政府特別顧問として英国政府からの委託を受けて詳細な調査を1年間余りに渡って行った報告書で、「スターン・レビュー」(Stern Review: The Economics of Climate Change)と呼ばれています。報告書の全文は、英語ですが、概要は英国大使館のホームページなどから日本語で入手することができます。また、国立環境研究所のAIMチームが精力的に概要(ロング版)の翻訳やコメントなどを行っています。全文の翻訳も4月には、完成するそうです。

[英国大使館:スターン・レビュー]

[スターン・レビュー日本語概要(ショート版)]

[スターン・レビュー日本語概要(ロング版)]

[スターン・レビュー日本語要旨ほか(国立環境研究所AIMチーム)]

[スターン・レビュー全文(英語)]

先週11/28には、スターン博士が来日し、「気候変動と経済」と題した国際シンポジウムが開催されました。残念ながら、私自身は参加できませんでしたが、参加した人のお話と入手した資料では、これまでの日本国内での気候変動への認識をあらたにするに足る、とても有意義なものだったそうです。就任したばかりの若林環境大臣の講演も日本および世界経済に対する気候変動のリスクを正面から受けとめ、とても的を得たものだった様です。この様な認識が政府内をはじめ産業界にまで十分に浸透し、日本国内での気候変動政策や企業の取組みがビジョンに向かって確実に進むことが重要だと思います。

[気候変動と経済 シンポジウム 2006/11/28]
http://www.sternreview.jp/

「スターン・レビュー」の主な内容は、以下のとおりです。これからの10年の気候変動への取組みが非常に大切になり、温暖化対策の遅れは世界規模で取り返しのつかない状況を招くとして、より具体的な警鐘を鳴らしています。

(1) 対策を講じなかった場合の気候変動のリスクと費用の総額は、世界のGDPの5%強に達し、より広範囲の影響を考慮すれば、損失額は少なくともGDPの20%に達する可能性がある。

(2) 温室効果ガスの排出量を削減するなどの対策を講じる場合の費用は、CO2濃度レベルを500~550ppmに抑えるために今すぐに対策を継続的に講じた場合には、年間の平均でGDPの1%程度と推定される。

(3) 対策を怠った場合、長期的に地球全体の平均気温が5℃以上上昇する可能性は50%強となる。この5℃の気温上昇は、最後の氷河期の気温と現在の平均気温の差に匹敵し、その影響は計り知れない。

(4) 現在のCO2濃度レベルは、430ppmであり、年間2ppmずつ上昇している。450~550ppm程度にCO2濃度レベルが抑えられれば、平均気温の上昇はかろうじて許容範囲と考えられている2℃に抑えられる可能性がある。その為には、2050年までにCO2排出量を少なくとも現在の25%削減する必要があり、最終的には80%以上削減する必要がある。

(5) 気候変動の影響は、貧しい国々や人々がもっとも最初に受けると考えられるが、開発途上国を中心に気候変動に順応化する対策が必要となるだろう。それには、より正確な情報の提供、計画の改善、気候変動に強い品種やインフラの開発などが挙げられる。その為の費用の捻出に、CDMを始めとする先進国の炭素市場が必要とされている。

(6) 気候変動への対策や取組みは、長期的lな経済政策と組み合わせて可能であり、低炭素商品やサービスなどの新たなビジネスも生み出している。これらの市場は年間何千億ドルに達する可能性があり、雇用機会も拡大する。

(7) 気候変動に対して、国際規模で効果的に対応するには、次の3要素を政策に織り込む必要がある。

  • 炭素価格で、税金、取引もしくは規制に関する実践
  • 低炭素テクノロジーの開発のサポート、実用化
  • 一人ひとりに何ができるかについて情報を与え、教育し、説得する

(8) 長期的なゴールに向けて国際的共有ビジョンを作り上げ、以下の4つの要素を織り込んだ国際的枠組み構築する必要がある。

  • 国内排出取引の拡大
  • 温暖化対策技術協力の体制強化
  • 森林伐採を減らすための対応策
  • 気候変動への順応化対策

[参考URL]

国立環境研究所が中心となっているAIMプロジェクトチームが行った
レポートのレビューや日本語訳があります。
http://www-iam.nies.go.jp/aim/stern/index.htm

様々な角度からこのレポートを紹介している温暖化に関する
ブログ「温暖化いろいろ」の記事です。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/7849.html

11:07 午後 脱温暖化 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 2日 (土)

スウェーデンの「持続可能な発展」指標その2

8月にスウェーデンの「持続可能な開発」指標について書きましたが、その中で少しご紹介した2006年3月に発表されたスウェーデンの「持続可能な発展」戦略の資料(英語版)が公開されています。記事を書いた時点では公開されていなかったので書けなかったのですが、87の指標群/6カテゴリーから以下の12のヘッドライン指標が選ばれています。環境指標以上に社会や経済の指標を多く取り入れていることが特徴です。社会と経済に対しても持続可能な発展を追求し、その根底に環境への的確な配慮が行われているスウェーデンの先進的な戦略を垣間見ることができます。日本でも第三次環境基本計画で持続可能な社会への展望や指標の活用が提言されていますが、社会や経済も視野に入れた持続可能性に対する具体的な国家戦略を持つことが重要ではないでしょうか。

[Strategic Challenges: A Further Elaboration of the Swedish Strategy for Sustainable Development]
http://www.sweden.gov.se/content/1/c6/07/01/83/1a9ae133.pdf

87の指標群は、以下の6つにカテゴリー分けされています。

1. Health 健康:12指標
2. Sustainable consumption and production pattern 持続可能な消費と生産パ
ターン:18指標
3. Economic development 経済発展:13指標
4. Social cohesion 社会的結束:25指標
5. Environment and climate 環境と気候:15指標
6. Global development 国際発展:4指標

12のヘッドライン指標は以下のとおりです。

(1) Life expectancy 平均寿命
(2) Violence 犯罪に会うリスク
(3) Energy Efficiency エネルギー効率(エネルギー需要/GDP)
(4) Investment 投資(対GDP)
(5) Employment rate 雇用率(目標80%)
(6) public debt 国家財政債務(対GDP目標80%)
(7) Growth 経済成長率
(8) Risk of poverty 貧困リスク
(9) Demographic dependency ratio 世代別人口割合
(10) Greenhouse gases 温室効果ガス
(11) Hazardous substances 有害物質(母乳中のダイオキシン濃度)
(12) Official Development Assistance(ODA) 開発援助(対GNI)


12:59 午後 サステイナブル | | コメント (0) | トラックバック (0)