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2007年1月28日 (日)

「不都合な真実」を越えて

やっと映画「不都合な真実」を見ました。昨年米国で公開されてから、米国内にとどまらず世界中で様々な反響を巻き起こしていることを聞き、なんとか早く見たいと思いつつ、国内での公開まで待つ結果となってしまいました。翻訳本「不都合な真実」もやっと1月に発売され、早速購入しましたが、著者自らの人生と地球温暖化への取組みを絡ませながら、多くの写真やデータを取り入れた素晴らしい本です。

Futsugou

まず、最初に感じたことは、この映画が一人の人間が、地球温暖化による気候変動という人類全体の運命を左右する大問題に、全人生を賭けて取り組む姿を真正面から表現しているということです。地球温暖化については、その甚大な影響が明らかになるにつれ、多くの科学者、政治家、NGO、企業から多くの市民が解決のために取り組んできました。それらの人々の代表としてこの一人の政治家アル・ゴアが、この優れたドキュメンタリー映画に出演している様な気がしました。よって、地球温暖化という「不都合な真実」をすでに知っている多くの人々は、私を含め、この映画をみてとても感動し、勇気づけられたと思います。

地球温暖化は、米国の一部の政治家や企業にとって「不都合な真実」だったかもしれませんが、多くの人々がそれを乗り越えて「立ち向かうべき真実」として、解決に向けて着実に歩むことが重要だと思います。この映画は、地球温暖化をより効果的にプレゼンテーションする方法を示しているとも言われますが、それ以上に人間が困難に立ち向かい、より良い社会に変えることが、いかに尊いものであるかを教えてくれたと思います。学生時代から地球環境問題に取り組み、京都議定書などの国際舞台でも活躍し、大統領になる寸前まで上り詰めた政治活動、その後、1000回以上のスライド講演を地道に続ける、その粘り強さは本当に脱帽です。その活動を支える動機は、家族愛に根ざした人類全体への強い思いなのかもしれませんが、その思いが映画の全編に渡って伝わって来ます。

今年は、地球温暖化にともなう気候変動が例年にも増して大きくクローズアップされ、社会や経済が大きく動く年になりそうな予感がします。その動きを正しく捉え、正しい方向に進む仕組みを皆で整える必要があります。人間は、過去、多くの間違いを犯してきましたが、この地球温暖化への対応で間違えを犯すことは、人類の文明を滅亡へ導くものであるということが、この映画の中でも言われていたと思います。だからこそ、これは全ての人間にとって避けることのできない「モラル」の問題なのではないでしょうか。

「自分にできることから」という言葉がありますが、その際の動機の強さや目標によって、この「できること」の内容や範囲が明確に変わって来ると思います。「真実」を正確に理解することと、強い動機で「明確な目標」を持つことが重要だと、強く実感できた映画でした。

12:19 午前 環境 |

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受信: 2007/01/30 8:13:55

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受信: 2007/02/04 9:54:19

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受信: 2007/03/26 12:00:58

コメント

初めまして。
TB機能は本来と違う使われ方をしているのかもしれませんが、
普段は知り得ない、意外な人との出会いをもたらしてくれることが楽しいです。

この作品は次代を担う若い世代に特に見て貰いたいと思い、
息子の通う学校長(中高一貫校)宛に推薦のメールを送付したのですが
(PTAの会合ではいつも”気軽にメールを”と仰っているので)、
どう受け取られたかは現時点ではわかりません。
日本テトラパックがエコサンデーと称して協賛しておりますが、
学校の団体見学にも協力していただけたらもっと良いのに、と思います。
或いはDVD化のあかつきには、文科省が全国の学校に配布するとか(笑)。
環境教育って、エネルギー資源の乏しい日本では特に重要ですよね。

素朴な疑問として、全ての家屋・集合住宅の屋根に太陽電池パネルを
設置することはできないのでしょうか?
それで使用電力の一部を賄えば、化石燃料の節約になると思うのですが
(設置コストの問題があるのでしょうか?確か助成も行われているのですよね)。
太陽電池パネル瓦なんて出来たら面白いのに。

投稿: はなこ | 2007/01/30 8:32:14

映画「不都合な真実」や、元東北大学総長の西澤氏と欧米でも活躍されてる工学博士の共著による出版物を紹介している環境問題をテーマにしたページを公開してます。是非閲覧に来てください。

投稿: アスパラント | 2007/03/29 18:57:10

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