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2007年2月 3日 (土)

地球温暖化の真実を知るために

真実は、人知を超える事があります。地球温暖化は正に人知を超えた真実であることが明白になり、そこに多くの科学者がその解明に取り組んでいる事実があります。

昨日(2月2日)、世界中の科学者が総力を上げてまとめた地球温暖化に伴う気候変動に関する最新の報告書の一部がIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から発表されました。今回発表された報告書は、第1作業部会(WG1)が気候変動についての自然科学的な根拠をくわしく評価したものです。本文は近日中に公表されるはずですが、その概要がSPM(政策決定者向けの概要)として発表されています。今後、順次、第2作業部会(WG2)の社会経済・自然システムの脆弱性や影響、適応策などが4月に発表され、第3作業部会(WG3)の温室効果ガス削減などの緩和策が5月に発表されます。そして今年中には全体の総合報告書が発表されることになります。

[IPCC 第4次評価報告書WG1の政策決定者向け概要(英語)]
http://www.ipcc.ch/SPM2feb07.pdf

[IPCC 第4次評価報告書WG1の政策決定者向け概要(気象庁暫定訳)]
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1.pdf

早速、環境省、気象庁および経済産業省のホームページで、この概要についての速報が公開されています。環境省のページでは、この評価報告書の作成に実際に携わっている研究者などからの緊急メッセージという形をとっており、多くの人々に読んで欲しい内容です。一方、気象庁と経済産業省のページには、この報告書の概要が詳しく紹介されており、IPCCのこれまでの取組についてもわかり易くまとめられています。

[環境省:IPCC第4次評価報告書について]
気候の安定化に向けて直ちに行動を!
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message.html

[気象庁:IPCC 第4次評価報告書 第1作業部会報告書の公表について]
http://www.jma.go.jp/jma/press/0702/02b/ipcc_wg1.html

[経済産業省: IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書の公表について]
http://www.meti.go.jp/press/20070202009/20070202009.html

IPCCは、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により1998年に設立され、1990年の第1次評価報告から一貫して人類の活動による気候変動とその影響及び緩和策について、科学的、技術的、社会経済的な見地から評価をまとめ上げてきました。前回2001年の第3次評価報告書は、近年、多くの文献や発表で引用され、目にする機会が多いものでした。そこで述べられていた気候変動の状況が最近の観測データにより、より明白になり、6つのシナリオに基づく詳細なシミュレーションにより、今世紀末までの地球温暖化による気候変動の予測が行われています。6つのシナリオは以下のとおりです。

  • A1FI「高成長社会シナリオ」化石エネルギー源重視
  • A1T「高成長社会シナリオ」非化石エネルギー源重視
  • A1B「高成長社会シナリオ」各エネルギー源のバランスを重視
  • A2「多元化社会シナリオ」
  • B1「持続可能な発展型社会シナリオ」
  • B2「地域共存型社会シナリオ」

これら、いずれのシナリオにおいても2030年までは10年あたり0.2℃の温度上昇が続きますが、今世紀末までの温度上昇には大きな違いがあります。もっとも温度上昇が大きいA1FI(化石エネルギー源重視する高成長社会シナリオ)では、約4.0℃(2.4~6.4℃)と予測されています。一方、B1(持続可能な発展型社会シナリオ)では、約1.8℃(1.1~2.9℃)と予測されており、現在、究極的な目標値と言われている"+2℃"をかろうじて達成することができます。

これ以外の、概要(SPM)の主な内容は以下のとおりです。

  • 地球温暖化が起こっていることを断定し、原因が人為的な温室効果ガスであることをほぼ断定
  • 20世紀後半の北半球の気温は、過去1300年間の内で最も高温で、最近の12年のうち11年の平均気温は1850年以降で最も温暖な12年に入る
  • 過去100年に、世界の平均気温は0.74℃上昇し、上昇速度は加速している。
  • 海面の水位上昇のデータと予測を提示
  • 熱帯低気圧の強度が強まる予測
  • 積雪面積の縮小、極域の海氷の縮小、北極海の海氷が21世紀後半までに消滅する予測
  • 海洋の酸性化の進展し、海洋や陸地へのCO2の吸収が減少し、大気中のCO2の増加が加速

今年は、このIPCCの第4次評価報告書の発表が続きますので、引き続き注目して行きたいと思います。以前の記事でも書きましたが、今年はまさに地球温暖化とそれに伴う気候変動の「真実」が多くの人々にとって明白になり、具体的な行動を起こす年になると確信しています。

[参考情報]

[地球温暖化解説ページ(国立環境研究所)]
http://www.nies.go.jp/escience/ondanka/ondanka01/index.html

[地球・人間環境フォーラムGEF IPCC関連ホームページ]
http://www.gef.or.jp/ipcc/

[国立環境研究所 地球温暖化研究プログラム]
http://www-cger.nies.go.jp/climate/

05:48 午後 環境 |

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» 日本の科学者よりのメッセージの形でIPCCの紹介が トラックバック 温暖化いろいろ
 珍しいことに、日本政府関係の科学者からも反応が出ているようです。うーむ、なかなかの力作・・・っていうか、こりゃメッセージの形を借りた、IPCC第4次報告書WG1-SPM(pdf形式はこちら)の簡略な日本語要約じゃないでしょうか? 環境省のHPより 気候の安定化に向けて直ちに行動を! ―科学者からの国民への緊急メッセージ― http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message.pdf ということで、檄文になっているかは分かりませんが、以下、全文転載しておきます... [続きを読む]

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朝日新聞2月3日1面 今世紀末4℃上昇も 環境型社会実現でも1.8℃ 温暖化「人の活動要因」 IPCC 地球温暖化の科学的根拠を審議する「地球変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会」会合が1日、パリで開かれ、第4次評価報告書を承認した。報告書では、温暖化は確実に進み、人間活動によ温室効果ガス排出が原因の可能性がかなり高いことを確認。 21世紀末には、循環型社会を実現しても約1.8度、化石燃料に依存した高度経済成長した場合だと4度と、幅はあるが気温上昇は避けら... [続きを読む]

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 昨日の話ですがIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書第一作業部会報告書(AR4 WGI)が発表されました。6年ぶりの新知見のまとめということで、いや、昨日は他にも東京大気汚染訴訟で国が和解に応じる動きを見せたり、2015省エネ基準の最終報告がまとまったりとかとっても大きなネタがあったんですが、吹き飛ばされちゃいましたね。  んで、早速政策決定者向け要約(Summary for Policy Makers)*を読んでみました。�... [続きを読む]

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