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2007年6月 8日 (金)

行動をしないリスクを考える

身近な危険や環境悪化には人はすぐに取り組むが、将来の地球温暖化や気候変動に対しては中々行動できないと言われて来ましたが、事態は次第に変わって来たようです。人は身近な問題では、いわゆる対策をするためのコスト(費用)に対して、行動(対策)をしない場合のコストやリスク("Cost of Inaction")が大きくなり、嫌でも優先順位を上げて行動をすることになります。地球温暖化や気候変動の問題でもこれまでご紹介してきた国際的な動きIPCCの第4次評価報告書などにより、行動のための優先順位が高くなりつつある様な気がします。

そんな中、最近の国際的な地球温暖化(気候変動)に関する動きについて良くまとめられている報告書が中央環境審議会から出ました。今後、私達が避けては通れない「気候安全保障(Climate Security)」という新しい概念について提唱しています。「安全保障」は、個人、企業、国そして国際社会が直面する破滅的なリスクを事前に回避するための枠組みですので、国の政策や経済における優先順位を考える上で、非常に重要な考え方です。

[EICネット記事]
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16635&oversea=0

[環境省:報道発表資料]
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8447

[気候安全保障(Climate Security)に関する報告]
http://www.env.go.jp/earth/report/h19-01/index.html

この報告書の中でも、"Cost of Inaction"という言葉が出てきますが、気候変動ではまさにこの認識が重要なようです。ちなみに昨年10月に発表されたスターンレビューでは、この行動をしないコスト(リスク)をGDPの5%~20%と見積もっています。これに対して、行動のためのコスト(費用)"Cost of action"は平均でGDPの1%というものでした。IPCCの第4次評価報告でも"Cost of Inaction"は世界のGDPの3%程度という分析結果が報告されています。

現在、ドイツで開催されているサミットでは、気候変動が大きなテーマとして取り上げられ、世界中がポスト京都議定書の枠組みがどうなるか注目していますが、これは2005年から始まったG8の気候変動プロセスの一環です。このプロセスの中には、G8だけではなく、中国やインドを含む主要20ヶ国(G20)の「対話」が含まれており、来年の日本でのサミットで最終的な成果が報告されることになっています。ちなみに、G8が排出するCO2は、2003年度で世界全体の45%で、G20まで入れると78%になり、その成果が2012年以降のポスト京都議定書に生かされれば、非常に大きな力となるはずです。果たして日本の提案する「2050年までに温室効果ガス排出量を半分以下」という提言は、いつから実現に向けて動き出すのでしょうか。

今年は、個人、企業、国そして国際社会にとって「気候変動」がより身近になり、「安全保障」の観点からでも世界中でその優先順位が上がり、具体的な行動を開始した年と位置づけられることを期待しています。

10:42 午後 環境 |

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