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2007年7月28日 (土)

サステイナブルなニュース 第11号

関東地方の梅雨明けがはっきりしないまま暑い夏がやって来ました。欧州では記録的な熱波や豪雨が襲っているそうです。気候変動の影響が世界経済に与える影響は、予測よりも早い時期に明確になるかもしれませんが、その前に動き出した国や企業も多くあります。その様な動きもしっかり追って行きたいと思います。すでにブログの記事で取り上げた内容もありますが、今週のニュースをお送りします。

****************** サステイナブルなニュース 第11号 *******************

世界全体の再生可能エネルギーへの投資額は1000億ドル超

世界全体で持続可能な自然エネルギー(再生可能エネルギー)に投資された金額は、2006年に1000億ドル(約12兆円)を超えたというレポートが国連環境計画(UNEP)から発表された。これらの投資の中には企業買収(M&A)も含まれるが、直接的な投資だけでも700億ドルを超え、投資対象として風力発電が最も多く4割を占めている。バイオ燃料も26%を占め、太陽光発電の16%をすでに超えている。2005年から2006年の投資額の伸び率は40%を超えており、国別ではEUと米国の市場で全体の7割を占めているが、中国市場も9%を占めており、急速に伸びている。再生可能エネルギーは、技術開発の対象に留まらず、いまや環境と経済を両立させる為に欠かせない存在となり、最先端の投資対象となっている。

UNEP(国連環境計画)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=512&ArticleID=5616&l=en

ブログ記事:世界中で変わり始めたエネルギーの中身
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/06/post_91e4.html
 
つながりが希薄化し生活満足度が低下、国民生活白書

6月に発表された「国民生活白書」は、昭和31年(1956年)以来50回目の発行となり、毎年、国民生活の背景にある重要課題を取り上げているが、今年は「家族・地域・職場のつながり」をテーマとしている。国民生活に関する調査によると、生活全般に対する満足度が低下する一方、「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める傾向が強くなっている。つながりと生活満足度の関係を見ると、家族、地域、職場の人とのつながりがある人ほど、精神的なやすらぎを得られる確率が高いが、実際は、家族や地域のきずなの希薄化や職場などでの人間関係が難しくなり、ある程度の距離を置いた付き合いを人々が望むようになっている。ワーク・ライフ・バランスの推進やきっかけの場を増やすなどにより、この「つながり」の再構築が必要となっているとしている。

平成19年版「第50回国民生活白書」:
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/10_pdf/01_honpen/index.html

ブログ記事:今年も白書いろいろ
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/07/post_de1d.html

中国の二酸化炭素の排出量が世界一に、2006年推計

オランダの環境評価機関(MNP)は、地球温暖化の主要な原因となっている二酸化炭素の排出量について、2006年の推計データとして中国が米国を抜き世界第1位なったと発表した。2005年の段階では、中国の排出量(19%)は米国(21%)に次いで第2位だったが、近年の急速な経済発展により予想よりも早いペースで排出量が増加した結果、世界全体の排出量の20%を超えた。中国の排出量は1年間に9%増加する一方、米国は1.4%の減少となっており、世界全体では中国の影響を受け2.6%の増加となっている。1990年と比較すると、世界の排出量は35%増加しているが、世界の工場と呼ばれる中国の排出量は2.5倍に達している。世界の増加分の半分近くは中国の増加分が占めており、地球温暖化対策においては中国の参加が不可欠となっている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070622_180115.html
オランダ環境評価機関(MNP)プレスリリース(英語)
http://www.mnp.nl/en/service/pressreleases/2007/20070619Chinanowno1inCO2emissionsUSAinsecondposition.html

ブログ記事:カーボンのお値段はいくら?
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/07/post_9576.html

08:56 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月21日 (土)

サステイナブルなニュース 第10号

このニュースも今回で10号となりました。今回のニュースは、すでにこれまでの記事の中で紹介しているものもありますが、何度でもお伝えしたいものばかりです。最後のドイツの太陽光発電のニュースが発表された直後に、ちょうどNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、「なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか」という本の無料配布が始まったのは、皮肉なものです。日本の技術者のこれまでの努力に敬意を払いつつ、それを十分に活かせない日本の再生可能エネルギー政策がもっと力強いものになる様に願わずにはいられません。

[NEDO:「なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか」]
http://www.nedo.go.jp/informations/other/190619_1/190619_1.html

************** サステイナブルなニュース 第10号 *****************

気候安全保障(Climate Security)に関する報告書が公表される

最近、英国を中心に地球温暖化に伴う気候変動を広い意味での安全保障の問題として認識し、「気候安全保障(Climate Security)」として取り上げる姿勢が国際社会で示されている。これらの動きを受けて政府の中央環境審議会「気候変動に関する専門委員会」において検討が行われ、その報告書が6月に公表された。国内での低炭素社会構築に向けた政策を確実に遂行し、国際的な交渉を促進させるためにも「気候安全保障」という概念を位置づけ、効果的に用いることが提言されている。昨年10月のスターンレビューや2月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書の発表などを受けて、本年4月には国連安全保障理事会でも初めて「気候変動」についての公開討論が行われた。

環境省報道発表「気候安全保障(Climate Security)に関する報告」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8447

アジア地域の省エネルギーを支援するためのセンターを開設

(財)省エネルギーセンターでは、経済産業省の支援により「アジア省エネルギー協力センター(AEEC)」を6月に開設した。このセンターは、アジア各国間における省エネルギーのネットワーク形成のハブとなることを目指し、情報の収集や提供を行うとともに、日本の省エネルギーの政策、各種制度、それらの運用方法、さらに優秀事例などの情報の発信を行う予定。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)やJETRO、JICAおよびJBIC(国際協力銀行)などの協力得て、アジア各国からの問い合わせに対応するなど、省エネ支援のワンストップサービスの機能を目指している。今年1月に開催された第2回東アジア首脳会議において日本から提言された「日本のエネルギー協力イニシアチブ」の中で設置が決まった。

省エネルギーセンター・プレスリリース「アジア省エネルギー協力センター開設」
http://www.eccj.or.jp/pressrelease/070618.html

ドイツの太陽光発電設備の導入が大幅に進み、日本は伸び悩み

2006年のドイツにおける太陽光発電設備の年間導入容量が110万kWに達し、2006年末の累積容量で300万kWを越えていたことがわかった。日本は、2004年までは太陽光発電の設備容量が世界一だったが、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を促進する政策の弱さなどから導入量が伸び悩み、2006年末で170万kW程度に留まっている。ドイツでは2004年から施行された再生可能エネルギー法により、固定価格買取制度が導入され、太陽光発電の場合、20年間という長期に渡り日本の3倍から7倍の価格で発電した電気の買取が保障される。このため、急速に太陽光発電設備への投資が進む一方、太陽電池パネルの供給が世界的に逼迫する事態にもなっている。なお、生産量では日本メーカが高いシェア(50%以上)を保っているが、欧州企業も急速にシェアを伸ばしている。

EU太陽光発電統計(英語):“Photovoltaic Energy Barometer”, April, 2007
http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/observ/baro178.pdf
エネルギー白書2007:「国内エネルギー動向」p.203
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007/index.htm
太陽光発電協会:「太陽電池 総出荷統計」
http://www.jpea.gr.jp/6/6-1.htm

08:43 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月14日 (土)

サステイナブルなニュース 第9号

7月としては、戦後最大の台風4号が日本列島を縦断しています。大型の台風が増加すると言われている地球温暖化による影響の表れなのでしょうか。先週は不都合な真実のDVDも発売され、再びあの映像を見た後だけに、益々その感を強くします。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は、すでにドイツサミットも終わり、発表から1ヶ月近く経過した「21世紀環境立国戦略」の記事です。その他、今回は地球温暖化に関する記事ばかりになっていますが、保険の世界でも気候変動による災害の増加が懸念されています。

**************** サステイナブルなニュース 第9号 *****************

「21世紀環境立国戦略」が策定される

今年3月に安部首相により表明された「21世紀環境立国戦略」が、政府の審議会での集中的な検討を経て6月1日に閣議決定された。地球温暖化問題に対応した低炭素社会や循環型社会、そして自然共生社会づくりを進めることにより持続可能な社会を目指す。戦略的な取組としては、自然共生の知恵や伝統、環境・エネルギー技術、公害克服の経験といった強みを「日本モデル」とし、経済成長や地域活性化の原動力として、アジアや世界へ発信する。さらに、今後、数年で重点的に着手すべき8つの戦略を提示しており、気候変動問題の克服に向けた国際的リーダシップを始め、生物多様性の保全や3Rによる持続可能な資源循環なども提示している。さらに横断的な戦略として環境を軸とした国際貢献、経済成長、地域づくり、人づくり、仕組みづくりまで踏み込んでいる。

報道発表「21世紀環境立国戦略」の閣議決定について(環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8434
「21世紀環境立国戦略」のページ(環境省)
http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/index.html

持続可能な社会実現へ、世界の保険業界の取組を報告

アジアからは唯一、東京海上日動火災保険が参加している国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の保険ワーキンググループ(IWG)から世界の保険業界の取組についての報告書が発行された。IWGでは、世界の主要な保険会社が「持続可能な社会と保険」について調査・研究を行っており、「保険が社会の持続可能な発展に貢献する役割」についてまとめている。具体的には、保険は「人々(People)」「地球(惑星Planet)」「利益(Profit)」の3つの要素に貢献するものとして、持続可能性に関わる世界規模の9つの事象(気候変動、発展途上地域への保険提供、退職後の収入、健康、人間が作り出すリスク、環境責任、天然資源、リサイクル、内部効率)に対する各社の取組や事例を取り上げている。

東京海上日動火災保険(株)プレスリリース「UNEP FI IWG報告書発行」
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/20070601.pdf
「UNEP FI IWG報告書(英語)」
http://www.unepfi.org/work_streams/insurance/index.html

「地球温暖化」に関心のある人は全体の9割以上、生活者の意識調査

博報堂が2004年度から毎年実施している「環境に関する生活者の意識調査」の分析結果が今年もまとまり、この一年間で、生活者の環境問題に対する関心度が大きく向上し、環境に対する行動姿勢も積極的になっていることがわかった。特に「地球温暖化」に関心を持つ人は、全体の9割以上の92.9%に達し、昨年の81.3%から大きく伸びた。関心の高さは具体的な行動にも現れており、「電気などをこまめに消す」「エアコンの温度設定を弱めにする」といった省エネ行動は9割近くに達し、生活にほぼ定着している。最近話題になっているレジ袋についても「買物袋を持参する」人が昨年と比べて1割以上も増え、女性においては半数を超え、さらに「環境への取組が進んでいる企業の商品を買う」人も増えて、生活者が実際に行動で応え始めている動きがみられる。

博報堂プレスリリース「環境に関する生活者の意識調査2007」
http://www.hakuhodo.co.jp/news/directNews.html?2007&20070606_0

11:11 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月12日 (木)

永続地帯を見つけよう

地域の環境エネルギー政策に関する研究として比較的新しい「永続地帯」という指標への取組みをご紹介します。私も参加した研究会での2006年度の成果として日本国内の市町村ごとの再生可能な自然エネルギーによる「エネルギー自給率」について試算し、その結果に基づく幾つかの政策提言を行っています。

地域のサステイナビリティ(持続可能性)を評価する指標として、「永続地帯」という考え方があります。これはエネルギーや食料の自給状況を指標化してその地域の発展や政策評価につなげようという新しい試みで、千葉大学の倉阪先生(環境経済学)が提唱しています。

永続地帯のうち「エネルギー永続地帯」について、ISEP(環境エネルギー政策研究所)と千葉大学の公共研究センターとの共同研究として、7月9日に以下のプレスリリースを行いました。

詳しい内容は、次の「永続地帯」のwebサイトをご覧ください。
http://sustainable-zone.org/

プレスリリース:「エネルギー永続地帯」試算結果の公表について

千葉大学公共研究センターとNPO法人環境エネルギー政策研究所は、共同で、エネルギー永続地帯の試算結果を公表しました。この試算は、日本の全市区町村について、区域での再生可能な自然エネルギーによる電力供給によって、区域の民生用電力需要を、計算上どの程度賄うことができるかを推計したものです。この結果、以下のような事項が明らかになりました。

(1) 小水力発電が日本の再生可能な自然エネルギー電力の約6割を占める 日本全体の再生可能な自然エネルギーによる電力供給量では、小水力が最も大きく、自然エネルギー供給量の59.8%を占めていることがわかりました。以下、地熱(18.1%)、風力(12.4%)、太陽光(6.0%)、バイオマス(3.7%)の順となっています。このような再生可能な自然エネルギー起源の電力供給は、日本の民生用電力需要量の3.35%にとどまっています。

Eizokufig1

(2) 4県で再生可能な自然エネルギーによって民生用電力需要の2割以上を賄っている都道府県別では、大分県(30.8%:地熱+小水力)、秋田県(26.3%:地熱+小水力+風力)、富山県(23.4%:小水力)、岩手県(20.2%:地熱+小水力+風力)が、各都道府県内の民生用電力需要の20%以上を再生可能な自然エネルギーによって供給していることがわかりました。

Eizokufig2

(3) 76の市町村が自然エネルギーのみで域内の民生用電力需要を満たしている市区町村別では、76の市区町村が再生可能な自然エネルギーのみで域内の民生用電力需要を満たしていることがわかりました。

以上の試算結果から、以下の5点を政策提言としています。

(1) 日本に適した自然エネルギーの種別として、小水力発電にもっと注目すべき。
(2) 地方自治体におけるエネルギー政策を立ち上げるべき。
(3) 国はエネルギー特別会計の一部を地方自治体の自然エネルギー普及に振り向けるべき。
(4) エネルギー需要密度が大きい都市自治体においては、自然エネルギー証書の購入などの形で、自然エネルギーの普及拡大に寄与すべき。
(5) 自然エネルギー発電の基礎データが統計情報として定期的に公表されるようにすべき。

プレスリリース資料本体、都道府県ランキング、市町村ランキングなどの詳細
情報は、 http://sustainable-zone.org/ をご覧下さい。

05:34 午後 環境 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2007年7月10日 (火)

サステイナブルなニュース 第8号

今週のニュースは、約1ヶ月前に発表された東京都の地球温暖化対策からです。三菱重工は米国から100万kWを超える風力発電設備を受注しました。欧州などと比べ温暖化対策では動きの鈍い日本国内ですが、一部では大きな動きが始まっています。

************** サステイナブルなニュース 第8号 *******************

東京都が国に先駆けて地球温暖化対策を具体的に策定

東京都は昨年12月に発表した「10年後の東京」の実現にむけた取組みのひとつとして、より具体的な地球温暖化対策に関する方針を策定し、発表した。まずは企業のCO2排出削減を協力に推進する仕組みつくりで、CO2を多く排出する大企業に対する削減義務と排出量取引制度の導入、さらに金融機関による環境投融資の拡大や実績の公開が含まれている。家庭においては「白熱球一掃作戦」や太陽光発電の普及促進、都市づくりにおいては建物の省エネ性能の義務化や都の施設への全面適用をルール化する。さらにハイブリッド車の大量普及やCO2を減らすことのできる自動車燃料の導入や「エコドライブ運動」の仕組みを構築する。特に中小企業と家庭の省エネ努力を支援する制度を構築し、都独自の「省エネルギー促進税制」の導入も検討するとしている。

報道発表資料:「東京都気候変動対策方針」の策定について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/06/70h61200.htm
東京都ホームページ「10年後の東京」:
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/10years_after/index.htm

三菱重工が国内の設備容量に匹敵する風力発電設備を米国より受注

三菱重工は、米国の複数の大手風力発電会社より過去最大の規模で風力発電設備を受注した。受注した発電設備の総容量は、日本国内で稼動する全ての風力発電設備容量149万kW(2006年末)に匹敵し、788基(136万kW)に達する。内訳は普及型の出力1000kW風車が377基と、現在最も大型の最新機種2400kW風車が411基となっている。風力発電は欧州や米国中心に急速に普及が進んでおり、米国は2006年末でドイツに次ぐ世界2位の累積導入量1163万kWとなっている(日本は13位)。2006年の新規導入量では245万kWと世界1位となっており、米国内の風力発電機市場は活況を呈している。三菱重工は国内メーカで唯一、国際風力発電機市場の中で一定の地位を占めており、今後さらなる事業拡大を進める方針。

三菱重工プレスリリース:
http://www.mhi-ir.jp/news/sec1/200705304591.html
技術解説「風力発電って何だろう」:
http://www1.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/egy/ey04/index.html

日産自動車、全従業員を対象に国際NGOと連携した環境教育を実施

日産自動車は、従業員の環境に対する基礎知識を啓発するため、国際NGOナチュラル・ステップと協働して「日産環境eラーニング」を開発し、6月より本格運用を開始する。昨年発表した「ニッサン・グリーンプログラム2010」の中で「従業員の環境マインド向上」を目標として掲げ、体系的な環境教育の拡充を行っており、今後グローバルに全従業員の受講を進める。基礎的な環境教育プログラムとして、会社の掲げる「3つの重要課題」(CO2排出量の削減、エミッションのクリーン化、資源循環)の背景となる地球環境問題や、それに対する取組みを学習する。ナチュラル・ステップは、スウェーデンで発足し、持続可能な社会の実現のための指針を科学的根拠に基づいて提供しており、世界11カ国に支部がある。

日産自動車プレスリリース:
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2007/_STORY/070528-01-j.html
ナチュラル・ステップ日本支部:
http://www.tnsij.org/

01:52 午前 環境 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年7月 8日 (日)

今年も白書いろいろ

毎年、各省庁から発表される「白書」には、各省庁が取り組んでいる様々な分野の情報が満載されていて、網羅的にその分野の現状を調べるには格好の情報源となっています。6月から7月にかけては、ちょうど前年度の統計情報や取組みの実績がある程度まとまって、この「白書」が発表される時期ですので、ここで日本の持続可能性に関係する白書をいくつかご紹介してみたいと思います。なお、この記事は、私も執筆している「環境info」というサイトにも掲載しておりますので、そちらのサイトも是非、覗いてみてください。

[環境info] http://www.kankyo-info.net/
 
まず最初に、環境省から発表されている「白書」の代表格が「環境白書」です。今年は、前年まで別々になっていた「循環型社会白書」と一緒になり、「環境・循環型社会白書」というとても分厚い白書となりました。今年のテーマは、「進行する地球温暖化と対策技術」、「我が国の循環型社会づくりを支える技術―3R・廃棄物処理技術の発展と変遷―」です。地球温暖化については、現状の紹介とその影響、対策技術の紹介に加えて制度や行動を伴った低炭素社会の構築について述べられています。3R・廃棄物処理の分野では、国内の優れた技術を紹介するというスタンスでこれまでの発展とこれからの国際貢献について述べられています。

[環境・循環型社会白書] http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/
H19

農林水産省からは、興味深い白書が3種類発行されています。「食料・農業・農村白書」「森林・林業白書」そして「水産白書」です。いずれも日本の重要な第一次産業を支える取組みが述べられています。今年の食料・農業関連のトピックスは、「食料自給率」「担い手への施策」「バイオマス利用と地球環境」「農村地域の活性化」などです。特に食料自給率については、近年40%で横ばいの状況が続いていて、農業や農村の活性化と合わせて根本的な対応が求められています。森林については、「美しい森林づくり」の推進、温暖化対策のための森林吸収源対策などがトピックスとして取り上げられており、林業・木材産業との関係やバイオマス資源としての扱いが重要になっています。水産については、特集として「我が国の魚食文化を守るために」と題して世界の中での日本の位置づけと課題について述べています。

[農林水産省:白書情報] http://www.maff.go.jp/j/wpaper/index.html

内閣府からは、普段あまり目にしない興味深い白書がたくさん発表されています。「防災白書」では、災害リスクの認識を高め、被害を軽減するための現状と取組みが紹介されています。「青少年白書」では、少子化が進む中で将来の日本を担う青少年の健康、安全、教育の現状を紹介し、「社会的自立」について特集しています。関連して、「少子化社会白書」も発表されており、国内の現状と「子どもの成長に応じた子育て支援策」、「働き方の改革」、「社会全体の意識改革」について述べられています。さらに「高齢社会白書」「障害者白書」「男女共同参画白書」「国民生活白書」も発表されており、関連するテーマを扱っていると考えることができます。「国民生活白書」の中では、「仕事そのものを生かしたつながり」ということで、私自身も活動している環境プランナーという民間資格のメンバー同士のネットワークなどが紹介されています。少し変わったテーマとして「食育白書」があり、「食」に対する意識について問題提起していますが、いずれも持続可能な社会を考える上で重要なテーマです。

[内閣府:白書、年次報告等] http://www.cao.go.jp/whitepaper.html
[防災白書] http://www.bousai.go.jp/hakusho/hakusho.html
[青少年白書] http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hakusho.html
[少子化社会白書] http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html
[高齢社会白書] http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
[障害者白書] http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/index-w.html
[男女共同参画白書] http://www.gender.go.jp/whitepaper-index.html
[国民生活白書] http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
[食育白書] http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/index.html

最後に、「エネルギー白書」ですが、今年の最新版が資源エネルギー庁のホームページで発表されています。地球温暖化問題とも密接に関連しているエネルギー問題ですが、今年のポイントとしては、石油ショック以来の日本の省エネなどへの取組みをレビューするとともに、国際エネルギー市場の動向や地球温暖化問題を巡る動きを詳細に調査分析しています。さらに、これらの動向を踏まえてエネルギーに関する課題の解決に向けた戦略を提示しています。エネルギーは食料と並んで経済や社会を支える根幹であり、地球温暖化問題とも絡んで、安全保障上も非常に重要な問題です。日本のエネルギー自給率は純粋な自然エネルギーでは4%程度しかなく、純国産エネルギーと言われている原子力を加えても20%程度しかありません。多くの人がこの現実を認識する必要があると思います。欧州を中心に再生可能な自然エネルギーへの取組みが積極的に行われており、中国や米国にもその動きが広がっています。日本においても、省エネルギーと合わせて、これからのエネルギー政策について活発な議論と取組みが行われる必要があります。また、原子力についても現在の状況を十分に知っておく必要がありますので、あえて白書を2つ紹介しておきます。

[エネルギー白書] http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm
[原子力白書] http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/index.htm
[原子力安全白書] http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo_kensaku.htm

02:38 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月 2日 (月)

サステイナブルなニュース 第7号

今週ご紹介するグリーン電力やCDP(カーボン・ディスクロージャ・プロジェクト)も、地球温暖化への対応として注目されています。私たち自身の生活の持続可能性を考えるワーク・ライフ・バランスについても取り上げてみました。

************** サステイナブルなニュース 第7号 *************************

国内最大規模のグリーン電力を使用するソニー

太陽光や風力などの自然エネルギーにより発電した環境価値のある電力を企業活動に積極的に利用する動きが広がっている。ソニーは、地熱発電による年間1000万kWh以上のグリーン電力を購入する契約を「グリーン電力証書システム」を提供している日本自然エネルギー(株)と締結し、すでに契約している風力発電による550万kWhと合わせて、国内の施設で利用する。ソニーは、6年前にこのシステムを電力会社などと共同で開発し、利用量を着実に増やして来た。東京銀座のソニービルでは、約75%の電力がこのグリーン電力でまかなわれることになる。ソニーは、WWFの「クライメート・セイバーズ・プログラム」に参加し、2010年までに温室効果ガスの排出量を2000年比7%削減する目標を掲げている。

ソニー(株)プレスリリース:
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200705/07-051/index.html
WWF「クライメート・セイバーズ・プログラム」:
http://www.wwf.or.jp/activity/climate/clmt-svrs/index.htm

企業は財務と同様に「炭素情報開示」も重視すべき

ニューヨークで開催された国連のCSD(持続可能な開発委員会)に出席したイギリスのピアソン気候変動担当大臣は、米企業との会合の中で、「気候変動のリスクに対する対策を講じるために、企業は財務情報開示と共に炭素情報開示も重視すべき」と提言した。この「炭素情報開示」は、多くの国際的な金融機関や保険会社が参加する非営利団体「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」において国際統一基準の作成が行われている。CDPは2002年から世界の主要上場企業に対して年に1度、温室効果ガスの排出量や排出対策について情報開示を求める質問状を送付して、情報の収集を行い、レポートを発行している。

イギリスDEFRAプレスリリース(英語): http://www.defra.gov.uk/news/2007/070509b.htm
EICネット記事:
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=16203
CDPホームページ: http://www.cdproject.net/
CDP日本語レポート(2006年):
http://www.cdproject.net/download.asp?file=CDP4_Japan_Report.pdf

ワーク・ライフ・バランスと幸福感を分析

内閣府の経済社会総合研究所により、少子化社会におけるワーク・ライフ・バランスと幸福感の関係性について分析を行ったレポートが発表された。この分析は、20~40歳代女性の幸福感として「主観的幸福度」は非金銭的な幸福感、「生活満足度」は金銭面を含んだ幸福感との仮説を立て、配偶関係・就業状態・子育てがどの様に影響を与えているかを分析している。その結果、所得が高いこと、結婚していること、夫の家事育児時間が長いことは、2つの幸福感を共に高めることがわかった。子供数は主観的幸福度にはプラス、生活満足度にはマイナスの影響を与えていることもわかった。

内閣府 経済社会総合研究所レポート:
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis190/e_dis181.html



07:09 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月 1日 (日)

カーボンのお値段はいくら?

先週、中国のCO2排出量が、米国の排出量を超えて世界第一位になったという衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。発表したのは、オランダの環境評価機関(MNP)ということですが、遅かれ早かれこのときが来る事はわかっていたものの、予想外の急速な進展にはとても驚きました。早速、以下のMNPのホームページでデータを確認すると、確かにここ数年で中国のCO2排出量は他の国よりも大きく増加しており、今後もこのまま増え続けることが予想されます(MNPの公表データより作成)。

[オランダ評価機関(MNP)のプレスリリース(英語)] 

[MNPの詳細発表]

Co2

※図:世界のCO2排出量の推移(1990年-2006年) MNP公表データより作成

2005年の段階では、中国の排出量(19%)は米国(21%)に次いで第2位だったが、近年の急速な経済発展により予想よりも早いペースで排出量が増加した結果、2006年には世界全体の排出量の20%を超えている。中国の排出量は1年間に9%増加する一方、米国は1.4%の減少となっており、世界全体では中国の影響を受け2.6%の増加となっている。1990年と比較すると、世界の排出量は35%増加しているが、世界の工場と呼ばれる中国の排出量はなんと2.5倍に達している。つまり世界の増加分の半分近くは中国の増加分が占めていることになる。

ここまで中国のCO2排出量が増えたのは、中国が世界の工場として低コストで大量に製品を作り続けていることも見逃せません。製造された製品は米国や日本などの先進国に輸出されて、安価な製品として大量に販売されています。このことは、最近、身の回りにMade in Chinaが増えたことや、テレビなどのドキュメンタリーで紹介されていることである程度実感もでき、確認はしていませんが輸出統計などでもわかると思います。ここで考えなければいけないのは、これらの製品の価格には、製造時に大量に排出されるCO2(カーボン)の価格はまったく反映されていないということです。もし、これらの製品の価格に適切なカーボンの価格が転化されていれば、こんなに安い値段で製品が輸出されることもなく、生産量もこれほど増えることもなかったと思われます。

以前にもご紹介した持続可能性のための指標エコロジカル・フットプリントでも、このカーボンによる環境負荷の割合が急速に増えており、今は半分がこのカーボンによる環境負荷になっているそうです。これを「カーボン・フットプリント」"Carbon Footprint"と呼んで、注目をしています。

Carbon_footprint

今年5月に発表されたIPCC第4次評価報告書第3作業部会では、緩和策としてカーボンの価格を設定することにより、CO2排出の削減量が大きく変わるという報告をしています。適切なカーボン価格を設定することにより、経済の原理によりCO2削減への投資が進み、CO2の排出量を減らすことが可能になるということです。環境税や排出量取引などの手法もありますし、グリーン電力の様なもっと自主的な民間ベースの取り組みも考えられるでしょう。これからは、このカーボンの値段をもっと意識する時代が来るのではないでしょうか。

10:53 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)