« サステイナブルなニュース 第6号 | トップページ | サステイナブルなニュース 第7号 »

2007年7月 1日 (日)

カーボンのお値段はいくら?

先週、中国のCO2排出量が、米国の排出量を超えて世界第一位になったという衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。発表したのは、オランダの環境評価機関(MNP)ということですが、遅かれ早かれこのときが来る事はわかっていたものの、予想外の急速な進展にはとても驚きました。早速、以下のMNPのホームページでデータを確認すると、確かにここ数年で中国のCO2排出量は他の国よりも大きく増加しており、今後もこのまま増え続けることが予想されます(MNPの公表データより作成)。

[オランダ評価機関(MNP)のプレスリリース(英語)] 

[MNPの詳細発表]

Co2

※図:世界のCO2排出量の推移(1990年-2006年) MNP公表データより作成

2005年の段階では、中国の排出量(19%)は米国(21%)に次いで第2位だったが、近年の急速な経済発展により予想よりも早いペースで排出量が増加した結果、2006年には世界全体の排出量の20%を超えている。中国の排出量は1年間に9%増加する一方、米国は1.4%の減少となっており、世界全体では中国の影響を受け2.6%の増加となっている。1990年と比較すると、世界の排出量は35%増加しているが、世界の工場と呼ばれる中国の排出量はなんと2.5倍に達している。つまり世界の増加分の半分近くは中国の増加分が占めていることになる。

ここまで中国のCO2排出量が増えたのは、中国が世界の工場として低コストで大量に製品を作り続けていることも見逃せません。製造された製品は米国や日本などの先進国に輸出されて、安価な製品として大量に販売されています。このことは、最近、身の回りにMade in Chinaが増えたことや、テレビなどのドキュメンタリーで紹介されていることである程度実感もでき、確認はしていませんが輸出統計などでもわかると思います。ここで考えなければいけないのは、これらの製品の価格には、製造時に大量に排出されるCO2(カーボン)の価格はまったく反映されていないということです。もし、これらの製品の価格に適切なカーボンの価格が転化されていれば、こんなに安い値段で製品が輸出されることもなく、生産量もこれほど増えることもなかったと思われます。

以前にもご紹介した持続可能性のための指標エコロジカル・フットプリントでも、このカーボンによる環境負荷の割合が急速に増えており、今は半分がこのカーボンによる環境負荷になっているそうです。これを「カーボン・フットプリント」"Carbon Footprint"と呼んで、注目をしています。

Carbon_footprint

今年5月に発表されたIPCC第4次評価報告書第3作業部会では、緩和策としてカーボンの価格を設定することにより、CO2排出の削減量が大きく変わるという報告をしています。適切なカーボン価格を設定することにより、経済の原理によりCO2削減への投資が進み、CO2の排出量を減らすことが可能になるということです。環境税や排出量取引などの手法もありますし、グリーン電力の様なもっと自主的な民間ベースの取り組みも考えられるでしょう。これからは、このカーボンの値段をもっと意識する時代が来るのではないでしょうか。

10:53 午前 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107595/15612197

この記事へのトラックバック一覧です: カーボンのお値段はいくら?:

コメント

コメントを書く