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2007年11月18日 (日)

これからの20年間にするべきこと

これからの20年間の地球温暖化への対応が将来の人類の運命を決めることになりそうです。11/17までスペインで開催されていたIPCC総会において統合報告書のサマリー(SPM)が発表されました。この報告書は、今年の2月から各作業部会(WG)から発表されていた評価報告をまとめたもので、今後の地球温暖化による気候変動対策の根拠となるとても重要なものです。そして、この報告書を真摯に受け止め、これからの20年間で地球温暖化への対応を世界規模で着実に行う必要があります。

環境省:[IPCC統合報告書の日本語概要]

地球温暖化への対応としては、温室効果ガス(GHG)の排出量を削減すると共に、気候変動による様々な影響やリスクへの対応を同時に行う必要がありますが、そのためのコストは遅れれば遅れるほど大きくなり、対応が難しくなります。大気中の温室効果ガスの濃度を許容できる範囲に安定化するためには、やはり次の図にあるように排出量を2050年頃までに現在の半分以下にする必要があります(温度上昇を2.8℃以下にするカテゴリIあるいはIIの場合)。そのための経済的なコストや選択すべき技術なども報告書の中で列挙されており、まさにこの20年間に私達がすべきことのヒントが書かれています。
Ar4_syr_spm11

これまで発表された各作業部会の報告については、このブログでも取り上げています。それぞれの詳細なレポート(英語)もすでにIPCCのホームページで公開されていますので、必要に応じて詳しい内容を確認することが可能です。

この統合報告書の最後の方にある「長期的な展望」では、今後長期的に考えられる地球温暖化によるリスクを列挙しています。温暖化に伴う自然界への影響や種の絶滅、異常気象の増大、最貧国など温暖化の影響を真っ先に受ける国々、対応コストの増大、そして急速に進む極地域の氷の減少など、これらの地球温暖化のリスクは日に日に増大しています。これからの20年間は、これらのリスクへの対応も考えながら、温室効果ガスの大幅な排出削減にも取り組むことになります。

統合報告書は、以下の5つの主題(トピックス)から構成されています。

主題1:気候変化とその影響に関する観測結果
    気候システムの温暖化には疑う余地がなく、平均気温の上昇、雪氷の融解、海面水位の上昇が観測されている。地域的な気候変化により、多くの自然生態系が影響を受けている。

主題2:変化の原因
    人間活動により、温室効果ガスの濃度が産業革命以前の水準を大きく超えている。20世紀半ば以降の平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた。

主題3:予測される気候変化とその影響
    世界の温室効果ガス排出量は、現在の政策を継続した場合、今後20~30年間増加し続け、大規模な温暖化がもたらされる。

主題4:適応と緩和のオプション
    脆弱性を低減させるためには、強力な適応策が必要。適切な緩和策の実施により、今後数十年にわたり、温室効果ガスの排出量の伸びを相殺、削減できる。

主題5:長期的な展望
以下の5つの「懸念理由」が第3次評価報告書からますます強まっている。また、適応策と緩和策は、互いに補完しあうことで、気候変動のリスクを低減。既存技術および今後数十年で実用化される技術により温室効果ガス濃度の安定化は可能。今後20~30年間の緩和努力と投資が鍵となる。

  1. 極地や山岳社会・生態系といった、特異で危機にさらされているシステムへのリスク
  2. 干ばつ、熱波、洪水などの極端な気象現象のリスク
  3. 地域的・社会的な弱者に大きな影響と脆弱性が表れる
  4. 地球温暖化の進行に伴い被害が増大し、コストは時間的に増加
  5. 海面水位上昇、氷床の減少加速など、大規模な変動のリスク増大

01:22 午後 環境 |

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