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2007年12月27日 (木)

サステイナブルなニュース 第29号

今年も残り数日となりました。この一年で地球温暖化を取り巻く動きは大きく変化しました。国内での「不都合な真実」の上映に始まり、米国ではブッシュ大統領がようやく地球温暖化を認めましたが、2月にはIPCCの第4次評価報告書の最初のレポートが発表され、国内では国立環境研究所から低炭素社会シナリオが発表されました。その後も、IPCCのレポートが矢継ぎ早に発表される中、6月のドイツサミットに向けて、国内では「21世紀環境立国戦略」が短期間に策定されました。今年の夏には、北極海の氷の面積が史上最小となり、大型の熱帯低気圧や洪水や旱魃などの異常気象が世界各地から報告されています。そして、12月には国連の気候変動に関する国際会議がインドネシアのバリ島で開催され、発展途上国を含む枠組みを作るためのロードマップが策定されました。まさに世界の動きは加速していますが、国内での動きはかなり鈍く、その成果はいまだ目に見える形にはなってはいません。いよいよ来年からは京都議定書の第一約束期間ですが、果たして地球温暖化防止に向けてどのような国内外の動きがあるのでしょうか。

今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、省エネ家電普及に向けた動きや日本経団連の調査結果という軽いお話と、国連の機関による"GEO-4"と呼ばれる人類の危機を警告している非常に重いレポートのご紹介です。

*********** サステイナブルなニュース 第29号 **************

省エネ家電の普及促進を目指しフォーラム設立

家庭での省エネ対策に有効な省エネ家電製品(エアコン、冷蔵庫、照明など)の普及促進を目指すため、家電メーカ、小売事業者および消費者団体などが連携した「省エネ家電普及促進フォーラム」が10月18日に設立された。ポータルサイトを開設すると共に、省エネ家電製品普及キャンペーンの実施、統一省エネラベルや講座実施などの情報提供の充実、家庭の省エネ診断ツールの構築、「省エネコンテスト」の共催などの活動を今後行う。エネルギー消費量が増加傾向にある家庭部門での省エネ対策として、近年、省エネ性能が大きく向上している家電製品の普及が極めて有効としており、政府の「チームマイナス6%」や「めざせ!1人1日1kgCO2削減」などの取組みとも連携する。統一省エネラベルは、昨年10月より小売事業者での表示制度が開始されており、実施の徹底を図り、消費者への情報提供を充実する。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8947
ポータルサイト「ハロー!省エネ家電」:
http://www.shouenekaden.com/

オフィスや家庭での地球温暖化対策をフォローアップ調査

日本経団連では、会員企業に対してオフィスや店舗等におけるエネルギー効率の改善に向けた対策強化や従業員の家庭レベルでの取組みを6月に要請すると共に、そのフォローアップ調査を9月に実施した。会員企業1336社のうち483社から回答があり、オフィスビルにおける省エネ活動でエネルギー消費量等の数値目標を設定している企業は6割に達し、9割以上の企業は冷暖房温度の調整等の省エネ活動を実施している。一方、従業員の家庭において環境家計簿の活用を推奨している企業は16%に留まっており、今後の普及が期待されている。来年からの京都議定書の約束期間を控え、CO2の排出量が30%以上増加(1990年比)している業務部門(オフィスや店舗等)や家庭部門に対して、省エネ活動の推進などが重要になっている。

日本経団連プレスリリース:
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/082.html

国連、地球環境に関する報告書で人類の危機を警告

国連環境計画(UNEP)は、10月に現在の包括的な地球環境の概況を”GEO-4”と呼ばれる報告書として発表した。5年ごとに発表され、今年で4回目のこの報告書では、この20年間の気候変動や生物多様性の損失、人口増加などへの取組みが未だ不十分で、多くの国々で困難に直面しているとし、このままでは人類の生存を脅かしかねないと警告している。人口の増加に伴い人類の地球環境へのダメージ(フットプリント)は1人あたり21.9ha分に達し、地球環境の平均容量である15.7haをすでに大幅に超えていると指摘。報告書は500ページ以上に及び、390名の専門家により、5年間かけて世界中の1000人以上がレビューに参加して作成された。人類全体のこの困難な状況を乗り越えるために、われわれが今どのように行動するかが重要であることを強調している。

国連環境計画プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=519&ArticleID=5688&l=en
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071027_192333.html

09:37 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月16日 (日)

サステイナブルなニュース 第28号

インドネシアのバリ島で開催されていた気候変動に関する国連の国際会議COP13が閉幕しました。この会議で合意された"バリ・ロードマップ”は、2009年までに全ての国が参加するポスト京都の枠組みを創る道筋をとりあえず示しています。しかしながら、IPCCがすでに明らかにしているような気候変動問題の普遍性に対して、国による立場の違いが明確に示され、今後の見通しは必ずしも明るいものではないこともわかりました。特に2大CO2排出国である中国と米国が今後どのように動いていくのか?日本のリーダシップはどこで発揮されるのか?予断は許しませんが、引き続き注目していきたいと思います。

今週のニュースをお送りします。いまだに解決されずむしろ悪化している世界的な貧困の問題、石油の代替として注目され多くの問題が指摘されているバイオ燃料、そして日本の森林に関するニュースなどを取り上げています。

********* サステイナブルなニュース 第28号 ***************

働き甲斐のある人間らしい仕事が世界的に不足、ILOが指標を発表

世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関ILO(国際労働機関)が、9月に主要労働指標(KILM)の最新版(第5版、隔年発行)を発表した。世界の労働市場の20の主要指標を用いて、雇用状況と求職者の特性、教育水準、賃金及び報酬、労働生産性、働く貧困層などについて幅広く分析している。労働生産性がもっとも低いのがサハラ以南アフリカで、就業者当たりの生産性は先進国労働者の12分の1となっており、先進国との生産性格差はさらに拡大している。さらに世界全体で2億人近い失業者と、一日2ドル未満で暮らす貧困労働者(ワーキング・プア)が約13億人いる現状を指摘し、働き甲斐のある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)の必要性を訴えている。

ILO駐日事務所:
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm#47
ILO KILM(英語):
http://www.ilo.org/public/english/employment/strat/kilm/

世界のバイオ燃料市場の動向を予測

アクセンチュアの調査レポートによると、世界のバイオ燃料市場は急成長しており、バイオエタノールやバイオディーゼルの生産企業について、2012年頃までにグローバル規模の主力企業が台頭すると予測している。今年1月から開始されたこの調査では20カ国の比較分析と生産企業や研究機関などの主要関係者へのインタビューが行われ、バイオ燃料業界における企業の成功のポイントや、市場への参入企業へのインセンティブの必要性、世界規模のバイオ燃料供給市場の創造に向けた取組の多様性などを指摘している。原料の比較分析では、バイオエタノールの製造においては、サトウキビが今後もっとも有力であり、バイオディーゼルの原料については、やし油の持続的な供給が疑問視される中、大豆やジャトロファなどの重要性が増しているとしている。

アクセンチュア・プレスリリース:
http://www.accenture.com/Countries/Japan/About_Accenture/News_Releases/Y2007/news_070911.htm

間伐・間伐材利用コンクールの受賞者が発表

森林・林業に関する17団体で構成する間伐推進中央協議会では、平成12年度から「間伐・間伐材利用コンクール」を実施しており、今年もその受賞者が発表された。「林業事業体による森づくり」部門では、大分県のトライ・ウッド社が列状間伐等への取り組みにより林野庁長官賞に選ばれた。その他、「森林ボランティア団体等による森づくり」部門や「暮らしに役立つ間伐材利用」部門などで受賞者が選ばれている。日本国内の人工林は昭和30年代から植林が進み、その面積は約1000万haに達しているが、国産材市場の低迷から、健全な森林を維持するために必要な間伐などが十分に行われていないため、林野庁を中心に総合的な推進対策が進められている。現在の間伐目標面積は年間約30万haで、間伐された材のうち搬出利用されているものは全体の4~5割程度にとどまると推定されている。

林野庁プレスリリース:
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kanbatu/071015.html
林野庁「間伐等推進総合対策の推進について」:
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/kanbatu2/top.htm

09:16 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 9日 (日)

サステイナブルなニュース 第27号

インドネシアのバリでは、国連の気候変動に関する国際会議が開催されていますが、各国の思惑が交錯し、難しい交渉が続いているようです。いよいよ今週が山場となりますので、引き続き注目していきたいと思います。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。来年、洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて国内のNGOから様々な提言が行われています。また、日本の企業の気候変動対策での海外からの評価や再生可能エネルギーの展示会などに関する話題を取り上げています。

***** サステイナブルなニュース 第27号 *************

日本のNGOが洞爺湖サミットに向けて政策提言を発表

2008年に北海道洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて、日本の貧困・開発・環境・人権の各NGOが分野を超えて集まり今年の1月に結成した「2008年G8サミットNGOフォーラム」が、東京都内で国際シンポジウムを開催し、政策提言の素案を発表した。シンポジウムのセッションではアジアやアフリカ出身の研究者やNGOから母国での現状の報告があり、ミレニアム開発目標(MDGs)に掲げられた貧困・環境・人権問題のつながりについて訴えた。政策提言の素案は環境、人権・平和、貧困・開発の課題ごとに作成され、特に「環境」では、国内排出量取引や環境税の導入、2050年までに温室効果ガスの排出量を先進国で1990年比で80%削減するように求めており、太陽光や風力などの自然エネルギーの活用を進める必要性を訴えている。

G8NGOフォーラム: http://www.g8ngoforum.org/
G8NGOフォーラム活動報告: http://www.g8ngoforum.org/forum/category/reports/

日産自動車、気候変動に関する情報開示の先進企業に選ばれる

日産自動車は、気候変動に関する戦略において優れた取組や情報開示を行っている企業で構成するCDLI(Climate Disclosure Leadership Index)に選定された。CDLIには68の企業が含まれ、CDP(The Carbon Disclosure Project)が世界の主要企業、約2400社を対象に実施した気候変動への取組や戦略に関する詳細なアンケートへの回答内容に基づいて選定されている。自動車業界ではダイムラー・クライスラーと共に2社のみが選定されており、「ニッサン・グリーンプログラム2010」における包括的な戦略や、積極的な環境情報開示への姿勢が評価されたとしている。「ニッサン・グリーンプログラム2010」では、2010年に達成すべき目標と取組みをまとめており、「CO2排出量の削減」、「エミッションのクリーン化(大気、水、土壌の保全)」、「資源循環」の3つの重点課題を設定して、活動を進めている。

日産自動車プレスリリース:
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2007/_STORY/071011-01-j.html
CDP(The Carbon Disclosure Project): http://www.cdproject.net/

再生可能エネルギーの国際的な展示会が幕張で開催

地球温暖化問題や石油高騰の中で注目されている再生可能エネルギー全分野をカバーする国際展示会およびカンファレンスが「第2回新エネルギー世界展示会」として千葉県の幕張メッセで10月に開催された。昨年10月に開催された「再生可能エネルギー2006国際会議」「新エネルギー世界展示会」の流れを継承し、6月に結成された「再生可能エネルギー協議会」の主催により、再生可能エネルギー全分野に関わる176社が出展した展示会や、産官学のバラエティ豊かなセッションを含む国際カンファレンスなどが開催された。再生可能エネルギー協議会は、再生可能エネルギー各分野を構成する団体や専門家が連携し、技術の調査研究、国際交流により、技術分野の普及促進、技術開発、産業振興発展するための「連絡・交流組織」として、2010年まで毎年、国際会議や国際展示会の開催を計画している。

第2回新エネルギー世界展示会: http://www.renewableenergy.jp/top.html
再生可能エネルギー協議会: http://www.renewableenergy.jp/council.html

02:48 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 2日 (日)

サステイナブルなニュース 第26号

明日(12/3)から、インドネシアのバリで開催される国連の気候変動枠組条約第13回締約国会議 (COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)は、2013年以降の京都議定書後の国際的な地球温暖化対策の方向性を決める重要な会議だと言われています。しかしながら、欧州が積極的な数値目標を提示している一方、2大排出国である米国や中国などの動向はまだまだわかりません。日本も、具体的な数値目標を出すことには慎重のようですが、来年の洞爺湖サミットを控えどのように地球温暖化対策でのリーダシップをとっていくのか注目されます。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。地球温暖化をはじめとする人類による環境負荷は地球の環境容量をすでに超え、増大を続けています。先進的な一部の企業はそのことに気がつき独自に行動を始めようとしているようです。

********** サステイナブルなニュース 第26号 ***************

松下グループが中国で環境貢献企業を目指すことを宣言

松下電器産業(株)とパナソニックチャイナ(有)は、北京市内において「中国環境フォーラム」を中国日本友好協会と共同開催し、中国において環境貢献企業を目指す「中国環境貢献企業宣言」を発表した。高い環境性能を有する製品づくり(グリーンプロダクツ)や、製造事業所における環境負荷低減(クリーンファクトリー)、日本と中国の従業員13万人の環境意識の向上「CO2削減10万人エコチャレンジ」などを3つの軸として、松下グループ全体で現地に即した環境保全に取組むとしている。中国政府が「第11次五カ年計画」に環境目標を盛り込むなど環境保全活動を強化している中、松下グループは今年4月からの三ヵ年で「中国エコプロジェクト」をスタートし、宣言に盛り込まれた目標の達成や計画の実施を目指す。

松下電器産業プレスリリース:
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070926-3/jn070926-3.html

今年は10月6日にエコロジカルな赤字状態に突入

人類の地球環境への負荷を足跡の面積として表しているエコロジカル・フットプリントと呼ばれる環境指標がある。この指標を定期的に発表しているGFN(グローバル・フットプリント・ネットワーク)によるとすでに1980年代半ば以降このフットプリントが地球の生態系が供給することが可能な量を超過し続けている。今年はその超過量が30%を超えたため、10月6日にはエコロジカルな赤字状態に突入したことになり、年々その時期は早まっている。これは家計に例えれば、収入よりも多額の消費を続けている状態であり、赤字状態に陥っていることになる。見方を変えると環境への負荷が容量に対してオーバーシュートしている状況であり、長期間継続すると、最終的に廃棄物などが蓄積し続け、生態系資源そのものが枯渇する状況に陥ることになると警告している。

エコロジカル・フットプリント・ジャパン「地球1コ分の暮らし」10月6日発行
http://blog.mag2.com/m/log/0000151856/
グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)発表資料(英語):
http://footprintnetwork.org/press/EcologicalDebtDayMediaBackgrounder.pdf

皇居のクールアイランド効果を確認、周辺よりも平均1.8℃低く

近年、都市部の高温化(ヒートアイランド)現象が顕著になっているなか、公園などの都市内緑地の役割が注目されている。都内有数の都市内緑地である皇居のクールアイランド効果について定量的に検証するため、昨年に引き続き気温観測が行われ、8月の気温が周辺市街地と比較して1日を通して1.4~2.2℃程度低かったことが確認された(最大では4.1℃)。さらに周辺市街地に向かって、昼間は風による冷気が流れ、夜間は冷気のにじみ出しがそれぞれ観測された。よって、ヒートアイランド現象が顕著な都市の中心部にあって、明瞭なクールアイランドとなっていることが示されるとともに、周辺市街地の気温の低下にも寄与していることが分かった。今後、これらの結果を都市のヒートアイランドを改善する政策に有効活用することが期待されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8870

01:27 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)