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2008年1月28日 (月)

サステイナブルなニュース 第33号

先週、仕事で北海道に日帰りで行ってきました。新千歳空港に到着すると、空港のあちらこちらに7月の洞爺湖サミットの看板が出ており、期待の高さが伺えました。JR北海道に乗り換え電車で札幌へ向かうと、途中から雪が激しく降って来ました。どうやら札幌市内では今年一番の大雪となっている様です。話に聞くと1月の初めまではほとんど雪がなく、来週から始まる札幌雪祭りの雪は、あちらこちらから集めて来たそうです。それがこの数週間でかなりの雪が降り、やっと例年と同じような積雪となったそうです。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今週は、地球温暖化の傾向を知る上で重要な大気中のCO2濃度のデータが発表されたこと、その名も「地球地図プロジェクト」ということで、地球全体の自然環境などの状況を最新のデータを基にビジュアル化したもの、そして恒例のエコプロダクツ大賞の結果です。

********** サステイナブルなニュース 第33号 ****************

増え続ける温室効果ガスの大気中濃度、WMOが報告

WMO(世界気象機関)が11月に発表した温室効果ガス年報によると、2006年の大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の平均濃度が、過去最高水準となっている。特に二酸化炭素(CO2)については381.2ppmで最高濃度を更新すると共に、最近増加傾向が強まっており、工業化時代以前の値である約280ppmより36%高く、前年より約2.0ppm上昇した(最近10年間の平均増加量は1.9ppm)。一方、メタン濃度の増加については最近10年間で緩やかになってきており、平均濃度は工業化時代以前より155%高いものの、前年とほぼ同じ濃度となった。WMOでは、温室効果ガス世界監視ネットワーク(WMO-GAW)において世界中の観測データを収集しており、日本の気象庁が温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)を運営して収集・解析にあたっている。

気象庁プレスリリース(2007/11/23):
http://www.jma.go.jp/jma/press/0711/23a/CO2_conc1123.html

地球地図プロジェクト、地球全体の樹木の分布を公開

国土地理院は、地球全体を対象とした「地球地図・樹木被覆率データ」の試作版を公開した。この樹木被覆率データは、森林・砂漠化の状況や水資源の変化、二酸化炭素の吸収量や吸収源の変動の推定などに役立てることができ、地球環境の変化の基礎資料となる。またブラジルのアマゾンを始め、東南アジア地域やアフリカでの不法伐採などによる森林の減少の状況などが一目でわかる。各国の地図作成機関が協力して進めている地球地図プロジェクトでは、2008年4月を目処に地球地図第1版として全陸域のデータを公開するため、データの整備、検証を進めている。公開された地球地図データは、作成されたものから順次インターネットを通じて全世界に公開されている。

国土地理院プレスリリース:
http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/1120.htm
地球地図サイト:
http://www1.gsi.go.jp/geowww/globalmap-gsi/globalmap-gsi.html

第4回エコプロダクツ大賞の結果発表

環境負荷の低減に配慮した優れた製品やサービスを選ぶエコプロダクツ大賞が今年も発表された。第4回目となる今年は、大賞としてエコプロダクツ部門4件、エコサービス部門3件がそれぞれ選ばれており、12月に東京ビックサイトで開催されるエコプロダクツ2007展示会において表彰が行われる。エコプロダクツ部門の大賞に選ばれたのは、バンダイの「ガシャポンアースカプセル昆虫採集」、富士ゼロックスの「ゼログラフィー複写機&プリンター」、エコファクトリー社の「輻射式冷暖房装置ハイブリッドサーモシステムecowin」そしてJR東日本・日立製作所の「鉄道用ハイブリッド車両」。エコサービス部門では、NTTファシリティーズの「グリーンポテト(屋上サツマイモ水気耕栽培システム)」、東芝エレベータの「エレベータのリニューアル」、日産自動車のカーウィングスナビゲーションシステム(愛車カルテ/最速ルート探索サービス)となっている。

第4回エコプロダクツ大賞受賞結果:
http://www.gef.or.jp/ecoproducts/4th_result/index.htm

01:58 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月20日 (日)

サステイナブルなニュース 第32号

昨年はIPCCのレポートが1年かけて発表され、様々な地球温暖化に関する事実や予測が明らかになりました。今年は京都議定書の第一約束期間が始まり、本格的な地球温暖化対策に世界中の国々で取り組むことが期待されていますが、温室効果ガスの排出量は一向に減る気配はありません。ところで、日本には、「失敗学」という学問があるのをご存知でしょうか?このブログでも以前にご紹介していますが、地球温暖化対策に失敗することは、人類の存亡に関わる事態になる可能性があることをもっと認識すべきなのかもしれません。

今週のサステイナブルなニュースでは、昨年11月にIPCCの統合レポートが発表されたことや日本国内でのエネルギー自給自足の取組み、そして「失敗知識データベース」のご紹介です。失敗に学ぶことは重要ですね。

************ サステイナブルなニュース 第31号 ****************

国連IPCCによる評価が出揃う、地球温暖化対策は待ったなし

スペインで開催されていた国連のIPCC総会において6年ぶりとなる第4次評価報告書の統合版の内容が発表された。これは、今年の2月から作業部会(WG)毎に発表されてきた自然科学的根拠(WG1)、影響・適応・脆弱性(WG2)および緩和策(WG3)の各評価報告書をまとめたもので、今後の世界の地球温暖化対策の基本となる重要な報告書となっている。その中で、地球温暖化を科学的に疑う余地のないものとし、その原因を人為的なものとして温室効果ガスの排出が大きな影響を与え続けているとしている。地球温暖化への対応には、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するための緩和策と、すでに世界各国で観測されている気候変動による影響への適応の両方が必要となり、今後20~30年間の継続的な削減努力や投資が非常に重要だとしている。

IPCCホームページ: http://www.ipcc.ch/
環境省による概要:
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=10504&hou_id=9055

自然エネルギー100%の電力自立システムが運転成功

青森県八戸市で実証試験が進められてきた再生可能エネルギーによる「マイクログリッド」システムにおいて、太陽光発電、風力発電およびバイオマス発電などを用いて、商用電力系統と同等の高品質な電力を得る電力自立運転に世界で初めて成功した。この実証試験では合計出力130kWの太陽光発電設備、数kWの風力発電、500kWのバイオマス・ガスエンジンが約5km程度の長さの自営線に接続されており、容量100kWの蓄電池設備により変動を抑えている。試験では8日間、市内の6施設を商用電力系統から切離した状態で、これらの再生可能エネルギーのみで各施設へ高品質な電力を供給した。そのための電力制御システムも新たに構築を行い、十分に機能することが確認された。

三菱電機プレスリリース: http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2007/1112-b.htm

失敗知識を生かすデータベース構築、公共事業の失敗事例も紹介

国内外の失敗事例を数多く集めて分析して、得られる教訓と共にデータベース化した「失敗知識データベース」が文部科学省の外郭団体JST(科学技術振興機構)で開発され、公開されている。データベースには、約1000の失敗事例が登録されており、自由に検索することが可能。その中で特に重要な約100事例を集めた「失敗百選」も公開されている。失敗百選では技術に関する失敗が数多く取り上げられる一方、身の回りの安全に関わる問題、そして社会へのインパクトの大きい公共事業の失敗事例なども取り上げられている。一つの事例として国営諫早湾干拓事業があり、干潟の環境破壊や大きな漁業被害などが問題となっている。この中で一度決定した公共事業であっても社会経済的な条件の変化に対して的確に再評価をすべきだと指摘している。

失敗知識データベース: http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search

01:18 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月12日 (土)

サステイナブルなニュース 第31号

昨年の7月頃の記事「カーボンのお値段はいくら?」の中で中国のCO2排出量がアメリカを抜いて世界第一になったということを書きました。この情報はオランダの民間の評価機関からのものでしたが、国際エネルギー機関(IEA)でもいよいよそれを認めたというレポートがすでに公表されています(ちなみに現在のIEAの事務局長は日本人です)。CO2の排出量取引もEU域内ではすでに始まっていますが、米国でも一部の州が取り組み始めており、国際的なネットワークが出来つつありますが、その動きに日本はなかなかついていくことができません。日本国内では、エコツーリズムなどの環境分野の草の根の動きは広がりを見せていますが、国際的な枠組みの中での政策的な動きがやはり弱い様な気がします。

というわけで、そんな話題を含む今週のサステイナブルなニュースをお届けします。

************** サステイナブルなニュース 第31号 ****************

IEA世界エネルギーレポート、中国とインドとの協力を重視

IEA(国際エネルギー機関)の田中伸男事務局長は今月発表された世界のエネルギー情勢2007年版”World Energy Outlook2007”で、今後10年間、世界のエネルギーが抱える大きな課題に対して中国とインドが非常に重要であり、協力関係を重視するとした。このまま各国の政策が変わらなかった場合、2030年には現在の50%以上エネルギー消費量が増え、世界のエネルギー安全保障や気候変動へ重大な影響を与えるとしている。一方、二酸化炭素の排出量は、このままでは27Gトン(2005年)から42Gトン(2030年)へと57%増えるとしており、各国の早急なアクションが求められている。また、2007年中には中国が排出する二酸化炭素の量が現在世界第1位のアメリカ合衆国を追い越すのは確実とされている。

IEAプレスリリース:
http://www.iea.org/Textbase/press/pressdetail.asp?PRESS_REL_ID=239

欧米を中心に世界的な排出量取引に関する協定を創設

欧州諸国と米国やカナダの主要な州、ニュージーランドなどが参加し、新しい世界的な排出量取引に関する協定「国際炭素取引協定(ICAP)」が創設された。すでに欧州で行われているキャップ・アンド・トレード方式の排出量取引の仕組みや経験を共有することにより、世界的な炭素市場の創設をめざす。世界レベルでの大幅な温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素化のための製品やサービスの需要が加速され、イノベーションを推進し、より低コストで排出量削減を可能とする。欧州9カ国およびEU(欧州委員会)と共に米国とカナダからは「西部気候イニシアチブ(WCI)」に加盟する州や「地域温室効果ガスイニシアチブ(RGGI)」の州、ニュージーランドやノルウェーが参加している。

ICAPプレスリリース:
http://www.icapcarbonaction.com/pr20071029.htm
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071101_222855.html

今年のエコツーリズム大賞は、霧多布湿原トラスト

今年で第3回目になるエコツーリズム大賞の受賞結果が発表された。大賞は、北海道のNPO法人「霧多布湿原トラスト」で、湿原の保全をナショナルトラスト活動とエコツアーを絡めて実施し、地域と都市を結ぶ試みとして東京都多摩動物公園とのパートナーシップ協定を結んでいるなど、エコツーリズムをより大きく展開している姿勢が評価された。優秀賞には、石川県の「いしかわ自然学校」、三重県の「海島遊民くらぶ」そして長崎県の「させぼパールシー」の3件が選ばれた。「いしかわ自然学校」は、平成13年に開校した全国初のネットワーク型の自然学校で、約50の団体が参加しており、その実績や全体としてバランスの良い組織となっていることが評価された。

日本エコツーリズム協会「第3回エコツーリズム大賞」:
http://www.ecotourism.gr.jp/07_taisyou/07_taisyou.html

11:55 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 6日 (日)

サステイナブルなニュース 第30号

今年最初のサステイナブルなニュース(第30号)をお送りします。個人や事業で排出した分のCO2を相殺することができ、昨年から注目されているカーボンオフセットが国内でも本格的に始まります。植林によるものから、海外でのCO2削減事業への投資、国内での自然エネルギーへの投資など様々な方式のサービスがありますので、きちんと内容をチェックした上で、利用することが大切になります。また地球温暖化対策として注目されているバイオ燃料については、様々な問題点が指摘されています。こちらの動向にも注目していく必要がありそうです。食育については、食料自給率が低迷する中、地産地消の食べ物に注目し、無駄なく健全な食生活にする為にも重要です。

************ サステイナブルなニュース 第30号 ****************

日本初、市民主導型のカーボンオフセット事業スタート

有限責任中間法人「日本カーボンオフセット」は、市民が日常生活において排出するCO2(「生活CO2」)を主体的にオフセットするためのプラットフォームを立ち上げ、各種のカーボンオフセット事業を12月上旬から開始することを発表した。この事業は日本国内においては初の民間事業者による本格的な取組となり、市民が日常生活で使用するエネルギーの削減努力をした上でもなお排出される「生活CO2」をオフセットするサービスを提供すると共に、事業の収益はCO2排出量削減に向けての啓発活動の原資とする。オフセットのための排出権は、京都メカニズムのクリーン開発メカニズム(CDM)に基づいて海外のCO2削減事業からの排出権(CER)であり、来年からの第一約束期間中の京都議定書遵守へ貢献する形としている。

日本カーボンオフセット: http://www.co-j.jp/

朝食を欠食する国民の割合が増加傾向、食育白書が発表

平成19年版の食育白書が発表され、国民運動としての食育を推進するため、家族などでの食育の重要性を踏まえた関連調査の結果が紹介されている。特に9つの項目において定量的な目標値が定められ、平成22年度までに達成することを目指している。その中で、「メタボリックシンドロームを認知している国民の割合」などは77%と目標の80%以上に近づいている反面、「朝食を欠食する国民の割合」として20歳代男性が33%と目標の15%以下を大きく上回っている。また、食料自給率が39%と低迷する中、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践を促進するために「食事バランスガイド」等の活用を推進し、国民の60%近くが参考にして食生活を送っているとしている。一方、推進計画を作成・実施している市町村の割合は4%程度に留まっており、目標の50%を大きく下回っている。

平成19年版食育白書:http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/index.html

バイオ燃料は5年間生産を凍結すべき、国連の人権専門家が要請

国連の人権専門家が、10月26日ニューヨークでの記者会見でバイオ燃料の5年間の生産凍結(モラトリアム)を要請した。トウモロコシ、小麦やサトウキビなどの農作物を原料としたバイオ燃料生産は、食料や水の価格を上昇させ、このままの価格上昇が続けば、アフリカなどの最貧国では十分な食料を確保できないばかりでなく、すでに人類の6人に一人、8億人以上と言われる飢えに苦しむ人々をさらに増やし、これらの人々に「壊滅的な」結果をもたらすと警告している。さらに、農地をバイオ燃料の生産地へ転換することは人類に対する「犯罪」であるとし、FAOによる統計で世界がすでに全ての人類に十分な食料が供給できるだけの農業生産がありながら、食料に入手できずに飢えに苦しむ人々がいるのは明らかに人為的な問題だとしている。

国連プレスリリース(英語):
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24434&Cr=food&Cr1=
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071105_212045.html

04:04 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 3日 (木)

平成20年を迎えて

あけましておめでとうございます。
今年で3年目を迎える「サステイナブルなもの」をどうぞよろしくお願いします。
2005年の5月からこのブログを開始し、昨年からはサステイナブルなニュースを週一回のペースで連載していますが、今年はさらに充実させて行きたいと思います。

いよいよ平成20年の節目を迎え、地球温暖化を巡る動きも益々活発になることが予想されます。昨年発表されたIPCCの衝撃的な報告書、今年から始まる京都議定書の第一約束期間、そして2050年を見据えたポスト京都の国際的な枠組み作りと駆引き、北極海の氷床や氷河の減少、世界中で観測される数々の異常気象、世界中で加速する低炭素社会へのチャレンジなど、このブログでも積極的に取り上げて行きます。

昨年1月の抱負では「結果を残す活動をする」こと、「将来を見据えた活動をする」ことを宣言しました。結果を残す活動としては、地域での環境エネルギー事業の実施や、エネルギー永続地帯の研究結果発表を行いました。このブログの継続も結果を残す活動として考えています。将来を見据えた活動としては、2050年に向けた再生可能(自然)エネルギー関連のビジョン作りに取組み始めています。今年もこれらの活動を継続してサステイナブルな活動にして行きたいと考えていますので、このブログでもご紹介して行きたいと思います。

昨年の記事としては、第29号までの「サステイナブルなニュース」や、地球温暖化関連のニュースを取り上げました。主な記事を振り返ってみたいと思います。

[1月]
まずノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏の「不都合な真実」を観た感想を取り上げました。「エネルギー基本計画」の見直しがあり、パブコメに対して意見を提出しました。

[2月]
IPCCの第4次評価報告書「WG1:自然化科学的根拠」の発表が、この月から始まりました。また2050年の低炭素社会に向けたビジョンが日本の国立環境研究所から発表されました。

[3月]
EUの2020年の目標(ビジョン)が発表され、再生可能エネルギーの導入率20%を目指すとされました。これに対して、日本国内のRPS法の見直しは、小幅なものに留まり、パブコメへの意見を提出しました。

[4月]
IPCC第4次評価報告書のWG2「影響、適応および脆弱性」について発表されました。

[5月]
IPCC第4次評価報告書のWG3「緩和策」についての発表がありました。この月から「サステイナブルなニュース」の連載を週一回のペースで開始しました。

[6月]
国連環境計画(UNEP)から世界の自然エネルギーに対する投資が12兆円を超えたという調査報告が発表されました。気候安全保障という考え方についての発表がありました。

昨年の振り返りの続きは、次回の記事で書きたいと思います。本年もどうぞよろしく!

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