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2008年2月23日 (土)

サステイナブルなニュース 第36号

今日は風の強い一日でしたが、春一番だったそうですね。まだまだ寒い日が続きますが、着実に春が近づいているようです。それでは、早速、今週のニュースをお届けします。今回は、国際的なランキングについて2つ紹介していますが、どうもこの様なランキングでは日本の順位がいつも芳しくありません。実態が正しく評価されている部分については素直に反省すべきですが、きちんと評価されていない部分も多いのではないでしょうか。それでもこれらのランキングでは、普段、日本国内では見落とされている視点に気付くことができます。

********** サステイナブルなニュース 第36号 **************

地球温暖化による気候変動対策の国別ランキングで日本42位

今年で3回目になる気候変動対策に関する国別ランキングが、バリで開催された国連の国際会議に合わせ、ドイツの環境NGOから発表された。1位は昨年に引き続きスウェーデンで、2位以下はドイツ、アイスランド、メキシコ、インドとなっている。日本は42位で、昨年の39位から順位を落としたが、特に政策面の不足が指摘されている。この気候変動対策指標CCPI(Climate Change Performance Index)では、温室効果ガスの排出量傾向(昨年との比較など)が50%、現在の排出量が30%、政策面が20%の割合で評価されている。1位のスウェーデンにおいても排出量のトレンドやそのレベルでは、対策として決して十分ではなく、100点満点のスコアのうち65.6に留まっている(日本は46.9)。中国は、政策が評価され、順位を上げて40位となっているが、排出量は増え続けている。

ドイツ環境NGO(Germanwatch)プレスリリース(英語):
http://www.germanwatch.org/presse/2007-12-07e.htm

初めての国際的な人道支援国別ランキングで日本18位

国際NGO「DARA」は国際的な人道支援に関する国別の指標HRI(Humanitarian Response Index)の評価結果を新たに発表した。評価対象はOECDの開発援助委員会(DAC)に所属する23の国となっており、1位はスウェーデンで、以下ノルウェー、デンマーク、オランダなどEU諸国が上位に並んでいる。日本は、近年のODA予算の減少なども影響して18位だった。評価はステークホルダーへのアンケート調査などにより行われ、人道支援のニーズへの対応、援助と開発の統合、パートナーとの協働、国際ガイドラインへの準拠、学習支援と責任の分担などが評価項目となっている。国際ガイドラインとしては、2003年にストックホルムでの国際会議で定められた人道支援に関する原則(GHD原則)があり、それらに基づく評価となっている。

DARAホームページでの人道支援評価指標HRI紹介:
http://www.daraint.org/web_en/hri_en.html

国内初のグリーンPPSによる電力供給、ヤマダ電機がサミットエナジーより

ヤマダ電機は、サミットエナジーと国内初のグリーンPPSによる電力供給契約を結んだ。住友商事グループのPPS(特定規模電気事業者)であるサミットエナジーより電力を供給受けると同時に、98店舗において電力の一部(360万kWh)を自然エネルギーによるグリーン電力で賄う。従来は電力供給とは別にグリーン電力証書を購入する形態だったが、国内で初めて通常の電力とグリーン電力証書をセットで供給を受ける。グリーンPPSという電力供給の形態は、欧州など海外では、普及しつつあるが、日本国内ではPPSなどの電気事業者がユーザ毎に自然エネルギーの割合を設定することが事実上できない。そのため、民間ベースでグリーン電力認証機構が発電設備の認定や電力量の認証を行っているグリーン電力証書との組み合わせにより初めて実現をした。

プレスリリース:
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=177441&lindID=5

10:26 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月22日 (金)

再生可能エネルギーの将来ビジョン

前回ご紹介した「再生可能エネルギー展望会議」が昨日(2/21)グリーンパワーキャンペーンの中の分科会として開催され、パネラーとして参加して来ました。午前中に予定されていた米国からのゲストは急遽キャンセルになり、1時間遅れのスタートとなるアクシデントがありましたが、東工大の柏木先生による日本の再生可能エネルギー戦略の話から始まり、午後から環境エネルギー政策研究所(ISEP)の「2050年 自然エネルギービジョン」の紹介(飯田哲也所長)、そして再生可能エネルギーの供給側と需要側の視点からの2つのパネル討論が開催されました。

「2050年 自然エネルギービジョン」は、水力、太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーそれぞれの普及に関するビジョンを関係諸団体を交えて検討を行い、その検討結果をまとめたものです。まだ中間発表的な段階ですが、今年の洞爺湖サミットあたりを目指して、具体的な政策提言も含めたものにまとめ上げていくことになります。

パネル討論1では、風力、地熱、水力によるエネルギー供給について各団体からの発表がり、最後に国立環境研究所から「2050低炭素社会シナリオ」の紹介がありました。風力は、陸上風力の限界を踏まえ、洋上風力の普及をとても大胆に想定しています。地熱については、火山国日本の特有の自然エネルギーということで、発電や熱利用に関して大幅に普及するドリームシナリオを提示しています。中小水力(1万kW以下)についても、日本に適した発電方式ということで、既存水力に加えて大幅な普及を想定しています。国立環境研究所の藤野氏からは、初めにIPCCにおける再生可能エネルギーの検討状況の紹介があり、技術開発だけではなく、明確な根拠と戦略に基づく再生可能エネルギーの普及シナリオの重要性を強調していました。

私の参加したパネル討論2では、需要側で使われる分散型の再生可能エネルギーとして太陽光と太陽熱のそれぞれの団体から発表があり、太陽光は2030年ビジョン、太陽熱は2050年の普及シナリオが説明されました。その後、東京都の谷口氏から、石原知事の年頭挨拶を引用した気候変動対策への決意表明や、東京都の再生可能エネルギー戦略として、「太陽エネルギー拡大利用会議」の紹介、CO2削減のための総量削減や排出量取引などの戦略について具体的な話があり、先進的な東京都の取組みを改めて確認することができました。私の方からは、以下の4つの観点から「地域エネルギーの将来展望」についてお話をしました。

  • 長期ビジョン:2050年自然エネルギービジョンへ向かって
  • 持続可能性の指標:エネルギー永続地地帯から見えるもの
  • 自然エネルギーの普及:グリーン電力証書の活用
  • 環境と金融:市民ファンドによる地域エネルギー事業

2050年自然エネルギービジョンでは、国内エネルギー需要の50%以上を自然エネルギーで自給し、CO2排出量を75%以上削減することを目指しています。これらの自然エネルギーは、国内の各地域に分散して導入され、地域の特性を生かして共存していく必要があります。そのため、現在の各地域での自然エネルギー導入実績から各地域のエネルギー自給率を指標化した「エネルギー永続地帯」の紹介をしました。その後、地域間で自然エネルギーの環境価値を売買できる仕組みとして「グリーン電力証書」の紹介を、最後に自然エネルギーの普及を金融面から支える新しい仕組み「市民ファンド」について、事例(おひさまエネルギーファンドなど)も含めて紹介をしています。

会場からも活発な質問があり、とても有意義なパネル討論になったと思います。今後もこの様に様々な主体(ステークホルダー)と協働しながら、再生可能エネルギーの普及に向けて取り組む決意をあらたにした1日でした。

01:00 午後 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月11日 (月)

サステイナブルなニュース 第35号

自然エネルギーに関するイベントを2つご紹介します。まずは、今月21日と22日に有楽町の東京国際フォーラムで開催される「グリーンパワーキャンペーン」です。基調講演や展示会、分科会などがありますが、私自身は3つある分科会のひとつ「再生可能エネルギー展望会議」の中のパネルディスカッションにパネラーとして参加します。現在、ISEPでは2050年の自然エネルギービジョンの検討を行っており、その一部はここで発表される予定です。

もうひとつのイベントは、自然エネルギーと市民出資に関するセミナーです。「自然エネルギーセミナー2008」と題して大阪(3/1)と東京(3/15)で開催されます。このセミナーで紹介される「温暖化防止おひさまファンド」は現在出資募集中です。ご興味のある方は是非、セミナーに参加したり、資料を請求してみてください。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。国連で進められていた植樹キャンペーンが前倒しで目標達成したという嬉しいニュースと国内でのグリーン電力の先進事例の紹介です。最後のコクヨの取組みは通常は公表しない負の部分をあえて公表するところが面白いと思います。

************** サステイナブルなニュース 第35号 ******************

国連の「10億本植樹キャンペーン」前倒しで目標達成

国連環境計画(UNEP)が実施している「10億本植樹キャンペーン」が、当初の2007年末より前倒しで11月末に目標の植樹本数を達成したと発表した。ちょうど12月に開催される国連の気候変動に関するバリ会議に間に合う形ともなり、気候変動に対する森林保護や復元の重要性が再認識されている。植樹の半分程度は、世界各国の一般市民がそれぞれ1~3本の木を植えており、インドネシアで開催されたバリ会議に先立ち、会議で排出されるCO2をオフセットするために8千万本の植樹も行われた。もっとも多くの植樹が行われた国はエチオピアの7億本で、以下、メキシコ2.2億本、トルコ1.5億本、ケニア1億本、キューバ1億本、ルワンダ5千万本、北朝鮮4千万本と続いている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071204_115148.html
国連プレスリリース:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24821&Cr=climate&Cr1=change
国連環境計画(UNEP)「10億本植樹キャンペーン」:
http://www.unep.org/billiontreecampaign/index.asp

ソニー、再生可能エネルギーの利用を増やし、個人向けのサービスも提供

ソニーは、国内外で太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入を積極的に進めているが、2010年までにその導入量を4倍に拡大することを発表した。CO2排出削減に換算すると、2006年の実績値は約1万3千トンとなる。国内では、「グリーン電力証書システム」を2001年から活用し、すでにグループ会社契約分と合わせて木質バイオマス発電など3640万kWhの再生可能エネルギーを発電委託している。欧州においては、2002年より導入を開始し、すでに9つの事業所が施設全てを水力発電などの再生可能エネルギー100%で稼動している。これは欧州における全電力使用量の約41%に当たる。ソニーでは、さらにソニースタイルの販売サイトにおいて「社会貢献メニュー」として“ソニーポイント”でグリーン電力証書を1kWh単位から小口購入できるサービスを国内で始めて開始した。使用されるグリーン電力は秋田市の市民風車や長野県飯田市の市民太陽光発電所から供給される。

ソニー プレスリリース:
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200712/07-132/index.html
“Energy Green”プレスリリース:
http://www.energygreen.co.jp/press071204.html

コクヨ、環境配慮が不十分な製品に「×(バツ)」マークを表示

コクヨは、12月から発行する製品カタログ(約4万5千品番、100万部発行)において、環境配慮が不十分な自社ブランド製品について「エコ×(バツ)マーク」を表示することを発表した。来年2008年より3年間で商品の環境配慮に積極的に取組み、2011年に全商品の環境配慮100%を目指す。コクヨでは、1990年代初めから積極的に環境配慮商品の開発に取組んで来たが、今後、環境への配慮を「当たり前」とする基本姿勢として、環境配慮余地の残る自社商品を「エコ×マーク」の表示により明示することで、環境への配慮の徹底を進める。ステーショナリー(文房具)では、一般に使用される環境マーク(エコマークやグリーン購入法適合マーク等)の基準に合致しない商品、ファーニチャー(家具)では、「つくる時」、「つかう時」、「すてる時」の3つの商品サイクルにおける環境配慮が1でもされていない商品が表示の対象となる。

コクヨ プレスリリース:
http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20071210-777.html

04:41 午後 環境 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年2月 7日 (木)

サステイナブルなニュース 第34号

昨年の冬は太平洋岸は雪が少なかったと記憶していますが、今年は関東地方でも雪がだいぶ降っていますね。先週の週末に引き続き、今週の週末も雪が降るという予報が出ています。週末ごとに降るのは何か意味があるのでしょうか?先週は久しぶりに雪かきをしてしまいましたが、雪国ではこれを冬の間中ずっと行うことを思うと本当に大変だと思います。

さて今週のニュースでは、「グリーン契約法」という新しい法律を取り上げています。国が電力などを調達するときの契約を環境に配慮したものにしようというものですが、まずは始めての試みであまり大きな効果は期待できそうもありません。それでも、最初の一歩が肝心ですからここからスタートして、良いものであれば、これが地方自治体や民間へも広がることが重要だと思います(いわゆる率先取組みってやつですね)。あとは地球温暖化に関わる国際的なニュースを取り上げていますが、国連の報告書(人間開発報告書)はいつもながら本当に重たいテーマを扱っています。オーストラリアは政権が交代し、地球温暖化対策に本腰を入れ始めたというニュースです。

*********** サステイナブルなニュース 第34号 *****************

グリーン契約法が施行、国などの施設でのグリーン調達を推進

2007年5月に成立したグリーン契約法(環境配慮契約法)が、11月22日から施行された。この法律は国や独立行政法人などが製品やサービスを購入する際、温室効果ガスの排出削減に配慮した契約を推進するために、電力調達、自動車、ESCOおよび建築それぞれについて基本方針を定めている。基本方針のポイントは、電力については入札に参加しようとする事業者が、電力のCO2排出係数および再生可能エネルギーなどの環境への負荷低減への取組状況などを評価して、入札参加資格を決める。自動車については、燃費などの環境性能を考慮した評価を含めた入札を行う。ESCOについては10年程度の長期のサービス契約を可能とし、建築については、設計段階での設計者の能力を評価して設計の契約を行うこととしている。

環境省「グリーン契約(環境配慮契約)について」:
http://www.env.go.jp/policy/ga/index.html

国連が人間開発報告書を発表、途上国への気候変動の深刻な影響を懸念

国連の開発計画(UNDP)は、地球温暖化による気候変動の影響を総特集した今年の人間開発報告書を発表した。1日2ドル以下で生活する26億人の人々は、温室効果ガスをほとんど排出しないにも関わらず、干ばつや洪水などの気候変動の深刻な影響を受け、これまで改善してきた貧困、保健、教育などへの取組が逆行しかねないと警鐘を鳴らしている。報告書は、京都議定書後の枠組みを話し合う国連の気候変動に関するバリ会議に合わせて発表され、「気候変動との戦い、分断された世界での人類の連帯」と題して、温室効果ガスを大量に排出している先進工業国に対して、排出量を削減し、気候変動への影響を最小限に抑えるための投資と努力を行う連帯責任を訴えている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071202_220706.html
国連プレスリリース:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24817&Cr=human&Cr1=development
国連「2007年人間開発報告書」:
http://hdr.undp.org/en/

オーストラリア新政権が、京都議定書を批准へ

先の総選挙で誕生したオーストラリア新政権のケビン・ラッド首相は、国連の気候変動に関するバリ会議の開幕初日に京都議定書の批准に向けた文書に署名し、気候変動との戦いに尽力すると発表した。これによりオーストリアは2008年3月末までに京都議定書の批准国となる。これまでオーストラリアは、アメリカと共に京都議定書を批准してこなかったが、近年の深刻な干ばつなど気候変動の影響の大きさによる世論の高まりなどにより気候変動への取組みを公約した新政権が誕生した。同時に新たな目標として、2050年までに2000年比で温室効果ガスの排出量を60%削減し、2010年までの国内排出量取引を確立や、2020年までに太陽や風力などの再生可能エネルギーの割合を20%にまで増やすとしている。京都議定書でのオーストリアの目標値は1990年比に対して108%(8%増加)だが、近年排出量が急増しており、その達成の見通しについては明確には示されていない。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071204_114458.html
オーストラリア労働党プレスリリース:
http://www.alp.org.au/media/1207/mspm030.php

09:44 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)