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2008年2月22日 (金)

再生可能エネルギーの将来ビジョン

前回ご紹介した「再生可能エネルギー展望会議」が昨日(2/21)グリーンパワーキャンペーンの中の分科会として開催され、パネラーとして参加して来ました。午前中に予定されていた米国からのゲストは急遽キャンセルになり、1時間遅れのスタートとなるアクシデントがありましたが、東工大の柏木先生による日本の再生可能エネルギー戦略の話から始まり、午後から環境エネルギー政策研究所(ISEP)の「2050年 自然エネルギービジョン」の紹介(飯田哲也所長)、そして再生可能エネルギーの供給側と需要側の視点からの2つのパネル討論が開催されました。

「2050年 自然エネルギービジョン」は、水力、太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーそれぞれの普及に関するビジョンを関係諸団体を交えて検討を行い、その検討結果をまとめたものです。まだ中間発表的な段階ですが、今年の洞爺湖サミットあたりを目指して、具体的な政策提言も含めたものにまとめ上げていくことになります。

パネル討論1では、風力、地熱、水力によるエネルギー供給について各団体からの発表がり、最後に国立環境研究所から「2050低炭素社会シナリオ」の紹介がありました。風力は、陸上風力の限界を踏まえ、洋上風力の普及をとても大胆に想定しています。地熱については、火山国日本の特有の自然エネルギーということで、発電や熱利用に関して大幅に普及するドリームシナリオを提示しています。中小水力(1万kW以下)についても、日本に適した発電方式ということで、既存水力に加えて大幅な普及を想定しています。国立環境研究所の藤野氏からは、初めにIPCCにおける再生可能エネルギーの検討状況の紹介があり、技術開発だけではなく、明確な根拠と戦略に基づく再生可能エネルギーの普及シナリオの重要性を強調していました。

私の参加したパネル討論2では、需要側で使われる分散型の再生可能エネルギーとして太陽光と太陽熱のそれぞれの団体から発表があり、太陽光は2030年ビジョン、太陽熱は2050年の普及シナリオが説明されました。その後、東京都の谷口氏から、石原知事の年頭挨拶を引用した気候変動対策への決意表明や、東京都の再生可能エネルギー戦略として、「太陽エネルギー拡大利用会議」の紹介、CO2削減のための総量削減や排出量取引などの戦略について具体的な話があり、先進的な東京都の取組みを改めて確認することができました。私の方からは、以下の4つの観点から「地域エネルギーの将来展望」についてお話をしました。

  • 長期ビジョン:2050年自然エネルギービジョンへ向かって
  • 持続可能性の指標:エネルギー永続地地帯から見えるもの
  • 自然エネルギーの普及:グリーン電力証書の活用
  • 環境と金融:市民ファンドによる地域エネルギー事業

2050年自然エネルギービジョンでは、国内エネルギー需要の50%以上を自然エネルギーで自給し、CO2排出量を75%以上削減することを目指しています。これらの自然エネルギーは、国内の各地域に分散して導入され、地域の特性を生かして共存していく必要があります。そのため、現在の各地域での自然エネルギー導入実績から各地域のエネルギー自給率を指標化した「エネルギー永続地帯」の紹介をしました。その後、地域間で自然エネルギーの環境価値を売買できる仕組みとして「グリーン電力証書」の紹介を、最後に自然エネルギーの普及を金融面から支える新しい仕組み「市民ファンド」について、事例(おひさまエネルギーファンドなど)も含めて紹介をしています。

会場からも活発な質問があり、とても有意義なパネル討論になったと思います。今後もこの様に様々な主体(ステークホルダー)と協働しながら、再生可能エネルギーの普及に向けて取り組む決意をあらたにした1日でした。

01:00 午後 再生可能エネルギー |

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