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2008年4月30日 (水)

サステイナブルなニュース 第42号

今週はGWですが、「グリーン・ウィーク」という呼び方にしようと提案が行われています。まさに、緑を感じ、満喫する一週間にしたいですね。ガソリン税にかかわる混乱も明日からの復活でようやく元に戻る気配ですが、復活分も含め一般財源化をさらに踏み越えて、環境税化に一気に進んで行って欲しいものです。ガソリンや軽油を使うこと自体が、地球環境を破壊していることにつながるわけですから、至極、当たり前のことだと考えることができます。多くの環境NGOは、同様の提案をすでに行っています。

少し遅くなりましたが今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、世界的なランキングの中での日本の位置づけやIT業界の動きを取り上げました。

************* サステイナブルなニュース 第42号 ******************

日本郵船やリコーなど13社の日本企業が選出、持続可能な世界の100社

2005年から実施され「Global 100」として知られている「最も持続可能な世界の100社」が1月23日のダボス会議において発表された。英国が23社と最も多くの企業が選ばれ、米国が17社で続いている。日本からは日本郵船やリコーなど13社が選ばれており、リコーは4度目連続、日本郵船は2年連続で選出されている。また、中国からは初めて鉄道会社1社が選出されていている。これはカナダのコーポレートナイツ社(Corporate Knights)と米国のイノベスト社(Innovest Strategic Value Advisors)が共同で調査・格付けを行っており、環境、社会、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメントなどの非財務要因の企業価値に焦点を当てている。2008年は、約1,800社の対象企業から17カ国の様々な業界の企業が上位100社に選ばれた。

日本郵船プレスリリース:
http://www.nykline.co.jp/news/2008/0130/index.htm
「Global 100」ホームページ: http://www.global100.org/

温暖化対策を目指し「グリーンIT推進協議会」設立

2月1日、産官学のパートナーシップにより、IT機器の省エネ化とIT・エレクトロニクス技術による地球温暖化対策をより具体化するため「グリーンIT推進協議会」が設立された。本格的なIT化に伴い社会で扱う情報量は2025年には現在の約200倍になると見込まれ、それに伴いIT機器の台数や情報処理量は大幅に増加するため、IT機器自身の省エネは重要な課題となっている。一方、IT・エレクトロニクス技術は、高度な制御・管理による生産・流通・業務の効率化を通じて、生産性向上やエネルギー効率の向上を可能とし、環境負荷の低減に大きく貢献することができる。当面の活動を7月の洞爺湖サミットに向けた情報発信等による国際的リーダシップ発揮の支援や省エネ効果の高い電子・情報技術の抽出・ロードマップ作成、IT・エレクトロニクス活用によるCO2排出量削減可能性等の定量的調査・分析としている。

JEITA(電子情報技術産業協会)ホームページ:
http://www.jeita.or.jp/japanese/detail.asp?pr_id=1199

世界の金融機関の地球温暖化対策ランキングで、邦銀は低評価

機関投資家や環境保護団体で構成される連合組織セリーズ(Ceres)は、世界の主要な40の金融機関について初めて調査し、地球温暖化(気候変動)対策への取り組みを評価したレポートを発表した。温暖化対策に対するコミットメント、マネジメント体制、情報公開、CO2排出量削減への取組および戦略などが100点満点で評価された結果、多くの欧州の金融機関が比較的高い評価を受け、米国および日本の金融機関がそれに続いている。もっとも高い評価(70点)を受けたHSBCでは、自らのCO2排出量を自然エネルギーの利用で削減すると共に、温暖化対策に関連する事業への投融資を積極的に行っていることが評価された。日本の銀行では東京三菱UFJの39点で最高で、欧米の銀行に比べ低い評価にとどまった。これらの金融機関による市場規模は6兆ドルに達し、温暖化対策に大きな影響力を持っていると言われており、その取組みに大きな期待が集まっている。

Ceresプレスリリース(英語):
http://www.ceres.org/NETCOMMUNITY/Page.aspx?pid=826&srcid=705


10:34 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月19日 (土)

サステイナブルなニュース 第41号

今週月曜日(4/14)は、第39号のニュースと共にご紹介した環境省の「カーボン・オフセットフォーラム」のキックオフミーティングに参加して来ました。少し遅れて到着した会場はすでに満席で、この分野への関心の高まりを感じることができました。経産省も、国内での排出量取引を視野にいれた「国内クレジット推進協議会」を5月に設立するということで、今週金曜日(4/18)に発起人が開催されたそうです。こちらはまだ非公開で設立後に会員を募集するとのことでした。カーボン・オフセットでは、海外でのCDMプロジェクトによる削減量(CER)や国内の再生可能エネルギーの普及に貢献するグリーン電力証書などが使われますが、その他、個人や企業が自らの意思で自然エネルギーなどの事業に出資をする「市民出資」(地球温暖化防止おひさまファンドなど)も注目されています。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は、国際的な
安全保障や気候変動に関する記事が多かったようです。日本は果たしてこれらの
動きについていくことができるのでしょうか。

*************** サステイナブルなニュース 第41号 ********************

世界経済フォーラム、ダボス会議で「グローバルリスク2008」を発表

世界経済フォーラムは、スイスで開催されるダボス会議に合わせて「グローバルリスク2008(Global Risks 2008)」を発表した。この中で主に4つのリスクが取り上げられ、ダボス会議での主要なテーマとして議論されることになる。1つ目は国際的な金融システムへの不安を取り上げ、米国が年内に不景気となる恐れを指摘している。食料の安全保障については、今後10年間で人口増加、ライフスタイルの変化、バイオ燃料の生産そして気候変動による影響が強まる懸念を指摘。さらにこの20年間で急成長し極度に最適化されたサプライチェーンの脆弱性を指摘している。最後に高騰の続く石油など気候変動とも大きく関連するエネルギーのリスクを取り上げ、今後もエネルギー需要増が見込まれる中、価格の高止まりが長期化する恐れがあり、国際経済への影響を懸念している。

温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080117_1.html
「世界経済フォーラム」プレスリリース:
http://www.weforum.org/en/media/Latest%20Press%20Releases/GlobalRisk08Press

EUが気候変動対策および再生可能エネルギー利用の国別目標

EUは、すでにEU首脳会議で約束されている気候変動対策および再生可能エネルギー利用の促進に関する目標を達成するための包括的な提案を発表した。EU各加盟国における再生可能エネルギーの利用拡大のため、法的拘束力のある目標を国別に定めている。また、排出権取引制度の全面的な改革を行い、各加盟国の排出量の上限(キャップ)を定め、CO2排出削減のための技術開発を促進する。2020年までに温室効果ガスの排出量を最低でも20%削減し、再生可能エネルギーの割合を20%に増やすという目標が技術的・経済的に達成可能であることを示し、多くの欧州企業に貴重なビジネスチャンスを提供できるとしている。EUの排出権取引制度(EU-ETS)は、EU内の排出量の約半分に相当する1万の工業施設が対象となっており、それ以外の建設、運輸、農業などの部門についても2005年比で10%の削減を目標としている。バイオ燃料の使用割合を2020年までに最低10%とする目標も含まれている。

駐日EU代表部ホームページ:
http://jpn.cec.eu.int/home/news_jp_newsobj2615.php

環境への取組の国別ランキングがダボス会議で発表される

米イェール大学が毎年発表しているEPI(環境パフォーマンス指標)の2008年版がダボス会議に合わせて発表され、国別のランキングが明らかになった。今年の1位はスイスで以下スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、コスタリカの順位となっている。日本は149カ国中21位で、前回2006年の14位から後退したが、アジア太平洋地域ではニュージーランドに次いで2位となっている。EPI指標には、健康にかかわる環境汚染の低減と地球環境の保全という大きく2つカテゴリーがあり、全部で25の指標から構成されている。地球環境の保全では大気、水、生物多様性、森林や農業などの自然の資源、そして気候変動に関する指標が対象となっている。トップにランクされている国では、水や大気など自然環境の維持に多くの投資を行っており、ランクの下位の国々では、最低限の国民の健康への投資さえ十分にされていない。

米イェール大学EPIサイト: http://epi.yale.edu/
温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080128_1.html

10:22 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月13日 (日)

サステイナブルなニュース 第40号

東京では桜も散ってしまいましたが、北の方の地域ではこれからが見頃ですね。私が毎週行っている長野県の方では先週あたりがちょううど見頃でした。そのときの写真ですが、この地域には立派な一本桜が沢山あります。
Dsc05808

それでは、今週のニュースをお届けします。今週はバイオマスによるバイオガス供給のネットワーク組織が設立された話題や京都大学で導入された「環境税」のお話です。

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日本初のバイオガス供給ネットワーク組織が設立

下水汚泥や食品廃棄物などの有機性廃棄物から発生するバイオガスを有効活用するための日本初の供給事業会社として合同会社バイオガス・ネット・ジャパンが1月16日に設立された。再生可能エネルギー供給の技術を有する先端企業11社の出資により、主に下水処理場、食品工場、産廃処理事業者、畜産農家をガス供給基地とするために、バイオガスの回収・精製・流通の実用化を推進する。すでに2005年より開始した「バイオガス・ネットワーク・コンソーシアム」での実証試験では、バイオガスを精製して一般的なガス器具でも利用可能な都市ガス相当のガスにする技術や、圧縮容器などに充填して運搬する技術の開発に成功している。事業の3つの柱として、食品工場などバイオガス発生源でのオンサイト高度利用、産廃処理施設などでの天然ガス自動車などの輸送用燃料利用、畜産農家などからの食品工場などへのガス外販利用を推進する。

プレスリリース(日本総合研究所):
http://www.jri.co.jp/press/press_html/2007/080115.html

シベリアの永久凍土の融解が急激に進行、海洋研究開発機構の観測結果発表

海洋研究開発機構の研究グループは、シベリアの永久凍土の観測データにおいて、ここ数年のこの地域での地中温度が観測史上最高を記録し、永久凍土の融解が急激に進んでいることを確認したと発表した。これは北極地域の急速な温暖化に伴う現象の一つとして考えられ、ここ数年の降水量および積雪量の大幅な増加、積雪時期の変化など、水循環の変化も同時に現われていると考えられている。1970年より観測をしている東シベリアの永久凍土では夏期に地面の表層が融ける「活動層」の厚さが2004年以降急激に厚くなり2006年には2mを超えた。また地下3.2mの温度も2006年に最高となり、2007年にはさらに高温となることが推測されている。融解により真冬の異常な河川の流れや湖沼の拡大、森林の枯れなどの植生への影響などの現象も観測されており、今後、様々な影響が出ることが懸念されている。

海洋研究開発機構プレスリリース:
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20080118/index.html

京都大学、環境負荷低減のために学内「環境税」導入

京都大学では、CO2排出量が1990年から約93%増加し、今後も2~3%程度の増加が予測されることから、学内の全構成員が協力してエネルギー消費量や水道使用量を削減するための「環境税」を導入することを決めた。削減目標としては、CO2排出量の原単位を省エネ改修工事で1%、研究室での環境配慮行動で1%、合計2%削減すると共に、総量においても極力抑制する。この制度では「環境賦課金」というものが、電力、ガス、水道に対して4~5%程度課金され、学内のほとんどの研究室が対象となる(人員の99%、床面積の90%、エネルギー使用量の99%を網羅)。具体的には電力については1.0円/kWh程度の賦課金を本部と各部局が折半して負担し、総額約1.6億円程度を集める。これにガスの5100万円と水道の2700万円を加えると総額2.4億円程度の資金が集まり、これを各部局での省エネ改修工事の費用とする。この賦課金の徴収により、省エネルギーへのインセンティブを高める狙いがある。

京都大学環境賦課金方針(2008年1月):
http://www.kyoto-u.ac.jp/GAD/topic/data07/tpc080121_1/documents/080121_1.pdf

11:15 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 5日 (土)

サステイナブルなニュース 第39号

最近、「カーボン・オフセット」という言葉を良く聞くようになりました。個人や企業などが、その活動の中で排出した二酸化炭素(CO2)に対して、それと同じ量をのCO2を減らす事業や活動にお金などを出すことで、「オフセット」"相殺"するというものです。お金さえ出せば、幾らでもCO2を排出できるというのは本末転倒ですが、できるだけCO2の排出を減らす努力をした上で、それでも排出してしまったCO2を何とか出なかったことにするという苦肉の策です。4月1日は、「カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)」が設立され、グリーン電力証書を用いたものや、海外のクレジットを利用したものなど、さまざまな形態のカーボン・オフセットが国内でも始まりつつあります。

4月から始まった京都議定書の第1約束期間で、日本排出削減目標を"マイナス6%"を達成するために、海外でのCO2削減事業の"クレジット"(CO2削減量)を、海外から買ってくる国際的な取引が決まっています。これに対して、国内での排出量取引を実現しようという動きもようやく動き出しています。たとえば、環境省の国内排出量取引制度などです。経済産業省も国内CDMなど、少しづつ動き始めています。今年は、日本もカーボン・オフセットと国内排出量取引の元年になりそうです。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。世界的な地球温暖化防止への投資や経済活動の高まりを報告した地球白書2008、普段は見落とされている都市に眠る「資源」などの話題です。

*************** サステイナブルなニュース 第39号 *******************

地球温暖化防止への投資や経済活動が拡大、地球白書2008

米国の民間研究機関ワールドワッチ研究所は最新の「State of the World (地球白書)2008」において、地球温暖化防止に関連する投資や経済活動がここ数年で急拡大し、1000億ドル規模となっていると報告した。報告の中で、2006年の風力などの再生可能エネルギーへの投資が520億ドルに達し、2005年と比べて33%増加しており、2007年には660億ドルになると推定している。また、いわゆるカーボンの排出量取引の成長は著しく、2006年には300億ドルと、2005年の3倍の規模になっている。さらに大企業での先進事例としてデュポンでは、温室効果ガスを1991年比で72%削減することにより30億ドルの経費削減を実現している。地球白書は1984年から毎年発行され、世界中の言語に翻訳されて多くの人々に読まれており、日本で今年発刊された「地球白書2007-08」では、世界中で拡大し続けている都市の未来を特集している。

ワールドワッチ研究所 ”State of the World 2008”:
http://www.worldwatch.org/stateoftheworld
ワールドワッチ・ジャパン「地球白書2007-08:都市の未来」:
http://www.worldwatch-japan.org/BOOKS_SYOUKAI/HAKU_2007-2008.html

国内の「都市鉱山」は、世界の主要資源国に匹敵

(独)物質・材料研究機構では、国内の製品や廃棄物に蓄積されたレアメタル(希少金属)などの資源量を推計し、「都市鉱山」として世界有数の資源国に匹敵することを明らかにした。計算では、金は、約6,800トンが国内に存在し、世界の現有埋蔵量42,000トンの約16%となっており、銀は60,000トンで22%、インジウムが61%、錫11%、タンタル10%と世界の現有埋蔵量の一割を超える金属が多数あることがわかった。その他にも世界の年間消費量の数倍の蓄積量をもつ金属が多数あり、特に電池材料となるリチウムや触媒などとして不可欠な白金(プラチナ)の蓄積量が大きい。これらのレアメタルは、電子部品などに多用され世界的な需要増と供給リスクが指摘されている。現状ではこのような国内の「都市鉱山」の資源は、使用済みの製品や廃棄物として比較的安価に海外に流出している場合も多く、国内での適切なリサイクルが求められている。

(独)物質・材料研究機構プレスリリース:
http://www.nims.go.jp/jpn/news/press/press215.html

環境に貢献する特許を開放するエコ・パテントコモンズ設立

持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)はIBM、ノキア、ソニーなどの有力企業と協力して、環境技術に関する数十件の特許を開放する取り組みを始めた。開放する特許はエコ・パテントコモンズ(Eco-Patent Commons)と呼ばれ、環境問題に焦点をあてたものや、環境保全に効果がある製造やビジネスプロセスの技術革新に関するものが含まれている。例えば、有害廃棄物発生の削減、省エネや節水の効果をもたらす製造プロセス、燃料消費量の削減効果がある購買や物流ソリューションに関する特許がある。これらの特許はWBCSDが運営する専用のウェブサイトで公開され、環境保全につながる優れた技術を業種・国の壁を越え発展途上国にまで提供できる共通のプラットフォームとして期待される。どの特許を公開するかの選択は各企業・団体の判断に委ねられており、さらに賛同する企業の参加を呼びかけている。

日本IBMプレスリリース:
http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/01/1501.html
世界経済人会議(WBCSD)ホームページ: http://www.wbcsd.org/

09:39 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)