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2008年6月 8日 (日)

3つの2050年エネルギービジョン

今週末は、青森でエネルギー大臣会合が開催されていますが、私も以下のシンポジウムに出席するために、青森に行ってきました(市内に警官は確かに多かった...)。このシンポジウムは、グリーンピースジャパン、市民風車事業を行っている地元のNPOグリーンエネルギー青森自然エネルギー市民の会環境エネルギー政策研究所の共催となっています。

[シンポジウム「地球温暖化はこうすれば避けられる」(2008年6月3日(火)]
http://www.greenpeace.or.jp/event/e20080606/view

20080606

実は、今週は実に3つの2050年までの長期エネルギービジョンが発表され、G8サミットのエネルギー大臣会合に対してメッセージをそれぞれ発信しています。

一つ目は、ISEP(環境エネルギー政策研究所)が2月に発表した「2050年自然エネルギービジョン」を、6/3(火)に開催された「自然エネルギー政策会議」の中で政策提言を交えて再度発表をしました。

[2008年6月3日:自然エネルギー政策会議の開催]
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2008/05/post_cdcf.html

この会議の中で紹介されている「2050年自然エネルギービジョン」は、以下のISEPのホームページに掲載されています(「自然エネルギー政策会議」のページが開設されました)。

[自然エネルギー政策会議(2008年6月3日)]
http://www.isep.or.jp/event/080603sympoGEN_ISEP.html

「2050年自然エネルギービジョン」

「2050年自然エネルギービジョン」の実現への政策提言

午前中の基調講演では、世界の再生可能エネルギーの現状を克明にまとめた"REN21 Rnewables Global Status Report"の紹介が作成者本人からありました(2007年版の日本語訳も近々ISEPからリリース予定です)。

[REN21 Renewables Global Status Report 2007(英語)]
http://www.ren21.net/globalstatusreport/

また、もう一つの基調講演は、世界の固定価格買取制度(FIT)の状況をまとめた本を執筆した本人が行いました。FITの現状を詳しく知ることができましたが、日本語の概要版が近々ISEPのホームページで公開される予定です。

2つ目のエネルギー長期ビジョンは、グリーンピースの"Energy [r]evolution"です。今年の2月に世界の2007年版の日本語訳が発表されましたが、それに引き続き、6/6(金)に日本バージョンの概要が発表されました。この作成には、ISEPも協力しています。大変意欲的な日本の長期エネルギーシナリオで、原子力無しで、2050年までにCO2排出削減70%以上を達成できるシナリオになっています。

[グリーンピースジャパン: Energy [r]evolution 日本版の発行]
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20080606ce_html

最後の3つめのエネルギー長期ビジョンは、国際エネルギー機関(IEA)が対抗して同じ6/6に東京で発表したものです。こちらは、世界のCO2排出量を2050年までに半分にできることをIEAとしては、初めてバックキャスティングの手法で技術予測を行った"IEA ETP2008"と呼ばれるエネルギー技術展望レポートです。IEAとしては、大変意欲的な内容でそれなりの評価はできますが、原子力とCCSを重視しているところが、上のグリーンピースのシナリオとは大きく異なります。

[IEA ETP2008](英語)
http://www.iea.org/Textbase/techno/etp/index.asp

他の言語と一緒に日本語のサマリーやプレスリリースも同時に発表する力の入れようです。石油や石炭が高騰し、代替エネルギーの技術開発と普及は待ったなしの様相を呈しています。これまでは、フォーキャスティングの予測しなかったIEAが、ここまでのレポートを出す背景には、地球温暖化と化石燃料の高騰に対する強い危機感が感じられます。

[IEAプレスリリース(日本語)]
http://www.iea.org/Textbase/techno/etp/ETP_2008_Exec_Sum_Japanese.pdf

3つの長期エネルギービジョンに共通するのは、自然エネルギーの普及政策の重要性です。すでにある自然エネルギーの技術や製品を普及させ、市場を拡大し、導入コストを下げるという好循環をうまく作り出す必要があります(かつての自動車産業のように)。一部の国では、すでにその好循環が始まっていますが、日本を含む多くの国でそのような政策の転換が期待されています。

01:07 午前 エネルギー |

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