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2008年8月22日 (金)

サステイナブルなニュース 第54号

北京オリンピックも残すところ数日となり、オリンピック後の中国の動向も気になり始めました。原油の高騰も現在は一旦落ち着いていますが中国の経済が再び本格稼動し出すと状況がまた変わるかもしれません。

前回のニュースから少し間が空いてしまいましたが、今回も3つのニュースをお送りします。これらは4月下旬に発表されたものですが、UNEPのCN Netや環境省のエコファースト制度もその後、加盟団体は徐々に増えているようです。航空業界は、燃料費の高騰でCO2の削減はそのままコストの削減につながるという意味合いもありそうです。

************** サステイナブルなニュース 第54号 *********************

「気候ニュートラル・ネットワーク」(CN Net)の参加団体が増加中

国連環境計画(UNEP)が今年の2月に設立した「気候ニュートラル・ネットワーク」(CN Net: Climate Neutral Network)では、この4月に新たに10の企業や団体がネットワークに参加したと発表した。このCN Netは、地球温暖化による気候変動を避けるために率先して温室効果ガスの大幅削減に取り組み、その排出量をゼロにすることを目指す国、都市、団体や企業のインターネット上のネットワーク。2月の設立時には、13の国、都市、企業が参加していた。国としては、コスタリカ、アイスランド、ニュージーランドそしてノルウェイの4カ国。コスタリカは、独立200周年を迎える2021年までに排出量ゼロ(ニュートラル)を目指す。アイスランドは2050年までに温室効果ガス排出量の75%削減を目指しているが、すでに発電量の99%、エネルギー全体の75%は、地熱や水力などの再生可能エネルギーで賄われている。

国連環境計画(UNEP)「気候ニュートラル・ネットワーク」:
http://www.climateneutral.unep.org/
温暖化NEWS記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080427_1.html

JAL、「空のエコ」プロジェクトを発表

日本航空JALは、「空のエコ」プロジェクトとして、これまでの環境社会活動を推進すると共に、航空機から排出される二酸化炭素の削減目標や「JALエコジェット」の運航について発表した。二酸化炭素の排出量については、2010年までに1990年比で有効トンキロ輸送量あたり20%の削減を目指す。そのため、機材更新による燃費効率の向上、適正高度の選択や新着陸方式、エンジンのクリーニングや航空機の軽量化などを実施する。さらに6月より、地球環境への取り組みの象徴として尾翼を緑に塗装した「JALエコジェット」を運航し、顧客など社会への呼びかけを行う。環境社会活動としては、1993年より開始している高度1万メートルでの大気の採取を継続し、気候変動のメカニズム解明をサポートすると共に、シベリア、アラスカ、インドネシアなどの森林を上空から観測して、森林火災の情報提供する活動についても継続する。

JALプレスリリース:
http://press.jal.co.jp/ja/release/200804/000906.html

環境省が「エコ・ファースト制度」を創設し、2企業が「約束」

環境省は、4月に業界のトップランナー企業の環境保全行動を促進するため、企業が環境大臣に対して自らの環境保全に関する取組を約束する「エコ・ファースト制度」を創設した。この「エコ・ファーストの約束」を行った企業に対しては「エコ・ファースト・マーク」の使用が認められる。この制度の第1号となった株式会社ビックカメラでは、家電リサイクルの適正かつ積極的な推進や、地球温暖化防止に向けた取組として省エネ家電の普及促進やCO2削減目標の設定(2010年までに2006年比で店舗面積あたりの排出量を4%削減)などを「約束」している。第2号となった食品小売の株式会社ユニーでは、食品リサイクル適正かつ積極的に推進するとして2021年までに食品売上高当たりの食品廃棄物の発生量を2007年比で10%削減する。

環境省プレスリリース(創設と第1号認定):
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9595
環境省プレスリリース(第2号認定):
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9605

12:41 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月11日 (月)

サステイナブルなニュース 第53号

いよいよ北京オリンピックが開幕しましたが、2008年8月8日午後8時からの開幕式をご覧になった方も多いのではないでしょうか。中国がその威信にかけて行う一大イベントだけあって、その壮大さには目を見張るものがありました。巨大な地球儀の周りを走り回る人にはびっくりしましたが... 日本も東京オリンピックを契機に急速な経済発展をしましたが、中国も同じような道を辿るのでしょうか。2000年頃から石炭や石油の消費量を急速に伸ばし、CO2の排出量も世界第一位のアメリカを超えたと言われる中国。今後の動向に目が離せません。

日本では、異常な高温と局所的な集中豪雨が続いています。今年は台風の数が少ないと感じるのは私だけでしょうか。西日本の渇水の状況は日に日に厳しくなっているようです。地球温暖化の影響予測では台風の数が減り大型化するというものがあったような気もします。地球の気候に大きな影響を与える北極の氷は今年の夏も急速に減っています。まだ昨年ほどの急激な減少は見られないようですが、北極点付近でも年々氷が薄くなっており、再び氷が増え始める9月中旬までは安心できません。日々の北極海の海氷の様子が北極圏海氷モニターで見ることができます。

それでは、今週のニュースをお届けします。最近話題になっているカーボン・オフセットなどで用いられる京都クレジットの取引価格の情報提供、持続可能な農業に関する提言、そして東京都を始めとする八都県市の動きです(いずれも4月下旬の情報です)。

***************** サステイナブルなニュース 第53号 ******************

日経と国際協力銀行(JBIC)が共同で排出量取引の価格気配情報

国際的な温室効果ガス削減の手段として排出量取引が注目される中、国際協力銀行(JBIC)と日本経済新聞デジタルメディアは共同で、日本国内における排出量取引の価格気配動向を算出し公表を4月21日に開始した。今年から第一約束期間が始まった京都議定書の京都メカニズムとして実施されているCDM(クリーン開発メカニズム)などからの排出量クレジットの取引が開始されたが、取引は相対で行われて価格が非公開となっている。一方、排出量取引の活用としてカーボン・オフセット等の検討する企業が増え、価格情報のニーズが高まっている。そこで、取引市場の主要参加者5社の協力で、日本国内で確定排出量取引をする場合の価格動向を気配値として公表する。公表は毎週月曜日に「日経エコロミー」および国際協力銀行/JOIの「排出権取引プラットフォーム」から「日経・JBIC排出量取引参考気配」として行われる。

プレスリリース「日経・JBIC排出量取引参考気配」の公表について:
http://eco.nikkei.co.jp/NJCI/article.aspx?id=20080418q5000q5
「日経エコロミー」: http://eco.nikkei.co.jp/
国際協力銀行/JOI「排出権取引プラットフォーム」: http://www.joi.or.jp/carbon/

持続可能な農業に関する報告と提言がまとまる

持続可能な農業に関する調査結果が4月16日に開催されたシンポジウム「本来農業への道」で発表された。同時に公表された報告書では、持続可能な社会に向けた農業の役割に関する報告と提言として、持続可能な農業の基本条件に関するアンケート調査結果、日本の持続可能な農業の実現に向けた10の提言などがまとめられている。この調査プロジェクトでは、多くの大学有識者、NPO、農業関係者により、2006年より4回の委員会が開催され、科学的な見地に立った上で、社会的な側面を考慮し、中立的な立場で日本国内および世界の農業の持続可能性について文献調査やアンケート調査が行われている。これまでの世界の農業の急速な発展により、土壌の劣化や塩害、肥料・農薬の多用による悪影響の他、グローバル化の進展による貿易の不均衡、大企業による農材・種子の市場支配など多くの課題があり、日本国内での農業のあり方を含め、その持続可能性が問われている。

「本来農業への道」: http://www.sas2007.jp/index.html
「持続可能な農業に関する調査プロジェクト」報告書:
http://www.sas2007.jp/download.html

八都県市首脳会議・首都圏連合フォーラムが環境行動宣言を採択

八都県市首脳会議と各地域の商工会議所などから構成される首都圏連合フォーラムでは、4月22日に環境行動宣言を発表した。特に地球温暖化防止への取り組みとして低炭素社会の実現を目指し、太陽エネルギーの利用や意識啓発や環境教育などに連携して取り組むことや、アジア諸国やアフリカ地域などへの環境分野の支援なども強化するとしている。この7月には洞爺湖サミットと合わせて八都県市地球温暖化防止一斉行動「エコウェーブ」として、7月7日20時に一斉消灯を実施する。八都県市首脳会議は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市より構成され、「あおぞらネットワーク」による大気保全や地球温暖化防止キャンペーンや省エネ型家電拡大キャンペーンなど、環境問題を始めとした首都圏広域の課題に取り組んでいる。

[八都県市温暖化防止キャンペーン]
http://www.8tokenshi-kankyou.jp/global-w.html
[首都圏連合フォーラム環境行動宣言]
http://www.8tokenshi-kankyou.jp/images/news/news080422.pdf

02:24 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年8月 4日 (月)

サステイナブルなニュース 第52号

連日、34℃を越える暑い日が続いていますが、最近の集中豪雨は本当に熱帯の様になってしまいました。北海道に前線があるのも以前の日本の気候とは違うような気がします。身の回りの気候が目に見える形で年々変化することに本当に不気味さを感じます。最近読んでいるレスター・ブラウンの著書「プランB3.0」には世界中の気候変動の現実や兆候が、これでもかというぐらいに書かれていますが、それらを直視することは精神的にもとても厳しいものがあります。それでも、何らかの形でこれらの気候変動の現実や予測を直視することが私たちの義務なのでしょう。

先週は、東京ビックサイトで、新エネルギー世界展示会が開催されていました。最終日の午後からなんとか会場に行くことができ、1スパンのみの展示会場を一回りした後に、風力および地熱のセミナーを聴講することができました。展示会では、小規模ながら、国内の再生可能エネルギーに関する情報を得ることができました。ひとつには、東京電力のブースにあった電気自動車(三菱自動車製)が最初に目につきました。家庭で充電可能で、フル充電で約160km走行できるそうです。さらに驚いたのが、フルで電池容量が16kWhなので、約300円余りで160km走ることになります。まだ価格は300万円ほどするそうですが、いよいよ来年から発売が始まり、2010年になると他のメーカも続々と電気自動車を発売する予定だそうです。10年も経たないうちに電気自動車があちらこちら走ることになる様な気がしてきました。もちろん利用できる電力として、自然エネルギーからの電力が選べればCO2フリーの自動車も夢ではなくなりますが、是非、そのような仕組み作りも同時に進めるべきでしょう。

さて、今週のサステイナブルなニュースです。最初は、サステイナブルではないニュースとして、世界のCO2排出量が年率3%で増え続けているという話題。そして、ついに白熱灯の販売を中止するメーカの話題と国内排出量取引として国内クレジットに関する協議会発足のお話です。

***************** サステイナブルなニュース 第52号 *****************

世界の二酸化炭素排出量は、年率3%以上で増加中

地球温暖化の原因となる世界中の二酸化炭素の排出量が化石燃料の使用により増加し続けていると米国の民間シンクタンク・アースポリシー研究所が警告を発している。2006年の二酸化炭素の排出量は307億トンに達し、2000年と比べ20%増加した。この6年間の増加率は年率3.1%となっており、地球温暖化の防止が叫ばれる中、1990年代の増加率の2倍に達し、世界の排出量の増加はむしろ加速している。この二酸化炭素排出量の増加率はIPCCが地球温暖化の予測シナリオの中で最悪のケースとして想定している増加率2.3%よりも高い。世界各国の排出量の内訳を見ると上位5カ国の排出量が、世界全体の半分を占め、その中でも米国と中国を合わせた排出量が世界の3分の1以上となっている。特に中国の排出量の増加は著しく、1990年の2倍に達しており、平均すると毎週2基の石炭火力発電所を新たに建設している。

アースポリシー研究所プレスリリース(英語):
http://www.earthpolicy.org/Indicators/CO2/2008.htm

白熱電球の製造を2010年までに中止、東芝ライテック社

電球製造の国内最大手、東芝ライテックは2010年を目途に一般白熱電球の製造を中止し、年間約4000万個の白熱電球を製造している生産ラインをすべて廃止することを発表した。地球温暖化防止の観点から世界的にも白熱電球から電球型蛍光灯への置き換えが進んでおり、東京都などでも「白熱球一掃化作戦」を実施している。東芝ライテックでは、120年前に日本で最初の白熱電球を実用化したが、1940年には日本で始めての蛍光ランプの製造を開始し、1980年には電球型蛍光灯を実用化して累計で約1億2千万個の販売をしてきた。今後、一般白熱電球に代えて電球型蛍光灯やLED電球などの省エネ製品を販売する事業活動に注力することにより、2010年には現在と比べ年間50万トンのCO2削減に貢献できると試算している。

東芝ライテック・プレスリリース:
http://www.tlt.co.jp/tlt/topix/press/p080414/p080414.htm
東京都「白熱球一掃化作戦」:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sgw/hakunetu/index.htm

経済界を中心とした国内排出量取引の協議会発足へ

取組みの遅れている中小企業の温暖化対策を支援するため、経済産業省が構築を進めている「国内クレジット(CDM)制度」の普及活動などを行う「国内クレジット推進協議会」が設立される。日本商工会議所、日本政策投資銀行をはじめ24の国内企業および団体が発起人となり、5月下旬の設立を目指しており、洞爺湖サミットでのアピールや10月以降の制度紹介セミナーの開催などを計画している。この「国内クレジット(CDM)制度」では、民間、特に大企業の資金や技術を活用して、中小企業の排出削減を進める仕組みとして、削減した排出量をクレジットとして第三者認証機関が認証し、大企業などが自主行動計画の目標達成などに活用する。昨年度は経産省を中心に「中小企業等CO2排出削減検討会」において制度の整備に向けた検討を行っており、今年度は制度の基盤整備として審査人の人材育成やデータベース構築、制度の普及啓蒙などを行う。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20080415005/20080415005.html

09:24 午後 環境 | | コメント (1) | トラックバック (0)