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2008年9月29日 (月)

サステイナブルなニュース 第59号

すっかり涼しくなり秋の台風シーズンに突入しましたが、今年は太平洋の高気圧の配置により台風のコースが例年と少し違い、まだ1度も日本に上陸していません。その代わり台湾や中国に上陸して大きな被害をもたらしているようです。気候変動がもたらす国内への様々な影響の予測は、この後ご紹介するニュースの記事の中にも書かれています。

最後のニュースでご紹介する6月に発表された「福田ビジョン」ですが、低炭素社会に向けた政府の約束として信じたいところですが、最近の政局の状況ではすっかり霞んでしまっているように見えます。10月から開始が予定されている国内排出量取引制度の試行はようやくその内容が見えてきましたが、かなり妥協の産物となっているようです。その他の政策においても経産省が太陽光発電への補助金を発表したり、単発の政策は実施されつつあるようですが、京都議定書目標達成に向けた大きな動きは相変わらず進展がみられません。そんな中、いわゆる「グリーン税制」に関する検討は少しづつは進んでいるようです。

それでは、今週のニュースをお送りします。主に6月上旬に発表されたニュースです。

******** サステイナブルなニュース 第59号 ******************

省エネ法の規制強化、コンビニなども規制対象に

今年5月の国会で省エネ法(エネルギーの使用合理化に関する法律)が改正され、規制の対象がこれまでの大規模な工場・オフィスからコンビニなどのフランチャイズチェーンまで広がる。今回の改正では、これまで工場単位だったエネルギー管理義務が事業者単位(企業単位)に変更され、これまで産業部門での省エネルギー重点的に進めて来たが、近年、二酸化炭素の排出量が増加している業務部門や家庭部門での対策を強化する。さらに、これまでの2000平米以上の大規模な住宅・建築物に加え、一定の中小規模の住宅・建築物も省エネルギーの取組に関する届出の対象に追加すると共に、住宅を建築し販売する事業者に対し、住宅の省エネ性能向上を促す。この改正省エネ法の施行は一部規定を除き平成21年4月1日より。

経済産業省ホームページ:
http://www.meti.go.jp/press/20080304002/20080304002.html

地球温暖化、日本への影響を詳細に予測

地球温暖化に伴う将来の日本への影響について、水資源、森林、農業、沿岸域、健康などの各分野で総合的に予測した研究成果が発表された。2005年にスタートした研究では、国内の約45名の研究者が参画し、2050年頃までを重点におきつつ今世紀末までの日本およびアジア地域の温暖化の影響予測および経済評価を行い、その影響やリスクを総合的に評価している。その結果、地域差があるものの、洪水や土砂災害の増加、森林の北方への移動と衰退、米作への影響、高潮災害の拡大や沿岸部での液状化リスクの増大、熱中症患者の増加、感染症の潜在的リスクの増加といった多岐にわたる影響が現れることがわかった。さらに、気温上昇と温暖化の影響の程度との関係を示す「関数」を構築し、比較的低い温度上昇で厳しい影響が出ることを明らかにした。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9770

「福田ビジョン」サミットを控え自らの温暖化対策を語る

福田首相は、洞爺湖サミットを控えた6月9日、自らの地球温暖化への取組みを「福田ビジョン」として発表した。まず日本を「低炭素社会」へ転換する必要性を強調し、それを新たな経済成長の機会とすることで、大きなチャレンジとして自信を持って踏み出すべきと述べた。CO2排出量に関する長期目標については、日本としても現状から60~80%の削減を目標として掲げるとしたが、2020年までの中期目標については、今後セクター別アプローチによる積み上げにより確実に削減できる数字を明確にしていくとし、明言を避けた。具体的な政策としては、「革新技術の開発と既存先進技術の普及」、「国全体を低炭素化へ動かしていくための仕組み」、「地方の活躍」、「国民主役の低炭素化」の4つを述べた。既存先進技術である再生可能エネルギー普及に関する目標として2020年までに原子力を含む「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上に引き上げるとした他、排出量取引制度や環境税の導入についても積極的に取り組むとしている。

「福田ビジョン」スピーチ(テキスト):
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/06/09speech.html
「福田ビジョン」スピーチ(動画):
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1904.html

12:58 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月20日 (土)

サステイナブルなニュース 第58号

普段はあまりフィクションは読まないのですが、久しぶりに「マグマ」という日本のエネルギー問題を扱った経済小説(?)を読みました。日本の地熱発電は何故、普及しないのかという素朴な疑問からスタートし、エネルギー開発会社の再生という経済問題を扱いながら、日本の原子力行政の問題点を突くという非常にバラエティに富んだ内容です。登場人物による人間ドラマも、そのストーリーの展開の面白さと合わせ、魅力的です。この著者の最新作は「ベイジン(北京)」というタイトルで、原子力を真正面から扱っているそうです。こちらも是非、読んでみたいと思います。

国内の自然エネルギーの普及を計る指標として、「エネルギー永続地帯」というものがあります。昨年は、市区町村毎のエネルギー自給率を民生用電力について試算したものが発表されましたが、今年は太陽熱や地熱などの熱を含めた試算を行っており、先週、千葉大学との共同研究として発表を行いました。電力については、太陽光や風力発電の供給量が増えており、電力に関する100%永続地帯(100%の民生用電力を自給している市町村)が86となりましたが、熱については100%自給している市町村は9という結果になりました。熱については、まだ計算の中にバイオマスが含まれていませんが、統計データの整備と更なる普及が求められていると思います。

このブログでも何度か注目してきた北極海の海氷ですが、先日、今年の最小面積を記録し増加に向かっているそうです。NASAが今年の海氷の溶け方をアニメーションにしています。今年は昨年に引き続き歴代2位の面積最小記録となりましたが、確実に極地方の氷が溶け、世界の気候に影響が出始めていると言えそうです。もちろん、海面上昇に直接影響のある陸の氷床としてグリーンランドの氷と南極の氷も非常に心配です。

さて、今週のサステイナブルなニュースでは、2つの白書を取り上げます。ひとつは森林白書、そしてもう一つはエネルギー白書です。森林が国土の面積の70%を占め、森林資源が豊富なのにそれを十分に活用していない日本。一方、エネルギーについては自給率が約6%しかない日本。いずれも日本の実情を如実にあらわしています。そしてもうひとつのニュースが日本が世界の水資源をいかに浪費しているかがわかる「バーチャルウォーター」についてです。

***************** サステイナブルなニュース 第58号 ************

日本の森林の多面性と林業の方向性を提示、森林白書

今年の森林白書では、森林が持つ地球温暖化防止、国土の保全、水源のかん養、生物多様性の保全などの多様な機能を紹介し、日本の森林の持つ多面性を訴えている。日本は国土の3分の2を森林が占める世界有数の森林国であり、利用可能な国内の森林資源は充実した状態にある中、これまであまり利用されてこなかった国産材への期待が急速に高まっている。しかし、これまで輸入材に頼り、国産材の利用が低迷してきたことにより、林業を取り巻く環境の厳しさには深刻なものがあり、長期的な視野に立った効率的で安定した林業経営の確立が重要となっている。第1章「林業の新たな挑戦」では、国内の林業において、必要な森林整備を行いつつ、国産材の安定供給を実現するため、意欲ある林業事業体の育成や、森林所有者からの長期的な施業受託など、そのための仕組み作りの重要性が強調されている。

「平成19年度森林・林業白書」:
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_rinya/h19/zenbun.html
「私の森.jp」: http://watashinomori.jp/

世界の水環境問題を知るために、普及啓発サイト

環境省は、水の大切さや世界の水環境問題と私たちの生活とのつながりを理解するための普及啓発サイト「バーチャルウォーター」を開設した。近年、地球温暖化による気候変動や途上国などでの急激な人口増加や経済発展と共に、世界の水環境問題は深刻な状態となってきている。その一方、日本は、食料の60%以上を輸入に頼っており、その輸入食料を生産するために必要な水は「バーチャルウォーター」と呼ばれ、年間800億立法メートルに達していると推計されている。この量は、日本の年間水道利用量の約8倍に達しており、私たちの普段の生活と海外の水環境問題との関わりを漫画などでわかりやすく解説している。例えば、1kgのトウモロコシを生産するには、1,800リットルの水が必要となり、このような穀物を消費して育つ牛1kgを生産するには、約20,000リットルの水が必要といわれている。

環境省「バーチャルウォーター」: http://www.env.go.jp/water/virtual_water/

原油高騰と地球温暖化問題の解決への対応を分析、エネルギー白書

経済産業省が発表した今年のエネルギー白書は、近年の原油価格の高騰を取り上げ、その要因の分析と今後の方向性を提示すると共に、地球温暖化問題の解決に向けた国際的な取組について紹介し、短期・中期・長期それぞれの戦略的な取り組みの必要性を訴えている。原油価格は、2000年以降、上昇傾向を続けており、2004年以降はさらに加速して史上最高値を更新し続けている。世界の石油需要は中国などを中心に90年以降、一貫して増加する一方、供給側は供給余力が低水準で推移する状況が続いており、これらが石油高騰の基礎となっている。そこに中東地域の地政学リスクや生産コストの上昇、人材不足などの加え、金融市場での投資マネーの流入や先行き不安などのプレミアが加わり、近年の石油高騰につながっていると分析している。この石油高騰を受け、産業や民生・運輸など様々な分野での省エネへの投資や代替エネルギーへの転換が今後、急速に進むと考えられるとしている。

資源エネルギー庁「エネルギー白書」:
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm

11:55 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月15日 (月)

サステイナブルなニュース 第57号

この秋から試行が始まる予定の国内排出量取引制度ですが、まだまだ制度面の詳細は決まっていないようです。環境省は数年前から自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を実施し、制度の仕組みを整えて来ました。今年に入りカーボン・オフセットフォーラムを設立し、海外からの京都クレジットだけではなく、国内クレジット(VER)の為の仕組みも整備を進めています。一方、経産省では、国内CDM制度の実現を目指しており、昨年あたりから、検討やモデル事業を行ってきました。今年の6月には国内クレジット推進協議会を設立し、国内クレジット制度に関するパブコメも開始しています。しかしながら、「国内クレジット」の具体的な中身については、まだまだ様々な議論があり、紆余曲折が予想され、当面はしっかりその中身を見定める必要がありそうです。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、農業や食料に関する白書の話題を取り上げています。地産地消への取り組みが各地で行われ、、国内の食料自給率も少しづつですが回復する兆しが見える中、日本の農業の行く末はまだまだ予断を許しません。国立環境研究所を中心とした研究グループからは低炭素社会を実現するための「12の方策」が発表されています。2050年低炭素社会のビジョン実現に対する方策が示されています。最後は、国連の植樹プロジェクトの話題です。当初の目標をすでに達成し、追加目標を設定されたようです。これが各国での有効な植樹であれば、この勢いでさらに継続して欲しい取り組みです。

************* サステイナブルなニュース 第57号 ****************

農業の体質強化と農村地域の活性化が課題、食料・農業・農村白書

農林水産省は平成19年度の「食料・農業・農村白書」を発表した。食料自給率が40%以下と低迷し、農業経営を取り巻く状況が厳しさを増す中、「農業の体質強化と農村地域の活性化」や地球温暖化対策や生物多様性の保全のための「地球環境対策と農村資源の保全・活用」について特集している。我が国の農業は、農地面積の減少や農業従事者の減少・高齢化により農業構造の脆弱化が急速に進行しており、農家一戸あたりの農地面積は1.8haとEUの1/9に留まっている。その中で主力農産物の米については米価の大幅な下落のため「米緊急対策」が実施され、生産調整の見直しが行われている。耕作放棄地が増える中、農地の利用集積についても様々な促進策が講じられ、農業経営の安定と競争力の強化を図るための取り組みも各地で行われている。

農林水産省「食糧・農業・農村白書」:
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h19/index.html

2050年までに70%削減、低炭素社会に向けた12の方策

国立環境研究所を中心とする研究グループは、2050年までに温室効果ガスの排出量を70%削減することを可能にする「低炭素社会に向けた12の方策」を研究成果として発表した。昨年2月に発表した日本の温室効果ガス排出70%削減のシナリオ分析結果をもとに、どの時期に、どのような手順で、どのような技術や社会システム変革を導入すればよいのか、それを支援する政策にはどのようなものがあるかを、12の方策として整合性をもってまとめ、それぞれの方策の削減効果を定量的に把握した。エネルギー需要の面では「快適さを逃さない住まいとオフィス」「滑らかで無駄のないロジスティックス」「歩いて暮らせる街づくり」などがあり、「安心でおいしい旬産旬消型農業」「森林と共生できる暮らし」など農業や林業についても言及している。エネルギー供給の面では「カーボンミニマム系統電力」「太陽と風の地産地消」などについての具体的方策を提言している。

国立環境研究所プレスリリース:
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2008/20080522/20080522.html
「脱温暖化2050プロジェクト」; http://2050.nies.go.jp/index_j.html

目標本数を70億本に引き上げ、国連の植樹キャンペーン

国連環境計画(UNEP)は、「10億本植樹キャンペーン」の2009年末までの目標本数を70億本に大幅に引き上げることを発表した。これは地球温暖化に伴う気候変動への取り組みとして2009年末に開催されるCOP15までの重要な期間でもあり、世界中の人々が一人1本を植樹することにより達成できる象徴的な数字となっている。国連環境計画(UNEP)と世界農林センター(ICRAF)が2006年から進めている「10億本植樹キャンペーン」では、多くの市民や団体の手で、昨年の段階ですでに20億本が世界155カ国に植樹され、当初の目標を大きく上回る成果を上げた。植樹された樹木は地球温暖化対策として二酸化炭素の吸収源になるだけではなく、その地域の復興や保全に様々な恩恵をもたらし、農業環境の改善、水の保全やエネルギーの供給や生物多様性の保全も可能となる。これまでの実績ではエチオピアの7億本を筆頭に、トルコ4億本、メキシコ2.5億本、ケニア1億本などとなっている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=535&ArticleID=5806&l=en
「温暖化新聞」記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080522_1.html

12:03 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 8日 (月)

サステイナブルなニュース 第56号

先週の最大のニュースといえば、福田さんが辞任表明したことでしょうか。ねじれ国会と数々の難題、やはり福田さんも普通の人だったということかもしれません。洞爺湖サミットの前には、あの「福田ビジョン」を発表し、気候変動政策ではそれなりにがんばっていたのですが、この勢いを次の首相も引き継いで頂きたいと思います。

さて、今週のニュースをお送りします。5月下旬のニュースですので、その後、東京都については、条例も可決され、新しい制度に向けた準備が着々と進められています。この環境確保条例の改正については、すでに何度か説明会が開催され、説明資料が公開されています。主な内容は大規模事業所への「総量削減義務と排出量取引制度」ですが、それ以外にも中小事業者への対策(報告制度など)も含まれています。国では、この秋から国内排出量取引制度の試行が開始される予定ですが、そちらも含め注目して行きたいと思います。

**************** サステイナブルなニュース 第56号 *****************

国土交通白書、地球温暖化をメインテーマに

今年の国土交通白書では、地球温暖化がメインテーマとして取り上げられ、「地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開」について詳しく紹介されている。国土交通省では、住まいやまちづくり、交通ネットワークの整備、防災、気象情報の提供など、暮らしに密着した行政分野を担っており、近年、地球温暖化に対応した各種の対策を推進している。地球温暖化がもたらす気候変動の監視・予測については、気象庁が国内や近海だけではなく、世界のデータを収集しており、気候変動の予測を「全球気候モデル」を使って行っている。国土地理院では、「地球地図」の作成を推進し、今年3月にその第1版を取りまとめた。地球温暖化への適応策と緩和策は車の両輪であり、気候変動の影響による自然災害の被害を最小限に留め、合わせて緩和策として都市計画、建築分野、交通分野などにおいて各種のCO2排出削減に取り組んでいる。

「平成19年度 国土交通白書」:http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/index.html
国土地理院「地球地図」:http://www1.gsi.go.jp/geowww/globalmap-gsi/globalmap-gsi.html

東京都、排出量取引制度導入を含む条例改正へ

東京都では、地球温暖化対策を強化し、大幅なCO2排出削減を実現するための「環境確保条例」の改正案を次回の定例都議会に提案する。この改正案には、大規模なCO2排出事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の導入が含まれている。その他、中小規模事業所へのCO2排出量等の報告制度を創設し、多数の事業所を有する企業などには提出を義務化する。さらに、地域におけるエネルギーの有効利用に関する計画制度を創設し、大規模開発における省エネ性能目標値の設定や未利用エネルギーの活用を検討する。節電・省エネ機器などの設置努力義務や認定制度による普及促進などにより家庭用電気機器等に関するCO2削減対策を強化する。今回の改正案については、気候変動の危機など人類・生物の生存基盤を脅かす問題、健康で安全な生活環境に支障を及ぼす問題などに適切に対応するため、東京都環境審議会の答申が3月に行われた。

東京都環境局プレスリリース:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/05/20i5g400.htm
東京都環境審議会の答申について:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2008/03/40i3v100.htm

クボタ、日本農業の活性化を支援するプロジェクトを展開

株式会社クボタは、耕作放棄地の再生支援など日本農業の活性化サポートとして「クボタeプロジェクト」を展開することを発表した。食料供給・国土保全など重要な役割を担う日本農業は近年、就業人口の減少、農家の高齢化・二極化、地域の過疎化といった厳しい問題に直面している。本プロジェクトでは、ディーラや第三者機関と連携し、より具体的に地域・農家・学校などと深く広く関わることにより、地球環境保全や日本農業の活性化を支援する。耕作放棄地の再生支援として、農地への復元整備や作物栽培作業の一部を、農業機械とオペレータの提供を通じて支援する。小学校や主催する農業体験野外学習の支援では、農業体験教室を開設し、稲作体験を通じた農業への理解促進と情操教育の推進に取り組む。その他、ご当地ブランド・産直品の全国PR支援、「菜の花プロジェクトネットワーク」などのバイオ燃料用作物栽培の支援なども行う。

プレスリリース:
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=189195&lindID=5

02:14 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 1日 (月)

サステイナブルなニュース 第55号

北京オリンピックが終わり1週間が経ち、すっかり過去の出来事になった感じがします。その間にもグルジアでの緊張の高まりや北極海の氷の減少、米国の大統領選挙と大型ハリケーン来襲と、国際的な重大ニュースが続いています。中国や原油需給の今後も含め、目が離せません。

先週の金曜日、東京都が新たな地球温暖化に向けた取組を盛大に発表しました。太陽エネルギーの利用拡大に向けた連携プロジェクトのキックオフ大会が都庁の大会議室で開催され、私も出席してきました。6月に発表された排出量取引制度に続く、新たな取組です。また、東京都が取組む再生可能エネルギー戦略の一部でもあります。当日発表された新たな政策は、都内の太陽エネルギーの大幅な利用拡大(平成22年度までに4万世帯分)を目指し、住宅用の太陽光発電や太陽熱温水器への補助金を交付するというものですが、10年分の環境価値を東京都が取得し、それを証書化(グリーン電力証書グリーン熱証書)して大企業などに販売するという仕組みです。詳細はこれから決まって行くと思いますが、制度への期待は非常に大きく、国も支援する太陽光と合わせ、太陽熱の大幅な利用拡大が期待されています。

それでは今週のニュースをお送りします。NTTグループのグリーン電力に対する取組みや大規模事業者からのCO2排出量の公表制度についてなど、ホットな話題となっています(5月上旬のニュースです)。

*********** サステイナブルなニュース 第55号 ********************

NTTグループ、太陽光発電による「グリーンNTT」の推進を発表

NTTグループは、更なる地球温暖化防止活動として、太陽光発電を中心とした自然エネルギーの利用を促進する「グリーンNTT」を発表した。2012年までに、5000kW規模を目指して太陽光発電を中心に導入を進めるとともに、NTTグループ内における太陽光発電を中心とした自然エネルギー利用普及のための有限責任事業組合「NTT-グリーンLLP」を新たに設置する。NTTグループは、これまでに約1800kW規模(112か所)の自然エネルギーによる発電システムを導入しているが、5000kW規模までの拡大を目指し、研究所や通信設備センターを中心に太陽光発電システム等の設置を進める。さらに、NTTグループ各社が出資して7月を目途に「NTT-グリーンLLP」を設立し、NTTグループにおける積極的導入促進を行うと共に、将来的にはグループ外への拡大などを検討する。

NTTグループ・プレスリリース:
http://www.ntt.co.jp/news/news08/0805/080502a.html

国内企業による温室効果ガス排出の実態を公表

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量について、国内の大口排出事業者からの排出量を算定、報告、公表する制度が今年から始まった。気候ネットワークでは、この3月に公表された2006年度の情報および情報開示請求を行って入手した個別排出事業者の排出量を分析し、その分析結果を発表している。特に排出量の大きい電力会社や熱供給事業会社などの「電気業」は、日本全体の排出量の28%を占めており、素材製造業として鉄鋼業が14%、化学工業が6%と大きな割合を占めている。全14,224事業所のうち230事業所の排出量で日本全体の50%を占めており、電気業や素材製造業の上位排出事業者に極端に集中している実態が明らかになった。例えば、排出量が1位の特定排出事業所は、下位の7000事業所の排出量にほぼ等しい。さらに気候ネットワークでは、本制度に基づく公表内容について非開示事業所などの多くの問題点を指摘している。

環境省・経済産業省「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度について」:
http://www.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/
気候ネットワーク・プレスリリース:
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2008-04-11.html

アジア開発銀行、年次総会において気候変動や食料危機への対応を発表

アジア開発銀行は、スペインのマドリードで開催されている第41回年次総会において、現在の深刻化しているアジア太平洋地域での気候変動や食料危機への対応について発表した。気候変動に対しては、新たに4000万ドル規模の気候変動基金を創設し、より全体的なアプローチにより温室効果ガスの排出削減や気候変動への適応措置を行う。これには森林や土地利用、生活改善、健康、異常気象への対応なども含まれている。現在、アジア太平洋地域では2020年までに約12億人が水不足になり、2050年までに食料生産が半分に激減することや主要な都市が洪水に襲われることが予測されている。さらに、現在、緊急の問題となっているアジア太平洋地域での食料コスト上昇に伴う食料危機について、緊急に5億ドルの予算措置を発表した。さらに2009年までに農業分野等へ、従来より2倍の20億ドル規模の融資も行う。

アジア開発銀行プレスリリース(気候変動基金について):
http://www.adb.org/media/Articles/2008/12474-asian-climates-changes/
アジア開発銀行プレスリリース(食糧危機への対応について):
http://www.adb.org/Media/Articles/2008/12483-asian-food-crisis/default.asp

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