« サステイナブルなニュース 第69号 | トップページ | サステイナブルなニュース 第70号 »

2009年1月 7日 (水)

グリーンエネルギー証書の普及に向けて

私もナビゲータを務めている「環境Info」という環境情報のポータルサイトに投稿した記事をこちらにも掲載しておきます。

               グリーンエネルギー証書の普及に向けて

 みなさんは「グリーン電力証書」と呼ばれる仕組みをご存知でしょうか。太陽光や風力など自然エネルギーを利用した発電により生み出される電力の環境付加価値を証書化し、企業や個人が購入することができるようにした民間ベースの仕組みです。グリーン電力証書の購入者は、日常使用している電力の一部を自然エネルギーから生み出された電力と見なすことができ、その購入代金は自然エネルギーの普及や維持などに使われます。

 2001年ごろから始まったこの制度もここ数年で認知度が高まり、自治体や企業が事業活動やイベントなどで使用したり、個人がグリーン電力付の商品として購入したりすることが当たり前になってきました。特に昨年は洞爺湖サミットがあり、環境への取り組みの一環としてこのグリーン電力証書がクローズアップされ、経済産業省の委員会でもガイドラインが策定されたり、普及キャンペーンが行われたりしました。現在、経済産業省が行っている「グリーンエネルギー・パートナーシップ(GEP)」や、環境NGOを中心に行われている「一億人のグリーンパワーキャンペーン」「グリーンエネルギー購入フォーラム(GEPF)」など、様々な普及活動も行われています。

 一方、日本国内ではカーボン・オフセットや国内排出量取引などの新しい仕組みが立ち上がってきています。これらの仕組みでは、温室効果ガスである二酸化炭素排出量の削減価値をクレジット化して取引をします。カーボン・オフセットでは主に発展途上国や新興国など海外での削減プロジェクトからの (京都)クレジットを扱うことが多いようですが、グリーン電力証書を使用する事例も増えてきました。

 カーボン・オフセットでのグリーン電力証書の扱いには二つの注目すべき動きがあります。ひとつは、グリーン電力証書をカーボン・オフセットにおける「削減努力」と見なすことです。省エネの努力で使用する電力を減らすだけではなく、グリーン電力証書を使うことにより使用した電力を自然エネルギーに転換したと見なすことができます。

 二つ目は、二酸化炭素の「排出係数」の扱いです。グリーン電力証書の使用によりカーボン・オフセットを行うには、二酸化炭素の排出削減量を導き出すための「排出係数」を決めることが必要です。現在はグリーン電力証書の使用者が決めていますが、今後、カーボン・オフセットの中での第三者認証制度、自治体の制度や国の温対法などで、より厳密に定められる可能性があります。このカーボン・オフセットについては、現在、環境省を中心とした「カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)」によって普及活動が行われています。

 グリーン電力証書に加え、最近、新たに「グリーン熱証書」の制度が注目されています。「グリーン熱」は文字とおり自然エネルギーが生み出す熱の環境付加価値に注目して証書化をするものです。現在は太陽熱、バイオマス、雪氷熱などの検討が進められていますが、将来的には地熱や地中熱なども対象として考えられます。東京都は太陽熱を利用する機器を大幅に普及させるために、平成21年度から新たな助成制度を開始しますが、この太陽熱利用機器の生み出す環境付加価値を使ってグリーン熱証書を発行し、企業などに購入してもらうことを計画しています。設備の認定や発生したグリーン熱の量を認証する第三者認証機関として「グリーンエネルギー認証センター」がグリーン熱証書の具体的な制度を検討し始めており、今年度中にはその姿が見えてくる予定です。

 このグリーンエネルギー証書制度は民間の自主的なものではありますが、国の制度を補い、日本国内の自然エネルギーの普及に大きく貢献するものです。また、私達が自ら使用するエネルギーについて考え、選択する機会を提供してくれる仕組みです。「グリーンエネルギー」を普及させる仕組みとしては、これ以外にも自然エネルギーへの投資を行う市民出資(コミュニティ・ファンド)や寄付を行う基金型(グリーン電力基金)など様々なものがあり、その輪が広がっています。

[参考リンク]

12:38 午前 再生可能エネルギー |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107595/43662734

この記事へのトラックバック一覧です: グリーンエネルギー証書の普及に向けて:

コメント

コメントを書く