« サステイナブルなニュース 第74号 | トップページ | サステイナブルなニュース 第75号 »

2009年2月15日 (日)

長期ビジョンと中期目標の狭間で

先週12日は脱温暖化2050プロジェクトの5年間の成果を報告するシンポジウムに参加してきました。2004年からスタートしたこのプロジェクトでは2007年2月に発表された「2050低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討」やそれに続く「低炭素社会に向けた12の方策」など多くの研究成果を生み出しただけではなく、ここ数年の日本での「低炭素社会」に向けた様々な動きを先導した研究となりました。研究代表者の西岡秀三氏が挨拶の中で言っていた「希望」という言葉がとても印象的でした。厳しい温暖化の現実の中で、日本が先進国として温室効果ガスの70%削減が可能であることをバックキャスティングの手法で示してくれました。今後の方向性としては、中国やインドなどのアジア諸国への展開、国内では具体的な実現に向けた取組みや2020年など中期目標に対する検討がありますが、まずはこの5年間の研究成果をしっかり評価したいと思います。

先週は、これ以外にも様々な発表や動きがありました。シンポジウムと同日に開催された政府の「地球温暖化問題に関する懇談会(第7回)」では、中期目標検討委員会の中間報告があり、新聞などでも報道されたとおり、2020年までの25%削減から6%増(1990年比)までの「複数の選択肢」が示されました。6%増は明らかにBAU(現状維持)であり、中期目標の選択肢としては当然不適当ですが、それ以外の選択肢も対策費用に関する検討が先行し、中期目標としては不適当なものが多く見られます。中期目標は日本が先進国として世界に見せる決意としてリーダーシップの源となり、国内の様々な気候変動政策を引っ張る原動力となるものです。それができない中期目標は、設定すること自体が無意味でしょう。その意味では、この中期目標検討委員会での検討手法自体に問題があるのかもしれません。中期目標の設定に関しては、日本政府や関係者のリーダーシップが今こそ問われていると思います。6月の発表に向け、この問題は検討や議論が続きます。是非とも、意味のある中期目標が日本として世界に発信できるようにしてもらいたいと願います。

10:36 午前 環境 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107595/44066422

この記事へのトラックバック一覧です: 長期ビジョンと中期目標の狭間で:

コメント

コメントを書く