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2009年2月23日 (月)

サステイナブルなニュース 第76号

先週の木曜日(2/19)は、地球温暖化問題に関する懇談会の下で開催されている中期目標検討委員会の傍聴に行ってきましたが、関心の高さもあって傍聴席はほぼ満席でした。今回は先日の「複数の選択肢」の仮分析結果からさらに分析を進めるために、産業界の各業界のヒアリングを行うという内容で、もっとも大きな影響力を持つ電気事業連合会と日本自動車工業会が対象でした。

電気事業連合会は、これまでのCO2排出原単位低減への取組みを説明していましたが、その中心となるのはやはり原子力発電です。今後の増設の話もでましたが、まずは現在設備利用率が60%台と低迷している状況をなんとか打開し、欧米並みの80%以上にすることが重要だと強調していました。将来的には原子力を含むゼロエミッション電源を50%以上にすることを目標としています(2006年の実績は38%)。その他、再生可能エネルギーについて電力会社自らメガワットソーラーとして14万kWの設備を導入し、さらに現在の系統で1000万kWまでの太陽光発電と500万kWの風力発電の受け入れ可能としていますが、全体の発電量の割合からすればまだ微々たるものです。石炭についてはIGCCなどによる高効率化を目指すとしていますが、CCS(炭素隔離貯留)に対してはまだ慎重な姿勢です。やはり高い中期目標の設定に対しては、その困難さを強調していました。

日本自動車工業会については、現在の仕組みの自動車の低燃費化には限界があり、電気自動車などの次世代自動車が鍵を握るとしていましたが、その導入には時間がかかり2020年の中期目標に対しては、あまり貢献できないとの見方でした。これ以外に、製紙業界などについてもヒアリングが終わっており、今週24日のヒアリングの後、3月には、検討会としての中期目標の選択肢が再度示されることになりそうです。現在の産業界の意向に引きづられた選択肢のみが残ることが懸念されます。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。昨年10月上旬のニュースですが、2番目の国連の報告書は、現在のグリーン雇用やグリーンニューディールへつながる画期的な提言を行ったものです。

*************** サステイナブルなニュース 第76号 ******************

環境省、自主参加型国内排出量取引制度の実施結果を発表

環境省が、すでに実施している自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)のうち、第二期分(2006年~2008年)が終了し、その実施結果が発表された。この制度は温室効果ガスを効果的に削減するための国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的に2005年度から開始しているもの。排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに、補助金を交付するとともに、目標達成のための排出枠の取引を行う。目標を保有する参加者は61社で、取引のみを行う参加者12社が制度に加わっている。2007年度の1年間で約28万トン(25%相当)のCO2排出削減が行われ、目標を6%上回る削減実績だった。これに対する排出枠の取引量は約5万トン(51件)で、その取引単価は約1250円/トンだった。これらの知見はこの秋から始まる国内排出量取引制度の試行的実施に生かされることになっている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10152
環境省自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)ホームページ:
http://www.et.chikyukankyo.com/

新たに数千万人の「グリーン雇用」、国連の報告書

国連環境計画(UNEP)は9月に「グリーン雇用」に関する報告書を発表した。気候変動への取組みにより、新たな投資や雇用が生まれており、その規模は将来、数千万人に達するとしている。発展途上国では農業や観光業において気候変動の影響がすでに現われており、労働条件の悪化などが懸念されている。また、これらの国々での農業やリサイクル業などでの労働条件を適切なものに改善することが急務となっている。「グリーン雇用」は、企業活動の環境への影響を低減し、持続可能なレベルにするとともに、「適切な労働」が貧困層の低減につながるとしている。現在、全世界の環境製品およびサービスの市場は、年間1.3兆ドルに達しており、2020年にはその2倍に達すると予測されている。市場の約半分は、エネルギー効率改善、持続可能な交通、水供給、廃水処理および廃棄物管理などで占められている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=545&ArticleID=5929&l=en

持続可能な地域づくりのための手法・ツール集を公開、環境省

環境省は、NPO、行政、企業等がパートナーシップを組み、持続可能な地域づくりを進めるために汎用的に用いることができる手法・ツールを集めた「協働による持続可能な地域づくりのための手法・ツール集」を公開した。このツール集では、持続可能な地域づくりの活動の開始段階で必要となる、地域の課題や資源への気づき、それを地域のコミュニティに関わる人々の間で共有するための手法、解決策の検討、活動計画を決定するための合意形成の手法、資金調達の手法や人材育成などを整理している。「協働・合意形成ツール」、「協働型資金調達手法」、「人材育成手法」などと共に、具体的な活動モデルについても他の地域への普及が可能な典型的な活動(コミュニティ・ガーデン、菜の花プロジェクト等)を紹介しており、これらの手法・ツール集の普及を図るとしている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10223

12:30 午前 環境 |

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