« サステイナブルなニュース 第77号 | トップページ | サステイナブルなニュース 第79号 »

2009年3月 9日 (月)

サステイナブルなニュース 第78号

先週は、福島県の猪苗代町でフリースタイルスキーの世界選手権大会が開催され、日本選手の活躍もニュースになりました。実は、この大会ではカーボン・オフセット事業として、グリーン電力証書を使って大会全体のCO2排出量(推計260トン)をオフセットしています。使ったグリーン電力は猪苗代湖を挟んだ対岸にある布引高原の風力発電などですが、この風力発電所は新エネ大賞にも選ばれた国内でも最大規模のものです(2000kW級の風車が33基!)。その他にわずかですが、太陽光発電のグリーン電力も使用されています。私自身は、このオフセット事業に関わっていることから、先週の月曜日と火曜日に大会に行って来ました。各会場に写真のようにカーボン・オフセット事業を紹介する看板が設置されていますが、温暖化防止の活動しては今年もチーム・マイナス6%が大々的にキャンペーンを行っていました。今年は、やはり暖冬で雪が少なく、会場の雪を確保することに大変苦労したそうですが、一週間にわたる大会が先ほど無事に終わったようです。

20090303a

それでは、サステイナブルなニュースをお届けします。昨年10月中旬のニュースですが、昨年10月から始まった国内排出量取引の試行の話題、そして海外での排出量削減プロジェクトのコベネフィットについて、そしてIEAの自然エネルギーの普及政策に関するレポート発表のニュースです。IEA自体は元々石油ショックへの対応のために先進国で組織された国際エネルギー機関ですが、最近は再生可能エネルギーにも力を入れ始めています。国内排出量取引制度については、参加企業は500社以上集まったようですが、削減義務の無い日本独自の排出量取引制度ということで、どこまで実効性があるかが注目されています。

*********** サステイナブルなニュース 78号 *********************

国内排出量取引の試行的実施が決まり、参加企業を募集開始

日本政府は、10月21日に開催した地球温暖化対策推進本部(麻生首相 本部長)において、京都議定書目標達成に向けたCO2削減のため、排出量取引の国内統合市場の試行的実施を決定した。この試行実施は、先の福田ビジョンで示され7月に低炭素社会づくり行動計画として閣議決定されたもので、即日、参加企業の募集か開始された。今回の試行実施では、削減目標(キャップ)を企業が自ら設定し、目標の超過達成分(排出枠)を、参加企業同士で売買(トレード)することができる。それ以外のクレジットとしては、中小企業などでの追加的な削減分としての「国内クレジット」および京都メカニズムに基づく海外での削減分としての「京都クレジット」を使用することができる。ただし、本制度の運営体制や企業の目標設定の手法、クレジットの会計的な扱いなど、多くの課題を抱えてのスタートとなっており、内閣官房、経済産業省、環境省が共同で課題の解決にあたる。

「地球温暖化対策推進本部」発表資料:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kaisai/081021/gijisidai.html

開発途上国の環境対策を同時に実現するコベネフィット型温暖化対策

環境省は、開発途上国でのコベネフィット型の温暖化対策やクリーン開発メカニズム(CDM)の推進を目指し、調査報告書を発表した。このコベネフィット型の対策事業では、一般的に開発途上国での汚染物質の削減などの環境改善と、地球温暖化対策としての温室効果ガスの削減とが同時に実現され、高いインセンティブによりより効果的に温暖化対策を進めることが可能とされている。報告書では、開発途上国の開発ニーズとして環境汚染対策をより具体的に絞り込み、そのコベネフィット型温暖化対策やCDM事業を効果的に実施するための支援ツールとその活用方法を紹介している。さらに、その対策を実施する上での課題とその対処のための具体的な方法についても記載されている。今後、環境省では、この報告書を英訳・公表し、国際的な働きかけを行うと共に、具体的な事業が進展するよう国際的な協力等を進めるとしている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10296
「京都メカニズム・ホームページ」:コベネフィット・アプローチの「ツール」
http://www.kyomecha.org/cobene/tools.html

IEA、再生可能エネルギーの普及政策に関するレポート発表

先進国で構成するIEA(国際エネルギー機関)は、温暖化対策として大幅なCO2排出削減を可能とする再生可能エネルギーの普及政策について、9月に発表した新たなレポートで示した。IEAが6月に発表したレポート”技術展望(ETP)2008”では、2050年に全世界のCO2排出量を半減する場合、再生可能エネルギーを全電力供給量の50%まで増やすことが必要であるとしている。これは非常に高い目標であり、実現のためにはこれまでに無い高い政策目標を掲げ、より効果的な政策デザインとその実行が必須であるとしている。近年、欧州を中心に再生可能エネルギーに対する先進的な政策が実行され、急速な市場の拡大などの効果を挙げており、世界各国でこの様な効果的な再生可能エネルギー政策をさらに進めることが求められている。レポート中では35カ国の政策のパフォーマンスを比較し、各国における普及の障壁なども分析している。

IEAプレスリリース(英語):
http://www.iea.org/Textbase/press/pressdetail.asp?PRESS_REL_ID=271
IEAレポート“Deploying Renewables: Principles for Effective Policies”(英語):
http://www.iea.org/w/bookshop/add.aspx?id=337

01:24 午前 環境 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107595/44288091

この記事へのトラックバック一覧です: サステイナブルなニュース 第78号:

コメント

コメントを書く