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2009年4月29日 (水)

サステイナブルなニュース 第83号

先週の月曜日(4/20)は、内閣府が主催する中期目標に関する意見交換会に参加して来ました。なんでも500名近くの参加希望者の中から200名を抽選で選んだということでしたが、私も何とか当選しました。場所が内閣府の地下講堂ということで、ものものしいセキュリティ・チェックがあるかと思いましたが、比較的軽いものでした。

壇上には中期目標検討委員会の福井座長、斉藤環境大臣、高市経産副大臣がならび、それぞれの立場から順次コメントをするというスタイルでした。最初に中期目標検討委員会の検討結果が福井座長から説明され、その後、団体からの意見ということで、日本経団連、日本商工会議所、気候ネットワークからの意見表明がありました。経団連と日本商工会議所のコメントは、今までの主張を繰り返して産業への影響を抑えることを前提に可能な範囲で温暖化対策を行うというものでした。一方、気候ネットワークのコメントでは、様々な根拠を示して高い目標値(30%削減)が重要であることを訴えていました。このコメントは、気候ネットワークの中期目標に関する特設ページで読むことが出来ます。

後半の1時間は、会場との意見交換ということで、挙手をして指名された一般参加者15名ほどが2分程度で意見表明をしました。私も3番目に指名されて無事に(?)意見を表明をしました。最初に全部で6つある選択肢のうちもっとも削減率が大きいマイナス25%を選択し、日本が国際的なリーダシップをとることの重要性を述べた後、対策としての自然エネルギーの大幅導入のための政策を訴えました。発言者は全部で15名ほどでしたが、2/3程度は産業界の関係者で占められており、全て4%増加という選択肢を選んでいたのが印象的でした。その一方、環境NGO関係者など数名が25%削減を主張するという構図になっていました。

壇上では斉藤環境大臣と高市経産副大臣が省庁間のバトルをしており、翌日にG8環境大臣会合を控えた斉藤環境大臣が産業界の発言や経産副大臣のコメントに対して奮闘していたのが印象的でした。斉藤環境大臣と高市経産副大臣のコメントはとても対照的なもので、6つの選択肢に現れている中期目標検討員会の検討の中身自体が同様の構図になっているという皮肉な状況だと思います。

今週のサステイナブルなニュースは以下のとおりです。昨年12月上旬のニュースになります。

************** サステイナブルなニュース 第83号 *****************

ワーク・ライフ・バランス大賞の受賞者発表

ワーク・ライフ・バランス推進会議(事務局:(財)社会経済生産性本部)は、昨年に引き続き、第2回「ワーク・ライフ・バランス大賞」の受賞者を発表した。この賞は、企業・自治体・労働組合など各界のワーク・ライフ・バランス推進において自発的活動や創意工夫された取組みの活性化を図ることを目的としている。組織活動、普及支援活動、標語の3つの部門で400を超える応募の中から大賞1件、優秀賞数件などが選ばれた。大賞は、組織活動部門より「パナソニック電工、パナソニック電工労働組合」が受賞した。「シゴトダイエット」と労働時間削減を労使一体で進めたことが評価された。ワーク・ライフ・バランス推進会議は、2006年に発足し、「働き方」「暮らし方」双方の改革による調和のとれた生活の実現を図る運動を進めている。毎年、11月23日を「ワーク・ライフ・バランスの日」と定めている。

社会経済生産性本部プレスリリース:
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000886.html

バイオ燃料の国際基準の策定に向けた考え方を公表、農水省の検討会議

農林水産省は、有識者による国際バイオ燃料基準検討会において、科学的な観点から、農林水産分野におけるバイオ燃料の持続可能性に関する基準・指標のあり方について考え方をとりまとめ、公表した。現在、国際バイオエネルギー・パートナーシップ(GBEP)において、バイオ燃料の持続可能性の基準や指標について検討が進められているが、これに参画し、食料と競合しないバイオ燃料の生産拡大を目指す。基本的な考え方として、バイオ燃料を含むバイオマスの利活用が、地球温暖化防止やエネルギー安全保障の向上に資するものであり、地域の活性化や雇用にもつながるとする一方、生産拡大に伴う食料価格の高騰や森林破壊の要因の一つとなるという懸念を払拭する必要がある。さらに、地域経済や農林水産業の振興に与える影響をかんがみ、国産エタノールと輸入エタノールの共存を図る観点などが重要としている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/081105_1.html

地球上の陸地全体を対象とした「地球地図」が完成

国土交通省は、地球全体の陸地を対象としてデジタル地理情報として「地球地図」の整備を平成4年から提唱・主導しているが、180の国と地域が参加する地球地図プロジェクトとして各国の協力のもと「地球地図」の第1版を完成した。12月1日からポーランドのポズナンで開催されている気候変動枠組条約締約国会議(COP14)で完成発表を行う予定。地球地図は、土地被覆、樹木被覆率など、地球環境の現状を表す項目から構成されている地図であり、地球環境問題の解明への利活用が期待されている。この地球地図のデータは、1kmの解像度で地球の全陸域をカバーし、8つのデータ項目(標高、土地被覆、土地利用、植生、交通網、境界、水系、人口集中域)を5年毎に更新する。国連での気候変動対策などにおいて、各種統計情報(人口、気象、経済など)と組み合わせて、気候変動対策への利活用を想定している。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo07_hh_000028.html
みんなの地球地図プロジェクト: http://www.globalmap.org/

12:59 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月19日 (日)

サステイナブルなニュース 第82号

あっという間に桜のシーズンが終わり新緑の季節がやってきました。記事の投稿が1週間遅れましたが、その間にも例の中期目標検討委員会から「6つの選択肢」が正式に発表され、パブコメの開始や意見交換会の開催が決まっています。

  この6つの選択肢については、以前の記事でも取り上げましたが、多くの環境NGOが問題点を指摘しているように、検討の為の前提条件がおかしい点が幾つもあります。政府内部でも温暖化対策について消極派から積極派まで様々な思惑が複雑に絡み合っており、その結果がこの検討結果に反映されている様にも見えます。

  そのような状況の中で、西岡委員を中心とする国立環境研究所のグループが行った検討内容は、これまでの脱温暖化に関する研究成果を生かした画期的なものと言えると思います。その内容は、中期目標検討委員会(第7回)の議事資料としてみることができますが、中でも西岡委員からの中期目標に関する意見は、大変示唆に富んだ内容となっています。この中で、望ましい中期目標の考え方として、気候安定化を目指す長期目標からのバックキャスティングが重要であり、途上国の早期参加を促進し、国際貢献において応分であること、先をみた産業・社会変革へのシグナルとなるべきであるなどとしています。

  まずは、来週月曜日に東京で開催される意見交換会に当選して参加できることになりましたので、現在の状況をしっかり把握して来たいと思います。パブコメにも地球温暖化対策に前向きな意見が多く寄せられると良いのですが、産業界などの攻勢が予想され、予断を許しません。

さて、今回のサステイナブルなニュースは昨年11月下旬のものです。国内ニュースからは、地球温暖化に対して差し迫ったものを感じることは少ないのが現状ですが、多くの取組がそれなりに行われています。

*********** サステイナブルなニュース 第82号 **********************

第5回エコプロダクツ大賞の審査結果が発表される

エコプロダクツ大賞推進協議会が主催する第5回エコプロダクツ大賞の審査結果が発表された。エコプロダクツ部門の大賞は、シャープ(株)の薄膜太陽電池モジュール、日産自動車のクリーンディーゼル乗用車など4件が選ばれた。エコサービス部門では、(株)伊藤園の「茶産地育成事業~お茶の樹を植えて地域に活気~」、三洋電機(株)の「エコストアシステム」およびダイキン工業(株)のビル空調向け省エネサービス「省エネ当番」の3件が大賞に選ばれている。エコプロダクツ大賞は、環境負荷の低減に配慮したすぐれた製品・サービス(エコプロダクツ)を表彰することを通じて、広く利用者に伝えると共に、企業の取組みを支援することで、エコプロダクツのさらなる普及を図ることを目的に2004年に創設された。表彰式は、12月11日から3日間、東京ビックサイトで開催されるエコプロダクツ2008展示会の会場で実施される。

「第5回エコプロダクツ大賞の結果」について:
http://www.gef.or.jp/ecoproducts/5th_result/index.htm
エコプロダクツ2008展示会:
http://www.eco-pro.com/

生物多様性のキャッチフレーズ「地球のいのち、つないでいこう」

環境省では、2010年の国際生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の日本開催に向け、生物多様性に対する国民の理解の増進や多様な主体の参画をより一層推進していくため、生物多様性をより端的にわかりやすい言葉で表現したコミュニケーションワード「地球のいのち、つないでいこう」を決定した。生物多様性が、生き物たちの豊かな個性とつながりであり、地球上の3000万種といわれる多様な個性を持つ生き物がお互いにつながりあり、支えあって生きていることを表している。しかしながら現在、地球の歴史上6度目の大量絶滅の危機といわれており、かつてないスピードで生物多様性が失われている。コミュニケーションワードは、低炭素社会を目指す「みんなで止めよう温暖化、チーム・マイナス6%」や循環型社会の「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」と合わせて行政、企業、NGO、教育・学術など様々なフィールドで活用することが期待されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10447

今年の新エネ大賞に、バイオマス利用やグリーン電力証書の取組みが選ばれる

経済産業省は、今年の新エネ大賞として9件を選び、発表した。経済産業大臣賞を受賞した津別単板共同組合では、木質バイオマスで4工場に熱と電気を同時に供給しており、地域の林業と協調し木材資源の地産地消型資源リサイクルを実行し、100%国産材で単板・合板を製造している。資源エネルギー長官賞を受賞した東京都下水道局では、下水を処理する際に発生する下水汚泥から炭化物を製造し、石炭火力発電の代替燃料として活用している。同じく受賞したソニーでは、国内最大級のグリーン電力証書の導入を行っており、国内グループ合計で5000万kWh以上の導入実績がある。さらに、バイオマス発電所における燃料確保の課題に対して「間伐材」の運搬に対して支援を行っている。その他、「CO2オフ住宅」「郡山布引高原風力発電所」「沼田式雪山センタープロジェクト」など新エネルギー財団会長として5件、審査員特別賞1件が選ばれた。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081120001/20081120001.html

12:16 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 2日 (木)

サステイナブルなニュース 第81号

昨日はいわゆるエープリルフールでしたが、特に”嘘”が話題になることもなく平穏すぎましたね。昨年のプロジェクトで、自治体の地球温暖化対策や自然エネルギー普及政策などを紹介するポータルサイト「自治体グリーン政策の窓」を3月31日に立ち上げました。コンテンツについては、これから徐々に充実させていく予定です。是非、ご覧いただき、ご感想や、ご意見などを頂ければと思います。

それでは、恒例のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は昨年11月中旬のニュースです。

************** サステイナブルなニュース 第81号 *******************

「カーボンフットプリント」の統一マークが決定

経済産業省は、商品やサービスのライフサイクル全般(原材料調達から廃棄まで)でのCO2排出量を一目で分かるマークで表示する「カーボンフットプリント制度」の検討の一環として、商品に貼りつける統一マークを決定した。12月に開催される環境関連展示会「エコプロダクツ2008」において、日用品や食品などにマークを貼り付けた試作品を展示する。マークのデザインは7月から広く公募を行い、全国からの500を超える応募の中から、専門家の審査により決定した。カーボンフットプリント制度は、家庭部門や業務部門におけるCO2削減の取組みとして海外ですでに導入が始まっており、国内でも低炭素社会づくりに向けた「見える化」の取組みとして2009年度からの試行的な導入を目指し、検討が行われている。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081114001/20081114001.html
「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会(第2回)」配布資料:
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g80911aj.html

地産地消メニューのコンテスト審査結果が発表

農林水産省は、地域で生産される農林水産物を使う「地産地消」の取組みを推進するため、「地産地消メニュー」に関するコンテストを開催し、その審査結果を発表した。審査対象は、学校給食や社員食堂等を対象に提供される給食、外食や弁当などで、最終的に21件のメニューが受賞した。審査基準としては、地域の生産者との連携、調達コストや価格の妥当性、メニューの継続性だけではなく、「食育」への取組みや地域の農林水産業の活性化への寄与なども評価された。地産地消は、消費者が「顔が見え、話ができる」関係で地域の農産物を購入し、消費する機会を増やすと共に、直売所などを通じて地域農業や関連産業の活性化にもつながる。さらに、農産物の輸送距離を縮め、輸送に伴うCO2排出量の削減にもなり、国産品への回帰や食料自給率の向上などの面でも注目されている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/gizyutu/081117.html
総務省「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」:
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-shokuryou/index.html

環境ビジネスの先進的な取組みを紹介する事例集

環境負荷低減と企業利益の向上を同時に実現する先進的な環境ビジネスの事例を集めた「環境を『力』にするビジネスベストプラクティス集」が公表された。各企業からのヒアリング結果を踏まえ、ビジネスの中核となる技術などを抽出し、ビジネス創業期から事業展開期、事業成長期に分けてノウハウと成功要因をパターンに分けて分析している。さらに、ビジネスの阻害要因の克服方法も記述されており、環境ビジネスに関わる企業に具体的な「ベストプラクティス」として参考になることを目指している。分析・抽出したノウハウ・成功要因は大きく9つのパターンに分類でき、既存ビジネス等の応用、状況変化・ニーズへの対応、経営トップによる明確な方針と環境人材育成、販売ルートの確保、海外市場への展開、効果的な企業間連携、第三者の評価、ブランド戦略・環境コミュニケーション、環境ソリューションサービスの展開などが挙げられている。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081118001/20081118001.html

12:44 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)