« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月14日 (木)

地球温暖化対策の中期目標への意見

本日(5/14)、地球温暖化対策の中期目標への意見を事務局に送付しました。内容は以下のとおりです。是非、このパブコメに対して5/16(土)までに意見を送りましょう。気候ネットワークでは、簡単に意見の提出ができるフォームを用意しているそうです。

【地球温暖化対策の中期目標への意見】

(1) 我が国の温室効果ガスの中期目標(2020年)は、どの程度の排出量とすべきか

選択肢の中では、1990年比-25%だが、さらに高い目標1990年比-30%~-40%も可能性として視野に入れるべき。

(2) その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか

 日本は京都議定書での温室効果ガスの削減目標を1990年比6%削減(実質0.6%削減:森林吸収3.8%、京都メカニズム分1.6%を含む)としているにもかかわらず、2007年度の排出量は9%の増加となっている。その主な原因は電力会社から供給される電力の排出原単位(kg-CO2/kWh)が悪化しているためである(石炭火力発電所の増加、原子力発電所の稼働率の低下、自然エネルギー政策の根本的な立ち遅れなど)。

 温室効果ガスインベントリーデータによると、2007年度の温室効果ガスの排出量のうち、エネルギー転換部門の占める割合は33%ともっとも大きく、産業部門が30%、運輸部門が19%と続いており、これらを合わせると82%を占めることになる。よって、温室効果ガスの大幅な削減には、エネルギー転換部門におけるエネルギー供給構造の大幅な改革と産業部門および運輸部門の大胆な構造転換が必要となる。既存の産業構造を前提とした政策や社会の仕組みではなく、低炭素社会を創るための新たな政策や社内の仕組みが求められる。

 まず変えるべきは、物質的な成長を前提とした経済や社会の仕組みであり、個人、地域や企業それぞれが持続可能な社会を目指すことを前提に活動できる基盤が重要である。そのために必要なエネルギー、食料そしてお金は、持続可能性を基準に評価される仕組みが必要である。

 特に温室効果ガスの排出に大きく影響している一次エネルギーの選択においては、再生可能なエネルギーの評価をより高くし、化石エネルギーの外部不経済性を十分に考慮した評価を行うことにより、再生可能エネルギーの大幅な普及につなげる。具体的には、再生可能エネルギーについて十分に事業採算性が成り立つような固定価格買取制度や電力会社の系統への優先接続、立地に関する様々な規制の緩和、環境税による化石エネルギーの代替促進などの政策が必要である。そのために、全ての再生可能エネルギー(太陽光、太陽熱、風力発電、地熱発電・熱利用、水力発電、バイオマス、海洋エネルギーなど)に対する明確な数値目標の設定し、統計情報の整備、適切な固定価格制度の導入、電力会社への優先接続の義務化、投資に対する各種優遇、立地などの規制緩和、許認可制度の簡素化などの多くの政策をベストミックスで適切な時期に導入する必要がある。

 また、現在の経済産業省、環境省、国土交通省、農林水産省を再編成し、持続可能性あるいは低炭素社会に関する省庁を立ち上げることが重要である。この際に、自治体やNPOそして企業の持つ役割は大きく、それぞれの立場で十分な権限と結果を残すことも重要になってきている。

(3)    2020年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見

 まず第一に、地球温暖化に伴う気候変動は人類さらには地球上の多くの生物種にとって回避しなければならない共通の脅威であり、平均気温の上昇を2℃以下に抑えるため温室効果ガスを大量に排出している先進国と発展途上国それぞれに大きな責任があるということです。この2℃以下に抑えるためには長期的には 2050年までに排出量を半減する必要があると一般的には言われていますが、地球温暖化による気候変動が臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまうことを回避するためには、これからの10年間が非常に重要になります。

 第2に日本がリーダーシップを取ることの重要性です。今回の中期目標は2013年以降の国際的な枠組みを決めるための重要な国別の目標です。日本は気候変動の国際的な交渉ではこれまで常に「後ろ向き」と評価されてきました。欧州が積極的なリーダーシップをとり、米国が交渉のテーブルに戻ってきた今、中国などの発展途上国を含む枠組みを作るには日本のリーダーシップが欠かせないはずです。資源の自給率がこれだけ低い状況で今後の日本の社会や経済を発展させ国際社会の中で一流国として生き残って行くには、地球温暖化対策に対する強い牽引役になることがもっとも有効であると考えます。

 中期目標の実現可能性についても議論になっていますが、国立環境研究所等によるこれまでの多くの試算では、技術的な部分はすでにクリアされおり、あとは具体的な政策により実現可能であることが示唆されています。寧ろ、これらの政策を実現する上でも25%削減(あるいはそれ以上)の高い中期目標が是非とも必要になります。高い目標があって初めて具体的な政策や経済的な仕組みが生み出されて行くからです。国際的な交渉においても高い中期目標は日本のリーダーシップを発揮する上で、とても重要なものとなります。多くのハードルはありますが、それを超えるためにも国内的にも国際的にもリーダーシップの取れる中期目標が、正に求められています。

01:35 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月 2日 (土)

日本の中期目標に求められるもの

温室効果ガスの削減に関する日本の中期目標の行方に注目が集まっています。以前の記事でも紹介した政府主催の意見交換会だけではなく、環境NGOなどが主催する勉強会も4月からこの連休を中心に各地で開催されています。政府の意見交換会は5/13に追加開催が決まっていますが、新たな気候保護法の制定を求め、30%削減の中期目標を提言しているMake the Ruleキャンペーンでは5/7に緊急セミナーを開催します。すでに4月25,26日に高野山で開催された「地球フォーラムin高野山」では、「高野山アピール」が採択されています。また、枝廣淳子さんが主宰する「日刊温暖化新聞」では、日本の中期目標について考えるセッションを5/8に開催するそうです。この日刊温暖化新聞のサイトでは「日本の中期目標を考えるために~基本的な前提と考える視点」を掲載されています。

政府のパブコメの締め切りは5/16(土)ですが、すでに環境NGOを中心に中期目標に対する明確なメッセージが発信されており、その論点はかなり明確になっていると思います。私たちは、これらの論点や提言を参考にしてパブコメに対して意見表明をすることができます。

まず第一に地球温暖化に伴う気候変動は人類さらには地球上の多くの生物種にとって回避しなければならない共通の脅威であり、平均気温の上昇を2℃以下に抑えるため温室効果ガスを大量に排出している先進国と発展途上国それぞれに大きな責任があるということです。この2℃以下に抑えるためには長期的には2050年までに排出量を半減する必要があると一般的には言われていますが、地球温暖化による気候変動が臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまうことを回避するためには、これからの10年間が非常に重要になると指摘されています。

第2に日本がリーダーシップを取ることの重要性です。今回の中期目標は2013年以降の国際的な枠組みを決めるための重要な国別の目標です。日本は気候変動の国際的な交渉ではこれまで常に「後ろ向き」と評価されてきました。欧州が積極的なリーダーシップをとり、米国が交渉のテーブルに戻ってきた今、中国などの発展途上国を含む枠組みを作るには日本のリーダーシップが欠かせないはずです。資源の自給率がこれだけ低い状況で今後の日本の社会や経済を発展させ国際社会の中で生き残って行くには、地球温暖化対策に対する強い牽引役になることがもっとも有効であると思います。

中期目標の実現可能性についても議論になっていますが、国立環境研究所による試算では、技術的な部分はすでにクリアされおり、あとは具体的な政策により実現可能であることが示唆されています。この政策を実現する上で25%削減(あるいはそれ以上)の高い中期目標が是非とも必要になります。高い目標があって初めて具体的な政策や経済的な仕組みが生み出されて行くからです。国際的な交渉においても高い中期目標は日本のリーダーシップを発揮する上で、とても重要なものとなります。多くのハードルはありますが、それを超えるためにも国内的にも国際的にもリーダーシップの取れる中期目標が、正に求められているのではないでしょうか。

人気ブログランキングへこの記事を気に入って頂けたらクリックしてください。

10:49 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)