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2009年5月 2日 (土)

日本の中期目標に求められるもの

温室効果ガスの削減に関する日本の中期目標の行方に注目が集まっています。以前の記事でも紹介した政府主催の意見交換会だけではなく、環境NGOなどが主催する勉強会も4月からこの連休を中心に各地で開催されています。政府の意見交換会は5/13に追加開催が決まっていますが、新たな気候保護法の制定を求め、30%削減の中期目標を提言しているMake the Ruleキャンペーンでは5/7に緊急セミナーを開催します。すでに4月25,26日に高野山で開催された「地球フォーラムin高野山」では、「高野山アピール」が採択されています。また、枝廣淳子さんが主宰する「日刊温暖化新聞」では、日本の中期目標について考えるセッションを5/8に開催するそうです。この日刊温暖化新聞のサイトでは「日本の中期目標を考えるために~基本的な前提と考える視点」を掲載されています。

政府のパブコメの締め切りは5/16(土)ですが、すでに環境NGOを中心に中期目標に対する明確なメッセージが発信されており、その論点はかなり明確になっていると思います。私たちは、これらの論点や提言を参考にしてパブコメに対して意見表明をすることができます。

まず第一に地球温暖化に伴う気候変動は人類さらには地球上の多くの生物種にとって回避しなければならない共通の脅威であり、平均気温の上昇を2℃以下に抑えるため温室効果ガスを大量に排出している先進国と発展途上国それぞれに大きな責任があるということです。この2℃以下に抑えるためには長期的には2050年までに排出量を半減する必要があると一般的には言われていますが、地球温暖化による気候変動が臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまうことを回避するためには、これからの10年間が非常に重要になると指摘されています。

第2に日本がリーダーシップを取ることの重要性です。今回の中期目標は2013年以降の国際的な枠組みを決めるための重要な国別の目標です。日本は気候変動の国際的な交渉ではこれまで常に「後ろ向き」と評価されてきました。欧州が積極的なリーダーシップをとり、米国が交渉のテーブルに戻ってきた今、中国などの発展途上国を含む枠組みを作るには日本のリーダーシップが欠かせないはずです。資源の自給率がこれだけ低い状況で今後の日本の社会や経済を発展させ国際社会の中で生き残って行くには、地球温暖化対策に対する強い牽引役になることがもっとも有効であると思います。

中期目標の実現可能性についても議論になっていますが、国立環境研究所による試算では、技術的な部分はすでにクリアされおり、あとは具体的な政策により実現可能であることが示唆されています。この政策を実現する上で25%削減(あるいはそれ以上)の高い中期目標が是非とも必要になります。高い目標があって初めて具体的な政策や経済的な仕組みが生み出されて行くからです。国際的な交渉においても高い中期目標は日本のリーダーシップを発揮する上で、とても重要なものとなります。多くのハードルはありますが、それを超えるためにも国内的にも国際的にもリーダーシップの取れる中期目標が、正に求められているのではないでしょうか。

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10:49 午前 環境 |

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