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2009年12月31日 (木)

2009年のサステイナブルな振り返り

2009年もあと数時間で終わり、2010年を迎えようとしています。自分の子供のころは、2010年といえば遥か未来のことだと思っていましたが... (そんな名前の有名なアーサー・C・クラークのSFがありますね) 現在では、次の目標はひとまずこれからの10年間、2020年ということになります。その先には、2030年、そして2050年が来るべき未来として視野に入ってきています。この10年間で変えるべきことがたくさんありますが、この3年間ほどはそれを懸命に考えてきました。成長の限界から、地球温暖化、気候変動、エネルギー危機、ピークオイル多くの警告が発せられる今ほど、「持続可能性」"sustainability"というキーワードが重要性を増していると思います。このままいけば、遅かれ早かれ持続不可能な状況になるのではないかという危機感さえ感じられます。

昨年お米国大統領選挙、そして今年の日本の政権交代は、この「変化」を求める思いが結集したものだったのではないでしょうか。この変化には様々な困難と痛みが伴うことが予想されます。しかし、この変化を自らの行動で実現することが、求められる時代に入ったと言えると思います。そんな観点から、今年一年を振り返ってみたいと思います。

1月: やはり米国オバマ政権の発足でしょうか。国際自然エネルギー機関(IRENA)発足のニュースもありました。

2月: 異常気象が世界各地で発生していることをお伝えしましたが、その傾向は現在も続いています。気候変動の影響の分析も盛んに行われるようになりました。日本の分析は国立環境研究所のサイトへ。日本国内でもようやく中期目標の検討も始まりました。

3月: グリーン電力証書によるカーボン・オフセットのモデル事業がフリースタイルスキーの国際大会でありました。太陽光発電の固定価格買取(FIT)制度が急遽発表され、日本でも欧州などで普及しているFIT制度の実現に向けて舵を切り始めました。このFITをテーマにシンポジウムを開催しました。また、東京都が発表した本格的な排出量取引制度の導入など自治体の動きをテーマにしたシンポジウムも開催しました。同時に自治体の地球温暖化対策や自然エネルギー政策に関するポータルサイト「自治体グリーン政策の窓」をオープンしました。

4月: 中期目標検討委員会の「6つの選択肢」が発表され、意見交換会に参加しました。この産業界に配慮した低い目標に対して、多くの環境NGOは25%以上を削減する意見を表明しました。

5月: 中期目標に関する意見募集(パブコメ)が行われ、私も1990年比25%以上を削減すべきという意見を提出しました。

6月: ようやく発表された中期目標は、1990年比8%削減という非常に低い目標でした。この月末に「再生可能エネルギー普及拡大戦略シンポジウム」を幕張メッセで開催しました。

7月: 長野県飯田市で、「自然エネルギー・ローカルファイナンスサミット」を開催しました。これは自然エネルギーにおけるローカルファイナンス(地域の金融)のためのフォーラム「自然エネルギー・ローカルファイナンスフォーラム(RELFF)」のキックオフとなっていました。

8月: 衆議院選挙が行われ、いよいよ民主党による政権交代が実現することになりました。その前に駆け込みで太陽光発電の買取制度に関するパブコメや発表が行われました。ISEPからのパブコメへの意見はこちら

9月: 民主党の鳩山代表により中期目標として温室効果ガス排出25%削減(1990年比)の発表がありました。9/18に「エネルギー永続地帯2008年版」をプレスリリースしました。

10月: 10/3に「ローカル自然エネルギー・気候政策国際シンポジウム」を開催しました。地方自治体の気候変動政策や自然エネルギー政策に注目した国際会議でした。

11月: 「地球温暖化に関する閣僚委員会」の下で「タスクフォース会合」が開催され中期目標に対する費用負担の再評価などが検討されました。国立環境研究所による意欲的な検討が行われましたが、前提条件を変えることができず負担以外の評価を十分にすることはできませんでした。

12月: COP15がコペンハーゲンで開催されました。多くの期待を裏切り「コペンハーゲン合意」という結果に終わりましたが、米国と中国が新しい枠組みに入ることを道筋をつけたことで、来年以降に望みをつなぐことができたとも言えます。ISEPとしての評価はこちら。また、再生可能エネルギーの全量買取制度に関するプロジェクトチームが開催され、ヒアリングが行われました(ISEPの意見)。エネルギー永続地帯の報告書を千葉大と共同で発表しました。

10:10 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月13日 (日)

政権交代からCOP15まで...ブログ再開します!

8月からすっかりブログ記事の更新がご無沙汰になっていました。書きたいことはたくさんあったのですが、大きな時代の動きの中で、何を書くべきか考えているうちに半年近くが経ってしまいました。国内では政権交代があり2020年25%削減という新しい中期目標が打ち出され、国際的な気候変動政策の行く末を決定付けるCOP15がいよいよコペンハーゲンで始まりました(私も行きたかったのですが...)。このブログも今週から再開します。世の中ではTwitterが流行っているようですが、そちらはもう少しこちらが落ち着いてからということで。

さて、8月以降の自分なりの取組みと、動きを少し紹介しておきたいと思います。

政権交代前の8月には、駆け込みで11月からスタートする太陽光発電の固定価格買取制度の中身が急遽決まりました。パブコメも行われましたが、私の所属するISEPからも意見を提出しています。前政権の置き土産とも言える制度ですが、様々な課題がありそうです。

民主党政権は、太陽光の余剰電力だけではなく、全量全種の固定価格買取制度の実現を目指しており、今年度の注に制度実現のオプションを検討して、提示することになっています。早ければ来年秋ごろには新しい制度がスタートするかもしれませんが、欧州の様なしっかりした制度になるようにきちんと見守って行く必要があります。ISEPからも全量全種に関するパブコメへの意見を提出しています。

9月7日には、当時の民主党鳩山代表から1990年比でCO2排出量を2020年までに25%削減する方針が発表され、国内外に大きな反響を巻き起こしました。中期目標にに関する負担などのモデル分析が10月からの1ヶ月程度で再計算が行われましたが、これもその表現もめぐって様々な議論がモデル評価を行うタスクフォース会合でありました。特に国立環境研究所は、CO2の25%削減や自然エネルギーの13%(一次エネルギー)導入を前提として積極的に分析をおこっていますが、モデル自体の限界もあり、その評価についてはまだ十分に行われていないのが現状です。国立環境研究所のモデル分析での検討内容は、こちら

一方、自治体において気候変動政策や自然エネルギーの普及政策を、国に先駆けて積極的に取り組む事例が国内外で増えています。そのような取組みを共有し、国などに対して働きかけるための国際シンポジウムが10月3日に東京都内で開催されました。この「ローカル自然エネルギー・気候政策東京会議2009」は、東京都、環境省、ICLEIジャパンそしてISEPの共催となっており、国内外の都市や自然エネルギー関連団体が数多く出席しました。

少し前の9月18日には、エネルギー永続地帯の新しい試算について記者発表を行いました。2007年と2008年に引き続き3回目となります。今年の試算内容は2008年とほぼ同じですが、昨年版の修正も行い今年との違いを明確にするようにしています。

ひとまず、今回はここまで。

01:57 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)