2011年4月 2日 (土)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第10報)

福島第一原発の大事故は、未だ出口の見えない長期戦の様相を呈してきました。3月12日~15日にかけて発生した原子炉建屋での水素爆発は、原子炉内部から大量の放射性物質の大気中への放出を招きました。その後、原子炉の冷却に必要な大量の水を注水や放水したことにより、破損箇所から大量の放射性物質を含む水が漏えいし、その一部が海に流れ出す状況が続いています。本日は、屋外のピットのひび割れから海へ直接、高い濃度の放射性物質を含む水が漏えいしているとの発表がありました。

発電所敷地内の放射線データを更新しました(4月2日13:30現在)。数値は徐々に低下傾向にはありますが、これで20日以上も放射性物質が原子炉から放出される状況が続いていることになります。

[福島第一原発:敷地内放射線モニタリングデータのグラフ(4月2日13:30現在)]

Fukushima1f20110402

昨日(4/1)からのTwitterでのツイートです。やはり、再生可能エネルギーへの期待が高まっていますが、その本格的ん普及には多くの課題があり、根本的なエネルギー政策の転換が必要です。

  • RT @kankyoshimin: 【RT歓迎】環境首都誕生!第10回環境首都コンテスト結果を発表しました。首都がどこになったかはウェブで。持続可能な社会づくりは確実に地域からはじまっています。この動きを、今後さらに加速していくべく、活動を展開いたします。http://ow.ly/4qY5m posted at 18:26:30
  • とんでもないですね。今こそ必要なのに RT @kenichioshima 経団連「震災復興に向けた緊急提言」←再生可能エネルギーの全量買取制の先送りを要求しています。 http://bit.ly/ezsg8u posted at 10:25:56
  • RT @DenkiShimbun: 東電、需給調整契約拡大に向け大口顧客に働きかけ 夏の計画停電最小化目指す http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20110401_01.html posted at 10:13:26
  • RT @konotarogomame: 耐用年数が来た原発を廃炉にして、つなぎは天然ガスで、そして再生可能エネルギーと省エネを伸ばして、最終的には再生可能エネルギー100%へ、というシナリオは京都議定書の前後に、太郎塾という仲間を中心にまとめたものと同じ。今回はISEPのレポートがさらにリアリティを与えてくれる。 posted at 09:52:34
  • RT @iidatetsunari: 生々しい現場の写真。http://bit.ly/eo8S19 #genpatsu #fukunp posted at 09:51:43
  • RT @konotarogomame: ブログ更新:再生可能エネルギー100%を目指す http://bit.ly/hUppk1 posted at 09:39:48
  • ブログを更新しました。福島第一原発での敷地内の放射線データのグラフも5日ぶりに更新しています。数値は低下傾向ですが、ほぼ横ばいの状況が続いています。 「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第9報)」 http://goo.gl/gQskr posted at 08:46:02

07:05 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 1日 (金)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第9報)

前回の第8報から5日ほど経過しましたが、福島第一原発の状況は相変わらず予断を許さない一進一退の状況が続いています。原子炉内の状況は良くわかっていませんが、1号機から3号機までで炉心溶融が起こっている可能性や圧力容器からの放射性物質の漏れが指摘されています。事故のレベルとしては米国スリーマイル島での原発事故を遥かに超え、旧ソ連でのチェルノブイリ事故に匹敵するのではないかと言われ始めている状況です。大気への報社性物質の拡散により広範囲に渡る大気、水、土壌の汚染が広がっていると共に、大量の放射能汚染された水が海水にも入っています。

福島第一原発の発電所敷地内の放射線データを5日ぶりに更新しました。数値は若干低下傾向にありますが、ほぼ横ばいの状況です。このことから、初期の頃よりも原子炉からの放射性物質の放出量は減少しているものの、定常的に放射性物質の放出が続いていると考えられます。

[福島第一原発:発電所敷地内での放射線モニタリングデータのグラフ]

Fukushima1f20110331

3月27日から昨日までのTwitterでのツイートを以下に列挙します。この原発事故だけではなく、注目が集まる省エネや自然エネルギー(再生可能エネルギー)の話題も取り上げています。原発政策の見直しだけではなく、日本のエネルギー政策全体の見直しが始まっています。

【3/31】


  • RT @kikonetwork: 気候ネットワークでは、原子力政策を抜本的に見直し、省エネと再生可能エネルギーを軸とした低炭素社会への転換を求める政策提言を発表しました。(2011/3/31) http://bit.ly/eHe5C9 posted at 21:08:42

  • RT @fshota: SYNODOS JOURNAL : 環境エネルギー社会への想像力と実践~自然エネルギー政策・市場の展開 古屋将太 » http://t.co/J6HFUer posted at 19:38:49

  • RT @egaosonehara: 【原発】東電会長の「安定」発言に安全委が反論(11/03/31) http://ow.ly/4q8pQ posted at 17:54:16

  • 新宿御苑の近くで桜が咲いていました。今年も春が来たんですね。 http://twitpic.com/4f4w3n posted at 10:04:34




  • RT @egaosonehara: チェック! RT @asahi: 東京電力・勝俣恒久会長会見の一問一答 http://t.asahi.com/1u37 posted at 08:04:04

  • RT @GreenBizMatch: 資源エネルギー庁とNEDOは、省エネルギーに大きく貢献する重要分野を特定した「省エネルギー技術戦略2011」を策定し公表しました。広範・多岐に渡る省エネルギー技術は重点化が必要であり、真に省エネルギーの推進に貢献する重要分野を特定しています。 http://ow.ly/4pQ2i posted at 08:00:41

  • RT @st7q: 新野宏氏に文書を撤回されるようメールを差し上げました。http://bit.ly/hQeHWw RT @ecochem @skasuga 怪文書かと思っていたら本物だったんだ。…2011年3月18日 日本気象学会理事長 新野 宏 http://htn.to/h7PHgn posted at 00:23:01

【3/30】


  • 同時に発行された原子力特集号ですが、大震災前の記事から構成されています。すでに多くの問題点を指摘してました。 【SEEN Ex】環境エネルギー政策研究所メールマガジン [環境とエネルギーのニュースマガジン「SEEN」] - メルマ! http://goo.gl/jEqAl posted at 23:21:58

  • 本日発行されました。原発事故についても取り上げていますが、自然エネルギーへのシフトの道筋をクローズアップ 【SEEN No.62】環境エネルギー政策研究所メールマガジン [環境とエネルギーのニュースマガジン「SEEN」] - メルマ! http://goo.gl/KkfCO posted at 23:20:04

  • 昨年から太陽熱で動きだしたグリーン熱証書制度ですが、今週、木質バイオマスによる設備が初めて認定されました。まずは新潟県の温浴施設の木質ペレットボイラー等ですが、自然エネルギーとしてのバイオマスの環境価値を証書化します。今年はグリーン熱証書の飛躍の年になりそうです。 posted at 23:09:53

  • RT @egaosonehara: はやっ! RT @googlenewsjp: 水力発電システム事業を日立製作所・三菱電機・三菱重工業が大統合 http://bit.ly/hytumx #googlenewsjp posted at 21:27:53

  • 国のエネルギー白書は発行が延期となりましたが、「自然エネルギー白書2011」 はすでに3月に発刊済。第一章「国内外の自然エネルギーの概況」は自然エネルギー政策ポータルサイト(JREPP)からダウンロードできます。 自然エネルギー白書2011 http://goo.gl/LZMko posted at 20:14:15

  • RT @greenpost: Inside the Reactors at Fukushima Daiichi-WSJ.com http://on.wsj.com/fA5e99 コメ-未整理な東電、不安院もこわいが、、整理されてもコワイ #genpatsu #jishin #fukunp #radiation posted at 14:15:08

  • RT @greenpost: 特別リポート:地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか-----Reuters http://bit.ly/he6YBV #jishin #genpatsu #fukunp #radiation posted at 14:14:07

【3/29】


  • RT @sustainablezone: Puは半減期が長く、人間の歴史スケールの中では消滅しないと考えるべき物質。世界で行われた核実験で放出されたPuがバックグラウンドで検出されることから、重いから拡散しないというのはまやかし。政府は、放出量を把握し、リスクを高めたことについて、真っ先に世界に謝るべき。 posted at 09:02:55

  • RT @iidatetsunari: 仏の原子力エンジニアリング企業AREVAによる福島原発事故の解説。最後に「東電からの情報は少なすぎる」とあります。http://scr.bi/dHIiSP posted at 01:42:53

【3/28】


  • RT @hashimoto_tokyo: 【原発】これも非常によくできた環境放射能測定値の可視化図。QT @h_okumura すばらしい! RT @funadasatoshi: 奥村先生のデータを元に地図上等高線図を書いてみました。http://goo.gl/pvRk8 posted at 22:22:45

  • RT @masasige: 素晴らしい!福島には森も、海も、強く風が吹く場所も、地熱が利用できる場所もたくさんある。そして充分な日照時間も。やるぞ、福島! RT @i_jijicom_eqa 「福島を新エネ基地に」=玄葉氏が震災復興案 http://bit.ly/ePSA2O #jishin #jisin posted at 22:07:07

  • RT @northfox_wind: 原発の代わりに自然エネルギー、というのなら風力発電・洋上風力だけに依存するのは合理的ではないと思います。ピーク電源としての太陽光、太陽熱発電(←ニヤリ)ベース電源としての地熱・温泉発電。小水力・木質バイオ発電、そして火力焚き減らしか揚水対策としての風力発電のベストミックスでしょう posted at 22:06:41

  • RT @northfox_wind: 「女川原子力発電所における津波に対する安全評価と防災対策」という書類を読んでるなう。ちゃんと869年の貞観津波、1611年の慶長津波とか研究して対策しているよ。原発の敷地標高は14.8mにしてるし、引き波対策として取水口も-7.4m。これ読むと福島第一原発全然だめじゃん、対策が posted at 20:46:37

  • まさにその通りですね! 高圧契約の業務用は義務化しても良いぐらいだと思います。 RT @kei_sakurai 実際、いまほどDSM(エネルギー需要の調整を行う仕掛け)が欲しいと思ったことは無い (^_^; posted at 19:56:30

  • RT @kimihirata: 最初に立ち上げたのは「発電所ウォッチサイト」です。RT @kikonetwork 気候ネットワークでは、東日本大震災を受け、特設ページ「低エネルギー・低炭素社会へ向けて」を開設しました。http://bit.ly/hOb2qh http://fb.me/K1GZbI5w posted at 19:18:07

  • 首相官邸ホームページの原子力災害対策本部の資料更新(28日13:30現在)。タービン建屋地下の溜まり水の移送(1号機実施中、2号機準備中、3,4号機は検討中)。2号機の溜まり水の放射性物質濃度が一番高く、その次が3号機。 http://goo.gl/MgsqY posted at 17:09:51

  • RT @iidatetsunari: 【WSJ2011/3/28 14:43】「日本が直面する本当の試練とは」昨年、東電に天下りした経産省高官は石田徹・前資源エネルギー庁長官です。 http://on.wsj.com/i2uEGZ #genpatsu #fukunp posted at 16:51:45

  • RT @iidatetsunari: 米ノーチラス研究所の分析と提言。よくまとまっています。枝廣さん@junko_edahiroが翻訳。『氾濫の後で-After the Deluge-東日本大震災と津波による原子炉損傷の短中期的影響』http://bit.ly/fK6YNL #genpatsu #fukunp posted at 11:16:13

  • 福島第一原発の発電所敷地内に新たに設置した可搬型モニタリングポストの放射線データを発表するということですが、政府(原子力災害対策本部)の資料にはすでに24日から公表されていました。ちょっと公表が遅いですね。東京電力ホームページ http://goo.gl/r4TYK posted at 08:08:46

  • 2号機の放射性物質の再評価結果がでました。30億ベクレルは間違いだったようですが、それでも非常に高い数値です(2000万ベクレル/cm3)。 福島第一原子力発電所2号機タービン建屋地下階溜まり水の測定結果について(METI/経済産業省) http://goo.gl/oo8HX posted at 08:02:19

  • 首相官邸ホームページの原子力災害対策本部の資料が更新されました(27日23時現在)。大きな動きはないようですが、1~4号機のタービン建屋地下水溜りの放射性物質測定結果なども載っています。特に2号機が数値が高いですが、この時点で再評価中 http://goo.gl/UyWFg posted at 07:56:23

【3/27】


  • 福島第一原発:フランスIRSNが、21日と23日に3号機から発生した黒煙が、炉心溶融物と格納容器のコンクリートとが化学反応した可能性もあると指摘。 「福島原発危機、数か月続く可能性」 仏IRSN 国際ニュース : AFPBB News http://goo.gl/gOUTW posted at 11:33:57

  • フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が発表している福島第一原発に関する情報です。放射性物質の放出量の推計や拡散シミュレーション等に関する日本語の資料もあります(3月22日時点)。 http://goo.gl/wSVoA posted at 11:26:49

  • 福島第一原発:首相官邸ホームページの原子力災害対策本部の資料が更新されました(27日午前8時現在)。特に新しい動きはないようですが、原子炉の状況や各地の観測データなどが整理されています。ページ数は103ページに減りました。 http://goo.gl/s95EB posted at 11:19:24

  • 福島第一原発:ブログを更新しました。発電所敷地内の放射線データのグラフを更新しています(26日12時現在)。現在は小康状態の様に見えますが、このまま冷却が順調に進むかは予断を許しません。東北関東大震災による福島第一原発の危機(第8報) http://goo.gl/KylcQ posted at 03:16:27


08:36 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月27日 (日)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第8報)

あの大震災から2週間が経ちましたが、福島第一原発の大事故はいまだ終息の見通しは見えていません。最初の数日間の爆発的な現象は収まっているように見えますが、そのときから放出され続けている放射性物質は各地で重大な放射能汚染を引き起こしています。各地で観測されている放射線や放射性物質のデータは、文部科学省から公表されていますが、それらのデータを自主的にまとめたサイトもあります。放射能の汚染は、空気中だけではなく、海水にも排出されており、想定を超えて広がっている状況です。発電所周辺の大気中の拡散状況についてはやっとSPEEDIによる試算結果が公表されましたが、米国DOE[NNSA]による空からの測定結果)とある程度一致しているようです。また、発電所内では、高濃度の放射性物質が検知され、作業員の方の被爆も確実も増えています(原子力災害対策本部の資料参照[3月26日23時現在)。

福島第一原発の発電所敷地内の放射線モニタリングデータ(3月26日12時現在)のグラフを見ると、小康状態が続いています。しかし、1号機から3号機については核燃料が十分に冷却されない状況が続いており、原子炉内の状況は断片的にしかわかりません(原子力安全・保安院から公表された図解)。

Fukushima1f20110326

昨日(3/26)の原子力資料情報室会見では、1号機の炉内で3月11日の時点で深刻な「冷却材喪失事故」がおきて、その後、放射性物質が炉内から大気中に放出されていたのではないかという見解がありました。これまでの炉内の圧力データや上記の放射線量のデータなどからもそれが裏付けられると考えられます。同様に2号機については14日午後に、3号機については13日午前に炉内圧力の急激な変化があり、その時点で「冷却材喪失事故」が発生した可能性があると考えられます。それは、その後、水素爆発の発生や放射性物質の大量の放出へとつながっています。

昨日までの2日間のツイートです。

福島第一原発:各原子炉の状況が図解されていますが、炉内の状況はよくわかりません。 原子力安全・保安院の公表資料(26日午前11時現在) http://goo.gl/DIkfo

posted at 19:02:04

福島第一原発:1号機から4号機まで白煙はまだ発生(午前8時現在)。原子力安全・保安院からの公表資料。 地震被害情報(第54報)(3月26日12時00分現在)及び現地モニタリング情報(METI/経済産業省) http://goo.gl/Fstyg

posted at 18:55:20

「『想定外』言い訳に使うな」 土木など3学会、声明で苦言 http://www.j-cast.com/2011/03/26091397.html

posted at 17:46:39

RT @gpjTweet: 福島第1原発からの放射性物質と放射線量の実態調査を行うために、グリーンピースは、放射線専門家を含む独自の調査チームを福島県に派遣しています。 | 国際環境NGOグリーンピース http://t.co/uTktten

posted at 17:40:17

一時的に増えたとしても一定期間の総量で評価すべきだと思います RT @Takao_Awata CO2は直ちに地球環境と健康には影響しません。 RT @hiroyuki_ni エコ好きの人も火力発電容認派になって、CO2だしまくり支援な昨今ですが、どういう理論武装をするのかなぁ。

posted at 17:27:04

計画停電は関係ないみたいですね RT @kyoroline 停電したお宅もそうなんだろうか? RT @matsubara_hiro 東電からの電気使用量のお知らせ「非常変災の影響により検針にお伺いすることができませんでしたので、先月分と同様のご使用量とさせていただきます。」

posted at 16:54:35

福島第一原発:官邸資料が更新されました。昨夜からあまり変化はないようですが、ページ数が120ページに増えています。何が増えたんでしょうか。原子力災害対策本部(3月26日午前8時現在) http://goo.gl/iFT4W

posted at 12:26:08

福島第一原発の敷地内放射線データの公表が25日夜に1回分(21時以降分)抜けたようです。官邸資料には入っているので単なるアップもれ? 福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる計測状況|原子力発電所|東京電力 http://goo.gl/2JhBe

posted at 12:23:26

@jsato_FLEET 飯田「ヨーロッパは2015年までに自然エネルギーに切り替えるシナリオが出来ている。」 ← 2050年までの間違いですね

posted at 12:01:16

訂正:1号機と3号機で淡水に切替(2号機は準備中)19時発表 http://goo.gl/qfTtG 15時発表の官邸資料が間違いだったようです RT @matsubara_hiro: 福島第一原発:2号機と3号機は炉内への注水を淡水に切替(3/25 11:00から)

posted at 00:48:43

今年の夏は会社を長期間(1ヶ月以上)休みにして北や南でバカンスというのは? RT @northfox_wind: ハウステンボスの宿泊キャンセルが多いらしい。多くが海外、中国とかでしょうか。それやら格安で国内顧客に販売キャンペーンしなきゃ、かと。一度はいって見たいんだよね

posted at 00:12:04

これはすごい RT @alohakcc: 3月11日午後に起こった東日本大震災の発生時、新幹線は全部で88本走っていたそうです。すべての列車が停車し、一人の負傷者も出しませんでした。世界中が驚嘆している日本の新幹線技術だそうです。原発は反省点が多いですが、日本が誇る危機管理技術も

posted at 00:08:46

某新聞から電話取材を受けたが、原発事故を受けて太陽光発電が注目されているという内容。主に住宅用太陽光発電の普及に注目しているようでしたが、本格的には太陽光以外の自然エネルギーにもっと着目することと、住宅用も全量買取にすべきとコメントしました。FIT法案は3.11に閣議決定でした。

posted at 00:02:59

日本はまさに全種の自然エネルギーに恵まれています。 RT @northfox_wind: 地熱は原発代替という点でベース電源になるので向いていると思います。ただ開発時間と環境影響の対策も課題です RT @takitahiroki: 現実性があるのは、太陽光と地熱かと。 RT

posted at 23:51:43

そういえば、昔、とある工場にいたときに「節電警報」というのがあって、一時的に空調などが止まっていました。これをソフトにやれば良いですね。 RT @dai_dereg: 商業施設だったら、デマコンが説明放送を流してくれれば、我慢許容度が高まるかもしれない

posted at 23:49:01

本日届いた東電からの電気使用量のお知らせ「非常変災の影響により検針にお伺いすることができませんでしたので、先月分と同様のご使用量とさせていただきます。」こんなのは初めてですが、来月の検針値で精算するのだろうか。

posted at 23:43:31

確かに。デマコンで何を制御するかも課題ですね。やはり空調? RT @northfox_wind それはありだと思います。デマコンも千差万別ですのできちんとした評価と出来れば東電との通信機能とかまで出来ればいいんでしょうけど。まだデマコンもなんちゃってっぽいのが多いので

posted at 22:14:38

高圧はデマコン義務化でどう? RT @northfox_wind 夏場は電力のピークカットについては時間帯ごとに発電量を記録できる電力メーターがあれば時間帯別の電力料金を適時変えてピークカットを促せるんだけど現状そんなメーターは無いし(オール電化では昼と夜だけ計測分けしてるけど)

posted at 21:58:03

これまで東電から公表されているデータと整合性はあるようです http://goo.gl/WeTS2 RT @yoshitaka_w: すごい値ですねRT @matsubara_hiro 官邸資料P74に可搬型MPのデータ(昨日から) http://goo.gl/IfEpb

posted at 21:13:10

それは建物が違うので駄目だと思います RT @machinago: 要するに隣の家のプラグがうちのコンセントに差し込めればいいんだ RT @matsubara_hiro: 特定供給という仕組みを使えば、発電設備と同じ建物内には発電した電気を供給できます(許可は不要です)

posted at 21:09:18

「経済産業省令で定める構内」の場合も許可は不要のようです http://goo.gl/EEc9F RT @janusz_korczak: @matsubara_hiro 情報ありがとうございます。逆をいったら同じ建物内じゃないとダメということですよね?

posted at 21:07:18

福島第一原発:2号機と3号機は炉内への注水を淡水に切替(3/25 11:00から) 1号機も準備中。今日は小康状態だが、現場での状況は非常に複雑で、一進一退の様相 「原子力災害対策本部」資料(3/25 15:00現在、全101ページ) http://goo.gl/IfEpb

posted at 21:00:36

福島第一原発:ようやく外部電源が全ての原子炉建屋に。炉内温度と圧力は小康状態のように見えるが、2号機と3号機の炉内圧はほとんど大気圧。 地震被害情報(第51報)(3月25日12時30分現在)及び現地モニタリング情報(METI/経済産業省) http://goo.gl/s1goE

posted at 20:47:15

官邸資料のP74に可搬型MPのデータ(昨日から) http://goo.gl/IfEpb これでしょうか? RT @yoshitaka_w: RT @Luciano0001 「原発周辺には電源を使わない放射線測定器の設置の義務(略)非常時にデータ回収する 公表されていない」

posted at 20:35:40

特定供給という仕組みを使えば、発電設備と同じ建物内には発電した電気を供給できます(許可は不要です) http://goo.gl/EEc9F RT @janusz_korczak:自分の土地に発電施設がないとダメみたいですが? RT @adanao 電力が自由化されれば

posted at 20:19:14

RT @sakaimasaharu: 世界は日本を見て動き出してます。世界注目という外圧があっても、経産省、電力会社は意地を張り続けるのか? →ドイツ、「核の時代」終焉へ-再生エネルギーに変遷 - IBTimes:世界の最新ビジネスニュース http://ow.ly/4m6e8

posted at 20:02:42

RT @Kantei_Saigai: 【福島第一原発】枝野官房長官会見(16:00)(続)/原子力損害賠償法第三条には異常に巨大な天変地異などの場合の事業者の免責規定があるが、個人的には免責はあり得ないと思っている。

posted at 20:02:33

数日前から原子力安全・保安院から膨大な資料が公開されるようになりました。 http://goo.gl/E24Ju 内容は専門的でわかりづらいですが。 RT @kenichioshima: 経産省のプレス資料にありました。存在する画像はもっと積極的に公開して欲しいですね。

posted at 09:03:44

九州電力も夏に計画停電の可能性。この動きが全国に広がる可能性もありますね。 asahi.com(朝日新聞社):「九電、玄海原発2、3号機の再開延期 夏に停電の可能性」 http://goo.gl/Dc2W2

posted at 00:54:50

昨日の保安院からの発表資料に含まれていたようです http://goo.gl/A4jnk RT @kenichioshima: 東電の作業員の写真です。日本のメディアは報道管制下にあるのかどうか、答えて欲しいです。 #genpatsu http://bit.ly/idqL5T

posted at 00:36:40

福島第一原発:原子力安全・保安院から公表されている原子炉のパラメータですが、炉内の水位、温度や圧力の他、CAMS(格納容器雰囲気モニター)で格納容器内の放射線量が計測されています。この数値は炉内の状況と相関がありそうです。 http://goo.gl/EJvvS

posted at 00:30:42

福島第一原発:原子力安全・保安院からの発表資料です。 1号機の炉内温度は200℃程度に下がってきたようですが、燃料棒は半分露出のまま。地震被害情報(第49報)(3月24日19時30分現在)及び現地モニタリング情報(METI/経済産業省) http://goo.gl/A4jnk

posted at 00:22:58


03:11 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月24日 (木)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第7報)

各地で放射線データの観測数値の上昇に加えて、農作物や水・土壌での放射性物質(ヨウ素、セシウム)が相次いで観測されています。これまで福島第一原発から放出された放射性物質の量は不明ですが(その後、海外の研究機関から放出量の推定値が発表されています)、発電所敷地内の放射線データのトレンドから、いつ頃放出されたかはある程度推測ができると考えられます。本日(3/24)午前6時現在までの発電所敷地内での放射線データの推移をまとめたグラフを更新しました。昨日(3/23)は、15時台に一時的な数値の上昇がみられますが、16:20から3号機で発生した黒煙との因果関係は不明です。

[福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのトレンド(3/12-24)] (3/24 19:30現在で更新しました。原子力災害対策本部の資料から可搬型MPによる「事務本館南側」のデータを加えました。)

Fukushima1f20110324_3

昨日までのTwitterでのツイートです。


福島第一原発:発電所敷地内の放射線データですが、本日15時以降、東電から発表されていません。16:20頃からは3号機から黒煙が発生しています。 福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる計測状況|原子力発電所|東京電力 http://goo.gl/2JhBe


posted at 22:23:06


福島第一原発:保安院からの本日(3/23)12:30現在の会見資料です。1号機の炉内温度が350度程度まで下がったようです。地震被害情報(第45報)(3月23日12時30分現在)及び現地モニタリング情報(METI/経済産業省) http://goo.gl/qddz5


posted at 22:19:47


福島第一原発:本日(3/23)19現在の原子力災害対策本部からの発表資料です。これまで発生した原発での事故とその対策が時系列に記載されています。しかし実際の炉内の状況や放射性物質の放出の程度は良くわかりません。 http://goo.gl/TX1B8


posted at 22:17:02


福島第一原発:発電所敷地内の放射線データ(午後3時現在)では、これまで小康状態だった数値が午後2時過ぎに一時的に上昇しています(200μSv/h台 -> 435μSv/h)。16時20分頃からの3号機からの黒煙との関係は不明です。 http://goo.gl/DJK8Y


posted at 17:32:56


保安院のこちらの資料では圧力容器内です http://goo.gl/JLxFb RT @takemurahideaki: 1号機の温度ですが、圧力容器の中なんでしょうか?表面という報道が一度だけあったような。@matsubara_hiro 1号機の圧力容器内の温度が400℃以上


posted at 16:41:20


1号機から3号機まで燃料棒が半分近く露出した状態は続いているようです。本日午前2時から炉内への給水量を2立米毎時から18立米毎時に増やしたとか。1号機の圧力容器内の温度が400℃以上ということ以上の情報がありません RT @koudaiin: つまり一号炉は溶け出した?


posted at 14:40:32


RT @WWFJapan: 2050年までに「再生可能エネルギー100%」は実現できる!http://bit.ly/gfQQAd


posted at 13:34:49


福島第一原発:1号機から4号機までは小康状態のようですが、炉内パラメータの改善はみられません。1号機の炉内温度が設計温度を超えているようです。 地震被害情報(第44報)(3月23日08時00分現在)及び現地モニタリング情報(経済産業省) http://goo.gl/EphO0


posted at 13:17:32


RT @iidatetsunari: お待たせしました!『「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ』これでこの夏も今後も原発を減らしながらやっていける!http://bit.ly/fQOP0e


posted at 09:48:54


RT @iidatetsunari: 太陽光が原子力を越える日。22日の12:30、一瞬ですが、ドイツでついに太陽光(12.1GW)が原子力の発電量(12GW)を超えたそうです。原文はドイツ語です http://bit.ly/icRGwE


posted at 09:48:50


福島第一原発:発電所敷地内の放射線データを昨夜23時まで更新しています。昨夜19時頃に一的な数値上昇がありましたが、その後は今朝7時まで小康状態のようです。「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第6報)」 http://goo.gl/K6CBj


posted at 08:34:46


ちょうど4号機に注水をしたタイミングのようです。その後、19時過ぎに数値が一時的に上昇しています RT @sustainablezone: 福島第一原発での放射線量をグラフ化してみた(21日16:40-22日20:00)。17時台にデータ欠損。このデータが高かったのでは?


posted at 01:49:53


霧島国際は最近バイナリーを止めて通常の蒸気タービンに戻りました。バイナリー発電は長野県小谷村で実証試験をやっていますね RT @northfox_wind: 確か霧島国際と杉の井は地熱バイナリー発電だったかと思います、これを入れて民間地熱は実質3つというところでしょうか


posted at 01:45:19


こちらのルートでも調べています。民間地熱発電所は、霧島国際や杉の井ホテルもありますね RT @northfox_wind: 日本唯一の民間地熱発電所が危機です! RT @k20d_smc_v2: 確か唯一の民間地熱発電所“ 狐RT @kujukankohotel: 困っています。


posted at 00:45:23


福島第一原発:10km南の福島第二のモニタリング数値が午後2過ぎから上昇しました(3倍程度)。第一の数値は比較的安定しているので、風向きの影響でしょうか。 http://goo.gl/dNU1h


posted at 18:19:03


RT @egaosonehara: RT @sakatamasako: 全国の水道水の汚染状況が一目でわかります。 http://atmc.jp/water/ 特に子どもがいるお母さんや妊婦さん見てください。


posted at 09:28:18


RT @sustainablezone: 電力の使用状況の速報化が実現。http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html 次は、各グループの地図データの提供をお願いしたい。送電線網で区切っているのなら、東電は地図データを持っているはず。カーナビにも連携できるようにすべき。


posted at 09:25:42


RT @northfox_wind: やはり火力の被災も甚大だったんですか。しかし夏だけでなく冬もか。相当考えないと対策が浮かばないレベルです→東電の計画停電、今夏・冬も 大規模火力発電所、被害大 http://t.asahi.com/1pya


posted at 09:15:05


福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのグラフを更新しました。昨夜から数値は減少しており、小康状態のようです。ブログでは放射能拡散シミュレーションについても紹介しています。「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第6報)」 http://goo.gl/K6CBj


posted at 08:24:26


福島第一原発: 日本では「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ)」という立派なシステムがあるようですが、実際に使われていないのでしょうか。 SPEEDI │ 防災技術開発 │ NNET http://goo.gl/NfsfZ


posted at 08:11:18


福島第一原発:こちらのフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の放射能拡散シミュレーションのページが更新されています。URLも変わりました。 http://goo.gl/797b6


posted at 08:08:19


福島第一原発:発電所敷地内の放射線データを更新しました。3号機からの黒煙や2号機からの蒸気発生がありましたが、18時頃から「正門」の数値が急激に増えて、その後、減少しています。「 東北関東大震災による福島第一原発の危機(第5報)」 http://goo.gl/F32Xf


posted at 00:30:04

09:08 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月22日 (火)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第6報)

福島第一原発の状況は一進一退です。昨日(3/21)は、午後3:55頃に3号機から黒煙がでた後に、午後6:22には2号機から蒸気が放出されました。それに伴い、発電所敷地内の放射線データの数値も上昇しました。ただし、モニタリングの場所は、それまでの事務本館北(原子炉建屋から約500m)から「正門」(約1km)に移っています。(加筆:22日は夕方まで数値が減少していましたが、夕方、一時的に上昇しました。タイミングとしては17時過ぎからの4号機への注水と関係あるかもしれません)

[福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのグラフ(更新しました:3/22 23:00現在)]

Fukushima1f20110322


各地で放射能の拡散に伴う影響が出ています。この放射能の拡散は原発からの発生状況と風などの気象条件を使ってシミュレーションすることができます。昨夜の東京電力の記者会見でも、シミュレーションの実施に関する質問が出ていましたが、まだ国内ではこの様なシミュレーションは公表されていません(文部科学省にはSPEEDIという立派なシステムがあるようですが...)。

例えば、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の放射能拡散シミュレーションがあります(ページはフランス語ですが)。放射性物質(セシウム137)の拡散とそれに伴う放射線量率の分布をシミュレーションしています。先週からだいぶ内容がバージョンアップしているようです。その他に、ドイツ気象庁、ウィーン気象地球力学中央院によるドイツのシュピーゲル紙のシミュレーションなどがあります。

Schema3

昨日(3/21)のTwitterでのツイートです。

福島第一原発:やっと21時現在の発電所敷地内の放射線データが公表されましたが、測定場所が16:30以降「正門」に移っています(退避のため?)。こちらの「正門」の数値はかなり変動をしており、18:30頃にピークがあります。 http://goo.gl/pDpwO

posted at 22:48:13

東京電力の現在の供給力に、電源開発や共同火力などのIPP(卸電力事業者)の供給分は果たして含まれているのでしょうか。これらの電力は産業用に優先的に使用されて、通常の供給力にはカウントされないのか?もちろん、今回の大震災で被害を受けて停止しているIPPの発電所もかなりありますが。

posted at 22:41:49

福島第一原発:3号機からの黒煙が上がった本日15時台以降、こちらの発電所の放射線データが更新されていません。これまでは3~4時間毎ぐらいの更新だったのですが。 「福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる計測状況」|原子力発電所|東京電力 http://goo.gl/2JhBe

posted at 22:09:18

RT @Kantei_Saigai: 【福島第一原発】枝野長官会見(18:00)(続)/3号機から黒い煙が生じたが、モニターの数値に悪い影響は出ておらず、今のところ問題がありそうな状況ではないが、注意深く状況を把握していく。

posted at 19:15:23

RT @dai_dereg: 東京都が大気中放射能の測定結果を迅速に公表しています http://bit.ly/cO0cML これを元に、とりあえず勉強したヨウ素131の分析をブログアップしました。結論:やっぱり放射線管理施設並みの放射能濃度の時間帯あり。 http://bit.ly/fN9SKE

posted at 17:00:08

福島第一原発:ブログを更新しました。発電所敷地内での放射線データも更新しています(20日13時現在)。数値は小康状態ですが、いよいよ放射能の拡散をきちんと評価しないといけない状況です。「 東北関東大震災による福島第一原発の危機(第5報)」 http://goo.gl/F32Xf

posted at 16:49:09

RT @iidatetsunari: 【必読】放射線被曝を考える上で、もっとも納得できる説明です。スウェーデン国立スペース物理研究所の山内正敏さんの記事 http://bit.ly/gPcaKC #genpatsu #fukunp

posted at 14:25:07

RT @iidatetsunari: 大変参考になる情報。崩壊直前の末期の旧ソ連でもチェルノブイリ事故後の処理にこれだけの対応をした。果たして日本政府に可能か? http://bit.ly/gUGxY4 #genpatsu #fukunp

posted at 14:19:31

福島第一原発:最新の発電所周辺の放射線データ等がまとまっていますが、時系列での整理が必要だと思います。 放射線モニタリングデータについて - 東北地方太平洋沖地震への対応 -首相官邸ホームページ- http://goo.gl/0CVzW

posted at 04:53:25

福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのグラフを更新しました(3/20 22:30現在)。昨日13時過ぎから一時的に上昇していた数値は、その後、減少に向かっています。「 東北関東大震災による福島第一原発の危機(第4報)」 http://goo.gl/ZctZc

posted at 04:36:48

08:18 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月21日 (月)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第5報)

福島第一原発では、3号機および4号機への放水が行われ、発電所敷地内の放射線レベルも徐々に下がって来てはいますが、まだまだ高いレベル(原子炉建屋から500mで2mSv/h)であり、予断を許しません。

昨日には、3号機の格納容器内の圧力が設計圧力以上に上昇し、圧抜き(ベント)が予告されましたが、結局実施されませんでした。同様の状況は15日頃に2号機でも発生しており、実際に15日0時頃にドライベント(水を通さない緊急の圧抜き)が行われたようです(それ以外のドライベントについては不明)。いわゆる圧力抑制室の水を通すベントは、ある程度継続的に行われています(くわしくはこちらの原子力災害対策本部の資料参照)

発電所からこれだけの放射性物質の放出があることで、各地で基準を超える放射線や放射能(水や農作物などへの付着)が報告されています。この放射線の数値に対する対応に関するガイドライン(行動指針)は現状では各自である程度自主的に判断するしかない状況です。例えば、こちらの様な個人としての行動指針もあります。これによると、100μSv/hを超えたら避難の準備を始めて、1000μSv/hを超えたら避難ということですが、現状ではこの100μSv/hという数値は発電所から30km圏付近で観測されているレベルです(政府が発表している発電所近傍のデータはこちら)。各都道府県の数値については、文科省の特設ページで公表されていますが、トレンドデータとしては、こちらに整理されています。やはり発電所で14日~16日の爆発や蒸気の噴出などの影響で、15日から16日頃に一時的に急激な数値の上昇がみられましたが、現在は落ち着いているようです。本日の午前中も10キロ南の福島第二のデータが若干上昇していましたが、風向きの影響が大きいと考えられます。

発電所敷地内の放射線データを更新しました(21日13時現在)。昨夜から順調に「事務本館北」での数値が減少してきていましたが、本日10時頃から横ばいとなっています(加筆:本日15:55に3号機から黒煙、18:20に2号機から蒸気が発生し、18時過ぎに「正門」での数値が急激に増加した後、減少)。

[福島第一原発:発電所敷地内の放射線モニタリングデータ(更新:3/21 21:00現在)]

Fukushima1f20110321

昨日(3/20)のTwitterでのツイートです。

福島第一原発: 発電所敷地内の放射線データのグラフを更新しました(15:00現在)。13時過ぎから、原子炉建屋から約500mの事務本館北の数値が上昇傾向ですが、4号機への放水の影響か、3号機の格納容器の圧力上昇の影響か、原因は不明です。 http://goo.gl/ZctZc

posted at 20:37:35

3号機への放水後に放射線の数値が上昇するのは、燃料プール内の水位が低い状態で放水時に発生する蒸気などと共に放射性物質が拡散するためだと推定します。放水を続けて水位が上昇すればその影響は小さくなるかと。 RT @dai_dereg: それだとスパイク状の説明にならない気がします

posted at 14:12:05

そうですね、3号機への放水が燃料プールの安定化に寄与しているということだと思います RT @sustainablezone わたしのツイートに掲載したグラフによると、放水前からの低下傾向が継続しているのであって、放水の効果で放射線量が下がったとはいえないようにみえるのですが

posted at 13:56:26

福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのグラフを更新して、ブログに掲載しました。 3号機への放水が功を奏して、数値は今のところ減少傾向にありますが、いまだ高いレベルです。「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第4報)」 http://goo.gl/ZctZc

posted at 10:28:25

RT @gpjTweet: 原子力資料情報室(CNIC)が、わかりやすいスライドをアップ。 「福島第一原発で何が起きているのか」 http://cnic.jp/files/earthquake20110311/CNICpresentation_20110319.pdf

posted at 08:46:54

日本国内を中心とした自然エネルギーの現状と可能性をまとめた「自然エネルギー白書2011」もISEPから発行されています。第一章「国内外の自然エネルギーの概況」など部分的にダウンロード可能です。 「自然エネルギー白書2011」 http://goo.gl/Gv78P

posted at 02:32:49

すでに日本語に翻訳されています(by ISEP)。ダウンロードはこちら(PDFで18MB) http://goo.gl/3Xqeh 「世界自然エネルギー白書2010日本語版」 RT @kei_sakurai: (再投)REN21でも1~2年遅れ。でもこちらの方が傾向見やすい。

posted at 02:25:22

04:44 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月20日 (日)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第4報)

福島第一原発の状況は少しずつ好転しているように見えますが、まだまだ予断を許しません。昨夜からの3号機への放水で燃料プール中の使用済核燃料については安定してきたようです。本日7:30現在までのデータで、発電所敷地内の放射線モニタリングデータのグラフを更新しました。敷地内の放射線の数値は、今のところ順調に減少をしているようですが、まだ高いレベルにあります。(加筆:3/20 13時過ぎから、事務本館北の数値が上昇傾向でしたが、その後、再び減少しています)


PDFデータはこちらです(3/20 22:30現在で更新しました)。英語版も作成しました(3/20午前7:30現在)。

Fukushima1f20110320

ところで、インターネット上での政府系の情報がやっと整理されてきたようです。

[首相官邸の特設ページ] 定期的に原子力災害対策本部の資料が掲載されています。
http://www.kantei.go.jp/saigai/index.html

[経産省の特設ページ] 原子力安全・保安院の記者会見の資料が掲載されています。
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html

[文部科学省の特設ページ] 各地の放射線モニタリングデータが掲載されています。
[福島県] http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm
[都道府県] http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm

昨日(3/19)のTwitterでの私のツイートは、以下のとおりです。

福島第一原発: 発電所敷地内の放射線データのグラフを更新しました(19日21:30現在) 本日午後2時過ぎからの3号機への連続放水の間、継続的に数値が下がっています。燃料プールへ水が溜まって安定してきていると推定されます。 http://goo.gl/LxQJ

posted at 23:57:35

福島第一原発:発電所敷地内での放射線データのグラフを更新しました(19日17時現在)。これまでデータが無い時間を直線で補間していたのをやめました。 「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第3報)」 http://goo.gl/mirWS

posted at 20:57:47

そういえば国連大学は日本が本部でしたっけ。OurWorld2.0からです。上部イメージの地震発生マップが不気味です。最近は関東地方に近い震源の地震も多いですね。 「東北関東大地震、津波、そして原発事故」 | Ourworld 2.0 日本語 http://goo.gl/rMvFv

posted at 18:11:38

こちらの文科省の公表データですね http://goo.gl/aJs5O 30km地点でずっと140μSv/h以上が続いている地点があります RT @nhk_news: 保安院“一部で比較的高い値” http://nhk.jp/N3um6CUZ #nhk_news

posted at 16:08:16

推測ですが、昨夜の3号機への放水の影響があるかもしれません。プールからの水蒸気の発生が増加? RT @sustainablezone: 福島第一原発西門での放射線量だけグラフ化。今朝の放射線量の増加は何によるものなのだろう? http://twitpic.com/4aw8op

posted at 13:41:31

昼間は3時間毎に発表されているようです RT @mextjapan: 【放射線モニタリングデータ】福島第一原子力発電所の20km以遠のモニタリング結果について、3月19日10時00分現在の情報を掲載しました。http://bit.ly/gDZ3et #mext #jishin

posted at 13:02:33

福島第一原発:発電所敷地内の放射線データのグラフを更新して、ブログにアップしました。昨日の3号機への放水後に一時的に数値が上昇していますが、その後、徐々に減少しています。「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第3報)」 http://goo.gl/mirWS

posted at 12:56:21

やはり放水して蒸気が発生すれば、一時的に放射性の気体が放出されますね。 RT @sustainablezone: 福島第一原発西門での放射線量だけをグラフにしてみた。放水の後の方が、放射線量が大きい。一時的なものであればいいが。 http://twitpic.com/4apfxg

posted at 02:03:16

福島第一原発:やっと経産省が専用のページを立ち上げました。原子力安全・保安院の記者会見資料なども掲載されているようですが、結構、資料の量が多いですね。「 地震による原子力施設への影響について」(METI/経済産業省) http://goo.gl/E24Ju

posted at 01:26:23

福島第一原発:こちらのフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の放射能拡散シミュレーションは秀逸ですね(フランス語ですが)。放射性物質(セシウム137)の拡散とそれに伴う放射線量率の分布をシミュレーションしています。 http://goo.gl/vSZCM

posted at 01:14:01

国連大学のOurWorld2.0からです。上部イメージの地震発生マップが不気味です。最近は関東地方に近い震源の地震も多いですね。 「東北関東大地震、津波、そして原発事故」 | Ourworld 2.0 日本語 http://goo.gl/rMvFv

posted at 00:49:49

福島第一原発:東京電力や政府から発表されている発電所敷地内での放射線データを更新しました(18日午後7:30現在)。18日午後の3号機への放水後、約500m離れた「事務本館北」で数値の上昇がみられます http://goo.gl/nVYNs

posted at 00:42:57

10:22 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月19日 (土)

東北関東大震災による福島第一原発の危機(第3報)

福島第一原発は、昨日の段階でINES(国際原子力・放射線事象評価尺度)の暫定評価結果でレベル5となり、「広範囲な影響を伴う事故」として米国スリーマイル島発電所事故と同じレベルと評価されました。

昨日からは3号機への本格的な放水が開始されていますが、放水に伴う蒸気の発生は確認されているもののその効果や見通しは不明です。並行して、各号機への供給電力の復旧工事が行われていますが、果たしてポンプなどが起動できるのか予断を許さない状況が続いています。

すでに何回かご報告した発電所敷地内での放射線量率のモニタリングデータの最新結果をグラフに整理しました。昨日(3/18)の3号機への放水後に一時的に数値が上昇していますが、その後、減少に向かっています。これは放水時に発生した蒸気と共に放射性の気体が一時的に放出されたためと考えられます。(19日23:40加筆:17:30からの連続放水では、特に数値の上昇は無いようで、継続的に減少しています。燃料プールに水が溜まった来たと推定されます)

[福島第一原発:発電所敷地内モニタリングデータのグラフ] ※19日21:30現在のデータで更新しました。

Fukushima1f20110319_2

昨日(3/18)のTwitterでのツイートを以下に列挙します。

福島第一原発:何故か30km境界の特定の2箇所だけ140μSv/hを超えています. 後は50μSv/h程度。30km境界を担当する日本原子力研究開発機構の計測数値。 放射線モニタリングの結果 福島第1・第2原子力発電所周辺:文部科学省 http://goo.gl/zZm2Q

posted at 23:40:58

こちらに本日のデータ http://goo.gl/zZm2Q 何故か特定の場所のみ140μSvhを超えています RT @dai_dereg: 聞き間違いでなければ、NHKは「原発から30kmで毎時150μSv」と言った。じゃあ、屋内退避すら言われていない30.1kmでの線量は?

posted at 23:35:08

福島第一原発:発電所敷地での放射線トレンドグラフが紹介されました。ISEPで作成したグラフはこちら http://goo.gl/nVYNs 福島原発:市民団体が放射線量増加をグラフ化 - 毎日jp(毎日新聞) http://goo.gl/izO2t

posted at 13:54:13

福島第一原発:官邸ホームページに掲載された本日10時の「原子力災害対策本部」の資料です。これまでの経緯も含めかなり詳細に載っています。 www.kantei.go.jp/saigai/201103181000genpatsu.pdf http://goo.gl/t4Aa1

posted at 13:30:34

福島第一原発:昨日17日の衛星写真が公開されています。2号機、3号機からの蒸気の発生が確認できます。 DigitalGlobe | Sample Imagery http://goo.gl/yi3ns

posted at 10:43:40

RT @murakamiatsushi: 半日ほどPC離れていました。もしかしたらすでに流れているかもしれませんが、ZAMG(オーストリア気象局)の試算で、Spiegel誌掲載分です。昨日、日本からは見られないということを聞いたので、念のため。http://bit.ly/fYQjTy

posted at 09:01:05

福島第一原発:文部科学省が昨日から取りまとめをしている放射線モニタリングのデータ。 場所によりピークの時刻や数が異なりますが、発電所でのデータとの相関はありそうです。放射線モニタリングの結果:文部科学省 http://goo.gl/hY7Sb

posted at 03:46:09

計画停電にはだいぶ慣れてきましたが、昨日は大規模停電の可能性ということで夕方にかなり混乱しました。 電力供給確保についての取組とお願い(METI/経済産業省) http://goo.gl/drvwu

posted at 03:12:36

福島第一原発:昨日(3//17)開催された緊急院内集会『福島原発の現状をどう見るか』の資料(後藤氏)と録画はこちら。 原子力資料情報室(CNIC) - ニュース記事 http://goo.gl/UiLhg

posted at 03:05:59

福島第一原発: 発電所敷地内の放射線強度のトレンドを昨日までの東電発表のデータで整理してみました。これまでの発電所正門に代わって、直近はより原子炉建屋に近い「事務本館北」での計測に 「東北関東大震災による福島第一原発の危機(第2報)」 http://goo.gl/MT3I5

posted at 03:00:51

福島第一原発:昨日23時現在の状況ですが、昨日の3号機への放水について書かれている他、作業者の負傷者の状況や3/15午前10時の原子炉建屋近傍でのモニタリング数値(3号機建屋内陸側400mSv/h)などの報告がある。東京プレスリリース http://goo.gl/OqFbC

posted at 02:06:36

福島第一原発:今夜21時現在の状況ですが、3号機への放水実施以外、進展はみられません。記者会見では放水時に蒸気の発生が見られたようですが、効果は不明。電源の引き込みに期待したいところですが。 東京電力プレスリリース http://goo.gl/JdmSw

posted at 01:09:01

なるほど、そうですね。 もっと発表側で整理してくれると良いのですが。 RT @atsusurf: こういうふうにまとまってるとわかりやすい。福島原発1-6号機現状早見表(PDF)→ http://p.tl/QhJb

posted at 00:53:46

12:40 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月16日 (水)

東北関東大震災による福島第一原発の危機

ついに恐れていたことが想定を超えて起きてしまいました。
東京電力の福島第一原子力発電所は、3月11日に発生した東北関東大震災の被害により、自動停止後の核燃料の冷却ができず、過熱に伴う水素爆発を次々に起こしています(1号機、2号機、3号機)。昨日(3/15)から原子炉内の放射性の気体が大量に放出される状態が続いています。また、4号機の使用済燃料プール近くでの火災や水素爆発もあります。詳しい放射線モニタリングデータの推移は、こちらのデータ(3/16 15:50までのデータで更新)をご参照ください。これは東京電力が発表している福島第一原発の発電所敷地境界(正門)での放射線量(γ線)のデータを12日から16日まで独自に整理したものです。特に昨日3/15の朝から放射線量が急増しており、周辺の地域での放射線量の増加も観測されています(東海村など)。本日も夜中の0時頃と10時過ぎに急増しており、特に10時過ぎには3号機あたりから蒸気の放出が確認されています。各地の放射線計測行っているポイントについては、こちらのGoogleマップによるサイト(放射線測定ネットワーク)で紹介されいます。

これまでの一連の状況は、twitterで発信をしていますので、ご関心のある方はフォローをお願いします。。

昨日(3/15)のツイートを以下に列挙します。

東京電力プレスリリースに今週一杯の予定が載っています http://goo.gl/NCwdJ RT @Chaban_club: 情報元を教えてください! QT @matsubara_hiro 自宅で初めての計画停電なう。第2グループなので、18時半頃から10時までの予定。

posted at 21:45:18

福島第一原発:本日午前3時過ぎに900μSv/hを越える放射線量を観測。第一原発の南10kmに位置おり、約6時間で到達したことに。「福島第二原発のモニタリングによる計測状況」 東京電力プレスリリース http://goo.gl/pn3fs

posted at 21:34:15

福島第一原発4号機:今朝6:14の爆発音の後に8メートル四方の穴が2ヶ所。3時間後の9:38に4階から出火。昨日、5階の使用済燃料プールの温度が84度に上昇していた「福島第一原発4号機 外壁落下し2か所の穴」 NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 21:16:58

福島第一原発:茨城県東海村の東海第二発電所にあるモニタリングポストでの放射線量データ。トレンドが見られますが、本日午前6時過ぎに急激な上昇が見られます。 日本原子力発電株式会社 http://goo.gl/qJahw

posted at 21:09:32

これは役に立ちますね。 RT @kama38: グーグルさんが何か支援したいということで放射線計測マップを作ってくれました。http://ht.ly/4exnv このほかにも支援に役立つことを検討中です。#jishin

posted at 21:09:00

福島第一原発:発電所敷地境界(正門)で400μSV/hまで下がってきました。グラフにするともっと分かりやすいのですが。「モニタリングカーによる計測状況」東京電力プレスリリース http://goo.gl/Pxhfu

posted at 21:01:26

RT @junko_edahiro: 笑うことも大事!(^^;。 @【コピペ】計画停電に対して各国の反応 ●アメリカ:停電の時刻に強盗が多発 ●中国:いつもの事なので気にしない ●フランス:恋人が愛を語る ●ドイツ:太陽電池等備えがある ●日本:国民の節電により需要予測を下回り停電回避、停電が実施されない事に国民激怒

posted at 19:28:34

自宅で初めての計画停電なう。第2グループなので、18時半頃から10時までの予定。キャンドルはありませんが、まさにキャンドルナイトの気分。mobile WiFiで接続中。

posted at 18:48:12

こちらも気になります。そもそも一つの発電所に6基の原子炉。集中し過ぎですね。 RT @hfunatsu 枝野会見「福島第一原発5号機、6号機で温度上昇。」 これらは点検中で停止しているものという点で4号機と同じ。

posted at 17:20:42

もっと詳しい情報を! RT @Kantei_Saigai 【福島第一原発】長官定例記者会見(16:00)/一号機及び三号機については現在安定的に注水がなされている状態。二号機については注水がなされているが安定的かどうかは今後の経緯を見ていく。

posted at 17:08:41

福島第一原発:IAEAおよびNRC(米国原子力規制委員会)専門家派遣の受け入れ決定(3/15午前0時)。地震による原子力施設への影響について(15時00分現在) (第24報) 原子力安全・保安院 緊急時情報ホームページ http://goo.gl/ztzPk

posted at 16:51:20

原子力安全・保安院会見。福島第一原発:1号機、2号機、3号機には継続して海水注水中。4号機は11時頃、自然鎮火。東海村および横須賀での放射線の検知について。

posted at 16:25:50

福島第一原発: 文部科学省が各地で計測されている放射線データをとりまとめて1日2回程度発表する予定だそうです。「全国放射線データ 毎日公表へ」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 15:24:46

東電が公表したモニタリングカーの計測データです(午前1:30頃に中性子線) http://goo.gl/7fBHF RT @iidatetsunari: ついに恐れている最悪シナリオか RT 福島第一原発のモニターで中性子線が観測されて。原子炉で再臨界が起きている可能性につ...

posted at 15:07:01

福島第一原発:発電所敷地境界(正門)での中性子線量が本日午前1:30頃に0.02μSv/hになっています。これは何を意味するのでしょうか。その後は、0.01μSV/h未満。「モニタリングカーによる計測状況」 東京電力プレスリリース http://goo.gl/7fBHF

posted at 15:02:00

再生可能エネルギーへの期待と化石燃料の使用増の懸念 「原発危機が気候変動問題にもたらしうる二つの前途」 国際ニュース : AFPBB News http://t.co/gCE3Ycb via @afpbbcom

posted at 14:53:38

福島第一原発:発電所敷地境界の放射線量が本日6時以降急激に増えており、正門で11930μSv/hに達しています(12mSv/h)。その後、1000μSv台になっています。「モニタリングカーによる計測状況」 東京電力プレスリリース http://goo.gl/7fBHF

posted at 14:50:54

福島第一原発4号機:原子炉建屋周辺の放射線量がかなり大きくなっていますが、4号機での火災などが原因と考えられているようです。「4号機火災で放射線数値上昇か」「福島第一4号機 火災消える」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 13:52:33

福島第一原発:原子炉建屋近くでは放射線量が400ミリシーベルト毎時に達しましたが、場所と時間をきちんと整理しないと混乱しますね。「“身体影響 可能性ある数値”」「福島 470倍超の放射線検出」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 11:58:44

福島第一原発4号機:定期点検中で、燃料は全て使用済み燃料プールに格納されているが... 枝野官房長官会見「 “4号機 水素爆発と推察”」「福島第一原発 4号機で出火」福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 11:34:07

数十ミリシーベルトは、あくまで原子炉の建屋傍の数値です。敷地境界では数百マイクロ RT @adanao: 枝野さんは、単位が今までと違うので注意と言ってましたRT @kama38: ミリシーベルトはマイクロシーベルトの1000倍の単位。いつの間にか単位がすり替わっていないか、注意

posted at 11:24:14

福島第一原発2号機:分かりやすく説明しています。「解説・2号機の現在の状況」「解説・今後に向けて注意すべきこと」「放射性物質漏れた場合の注意」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 10:57:50

福島第二原発:第二の方はひとまず良かったです。「福島第二原発 原子炉が安全に停止」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 10:55:53

RT @worldresources: The climate-energy Daily is out! http://bit.ly/9xYfCB ▸ Top stories today via @thecostofenergy @climatecentral @matsubara_hiro @ecolady

posted at 10:47:54

「3号機核燃料プール 覆いなし」 http://goo.gl/xlQLO RT @takemurahideaki: 使用済核燃料プールに貯蔵されている核燃料の量は、原子炉の中よりはるかに多い。この燃料が何らかの破損をしたり、爆発したりすると、今の原子炉から出てきている放射能より

posted at 10:33:27

2号機の格納容器はもう大気圧です。 RT @takemurahideaki: おかしい。格納容器の圧力は、圧力抑制室に穴があいていれば下がるはずで、注水はスムースに行くはず。入れても入れても燃料棒の半分程度しか水につからないということは、もう圧力容器に穴があいているのではないか?

posted at 10:28:29

福島第一原発:いまさらですが、昨夜19:30時点でのデータが掲載されています。このレベルのデータをもっと迅速に公表すべきです。 地震被害情報(第23報)(3月14日19時30分現在)原子力安全・保安院 http://goo.gl/am6aj

posted at 10:22:37

福島第一原発2号機:110km南に位置する茨城県東海村で放射線量データが5μSv/h(通常は0.05)。一方、福島第一原発では8000μSv/hを一時越えた。「東海村 基準超の放射線値観測」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 09:53:07

福島第二原発:敷地での放射線量モニタリングデータ。昨夜3/14の10時頃から数値が増えています。 本日午前3時には900μSv/h以上に。その後、30μSv台に低下(午前6時までのデータ)第一原発2号機の影響か 東京電力プレスリリース http://goo.gl/4CnLR

posted at 09:42:48

福島第一原発3号機:4号機の損傷は3号機の水蒸気爆発の影響?核燃料プールにはMOX燃料が...「4号機の建物の屋根に損傷」「3号機建物上部 蒸気状のもの」「3号機核燃料プール 覆いなし」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 09:36:48

福島第一原発2号機:ここまで来てやっと統合対策本部が設置されましたが...「福島第一原発周辺 北からの風」「首相 万全の対応を強く指示」「2号機で爆発音 従業員が退避」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 09:34:21

福島第一原発2号機:格納容器のサプレッションプールと呼ばれる施設に損傷「福島第一原発2号機で爆発音」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 08:26:40

福島第一原発2号機:東京電力記者会見:6時過ぎに衝撃音。それと共に格納容器の圧力抑制室の圧力が低下。一部の従業員の退避。同時に行われた保安院の会見では、その後、発電所敷地境界の放射線量が900μSv/hを超える。格納容器に損傷の可能性。

posted at 08:20:04

原子力安全・保安院記者会見:福島第一原発2号機で6:10に爆発音。 圧力が大気圧に。 RT @Kantei_Saigai 【福島第一原発】長官会見(6:43)福島第一原発2号機の格納容器につながるサプレッションプール(水蒸気を水に変えるもので出っ張っている)に欠損がみられる。

posted at 08:02:31

福島第一原発:発電所正門において昨夜21時頃に放射線量3130μSv/hに達し、その後300μSv/h台に。2号機の影響か。「モニタリングカーによる計測状況」 東京電力プレスリリース http://goo.gl/BG19P

posted at 01:15:09

福島第一原発2号機:昨夜23時過ぎに再び燃料露出。21時過ぎには発電所正門で放射線量が3千μSv/hを越えて、緊急事態通報。その後、300μSv/h台に。「東電“2号機水位計測できず減圧”」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 00:53:35

福島第一原発2号機:東京電力の記者会見がありましたが、圧抜きの弁が閉まったことが原因のようです。なんとか頑張って欲しい。「2号機 再び核燃料すべて露出」 福島第一・第二原発 ニュース NHKニュース http://goo.gl/xlQLO

posted at 00:39:27

10:47 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月12日 (土)

最近のつぶやき

最近、ブログの方はすっかりご無沙汰になっていますが、Twitterの方では、1日平均2.4件程度をつぶやいています。本当は、ブログの方できちんと記事としてまとめることが必要だとは思うのですが、なかなかその時間がとれません。そこで、とりあえずTwitterのつぶやきをそのまま貼り付ける実験をしてみたいと思います。例えば、今日の「つぶやき」はこんな感じになります。これは、Twilogというサービスを利用していますが、このTwilogのページも始めてみました。これまでの500件以上の「つぶやき」が全て載っていますので、こちらのページもご覧ください。

【2/12のつぶやき】

日本のエネルギー政策の現状を客観的に分析。自然エネルギー白書2010も紹介されています。白書の全文はこちら http://goo.gl/fu0Ox RT @OurWorld20 原子力発電はピークオイルから日本を救えるか?http://bit.ly/eOo92j

posted at 11:58:36

2020年までに太陽光発電で世界の電力需要の5%、2030年には9%をまかなうことができる Solar Generation 2010 | Greenpeace International http://t.co/4W07t9l via @AddThis

posted at 01:09:52

太陽光発電のレポートですね http://t.co/4W07t9l  RT @gpjSato: Solar photovoltaic could account for 5% of global power demand by 2020, and up to 9% by 2030

posted at 01:06:51

12:44 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月31日 (金)

転換点に立つ私たち

ここ数年、1年を振り返るとその年の初めから比べて、大きく社会の情勢が変わっていることに気づきます。これは、私たちの社会が大きな転換点に立っているからかもしれません。「転換点」というと、ある程度短い期間を考えますが、実際には社会の仕組みの転換には、長い年月と持続的な取組みや努力が必要です。それは、それまで一定の速度で動いていた車や宇宙船が方向転換するときに、一定の期間、持続的に力を加える必要があるのに似ています。

日本国内では政権交代があり、政治が大きく変わると期待されましたが、日本社会という巨体はそう簡単には方向転換できない様です。現在の社会の問題に気がついた多くの人々が期待している持続可能な社会に向けた足取りは非常に重く、目の前の経済問題で足踏みしている状況です。そんな中、日本の人口はすでにピークを迎え、急速に人口減少社会と超高齢化社会が同時に訪れることが予測されています。私たちが「転換点」を迎えていることは、紛れも無い事実です。方向転換が可能な「もの」から少しずつでも、変えて行く努力を今後数十年間に渡り続ける必要があります。

一方、世界では気候変動による異常気象やピークオイルなどのエネルギー問題など、様々な問題が顕在化しています。それにも関わらず、先進国だけではなく、発展途上国も巻き込んで、将来の見通しが無いまま、人類の成長に向けた勢いは止まりません。このまま行けば、1970年代に発表された「成長の限界」が現実のものになるだけではなく、世界各地で様々な紛争が起きるのも必至の情勢です。この本が示す「持続可能な社会」の実現に向けたより具体的な取り組みが今こそ必要になっています。

この12月にメキシコのカンクンで開催されたCOP16では、かろうじて2013年以降の国際的な気候変動政策の枠組みについて国際的な合意に至る方向性が示されました。世界各国は、それぞれの国益を重視しつつも、世界共通の重要課題である気候変動に対して、具体的な解決策を見出す必要があると考え始めています。しかし、日本を含め多くの国々で具体的な政策や行動が伴っていないことが問題です。

一方、世界の自然エネルギー市場は確実に成長を始めています。化石燃料がピークを迎えつつある状況の中、このエネルギー問題と、気候変動問題および経済問題を同時に解決できる自然エネルギーが、大きな可能性を秘めていることに世界の人々は気がついているのです。世界はまさに、自然エネルギーに関する転換点を超えて、成長を続けていますが、日本の転換点はいつ訪れるのでしょうか。来年がその様な年になることを、期待するとともに、自分自身もその一旦を担えるように取り組んで行きたいと考えています。

今年は、自分が取り組んでいる自然エネルギーの普及に向けた取組みで、多くの種まきができた年でした。来年は、この種を大きく育てることにさらに取り組んで行きたいと思います。いよいよ正念場の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)、2年目を迎えた「自然エネルギー白書」の発刊、転換期を迎えるグリーン電力証書、いよいよ本格化するグリーン熱証書、5年目に入るエネルギー永続地帯研究など、いづれも自分自身が真正面から取り組むべき課題ですが、多くの方々と一緒に地道に取り組んで行きたいと思います。

平和で持続可能な社会の実現を祈りながら、新しい年を迎えたいと思います。

I wish peaceful and sustainable society, and a happy New Year!

10:51 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月29日 (日)

世界で急成長する自然エネルギー

暑い日が続きますね。世界中でこの夏に発生している異常高温や洪水なども気候変動の一端なのかもしれません(日刊温暖化新聞の記事を参照)。

さて、7月1日に開催した「再生可能エネルギー政策シンポジウム」の発表資料や議事録をポータルサイト(JREPP)で公開しています。USTREAMにより映像の一部も公開されていますので、是非、ご覧ください。

[再生可能エネルギー政策シンポジウム(7/1)]
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/index.htm

映像はこちらです。また、SEENメルマガで配信された開催報告はこちらです。

Dsc_0142_2
その後、7/15に世界の自然エネルギーの現状を詳細にまとめた「世界自然エネルギー白書2010」がREN21から発表されました。今回もISEPで翻訳を予定していますが、概要をISEPからプレスリリースしています。7/1のシンポジウムでは、この白書の編集責任者のEric Martinot氏(ISEP研究部長)が、紹介をしています(発表資料はこちら)。

[プレスリリース:「世界自然エネルギー白書2010年版」公表のお知らせ]
http://www.isep.or.jp/images/100716ISEP_press.pdf

そして、今年の10月にはインドのデリーで4回目になる世界自然エネルギー会議がDIREC2010として開催されます。今年は私も参加をする予定です。

[DIREC2010(Delhi International Renewable Energy Conference 2010)]
http://direc2010.gov.in/

個人的には、8月中旬に中欧4か国(ハンガリー、スロバキア、チェコ、オーストリア)を旅行してきました。ウィーン空港から最初の訪問国ハンガリーのブラペストに向かうバスの車窓からは、広大な農場の中に建つ無数の風車をみることができました。

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また、訪問した各都市では、トラムなどの公共交通機関をみることもできました。こちらはプラハ市内のトラムです。かっこいいですね!

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そして、こちらはブダペスト市内のトロリーバスです。日本の都市ではもう見かけることはありませんが、欧州の都市では公共交通機関として活躍しています。

Dsc00361

こちらは、ザルツブルグのトロリーバスです。最新型の二連結です。

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それでは、今回はこの辺で。

04:45 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月14日 (月)

再生可能エネルギー政策シンポジウムを開催(7/1,パシフィコ横浜)

以下のとおり、7月1日(木)にパシフィコ横浜で「再生可能エネルギー政策シンポジウム」を開催します。

【転送歓迎】詳しくは -> http://www.re-policy.jp/sympo20100701/
==================================================================   
再生可能エネルギー世界フェア2010 併催フォーラム

再生可能エネルギー政策シンポジウム
「25%削減を実現する再生可能エネルギー政策の新たな可能性」
==================================================================
【開催日時】2010年7月1日(木) 10:00開会 ~ 17:00閉会
【開催会場】パシフィコ横浜 アネックスホール 204号室
アクセス:http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
(みなとみらい線 みなとみらい駅より徒歩3分)
【主催】自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP) http://www.re-policy.jp/
【共催】特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)

【開催の狙い】日本政府は地球温暖化対策の中期目標として、2020年
温暖化ガス25%削減を掲げ、コペンハーゲン合意に基づく表明をしました。
この目標を達成するための中長期ロードマップにおいては、世界的に導入が
進む自然エネルギーが極めて重要な役割を果たすことが期待されています。
その中、検討が進んでいる地球温暖化対策基本法案 においては、2020年まで
の自然エネルギー導入量を一次エネルギーに対して10% まで拡大する目標
が掲げられています。こうした本格的な自然エネルギー拡大の実現のための
新たな政策として、自然エネルギーにより発電された電力について全量全種
の固定価格買取制度(FIT)の導入に向けた検討などが進められています。
本シンポジウムでは、国内における自然エネルギー政策の大きな転換点とな
るこれらの政策の新たな可能性を探り、制度の望ましい姿や目標の実現に向
けた課題などについて集中的に議論を行います。

【参加費】無料(事前のお申込みが必要です)
※受付にて「自然エネルギー白書2010」の販売を予定しています。

【お申し込み方法】
E-mail(sympo2010@re-policy.jp) またはFAX(03-3319-0330)まで
※お名前、御所属、ご連絡先(E-mail)をお知らせください。
お申込みをされた方は、そのまま会場までお越しください。
定員に達し、ご参加をお断りする場合にのみ、ご連絡を差し上げます。

◆プログラム◆
-------------------------------------------------------------------------------
10:00【第1部】「国内外の自然エネルギー政策の最新動向」

○ 基調講演:「世界の自然エネルギーの動向~”Global Status Report 2010”よ
り~」 
Eric Martinot (Institute for Sustainable Energy Policies)
○ 講演:「世界の自然エネルギーのビジョンとシナリオ(仮)」未定
○ 報告:「日本国内の動向~自然エネルギー白書2010より~」(JREPP)

12:15 □休憩□

13:00【第2部】報告とパネル討論「自然エネルギー熱分野 政策の課題と可能性」
○各団体よりの報告
・自治体: 東京都環境局
・建築分野: 日本建築学会気候変動対策小委員会
・太陽熱: ソーラーシステム振興協会
・バイオマス利用:バイオマス産業社会ネットワーク 
・地中熱: 地中熱利用促進協会

○パネル討論
登壇者:報告者ほか
・自然エネルギー熱利用の政策のあり方
・自然エネルギー熱利用の市場拡大方策
・自然エネルギー熱利用のマーケティング方法

14:15 □休憩□

14:25【第3部】「望ましい固定価格買取制度への円卓会議」
○説明
・経産省資源エネルギー庁:全量買取制度のオプション
・自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP/ISEP):望ましい制度に向けて

○円卓会議
(議題1) 買取価格の考え方
(議題2) 国民負担の考え方(他のエネルギー、長期投資など)
(議題3) 他の制度面のポイント(全量と余剰、環境価値の行方)
(議題4) 系統制約と系統整備
(議題5) その他(地域社会合意、金融支援など)
・登壇者(予定)
経産省資源エネルギー庁、環境省、国家戦略室
自治体(東京都環境局)、 電力会社、政府系金融機関(予定)
消費者関連団体 (予定) 
太陽光発電関連団体(予定) 、風力発電(日本風力発電協会)
地熱発電(日本地熱開発企業協議会/日本地熱学会)
小水力発電(全国小水力利用推進協議会)
バイオマス産業社会ネットワーク
環境NGO(予定)
・コーディネータ: 環境エネルギー政策研究所

17:00 【閉会】
------------------------------------------------------------------------------
※本セミナーの開催にあたっては地球環境基金、英国大使館戦略プロジェクト
ファンドおよび三井物産環境基金の助成を受けています。また、本シンポジウムの会場で使用する電力のうち1,000kWhは、バイオマス発電によるグリーン電力で賄われます。

01:55 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 6日 (土)

全量全種の固定価格買取制度の実現に向けて

今年初めての投稿です。今年に入ってからも気候変動問題や自然エネルギーに関する様々な動きがありました。自然エネルギーに関する全量全種の固定価格買取制度の検討も経産省のプロジェクトチームで進んでいますし、環境省も中長期ロードマップの策定を急ぐと共に、地球温暖化対策基本法案を提出しようとしています。議論が密室で行われているという批判もありますが、政権交代後の民主政権が試行錯誤中で、生みの苦しみを味わっている状況だと捉えることもできるのではないでしょうか。前政権では、新たな検討をする前に形骸化してしまっていたものが、ある程度、形を保ったまま検討されるようになって来ました。ただ、最後まで当初のビジョンを保ち続けるのは並大抵のことではないようです。

さて、来週金曜日(3/12)に自然エネルギーの全量全種の固定価格買取制度に関するセミナーを開催します。ご興味ある方は是非、ご参加ください。

【セミナー開催のご案内】 転載歓迎!
※詳しくは、こちら ---> http://www.re-policy.jp/sympo20100312/
========================================================

環境エネルギー政策研究所/法政大学サステイナビリティ研究教育機構 連携企画
自然エネルギー政策 公開セミナー

「全量全種の固定価格買取制度の実現に向けて」

=======================================================

【開催日時】2010年3月12日(金)13:30~17:00(13:00開場)
【開催場所】法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎 6階 さったホール
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html
ご来場の際は、できるだけ公共交通機関をご利用ください。

【参加費】無料 (事前のお申込みが必要です)
【お申込み】E-mail(sympo2010@re-policy.jp)またはFAX(03-3319-0330)まで
お名前、御所属、ご連絡先(E-mail)をお知らせください。
お申込み用のチラシはこちら。
http://www.re-policy.jp/sympo20100312/ISEP20100312.pdf

【主催】 特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
法政大学サステイナビリティ研究教育機構
【協力】 自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)
【後援】 環境省(予定)、東京都環境局

【開催趣旨】
日本政府は地球温暖化対策の中期目標として、2020年温暖化ガス25%削減を
掲げ、コペンハーゲン合意に基づく表明をしました。 この目標を達成するため
の中長期ロードマップにおいては、世界的に導入が進む自然エネルギーが極めて
重要な役割を果たすことが期待されています。その中、検討が進んでいる地球温
暖化対策基本法案 においては、2020年までの自然エネルギー導入量を一次エネ
ルギーに対して10% まで拡大する目標が掲げられています。
こうした本格的な自然エネルギー拡大の実現のための新たな政策として、自然
エネルギーにより発電された電力について全量全種の固定価格買取制度(FIT)の
導入に向けた検討が進められています。本セミナーでは、国内における自然エネ
ルギー政策の大きな転換点となる全量全種の固定価格買取制度はどうあるべきな
のか、また実現に向けた課題や自然エネルギーへの社会的合意などについて集中
的に議論を行います。

【プログラム(予定) 】

第1部(13:30~)

・開会挨拶: 法政大学サステイナビリティ研究教育機構 
・講演(政策): 民主党参議院議員 前田武志 ほか政策関係者(予定)
・講演(論点): 環境エネルギー政策研究所 所長 飯田哲也
「自然エネルギー政策のあるべき姿とは」

第2部(14:50~)

報告「各自然エネルギーの現状と課題そして提言 」 
・太陽光発電 シャープ株式会社
・風力発電 風力発電事業者懇話会
・地熱発電 日本地熱開発企業協議会
・小水力発電 全国小水力利用推進協議会
・バイオマス発電 日本木質ペレット協会

~休憩~

第3部(16:00~) パネルディスカッション

「全量全種の固定価格買取制度の実現に向けて」
パネリスト :自然エネルギー関連団体(第2部講演者)
日本政策投資銀行
消費者関連団体(予定)、環境NGOほか

・論点1 自然エネルギー普及の社会的責任と経済的負担のあり方
・論点2 全量全種の固定価格買取制度実現のためのガイドライン
・論点3 非経済的障壁解決への社会的合意 に向けて

閉会(17:00)

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12:29 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月31日 (木)

2009年のサステイナブルな振り返り

2009年もあと数時間で終わり、2010年を迎えようとしています。自分の子供のころは、2010年といえば遥か未来のことだと思っていましたが... (そんな名前の有名なアーサー・C・クラークのSFがありますね) 現在では、次の目標はひとまずこれからの10年間、2020年ということになります。その先には、2030年、そして2050年が来るべき未来として視野に入ってきています。この10年間で変えるべきことがたくさんありますが、この3年間ほどはそれを懸命に考えてきました。成長の限界から、地球温暖化、気候変動、エネルギー危機、ピークオイル多くの警告が発せられる今ほど、「持続可能性」"sustainability"というキーワードが重要性を増していると思います。このままいけば、遅かれ早かれ持続不可能な状況になるのではないかという危機感さえ感じられます。

昨年お米国大統領選挙、そして今年の日本の政権交代は、この「変化」を求める思いが結集したものだったのではないでしょうか。この変化には様々な困難と痛みが伴うことが予想されます。しかし、この変化を自らの行動で実現することが、求められる時代に入ったと言えると思います。そんな観点から、今年一年を振り返ってみたいと思います。

1月: やはり米国オバマ政権の発足でしょうか。国際自然エネルギー機関(IRENA)発足のニュースもありました。

2月: 異常気象が世界各地で発生していることをお伝えしましたが、その傾向は現在も続いています。気候変動の影響の分析も盛んに行われるようになりました。日本の分析は国立環境研究所のサイトへ。日本国内でもようやく中期目標の検討も始まりました。

3月: グリーン電力証書によるカーボン・オフセットのモデル事業がフリースタイルスキーの国際大会でありました。太陽光発電の固定価格買取(FIT)制度が急遽発表され、日本でも欧州などで普及しているFIT制度の実現に向けて舵を切り始めました。このFITをテーマにシンポジウムを開催しました。また、東京都が発表した本格的な排出量取引制度の導入など自治体の動きをテーマにしたシンポジウムも開催しました。同時に自治体の地球温暖化対策や自然エネルギー政策に関するポータルサイト「自治体グリーン政策の窓」をオープンしました。

4月: 中期目標検討委員会の「6つの選択肢」が発表され、意見交換会に参加しました。この産業界に配慮した低い目標に対して、多くの環境NGOは25%以上を削減する意見を表明しました。

5月: 中期目標に関する意見募集(パブコメ)が行われ、私も1990年比25%以上を削減すべきという意見を提出しました。

6月: ようやく発表された中期目標は、1990年比8%削減という非常に低い目標でした。この月末に「再生可能エネルギー普及拡大戦略シンポジウム」を幕張メッセで開催しました。

7月: 長野県飯田市で、「自然エネルギー・ローカルファイナンスサミット」を開催しました。これは自然エネルギーにおけるローカルファイナンス(地域の金融)のためのフォーラム「自然エネルギー・ローカルファイナンスフォーラム(RELFF)」のキックオフとなっていました。

8月: 衆議院選挙が行われ、いよいよ民主党による政権交代が実現することになりました。その前に駆け込みで太陽光発電の買取制度に関するパブコメや発表が行われました。ISEPからのパブコメへの意見はこちら

9月: 民主党の鳩山代表により中期目標として温室効果ガス排出25%削減(1990年比)の発表がありました。9/18に「エネルギー永続地帯2008年版」をプレスリリースしました。

10月: 10/3に「ローカル自然エネルギー・気候政策国際シンポジウム」を開催しました。地方自治体の気候変動政策や自然エネルギー政策に注目した国際会議でした。

11月: 「地球温暖化に関する閣僚委員会」の下で「タスクフォース会合」が開催され中期目標に対する費用負担の再評価などが検討されました。国立環境研究所による意欲的な検討が行われましたが、前提条件を変えることができず負担以外の評価を十分にすることはできませんでした。

12月: COP15がコペンハーゲンで開催されました。多くの期待を裏切り「コペンハーゲン合意」という結果に終わりましたが、米国と中国が新しい枠組みに入ることを道筋をつけたことで、来年以降に望みをつなぐことができたとも言えます。ISEPとしての評価はこちら。また、再生可能エネルギーの全量買取制度に関するプロジェクトチームが開催され、ヒアリングが行われました(ISEPの意見)。エネルギー永続地帯の報告書を千葉大と共同で発表しました。

10:10 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月13日 (日)

政権交代からCOP15まで...ブログ再開します!

8月からすっかりブログ記事の更新がご無沙汰になっていました。書きたいことはたくさんあったのですが、大きな時代の動きの中で、何を書くべきか考えているうちに半年近くが経ってしまいました。国内では政権交代があり2020年25%削減という新しい中期目標が打ち出され、国際的な気候変動政策の行く末を決定付けるCOP15がいよいよコペンハーゲンで始まりました(私も行きたかったのですが...)。このブログも今週から再開します。世の中ではTwitterが流行っているようですが、そちらはもう少しこちらが落ち着いてからということで。

さて、8月以降の自分なりの取組みと、動きを少し紹介しておきたいと思います。

政権交代前の8月には、駆け込みで11月からスタートする太陽光発電の固定価格買取制度の中身が急遽決まりました。パブコメも行われましたが、私の所属するISEPからも意見を提出しています。前政権の置き土産とも言える制度ですが、様々な課題がありそうです。

民主党政権は、太陽光の余剰電力だけではなく、全量全種の固定価格買取制度の実現を目指しており、今年度の注に制度実現のオプションを検討して、提示することになっています。早ければ来年秋ごろには新しい制度がスタートするかもしれませんが、欧州の様なしっかりした制度になるようにきちんと見守って行く必要があります。ISEPからも全量全種に関するパブコメへの意見を提出しています。

9月7日には、当時の民主党鳩山代表から1990年比でCO2排出量を2020年までに25%削減する方針が発表され、国内外に大きな反響を巻き起こしました。中期目標にに関する負担などのモデル分析が10月からの1ヶ月程度で再計算が行われましたが、これもその表現もめぐって様々な議論がモデル評価を行うタスクフォース会合でありました。特に国立環境研究所は、CO2の25%削減や自然エネルギーの13%(一次エネルギー)導入を前提として積極的に分析をおこっていますが、モデル自体の限界もあり、その評価についてはまだ十分に行われていないのが現状です。国立環境研究所のモデル分析での検討内容は、こちら

一方、自治体において気候変動政策や自然エネルギーの普及政策を、国に先駆けて積極的に取り組む事例が国内外で増えています。そのような取組みを共有し、国などに対して働きかけるための国際シンポジウムが10月3日に東京都内で開催されました。この「ローカル自然エネルギー・気候政策東京会議2009」は、東京都、環境省、ICLEIジャパンそしてISEPの共催となっており、国内外の都市や自然エネルギー関連団体が数多く出席しました。

少し前の9月18日には、エネルギー永続地帯の新しい試算について記者発表を行いました。2007年と2008年に引き続き3回目となります。今年の試算内容は2008年とほぼ同じですが、昨年版の修正も行い今年との違いを明確にするようにしています。

ひとまず、今回はここまで。

01:57 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 3日 (月)

サステイナブルなニュース 第87号

8月に入りましたが、全国的に夏らしくない不順な天候が続いているようです。特に北日本ではまだ夏らしい日差しがほとんど見られないそうです。今年も各地でゲリラ豪雨が頻発しているようですし、とても心配です。北極海の海氷の面積も、減り続けています(北極海 海氷モニタ)。もっとも面積が小さかった2007年ほどではありませんが、こちらも心配です。

半月のご無沙汰でしたが、先週の7月31日は長野県飯田市で自然エネルギーに関するローカルファイナンス(地域での金融)をテーマにしたシンポジウムが開催され、私も司会者として参加して来ました。このシンポジウムは、「自然エネルギー・ローカルファイナンスサミット」と銘打って開催され、自然エネルギー・ローカルファイナンスフォーラム(RELFF)のキックオフイベントとして位置づけられています。シンポジウムの詳細はこちら市民風車や「おひさまファンド」などの紹介もありましたが、日本国内での自然エネルギーの普及のため、地域を中心した金融(ファイナンス)の重要性が議論されました。100名近い方々参加し、とても有意義なシンポジウムでした。

さて、今週のニュースは今年初めのもので、世界的に注目されている地熱発電を取り上げています。

**************** サステイナブルなニュース 第87号 **********************

世界的に注目される地熱エネルギー

化石燃料に代わるエネルギー源として、地熱エネルギーが世界的に注目されている。国連環境計画(UNEP)がケニアなどで進めている調査プロジェクトでは、アフリカ大地溝帯沿いの国々で合わせて4000MW規模の地熱発電が可能であることがわかった。ケニアでは2015年までに1,200MWの地熱発電を目指している。アースポリシー研究所によると、世界の地熱発電の設備容量は、1975年の1300MWから2007年には10,000MWまで増えており、2010年には13,500MWになると予想される。国別では現在、米国が3000MW、フィリピン2000MW、インドネシア1,000MWとなっているが、火山国として地熱が豊富な日本は535MWにとどまっている。そのため昨年12月より、経済産業省では、「地熱に関する研究会」を開催し、日本地熱学会でも地熱利用の拡大に関する政策提言を行っている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(2008年12月24日):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=553&ArticleID=6030&l=en&t=long
日刊温暖化新聞(2009年1月5日):
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090105_1.html
日本地熱学会政策提言(2008年10月31日):
http://wwwsoc.nii.ac.jp/grsj/news/prposal08/proposal2008.html

増え続ける次世代認定「くるみん」取得企業

富士火災海上保険(株)は、大阪労働局より認定を受け、次世代認定マーク「くるみん」を取得したことを発表した。「くるみん」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、家庭と仕事の両立支援について行動計画を策定・実施し、計画を達成した企業が取得できる。富士火災では「短時間勤務制度の導入」「育児休業制度の一部有給化」「休業中社員への社内情報の提供」などを行い、環境づくりに取り組んだ。「くるみん」認定企業は2007年4月の認定開始以降、2008年6月末現在で545社に達し、その後も増え続けている。次世代法では従業員数301人以上の企業に対し一般事業主行動計画の届出を義務付けており、届出の努力義務のある300人以下の企業と合わせて届出企業は24,993社に達している(2008年6月末)。このうち301人以上の企業は12,347社で届出率は92.5%となっており、300人以下の企業でも届出数は増え続けている。

富士火災海上保険プレスリリース(2008年12月18日):
http://www.fujikasai.co.jp/news/attach/081218.pdf
厚生労働省プレスリリース(2008年7月30日):
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0730-1.html

消費者市民社会の現状と課題を分析、国民生活白書

平成20年版の国民生活白書では、「消費者市民社会への展望」と題し、ゆとりと成熟した社会構築に向けた現状の分析と課題への提言を行っている。消費者市民社会とは、消費者・生活者の行動が公正な市場、社会的価値、そして心の豊かさを創る社会であり、その実現が重要となっている。現状では、社会のために自ら行動すべきという個人も増え、社会を変える存在としての意識の高まりは見られるものの、責任ある個人主義ではなく、利己主義に陥っている側面もみられる。さらに、消費者被害の状況をみると、消費生活相談件数は、年間100万件を超えて高い水準にあり、個人の能力を超えるリスクを予防する責任は依然、行政にあると指摘している。社会的価値行動については、個人利益の追求と環境、貧困などが反目することが多くなってきており、社会に役立ちたいという意識の高まりは見られるものの、環境配慮行動など、実際の行動には結びついていない。

国民生活白書:http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
平成20年版生活白書(2008年12月26日発表):
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/03_youshi/index.html

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2009年7月13日 (月)

サステイナブルなニュース 第86号

前回の投稿から1ヶ月のご無沙汰となりましたが、その間も様々な動きがありました。地球温暖化対策に関する日本の中期目標に対しては、国内外から様々な批判がありました。一方、先週イタリアで開催されたG8サミットでは、先進国が2050年までに80%以上の温室効果ガスの削減を目指すことが合意され、平均温度の上昇を工業化以前と比べて2℃以下に抑えることも認識されたそうです。12月のCOP15に向け国際社会が気候変動に対して手遅れにならないように動き出すことが強く求められています。

6月末に幕張メッセで開催された第4回新エネルギー世界展示会国際フォーラムでは、再生可能エネルギーに関する様々なシンポジウムが開催されました。私が関わっている自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)主催のシンポジウム「再生可能エネルギー普及拡大戦略シンポジウム」も開催され、地域と連携した都市における再生可能エネルギーの普及について活発な討論をすることができました。地域のとの連携の重要性を表す研究として永続地帯に関するお話を千葉大学の倉阪秀史先生にして頂き、横浜市の地球温暖化対策CODO30から特に再生可能エネルギーに関する取組について紹介していただきました。その後のパネル討論では、都市における再生可能エネルギーの普及の可能性として、太陽光、太陽熱、地中熱そして建築に焦点を当てて議論を行いました。第2部のパネル討論では、再生可能エネルギー普及の鍵を握る地域間連携に着目し、東京都そして小水力、地熱、風力発電の専門家の方々に議論をして頂きました。

それでは、サステイナブルなニュースをお送りします。昨年末で、半年ほど遅れたニュースです。日本国内の自然エネルギーの普及に向けて、いま太陽光発電などが大きく動き出そうとしていますが、2050年に向けたエネルギービジョンと長期的なシナリオを紹介しています。国内排出量取引の試行については、参加企業が700社を超えたというニュースが先週あたりありました。国内では本格的な排出量取引が必要とされていますが、国に先駆けて東京都が大規模事業所に対する総量削減義務と排出量取引制度をいよいよ来年度からスタートしますので、期待をしたいと思います。

*************** サステイナブルなニュース 第86号 **********************

田園の自然を取り戻す活動を表彰、田園自然再生活動コンクール

農林水産省は、農村地域において、農業生産との調和を図りながら取り組んでいる自然環境の保全・再生活動の中から優秀な事例を選ぶコンクールを実施し、受賞団体を発表した。この田園自然再生活動コンクールは、自然と共生する農村づくりを推進することを目的に平成15年度から実施されており、農業者、地域住民、NPO法人などが協力して活動した成果を広く紹介している。今年は全国70事例の応募の中から、7団体が選ばれた。総合的に優れた取組みとして農林水産大臣賞に選ばれた広島県世羅町の団体「伊尾・小谷たえクラブ」では、希少種のダルマカエルの保全や生活史に配慮した営農による「ダルマガエル米」の生産に取り組むとともに、希少種のギフチョウの生息環境保全や小学校の環境教育を通して「たえ(田んぼ)」の素晴らしさを伝えている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kankyo/081121.html

国際環境NGOが日本の長期エネルギーシナリオを発表

国際環境NGOグリーンピースは、日本の2050年までの長期エネルギーシナリオの全文を発表した。ポーランドのポズナンで開催されたCOP14に合わせて発表された「エナジー[r]eボリューション・日本シナリオ」は、省エネルギーや自然エネルギーへの転換により、二酸化炭素の国内排出量を2050年までに80%、2020年までに25%削減できることを示している。また、政府や自治体に対し、環境エネルギー政策への提言を行うと共に、自然エネルギーの普及による地域経済の活性化の道も提示している。グリーンピースでは、これに先立って10月には世界全体の長期エネルギーシナリオ”Energy [R]evolution”をEREC(欧州再生エネルギー会議)と共同で発表おり、IEA(国際エネルギー機関)が発表した今年の世界エネルギー展望(World Energy Outlook)との対比なども行われている。

グリーンピース・ジャパン プレスリリース:
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20081201ce_html
Greenpeace International, “Energy [R]evolution”:
http://www.greenpeace.org/international/press/reports/energyrevolutionreport

国内排出量取引の試行への参加企業が501社に

日本政府が10月21日から募集を開始した国内排出量取引制度への参加企業が501社に達した。これは排出量取引の国内統合市場への試行的実施に対する集中募集期間(12月12日まで)において、自ら目標を設定する「目標設定参加者」として446社、専ら取引を行う「取引参加者」として50社、国内クレジットの供給事業者として5社が参加申請をしたもの。自ら目標設定を行う主体としては、自主行動計画を持つ大企業が多く含まれるが、鉄鋼業界のような業界単位での参加も含まれている。エネルギー転換部門では、電力大手9社のほか、石油大手や都市ガス大手も参加。産業部門では、鉄鋼業界の74社や自動車製造業の58社が共同で参加するほかは、化学業界41社、製紙産業12社、セメント産業11社、電機電子産業16社、ゴム工業21社などが企業単位で参加する。業務部門からはコンビニエンスストア3社、商社10社が参加し、運輸部門でも航空・貨物など15社が参加する。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081215008/20081215008.html

01:29 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月15日 (月)

サステイナブルなニュース 第85号

10日に地球温暖化対策に関する中期目標が発表され、その目標の低さに国内外で失望感が広がっています。1990年比で8%削減という目標では、とても地球温暖化対策において日本政府が国内外でリーダーシップとることはできません。そもそも京都議定書の目標(国際公約)である6%削減に対して、排出量はむしろ大幅に増加しており、その達成が危ぶまれている状況です。その状況を表面的に隠すために、基準年を2005年に変更することを主張することは、とても許されない行為だと思います。政府は、即刻、見直しを検討すべきです。

さて、今週のサステイナブルなニュースは、引き続き昨年12月中旬のニュースです。

**************** サステイナブルなニュース 第85号 *********************

太陽電池産業の競争力強化を図る研究会を発足、経済産業省

経済産業省は、太陽電池産業の競争力の維持・強化を図るため、産業戦略としての観点から今後の展開を考える「ソーラー・システム産業戦略研究会」を立ち上げた。国内の太陽電池産業は、これまでの長年にわたる国の支援を通じた技術開発等により年間の生産量で世界一を維持し、高い競争力を有している。さらに、関連産業のすそ野も広く、地域の経済・雇用を支え、将来の国内産業の一翼を担うことが期待されている。研究会では、技術力の強化として、超高効率・超低価格な製品を実現するための基礎研究や様々な側面からの製品開発、生産技術の高度化、品質・性能評価の国際標準化などを検討する。また、戦略的な材料調達や物流の効率化などと共に、国内での販売力やプロジェクト展開の強化、海外での取組みについても検討される。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081209002/20081209002.html

環境モデル都市を中心に低炭素都市推進協議会が設立

地球温暖化対策として低炭素型の都市・地域づくりに向け、7月に選定された環境モデル都市の優れた取組みの全国展開や海外の低炭素社会づくりに取組む都市と連携して海外に取組みを発信することを目的とする低炭素都市推進協議会が12月14日に設立された。構成員は低炭素社会づくりに向けて行動する都市や地域およびそれを支援する関係行政機関で、核となる環境モデル都市や候補都市だけではなく、低炭素型都市・地域づくりに向けたアクションプランを作成する意志のある市町村も対象となり、今後、募集を行う予定。取組みの全国展開については、アクションプランの策定支援や優れた取組みに対する表彰・評価を行い、優れた事例の全国展開や自治体同士の切磋琢磨を推進する。さらに先導的取組みや学術研究等の情報共有や相互啓発、都市と地方の連携強化など広域的取組みなどを行う予定としている。

首相官邸「地域活性化統合本部会合」でのお知らせ:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/siryou/pdf/081107kankyo.pdf
首相官邸「地域活性化統合本部会合」:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/

食料自給率50%に向けた基本計画の策定、農林水産省

農林水産省は、新たな食料・農業・農村基本計画の策定に関して、食料自給力強化の取組みや食料自給率50%を目指すことを含め、そのイメージとスケジュールを発表した。この基本計画は、食料・農業・農村基本法に基づき、5年毎に更新しているもので前回の平成17年から4年が経過している。現在、食料供給に関する国民の不安が増大し、国内農業の脆弱化や農村地域の活力の一層の低下が懸念されている。一方、国内の食品産業が原材料調達を輸入から国産に切り替える動きや海外において国内の農林水産物や食品が高い評価を受け、輸出額も増加していることから、危機を克服し好機をとらえる取組みが始まっている。おおむね10年後に食料自給率50%を達成するための国内農業の食料供給力の強化や、消費と生産両面の取組みイメージを作成する。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo02/081202.html

02:51 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 1日 (月)

サステイナブルなニュース 第84号

地球温暖化対策の中期目標に関するパブコメも終わり、その集計結果が官邸の「地球温暖化問題に関する懇談会」で先日発表されました。何と、60%以上が「選択肢1」のプラス4%を支持していたとのことです。産業界の組織票もここまで来ると「お見事」というしかありませんが、なんとも空しい結果となりました。せめてもの救いは、2位が「選択肢6」のマイナス25%だということでしょうか。いずれにしても今回の中期目標の検討方法には多くの問題点があり、その点を環境エネルギー政策研究所が提出した意見では指摘しています。一方、環境NGOのJFSでは、海外の一般市民に対してアンケート調査を行い、日本の中期目標への期待について調べています。その結果では、「選択肢6」のマイナス25%の支持が50%以上となっており、日本のリーダーシップが海外からも期待されています。

さて、しばらくお休みしていましたが、サステイナブルなニュースを再開したいと思います。今回は昨年12月中旬のニュースですが、すでに今年の1月に設立された国際自然エネルギー機関(IRENA)のニュースなどもあります。

************ サステイナブルなニュース 第84号 ******************

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が来年1月に設立へ

国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)が、来年の1月26日にドイツで開催される総会において正式に設立される。これは、10月に欧州を中心に51カ国の代表が集まってスペインで開催された準備会合において合意されたもの。IRENAの目的は世界各国での持続可能な再生可能エネルギーの急速な普及を後押しすることであり、設立にあたってはドイツ、スペインおよびデンマークが重要な役割を果たしている。人類が直面している地球温暖化に伴う気候変動やエネルギー価格の高騰、エネルギー安全保障、貧困や飢餓などの課題の解決に対して、再生可能エネルギーへの期待が高まっている。一方、再生可能エネルギーの普及には国ごとに未だ多くの障壁や障害があり、それらの解消にIRENAによる様々な活動や支援が期待されている。

IRENAプレスリリース(英語):
http://www.irena.org/downloads/Press/PM_FinalPrepCon_081024_EN.pdf
IRENAホームページ(英語): http://www.irena.org/
日刊温暖化新聞の記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20081118_1.html

国際的な世論調査の結果、地球温暖化対策の重要性を訴える

国際的な世論調査が実施され、現在の金融危機の状況においても世界の人々が地球温暖化をもっとも大きな問題であると考えていることがわかった。HSBC気候パートナーシップが11月に実施した世界12カ国の12000人に対する世論調査の結果では、43%の人々が経済よりも地球温暖化が重要な問題だと答えた。国連が10月に実施した世界の若者に対する調査でも90%以上の若者が世界のリーダーはなにをおいても地球温暖化に取り組むべきと答えている。ポーランドで開催されている気候変動に関する国際会議COP14において議論されているように、これらの調査結果は世界の国々が団結して地球温暖化対策に取り組むべきことを示している。調査した3分の4の国では自国が温室効果ガスを適切な割合で削減するべきであると答え、さらに55%の人々が各国政府が再生可能エネルギーに投資すべきであると考えている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=550&ArticleID=5998&l=en

森林における生物多様性の保全を推進、林野庁

林野庁は森林における生物多様性保全の推進方策検討会を新たに設置する。農林水産省生物多様性戦略を踏まえ、森林における生物多様性保全について総合的に推進する方策を検討すると共に、平成22年に名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けて適切な対応を進める。我が国は国土の3分の2を森林が占める緑豊かな森林国であり、戦後荒廃した国土の緑化等のために育成された人工林を始め、屋久島や白神山地、知床のような世界遺産に登録される原生的な天然林まで多様な森林の構成となっている。そのため、これらの森林が生物多様性保全において重要な位置を占めており、多様な野生動植物が生育育成する場となっている。農林水産省では、持続可能な農林水産業の維持・発展のために生物多様性の保全が不可欠であるとし、平成19年7月に生物多様性戦略を策定した。

林野庁プレスリリース:
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kenho/081125_3.html

12:20 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月14日 (木)

地球温暖化対策の中期目標への意見

本日(5/14)、地球温暖化対策の中期目標への意見を事務局に送付しました。内容は以下のとおりです。是非、このパブコメに対して5/16(土)までに意見を送りましょう。気候ネットワークでは、簡単に意見の提出ができるフォームを用意しているそうです。

【地球温暖化対策の中期目標への意見】

(1) 我が国の温室効果ガスの中期目標(2020年)は、どの程度の排出量とすべきか

選択肢の中では、1990年比-25%だが、さらに高い目標1990年比-30%~-40%も可能性として視野に入れるべき。

(2) その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか

 日本は京都議定書での温室効果ガスの削減目標を1990年比6%削減(実質0.6%削減:森林吸収3.8%、京都メカニズム分1.6%を含む)としているにもかかわらず、2007年度の排出量は9%の増加となっている。その主な原因は電力会社から供給される電力の排出原単位(kg-CO2/kWh)が悪化しているためである(石炭火力発電所の増加、原子力発電所の稼働率の低下、自然エネルギー政策の根本的な立ち遅れなど)。

 温室効果ガスインベントリーデータによると、2007年度の温室効果ガスの排出量のうち、エネルギー転換部門の占める割合は33%ともっとも大きく、産業部門が30%、運輸部門が19%と続いており、これらを合わせると82%を占めることになる。よって、温室効果ガスの大幅な削減には、エネルギー転換部門におけるエネルギー供給構造の大幅な改革と産業部門および運輸部門の大胆な構造転換が必要となる。既存の産業構造を前提とした政策や社会の仕組みではなく、低炭素社会を創るための新たな政策や社内の仕組みが求められる。

 まず変えるべきは、物質的な成長を前提とした経済や社会の仕組みであり、個人、地域や企業それぞれが持続可能な社会を目指すことを前提に活動できる基盤が重要である。そのために必要なエネルギー、食料そしてお金は、持続可能性を基準に評価される仕組みが必要である。

 特に温室効果ガスの排出に大きく影響している一次エネルギーの選択においては、再生可能なエネルギーの評価をより高くし、化石エネルギーの外部不経済性を十分に考慮した評価を行うことにより、再生可能エネルギーの大幅な普及につなげる。具体的には、再生可能エネルギーについて十分に事業採算性が成り立つような固定価格買取制度や電力会社の系統への優先接続、立地に関する様々な規制の緩和、環境税による化石エネルギーの代替促進などの政策が必要である。そのために、全ての再生可能エネルギー(太陽光、太陽熱、風力発電、地熱発電・熱利用、水力発電、バイオマス、海洋エネルギーなど)に対する明確な数値目標の設定し、統計情報の整備、適切な固定価格制度の導入、電力会社への優先接続の義務化、投資に対する各種優遇、立地などの規制緩和、許認可制度の簡素化などの多くの政策をベストミックスで適切な時期に導入する必要がある。

 また、現在の経済産業省、環境省、国土交通省、農林水産省を再編成し、持続可能性あるいは低炭素社会に関する省庁を立ち上げることが重要である。この際に、自治体やNPOそして企業の持つ役割は大きく、それぞれの立場で十分な権限と結果を残すことも重要になってきている。

(3)    2020年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見

 まず第一に、地球温暖化に伴う気候変動は人類さらには地球上の多くの生物種にとって回避しなければならない共通の脅威であり、平均気温の上昇を2℃以下に抑えるため温室効果ガスを大量に排出している先進国と発展途上国それぞれに大きな責任があるということです。この2℃以下に抑えるためには長期的には 2050年までに排出量を半減する必要があると一般的には言われていますが、地球温暖化による気候変動が臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまうことを回避するためには、これからの10年間が非常に重要になります。

 第2に日本がリーダーシップを取ることの重要性です。今回の中期目標は2013年以降の国際的な枠組みを決めるための重要な国別の目標です。日本は気候変動の国際的な交渉ではこれまで常に「後ろ向き」と評価されてきました。欧州が積極的なリーダーシップをとり、米国が交渉のテーブルに戻ってきた今、中国などの発展途上国を含む枠組みを作るには日本のリーダーシップが欠かせないはずです。資源の自給率がこれだけ低い状況で今後の日本の社会や経済を発展させ国際社会の中で一流国として生き残って行くには、地球温暖化対策に対する強い牽引役になることがもっとも有効であると考えます。

 中期目標の実現可能性についても議論になっていますが、国立環境研究所等によるこれまでの多くの試算では、技術的な部分はすでにクリアされおり、あとは具体的な政策により実現可能であることが示唆されています。寧ろ、これらの政策を実現する上でも25%削減(あるいはそれ以上)の高い中期目標が是非とも必要になります。高い目標があって初めて具体的な政策や経済的な仕組みが生み出されて行くからです。国際的な交渉においても高い中期目標は日本のリーダーシップを発揮する上で、とても重要なものとなります。多くのハードルはありますが、それを超えるためにも国内的にも国際的にもリーダーシップの取れる中期目標が、正に求められています。

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2009年5月 2日 (土)

日本の中期目標に求められるもの

温室効果ガスの削減に関する日本の中期目標の行方に注目が集まっています。以前の記事でも紹介した政府主催の意見交換会だけではなく、環境NGOなどが主催する勉強会も4月からこの連休を中心に各地で開催されています。政府の意見交換会は5/13に追加開催が決まっていますが、新たな気候保護法の制定を求め、30%削減の中期目標を提言しているMake the Ruleキャンペーンでは5/7に緊急セミナーを開催します。すでに4月25,26日に高野山で開催された「地球フォーラムin高野山」では、「高野山アピール」が採択されています。また、枝廣淳子さんが主宰する「日刊温暖化新聞」では、日本の中期目標について考えるセッションを5/8に開催するそうです。この日刊温暖化新聞のサイトでは「日本の中期目標を考えるために~基本的な前提と考える視点」を掲載されています。

政府のパブコメの締め切りは5/16(土)ですが、すでに環境NGOを中心に中期目標に対する明確なメッセージが発信されており、その論点はかなり明確になっていると思います。私たちは、これらの論点や提言を参考にしてパブコメに対して意見表明をすることができます。

まず第一に地球温暖化に伴う気候変動は人類さらには地球上の多くの生物種にとって回避しなければならない共通の脅威であり、平均気温の上昇を2℃以下に抑えるため温室効果ガスを大量に排出している先進国と発展途上国それぞれに大きな責任があるということです。この2℃以下に抑えるためには長期的には2050年までに排出量を半減する必要があると一般的には言われていますが、地球温暖化による気候変動が臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまうことを回避するためには、これからの10年間が非常に重要になると指摘されています。

第2に日本がリーダーシップを取ることの重要性です。今回の中期目標は2013年以降の国際的な枠組みを決めるための重要な国別の目標です。日本は気候変動の国際的な交渉ではこれまで常に「後ろ向き」と評価されてきました。欧州が積極的なリーダーシップをとり、米国が交渉のテーブルに戻ってきた今、中国などの発展途上国を含む枠組みを作るには日本のリーダーシップが欠かせないはずです。資源の自給率がこれだけ低い状況で今後の日本の社会や経済を発展させ国際社会の中で生き残って行くには、地球温暖化対策に対する強い牽引役になることがもっとも有効であると思います。

中期目標の実現可能性についても議論になっていますが、国立環境研究所による試算では、技術的な部分はすでにクリアされおり、あとは具体的な政策により実現可能であることが示唆されています。この政策を実現する上で25%削減(あるいはそれ以上)の高い中期目標が是非とも必要になります。高い目標があって初めて具体的な政策や経済的な仕組みが生み出されて行くからです。国際的な交渉においても高い中期目標は日本のリーダーシップを発揮する上で、とても重要なものとなります。多くのハードルはありますが、それを超えるためにも国内的にも国際的にもリーダーシップの取れる中期目標が、正に求められているのではないでしょうか。

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2009年4月29日 (水)

サステイナブルなニュース 第83号

先週の月曜日(4/20)は、内閣府が主催する中期目標に関する意見交換会に参加して来ました。なんでも500名近くの参加希望者の中から200名を抽選で選んだということでしたが、私も何とか当選しました。場所が内閣府の地下講堂ということで、ものものしいセキュリティ・チェックがあるかと思いましたが、比較的軽いものでした。

壇上には中期目標検討委員会の福井座長、斉藤環境大臣、高市経産副大臣がならび、それぞれの立場から順次コメントをするというスタイルでした。最初に中期目標検討委員会の検討結果が福井座長から説明され、その後、団体からの意見ということで、日本経団連、日本商工会議所、気候ネットワークからの意見表明がありました。経団連と日本商工会議所のコメントは、今までの主張を繰り返して産業への影響を抑えることを前提に可能な範囲で温暖化対策を行うというものでした。一方、気候ネットワークのコメントでは、様々な根拠を示して高い目標値(30%削減)が重要であることを訴えていました。このコメントは、気候ネットワークの中期目標に関する特設ページで読むことが出来ます。

後半の1時間は、会場との意見交換ということで、挙手をして指名された一般参加者15名ほどが2分程度で意見表明をしました。私も3番目に指名されて無事に(?)意見を表明をしました。最初に全部で6つある選択肢のうちもっとも削減率が大きいマイナス25%を選択し、日本が国際的なリーダシップをとることの重要性を述べた後、対策としての自然エネルギーの大幅導入のための政策を訴えました。発言者は全部で15名ほどでしたが、2/3程度は産業界の関係者で占められており、全て4%増加という選択肢を選んでいたのが印象的でした。その一方、環境NGO関係者など数名が25%削減を主張するという構図になっていました。

壇上では斉藤環境大臣と高市経産副大臣が省庁間のバトルをしており、翌日にG8環境大臣会合を控えた斉藤環境大臣が産業界の発言や経産副大臣のコメントに対して奮闘していたのが印象的でした。斉藤環境大臣と高市経産副大臣のコメントはとても対照的なもので、6つの選択肢に現れている中期目標検討員会の検討の中身自体が同様の構図になっているという皮肉な状況だと思います。

今週のサステイナブルなニュースは以下のとおりです。昨年12月上旬のニュースになります。

************** サステイナブルなニュース 第83号 *****************

ワーク・ライフ・バランス大賞の受賞者発表

ワーク・ライフ・バランス推進会議(事務局:(財)社会経済生産性本部)は、昨年に引き続き、第2回「ワーク・ライフ・バランス大賞」の受賞者を発表した。この賞は、企業・自治体・労働組合など各界のワーク・ライフ・バランス推進において自発的活動や創意工夫された取組みの活性化を図ることを目的としている。組織活動、普及支援活動、標語の3つの部門で400を超える応募の中から大賞1件、優秀賞数件などが選ばれた。大賞は、組織活動部門より「パナソニック電工、パナソニック電工労働組合」が受賞した。「シゴトダイエット」と労働時間削減を労使一体で進めたことが評価された。ワーク・ライフ・バランス推進会議は、2006年に発足し、「働き方」「暮らし方」双方の改革による調和のとれた生活の実現を図る運動を進めている。毎年、11月23日を「ワーク・ライフ・バランスの日」と定めている。

社会経済生産性本部プレスリリース:
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000886.html

バイオ燃料の国際基準の策定に向けた考え方を公表、農水省の検討会議

農林水産省は、有識者による国際バイオ燃料基準検討会において、科学的な観点から、農林水産分野におけるバイオ燃料の持続可能性に関する基準・指標のあり方について考え方をとりまとめ、公表した。現在、国際バイオエネルギー・パートナーシップ(GBEP)において、バイオ燃料の持続可能性の基準や指標について検討が進められているが、これに参画し、食料と競合しないバイオ燃料の生産拡大を目指す。基本的な考え方として、バイオ燃料を含むバイオマスの利活用が、地球温暖化防止やエネルギー安全保障の向上に資するものであり、地域の活性化や雇用にもつながるとする一方、生産拡大に伴う食料価格の高騰や森林破壊の要因の一つとなるという懸念を払拭する必要がある。さらに、地域経済や農林水産業の振興に与える影響をかんがみ、国産エタノールと輸入エタノールの共存を図る観点などが重要としている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/081105_1.html

地球上の陸地全体を対象とした「地球地図」が完成

国土交通省は、地球全体の陸地を対象としてデジタル地理情報として「地球地図」の整備を平成4年から提唱・主導しているが、180の国と地域が参加する地球地図プロジェクトとして各国の協力のもと「地球地図」の第1版を完成した。12月1日からポーランドのポズナンで開催されている気候変動枠組条約締約国会議(COP14)で完成発表を行う予定。地球地図は、土地被覆、樹木被覆率など、地球環境の現状を表す項目から構成されている地図であり、地球環境問題の解明への利活用が期待されている。この地球地図のデータは、1kmの解像度で地球の全陸域をカバーし、8つのデータ項目(標高、土地被覆、土地利用、植生、交通網、境界、水系、人口集中域)を5年毎に更新する。国連での気候変動対策などにおいて、各種統計情報(人口、気象、経済など)と組み合わせて、気候変動対策への利活用を想定している。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo07_hh_000028.html
みんなの地球地図プロジェクト: http://www.globalmap.org/

12:59 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月19日 (日)

サステイナブルなニュース 第82号

あっという間に桜のシーズンが終わり新緑の季節がやってきました。記事の投稿が1週間遅れましたが、その間にも例の中期目標検討委員会から「6つの選択肢」が正式に発表され、パブコメの開始や意見交換会の開催が決まっています。

  この6つの選択肢については、以前の記事でも取り上げましたが、多くの環境NGOが問題点を指摘しているように、検討の為の前提条件がおかしい点が幾つもあります。政府内部でも温暖化対策について消極派から積極派まで様々な思惑が複雑に絡み合っており、その結果がこの検討結果に反映されている様にも見えます。

  そのような状況の中で、西岡委員を中心とする国立環境研究所のグループが行った検討内容は、これまでの脱温暖化に関する研究成果を生かした画期的なものと言えると思います。その内容は、中期目標検討委員会(第7回)の議事資料としてみることができますが、中でも西岡委員からの中期目標に関する意見は、大変示唆に富んだ内容となっています。この中で、望ましい中期目標の考え方として、気候安定化を目指す長期目標からのバックキャスティングが重要であり、途上国の早期参加を促進し、国際貢献において応分であること、先をみた産業・社会変革へのシグナルとなるべきであるなどとしています。

  まずは、来週月曜日に東京で開催される意見交換会に当選して参加できることになりましたので、現在の状況をしっかり把握して来たいと思います。パブコメにも地球温暖化対策に前向きな意見が多く寄せられると良いのですが、産業界などの攻勢が予想され、予断を許しません。

さて、今回のサステイナブルなニュースは昨年11月下旬のものです。国内ニュースからは、地球温暖化に対して差し迫ったものを感じることは少ないのが現状ですが、多くの取組がそれなりに行われています。

*********** サステイナブルなニュース 第82号 **********************

第5回エコプロダクツ大賞の審査結果が発表される

エコプロダクツ大賞推進協議会が主催する第5回エコプロダクツ大賞の審査結果が発表された。エコプロダクツ部門の大賞は、シャープ(株)の薄膜太陽電池モジュール、日産自動車のクリーンディーゼル乗用車など4件が選ばれた。エコサービス部門では、(株)伊藤園の「茶産地育成事業~お茶の樹を植えて地域に活気~」、三洋電機(株)の「エコストアシステム」およびダイキン工業(株)のビル空調向け省エネサービス「省エネ当番」の3件が大賞に選ばれている。エコプロダクツ大賞は、環境負荷の低減に配慮したすぐれた製品・サービス(エコプロダクツ)を表彰することを通じて、広く利用者に伝えると共に、企業の取組みを支援することで、エコプロダクツのさらなる普及を図ることを目的に2004年に創設された。表彰式は、12月11日から3日間、東京ビックサイトで開催されるエコプロダクツ2008展示会の会場で実施される。

「第5回エコプロダクツ大賞の結果」について:
http://www.gef.or.jp/ecoproducts/5th_result/index.htm
エコプロダクツ2008展示会:
http://www.eco-pro.com/

生物多様性のキャッチフレーズ「地球のいのち、つないでいこう」

環境省では、2010年の国際生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の日本開催に向け、生物多様性に対する国民の理解の増進や多様な主体の参画をより一層推進していくため、生物多様性をより端的にわかりやすい言葉で表現したコミュニケーションワード「地球のいのち、つないでいこう」を決定した。生物多様性が、生き物たちの豊かな個性とつながりであり、地球上の3000万種といわれる多様な個性を持つ生き物がお互いにつながりあり、支えあって生きていることを表している。しかしながら現在、地球の歴史上6度目の大量絶滅の危機といわれており、かつてないスピードで生物多様性が失われている。コミュニケーションワードは、低炭素社会を目指す「みんなで止めよう温暖化、チーム・マイナス6%」や循環型社会の「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」と合わせて行政、企業、NGO、教育・学術など様々なフィールドで活用することが期待されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10447

今年の新エネ大賞に、バイオマス利用やグリーン電力証書の取組みが選ばれる

経済産業省は、今年の新エネ大賞として9件を選び、発表した。経済産業大臣賞を受賞した津別単板共同組合では、木質バイオマスで4工場に熱と電気を同時に供給しており、地域の林業と協調し木材資源の地産地消型資源リサイクルを実行し、100%国産材で単板・合板を製造している。資源エネルギー長官賞を受賞した東京都下水道局では、下水を処理する際に発生する下水汚泥から炭化物を製造し、石炭火力発電の代替燃料として活用している。同じく受賞したソニーでは、国内最大級のグリーン電力証書の導入を行っており、国内グループ合計で5000万kWh以上の導入実績がある。さらに、バイオマス発電所における燃料確保の課題に対して「間伐材」の運搬に対して支援を行っている。その他、「CO2オフ住宅」「郡山布引高原風力発電所」「沼田式雪山センタープロジェクト」など新エネルギー財団会長として5件、審査員特別賞1件が選ばれた。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081120001/20081120001.html

12:16 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 2日 (木)

サステイナブルなニュース 第81号

昨日はいわゆるエープリルフールでしたが、特に”嘘”が話題になることもなく平穏すぎましたね。昨年のプロジェクトで、自治体の地球温暖化対策や自然エネルギー普及政策などを紹介するポータルサイト「自治体グリーン政策の窓」を3月31日に立ち上げました。コンテンツについては、これから徐々に充実させていく予定です。是非、ご覧いただき、ご感想や、ご意見などを頂ければと思います。

それでは、恒例のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は昨年11月中旬のニュースです。

************** サステイナブルなニュース 第81号 *******************

「カーボンフットプリント」の統一マークが決定

経済産業省は、商品やサービスのライフサイクル全般(原材料調達から廃棄まで)でのCO2排出量を一目で分かるマークで表示する「カーボンフットプリント制度」の検討の一環として、商品に貼りつける統一マークを決定した。12月に開催される環境関連展示会「エコプロダクツ2008」において、日用品や食品などにマークを貼り付けた試作品を展示する。マークのデザインは7月から広く公募を行い、全国からの500を超える応募の中から、専門家の審査により決定した。カーボンフットプリント制度は、家庭部門や業務部門におけるCO2削減の取組みとして海外ですでに導入が始まっており、国内でも低炭素社会づくりに向けた「見える化」の取組みとして2009年度からの試行的な導入を目指し、検討が行われている。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081114001/20081114001.html
「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会(第2回)」配布資料:
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g80911aj.html

地産地消メニューのコンテスト審査結果が発表

農林水産省は、地域で生産される農林水産物を使う「地産地消」の取組みを推進するため、「地産地消メニュー」に関するコンテストを開催し、その審査結果を発表した。審査対象は、学校給食や社員食堂等を対象に提供される給食、外食や弁当などで、最終的に21件のメニューが受賞した。審査基準としては、地域の生産者との連携、調達コストや価格の妥当性、メニューの継続性だけではなく、「食育」への取組みや地域の農林水産業の活性化への寄与なども評価された。地産地消は、消費者が「顔が見え、話ができる」関係で地域の農産物を購入し、消費する機会を増やすと共に、直売所などを通じて地域農業や関連産業の活性化にもつながる。さらに、農産物の輸送距離を縮め、輸送に伴うCO2排出量の削減にもなり、国産品への回帰や食料自給率の向上などの面でも注目されている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/gizyutu/081117.html
総務省「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」:
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-shokuryou/index.html

環境ビジネスの先進的な取組みを紹介する事例集

環境負荷低減と企業利益の向上を同時に実現する先進的な環境ビジネスの事例を集めた「環境を『力』にするビジネスベストプラクティス集」が公表された。各企業からのヒアリング結果を踏まえ、ビジネスの中核となる技術などを抽出し、ビジネス創業期から事業展開期、事業成長期に分けてノウハウと成功要因をパターンに分けて分析している。さらに、ビジネスの阻害要因の克服方法も記述されており、環境ビジネスに関わる企業に具体的な「ベストプラクティス」として参考になることを目指している。分析・抽出したノウハウ・成功要因は大きく9つのパターンに分類でき、既存ビジネス等の応用、状況変化・ニーズへの対応、経営トップによる明確な方針と環境人材育成、販売ルートの確保、海外市場への展開、効果的な企業間連携、第三者の評価、ブランド戦略・環境コミュニケーション、環境ソリューションサービスの展開などが挙げられている。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20081118001/20081118001.html

12:44 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月30日 (月)

これから10年間ですべきことは

先週開催された首相官邸主催の中期目標検討委員会(地球温暖化問題に関する懇談会)を傍聴して来ました。これまで5回の委員会が開催され、複数の研究機関による分析が世界モデル、日本モデル、経済モデル(日本)それぞれについて行われ、6つの選択肢について細かい議論が続いている状況です。もっとも低い目標値は+5%(1990年比)ですが、これはBAU(現状維持)のケースで、あくまでリファレンス(参考)としての数値とすべきものです。もっとも高い目標値は-25%(1990年比)ですが、これは国際的に先進国に求められている目標数値でもあります。この先進国で-25%という数字も、様々な捉え方があるようです。先進国全体で-25%を達成する際に、それを均等な限界削減費用(コスト)で分配するなどすると、より削減コストの低い国は目標値が高くなり、削減コストの高いに日本などは目標値が低く設定されることになります。政府としては、このような分析結果を、今後の国際交渉の場で展開することを考えているように見えます。

現在、分析を行う研究機関としては、経産省系の日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と環境省系の国立環境研究所(NIES)の2つが日本モデルでバトルをしている状況です。国立環境研究所では、これまでの2050日本低炭素社会シナリオ研究の成果を活かして、3つのモデルを全て分析を行い、目標値-25%(1990年比)に対する分析を唯一行っています。今回の発表資料の中ではさらに目標値-40%(1990年比)の数値も参考として含まれていました。長期的かつ幅広い視点での分析を行っている国立環境研究所のチームには、これからも是非がんばってもらいたいと思います。

これまでの分析では、温暖化対策に伴う経済的な費用(コスト)を評価基準としていましたが、これには大きな問題があります。この「費用」だけの評価では、気候変動やエネルギー安全保障に関わる将来のコストや新たな低炭素社会の産業や脱化石燃料によるメリットなどが考慮されていません。つまり、最近話題になっているグリーンニューディールの様な考えはまったく含まれていないのです。やはり、気候変動への取組みには、現在の社会や経済の方向性や仕組みを変えることを前提に考えることが重要だと思います。

一方、国内外の環境NGOでは、目標値-25%を最低ラインとして、気候変動の危機を回避するために-30%や-40%(1990年比)などの目標数値を求めています。中期目標検討委員会の直後に開催された国内の環境NGOによる記者会見では、この検討委員会に対して、以下のように厳しく批判を行っています。これらは政府の委員会による検討に抜けている視点であり、しっかり受け止めて欲しいと思います。

  • CO2排出量を90年より増やすオプションや京都議定書の目標値よりも低いオプションが提案されており、日本としての低炭素社会づくりへの意欲が全く見られない。科学の要請に反し、国際交渉の足を引っ張るもので、後ろ向きの提案である。
  • 対策費用ばかりが負担として強調されているが、対策をとらない場合の悪影響へ対応する費用との比較は全く考慮されていない。
  • 温暖化対策によるエネルギー削減で得をする費用が、モデルによっては過小評価されている。
  • 新たな温暖化対策費用追加による雇用創出効果、内需拡大の経済効果が全く考慮されていない。
  • そもそも温暖化防止のために何がどこまで必要なのかというバックキャスティングの発想で議論が行なわれていない。中期目標については、地球の平均 気温上昇を産業革命前に比べ、2℃よりはるかに低く抑えるため科学的に整合した野心的な削減目標(1990年比25~40%削減)を掲げるべきである。
  • これまでの議論に市民社会の参加・関与が全く認められておらず、産業界の主張に偏った議論が行なわれている。今後のプロセスについては、市民・NGOの参加を確保すべきである。

政府が中期目標を決定する6月に向けて、しっかり注目して行きたいと思います。

08:05 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月29日 (日)

サステイナブルなニュース 第80号

桜が開花したにもかかわらず、寒い日が続いていますが、今週はホットなイベントが2つも開催されました。ひとつは3/25(水)に開催された「電源カクメイキャンペーンキックオフシンポジウム」で、いま話題になっている自然エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を普及させるためのイベントです。当日は100名近い方々が参加し、FITの有効性や今後の普及に向けた方向性や課題などが活発に議論されていました。
もうひとつのイベントが、気候変動政策における自治体の役割を考えるシンポジウムで「自治体が主導する気候変動政策 ~「協創」と「連携」による実効的な仕組み作り~」というテーマで3/28(土)に開催されました。東京都など気候変動政策に積極に取り組む事例の紹介を通じて、自治体での地球温暖化対策や自然エネルギー普及政策の重要性と課題について活発な議論が行われました。

それでは、サステイナブルなニュースをお送りします。今回は11月中旬のニュースですが、国内の省エネルギーや自然エネルギー普及に向けた取組みを紹介しています。地球温暖化対策関連の事業に重点を置く企業が国内でも増えていますが、グリーンニューディールが注目される中、そのような動きがさらに加速していきそうです。

********* サステイナブルなニュース 第80号 *******************

三菱電機、地球温暖化対策事業を2015年度までに1兆円超へ拡大

三菱電機は、地球温暖化対策事業として成長が期待される太陽光発電事業、ヒートポンプ関連事業、パワーデバイス事業の拡大を図り、2015年度に1兆3,000億円超の売上高を目指すことを発表した。昨年10月に策定した「環境ビジョン2021」において、創立100周年にあたる2021年までに製品のCO2排出量を30%削減すると宣言しており、これらの事業を通じて510万トン超のCO2を削減する。太陽光発電事業については、これまで展開してきた住宅用に加え、業務用や大規模用の市場へ事業を拡大し、売上高2,500億円を目指す。ヒートポンプ関連では、高効率のエアコンや給湯用などのヒートポンプ事業をよりグローバルに拡大し、売上高8,000億円を目指す。省エネルギーや電力変換効率向上に寄与するパワーデバイス事業についても、次世代機器の開発を急ぎ、CO2削減効果400万トン相当を目指すとしている。

三菱電機プレスリリース:
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/1106-b.htm

関係4省庁、太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン発表

関係4省庁(経産省、環境省、文科省および国交省)は、太陽光発電の大幅な導入拡大を目指すためのアクションプランを策定し、発表した。7月に閣議決定された「低炭素社会づくり行動計画」で示された太陽光発電の導入拡大方針を受け、関係省庁との連携を拡大し、広く関係者の迅速な取組みを促している。供給サイドの取組みとしては、大規模な太陽光発電に関する技術開発を促進し、機器の低コスト化と効率向上を推進すると共に、新たなビジネスモデルの展開による市場の拡大を促す。需要サイドでは、住宅用補助金などによる導入の飛躍的拡大やグリーン電力証書などの活用と合わせて、事業者による導入の拡大を目指し、地方自治体などとの連携により大規模発電所(メガ・ソーラー)の建設を促進する。その他、制度環境の整備として、RPS法の運用改善や省エネ法などの基準策定を行うと共に、関連産業の基盤整備、国際競争力強化などを支援する。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10404

国交省、中小物流事業者の環境負荷削減の手引き作成

国土交通省は、中小物流事業者の環境配慮への取組みとして、荷主に対して「環境負荷提言効果」を提案しながら3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業の拡大、継続を図るための方策を検討するため、手引書を作成した。この「環境配慮型3PL手引き」は、国土交通省「3PL事業促進のための環境整備に関する調査検討委員会」により取りまとめられたもの。手引きには、荷主企業の物流の環境負荷について「評価指標」を用いて診断し、改善提案を行う手法や、具体的な環境負荷低減のための行動計画と目標の設定手法、取組みを推進・評価するためのPDCAサイクルを続けるポイントなどを解説している。3PLは、新たな物流サービスとして、物流効率化によるCO2排出量の削減、地域雇用の創出などの効果が期待されており、人材育成、法制度の整備、物流拠点への税制特例などの推進策が実施されている。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu02_hh_000013.html
国土交通省「3PL調査報告書」:
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/butsuryu03342.html

07:17 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月22日 (日)

サステイナブルなニュース 第79号

桜の開花も始まり、すっかり春めいて来ました。近所の早咲きの一本桜も開花しました(買い換えたばっかりの携帯で撮ったのでピンボケしています)。やはり今年の桜の開花は全国的にかなり早めのようですね(気象庁開花予想)。
20090321

それでは、一週間、間が開いてしまいましたが、サステイナブルなニュースをお届けします。今回は11月上旬のニュースで、国連でのグリーン・ニューディールに関する動きなどを取り上げています。WWFの2年ぶりの地球環境全体に関する報告書の内容も深刻です。金融危機だけでは、なく地球環境全体が深刻な債務超過の状況に陥っているのです。

********** サステイナブルなニュース 第79号 *******************

グリーン・ニューディール政策を目指す国際的なイニシアティブが発足

国連環境計画(UNEP)は、世界経済を復活させる「グリーン・ニューディール政策」を推進し、環境技術や森林および土壌などの自然基盤への投資を促進するための国際的な「グリーン経済イニシアティブ」を発足する。このような投資は、世界経済に真の成長をもたらし、気候変動と戦いながら、新たな雇用を生み出すことができるとしている。グリーン経済イニシアティブの3つの柱は、自然によるサービスの価値を見直して国家や国際的な勘定に組み入れること、グリーン雇用の拡大と適切な政策、グリーン経済への移行を加速するための市場シグナルや手法の改善などとなっている。この18~24か月のうちに先進国および発展途上の各国政府に対して具体的な提言が行われ、グリーン経済への適切な移行を進めるための包括的な評価やツールが提供されることになる。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=548&ArticleID=5957&l=en

国内のラムサール条約湿地の登録数が37か所に拡大

10月末に開催されたラムサール条約第10回締約国会議において、日本国内の新たに4か所の湿地がラムサール条約湿地として登録された。これまで登録された33か所の湿地と合わせ、計37か所の湿地がラムサール条約湿地に登録されたことになり、面積の合計は約13万haとなった。新たに登録された湿地は、化女沼(宮城県)、大山上池・下池(山形県)、瓢湖(新潟県)、久米島の渓流・湿地(沖縄県)となっている。ラムサール条約は、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地およびそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的としており、2008年10月現在で締約国158カ国、登録湿地数1820か所、その合計面積は約168百万haに及んでいる。各締約国は、各湿地の管理計画の作成と実施、モニタリングと定期的な報告、自然保護区の設定、普及啓発や調査の実施などの措置を取ることが義務付けられている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10338
ラムサール条約ホームページ: http://www.ramsar.org/

地球環境破綻の危機を警告、WWF「生きている地球」報告書

WWF(国際自然保護基金)は、2年ぶりの報告書「生きている地球2008」を10月に発表し、世界が今、地球環境破綻の危機に直面していると警告した。私たち人類が世界中の自然資本に与えている影響は、地球環境が許容できるレベルをすでに3割も上回っている。報告書では、地球環境の健全性をエコロジカル・フットプリントと呼ばれる持続可能性の指標で測定すると同時に、地球上の生物の状況を「生きている地球指標」で表している。今回のレポートでは、さらに「ウォーター・フットプリント」と呼ばれる各国の水資源に関する指標が加わった。各国のエコロジカル・フットプリントを見ると、すでに75%以上の人々が環境に対する負荷が環境容量を上回る状態「エコロジカルな債務超過」の国に住んでいる。また、「生きている地球指標」は、森林破壊や気候変動などの影響で年々下がり続けており、1970年に比べ30%も減少している。

WWFプレスリリース(英語):
http://www.panda.org/index.cfm?uNewsID=148922
日刊温暖化新聞「温暖化ニュース」:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20081102_1.html

11:51 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月 9日 (月)

サステイナブルなニュース 第78号

先週は、福島県の猪苗代町でフリースタイルスキーの世界選手権大会が開催され、日本選手の活躍もニュースになりました。実は、この大会ではカーボン・オフセット事業として、グリーン電力証書を使って大会全体のCO2排出量(推計260トン)をオフセットしています。使ったグリーン電力は猪苗代湖を挟んだ対岸にある布引高原の風力発電などですが、この風力発電所は新エネ大賞にも選ばれた国内でも最大規模のものです(2000kW級の風車が33基!)。その他にわずかですが、太陽光発電のグリーン電力も使用されています。私自身は、このオフセット事業に関わっていることから、先週の月曜日と火曜日に大会に行って来ました。各会場に写真のようにカーボン・オフセット事業を紹介する看板が設置されていますが、温暖化防止の活動しては今年もチーム・マイナス6%が大々的にキャンペーンを行っていました。今年は、やはり暖冬で雪が少なく、会場の雪を確保することに大変苦労したそうですが、一週間にわたる大会が先ほど無事に終わったようです。

20090303a

それでは、サステイナブルなニュースをお届けします。昨年10月中旬のニュースですが、昨年10月から始まった国内排出量取引の試行の話題、そして海外での排出量削減プロジェクトのコベネフィットについて、そしてIEAの自然エネルギーの普及政策に関するレポート発表のニュースです。IEA自体は元々石油ショックへの対応のために先進国で組織された国際エネルギー機関ですが、最近は再生可能エネルギーにも力を入れ始めています。国内排出量取引制度については、参加企業は500社以上集まったようですが、削減義務の無い日本独自の排出量取引制度ということで、どこまで実効性があるかが注目されています。

*********** サステイナブルなニュース 78号 *********************

国内排出量取引の試行的実施が決まり、参加企業を募集開始

日本政府は、10月21日に開催した地球温暖化対策推進本部(麻生首相 本部長)において、京都議定書目標達成に向けたCO2削減のため、排出量取引の国内統合市場の試行的実施を決定した。この試行実施は、先の福田ビジョンで示され7月に低炭素社会づくり行動計画として閣議決定されたもので、即日、参加企業の募集か開始された。今回の試行実施では、削減目標(キャップ)を企業が自ら設定し、目標の超過達成分(排出枠)を、参加企業同士で売買(トレード)することができる。それ以外のクレジットとしては、中小企業などでの追加的な削減分としての「国内クレジット」および京都メカニズムに基づく海外での削減分としての「京都クレジット」を使用することができる。ただし、本制度の運営体制や企業の目標設定の手法、クレジットの会計的な扱いなど、多くの課題を抱えてのスタートとなっており、内閣官房、経済産業省、環境省が共同で課題の解決にあたる。

「地球温暖化対策推進本部」発表資料:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kaisai/081021/gijisidai.html

開発途上国の環境対策を同時に実現するコベネフィット型温暖化対策

環境省は、開発途上国でのコベネフィット型の温暖化対策やクリーン開発メカニズム(CDM)の推進を目指し、調査報告書を発表した。このコベネフィット型の対策事業では、一般的に開発途上国での汚染物質の削減などの環境改善と、地球温暖化対策としての温室効果ガスの削減とが同時に実現され、高いインセンティブによりより効果的に温暖化対策を進めることが可能とされている。報告書では、開発途上国の開発ニーズとして環境汚染対策をより具体的に絞り込み、そのコベネフィット型温暖化対策やCDM事業を効果的に実施するための支援ツールとその活用方法を紹介している。さらに、その対策を実施する上での課題とその対処のための具体的な方法についても記載されている。今後、環境省では、この報告書を英訳・公表し、国際的な働きかけを行うと共に、具体的な事業が進展するよう国際的な協力等を進めるとしている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10296
「京都メカニズム・ホームページ」:コベネフィット・アプローチの「ツール」
http://www.kyomecha.org/cobene/tools.html

IEA、再生可能エネルギーの普及政策に関するレポート発表

先進国で構成するIEA(国際エネルギー機関)は、温暖化対策として大幅なCO2排出削減を可能とする再生可能エネルギーの普及政策について、9月に発表した新たなレポートで示した。IEAが6月に発表したレポート”技術展望(ETP)2008”では、2050年に全世界のCO2排出量を半減する場合、再生可能エネルギーを全電力供給量の50%まで増やすことが必要であるとしている。これは非常に高い目標であり、実現のためにはこれまでに無い高い政策目標を掲げ、より効果的な政策デザインとその実行が必須であるとしている。近年、欧州を中心に再生可能エネルギーに対する先進的な政策が実行され、急速な市場の拡大などの効果を挙げており、世界各国でこの様な効果的な再生可能エネルギー政策をさらに進めることが求められている。レポート中では35カ国の政策のパフォーマンスを比較し、各国における普及の障壁なども分析している。

IEAプレスリリース(英語):
http://www.iea.org/Textbase/press/pressdetail.asp?PRESS_REL_ID=271
IEAレポート“Deploying Renewables: Principles for Effective Policies”(英語):
http://www.iea.org/w/bookshop/add.aspx?id=337

01:24 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月 2日 (月)

サステイナブルなニュース 第77号

先週は24日に経産大臣が突如発表した太陽光発電の「固定価格買取制度」法制化のニュースがありました。ちょうど私の関わっているNGOのイベントとして「グリーンニューディールと自然エネルギー」についての勉強会が25日に開催され、この話題も大きく取り上げられました(勉強会資料はこちら)。自然エネルギーを普及させる国レベルの政策としては、大きく「固定価格(FIT)」か「固定枠(RPS)」の二つがありますが、10年ほど前に先進国はいずれからの政策を選択しました。EUの主要な国々は、英国を除きFITを選択し、日本はRPSを選択しましたが、その後の多くの評価では、FITが自然エネルギーの普及には有効であるとされています。自然エネルギーの推進を望む国内のNGOや関係者は、いつかはこのFITが国内の政策として実現することを望んで来ました。それから10年が経ち、国際的な金融危機やグリーンニューディールを望む声に押されたのか、経産省が方針を転換し、やっと思い腰を上げたことになります。今回発表された法制化では、太陽光発電の余剰電力部分のみが固定買取価格の対象となり、EUなどで実施されているような発電した電力全体を買い取る方式ではなく、対象も風力や地熱などは含まれていません。まだまだ今後の制度化にあたっては課題が多く残っていますので、このあたりについてはISEPからもコメントを発表しています。自然エネルギー政策に関する情報は、「自然エネルギー政策ポータルサイト」で発信していますので、引き続き、注目して行きたいと思います。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は10月中旬のニュースですが、生物多様性の危機についてのニュースや、グーグル社の2030年エネルギービジョンなどを取り上げています。IT企業がエネルギーについてビジョンを発表するというのは奇異な感じがするかもしれませんが、長期的な視野に立てば、非常に画期的な取組みだと思います。

************* サステイナブルなニュース 第77号 *****************

哺乳動物の4分の1が絶滅の危機に、国際自然保護連合が警告

国際自然保護連合IUCNが今年の世界自然保護会議(バルセロナ)で発表した最新のレッドリストによると、世界中の哺乳類の4分の1が絶滅の危機にある。最新の研究では、5,487種類の哺乳類のうち、1,141種類が絶滅の恐れがあり、1500年以来、すでに76種が絶滅している。一方、最近の保護活動の結果、絶滅の恐れのある哺乳類のうち5%の種類の個体数が増えており、回復の兆しも見られる。しかしながら、リストでは836の種についてはデータが不完全のため、絶滅の恐れのある哺乳類がさらに増える可能性があるとされている。その場合、絶滅の恐れのある哺乳類の種類は最大で36%に達し、私たちの世代において数百種類もの哺乳類が絶滅する恐れがあるとIUCNでは警告している。

IUCN(国際自然保護連合)プレスリリース(英語):
http://www.iucn.org/news_events/events/congress/index.cfm?uNewsID=1695
IUCNレッドリスト: http://www.iucnredlist.org/

米グーグル社、2030年までのエネルギーのクリーン化を提案

米国グーグル社は、米国における化石燃料の消費量を大幅に減らし、かつ、新しい産業と数百万に及ぶ新たな雇用を創出する「クリーン・エネルギー」に関する2030年までのビジョンを発表した。気候変動対策と共にエネルギー安全保障に対して強力なリーダーシップを発揮することにより、経済成長を維持した上で、このビジョンの実現は可能としている。ビジョンではまず、石炭と石油の消費量を大幅に削減するとしており、2010年までに20基の石炭火力発電所に相当する省エネルギーを達成する。さらに再生可能エネルギーのコストを現在の石炭より安価とする技術開発を推進し、現在は電力の50%を占める石炭の消費を大幅に減らす。グーグル社ではすでに4500万ドルを、関連するベンチャー企業に投資をしている。自動車については、電気自動車の普及を促進し、自動車へ電力を供給するインフラの整備が必要としている。

グーグル社プレスリリース(英語):
http://googleblog.blogspot.com/2008/10/clean-energy-2030.html

JCB社、全国型エコ・アクション・ポイントモデル事業をスタート

(株)ジェーシービー(JCB)は、環境省に採択された全国型エコ・アクション・ポイントモデル事業を10月よりスタートする。本モデル事業では、温暖化対策への国民参加を促進するため、省エネ商品・サービスの購入や利用または省エネ行動に伴ってポイントが貯まり、そのポイントを商品等に交換することができる取組みの普及を図っている。環境省は本年3月に全国型3社および地域型9件のモデル事業を採択し、準備を進めて来ており、JCB社では、6月から北海道環境財団が推進する北海道地区のモデル事業としてサービスをすでに開始している。省エネ商品・サービスを購入または利用した際に、添付されている「アクションナンバー」を携帯電話やパソコンから入力することにより、ポイントが蓄積されると共に、購入に伴う「CO2削減量」も確認することができる。貯めたエコポイントは、鉄道利用・日常品、環境への寄付など多種多様な商品と交換ができる。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10269
ジェーシービー社プレスリリース(2008年6月):
http://www.jcbcorporate.com/news/dr-721.html

12:59 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月23日 (月)

サステイナブルなニュース 第76号

先週の木曜日(2/19)は、地球温暖化問題に関する懇談会の下で開催されている中期目標検討委員会の傍聴に行ってきましたが、関心の高さもあって傍聴席はほぼ満席でした。今回は先日の「複数の選択肢」の仮分析結果からさらに分析を進めるために、産業界の各業界のヒアリングを行うという内容で、もっとも大きな影響力を持つ電気事業連合会と日本自動車工業会が対象でした。

電気事業連合会は、これまでのCO2排出原単位低減への取組みを説明していましたが、その中心となるのはやはり原子力発電です。今後の増設の話もでましたが、まずは現在設備利用率が60%台と低迷している状況をなんとか打開し、欧米並みの80%以上にすることが重要だと強調していました。将来的には原子力を含むゼロエミッション電源を50%以上にすることを目標としています(2006年の実績は38%)。その他、再生可能エネルギーについて電力会社自らメガワットソーラーとして14万kWの設備を導入し、さらに現在の系統で1000万kWまでの太陽光発電と500万kWの風力発電の受け入れ可能としていますが、全体の発電量の割合からすればまだ微々たるものです。石炭についてはIGCCなどによる高効率化を目指すとしていますが、CCS(炭素隔離貯留)に対してはまだ慎重な姿勢です。やはり高い中期目標の設定に対しては、その困難さを強調していました。

日本自動車工業会については、現在の仕組みの自動車の低燃費化には限界があり、電気自動車などの次世代自動車が鍵を握るとしていましたが、その導入には時間がかかり2020年の中期目標に対しては、あまり貢献できないとの見方でした。これ以外に、製紙業界などについてもヒアリングが終わっており、今週24日のヒアリングの後、3月には、検討会としての中期目標の選択肢が再度示されることになりそうです。現在の産業界の意向に引きづられた選択肢のみが残ることが懸念されます。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。昨年10月上旬のニュースですが、2番目の国連の報告書は、現在のグリーン雇用やグリーンニューディールへつながる画期的な提言を行ったものです。

*************** サステイナブルなニュース 第76号 ******************

環境省、自主参加型国内排出量取引制度の実施結果を発表

環境省が、すでに実施している自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)のうち、第二期分(2006年~2008年)が終了し、その実施結果が発表された。この制度は温室効果ガスを効果的に削減するための国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的に2005年度から開始しているもの。排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに、補助金を交付するとともに、目標達成のための排出枠の取引を行う。目標を保有する参加者は61社で、取引のみを行う参加者12社が制度に加わっている。2007年度の1年間で約28万トン(25%相当)のCO2排出削減が行われ、目標を6%上回る削減実績だった。これに対する排出枠の取引量は約5万トン(51件)で、その取引単価は約1250円/トンだった。これらの知見はこの秋から始まる国内排出量取引制度の試行的実施に生かされることになっている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10152
環境省自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)ホームページ:
http://www.et.chikyukankyo.com/

新たに数千万人の「グリーン雇用」、国連の報告書

国連環境計画(UNEP)は9月に「グリーン雇用」に関する報告書を発表した。気候変動への取組みにより、新たな投資や雇用が生まれており、その規模は将来、数千万人に達するとしている。発展途上国では農業や観光業において気候変動の影響がすでに現われており、労働条件の悪化などが懸念されている。また、これらの国々での農業やリサイクル業などでの労働条件を適切なものに改善することが急務となっている。「グリーン雇用」は、企業活動の環境への影響を低減し、持続可能なレベルにするとともに、「適切な労働」が貧困層の低減につながるとしている。現在、全世界の環境製品およびサービスの市場は、年間1.3兆ドルに達しており、2020年にはその2倍に達すると予測されている。市場の約半分は、エネルギー効率改善、持続可能な交通、水供給、廃水処理および廃棄物管理などで占められている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=545&ArticleID=5929&l=en

持続可能な地域づくりのための手法・ツール集を公開、環境省

環境省は、NPO、行政、企業等がパートナーシップを組み、持続可能な地域づくりを進めるために汎用的に用いることができる手法・ツールを集めた「協働による持続可能な地域づくりのための手法・ツール集」を公開した。このツール集では、持続可能な地域づくりの活動の開始段階で必要となる、地域の課題や資源への気づき、それを地域のコミュニティに関わる人々の間で共有するための手法、解決策の検討、活動計画を決定するための合意形成の手法、資金調達の手法や人材育成などを整理している。「協働・合意形成ツール」、「協働型資金調達手法」、「人材育成手法」などと共に、具体的な活動モデルについても他の地域への普及が可能な典型的な活動(コミュニティ・ガーデン、菜の花プロジェクト等)を紹介しており、これらの手法・ツール集の普及を図るとしている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10223

12:30 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月16日 (月)

サステイナブルなニュース 第75号

米国では景気対策法案が議会で可決され、グリーンニューディールに向かって着実に進んでいるようです。国内では、東京都が昨年改正した環境確保条例に関して細かい重要事項を定めるためのパブコメを開始しました。これは日本で始めての温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード)の導入など、地球温暖化対策の抜本的強化を目指すものです。この様な自治体の先進的な地球温暖化への取組みをしっかり応援して行きたいものです。

それでは、今週もサステイナブルなニュースを3件お送りします。昨年9月下旬に発表されたニュースですが、電力会社が自主的に導入を推進しようとしている大型の太陽光発電所や英国のレポートで気候変動とビジネスの関係についてなどです。

************* サステイナブルなニュース 第75号 *****************

国内電力10社、2020年までに約14万kWの太陽光発電導入

国内の主要電力会社で構成される電気事業連合会は、2020年までに全国約30地点で、合計14万kWの大規模な太陽光発電設備(メガソーラー)を導入する計画を発表した。国内電力10社では、これまで約4,250kWの設備を導入済みだが、今回の計画はその30倍となり、現在、日本国内に設置されている全ての太陽光発電設備、約170万kWの1割弱に相当する。この14万kWの全設備が生み出す電気は、約4万世帯の家庭が使用する量に匹敵し、年間約7万トンのCO2排出量を削減することができる。設置に必要な面積は約400万平米で、甲子園球場のグランドの約270倍に相当するが、発電所や変電所の空きスペースや遊休地などを中心に設置を行う。電力各社ではまずは2009年度までに約4万kW程度の建設に着手する予定となっている。併せて2020年までに合計1万台の電気自動車を導入する計画も発表した。これは電力各社が使用している業務用車両約2万台の半分に相当する。

電気事業連合会 定例会見要旨:
http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/kaiken/__icsFiles/afieldfile/2008/09/30/kaiken09.pdf
電気事業連合会からのお知らせ:
http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/1192866_1458.html

国土交通省、エコ通勤に関するポータルサイトを開設

国土交通省では、各企業の事業所における「エコ通勤」の取組状況や実施結果を紹介するポータルサイトを開設し、「エコ通勤」の普及・拡大を進めている。ポータルサイトでは日本国内の企業の事業所においてエコ通勤を主体的に実施する際の参考となるため、エコ通勤の概念から実施方法、事例集などを掲載している。昨年11月に開催された公共交通利用推進等マネジメント協議会で採択された「モビリティ・マネジメントにおけるエコ通勤促進行動計画」に基づき今年3月からは「エコ通勤」の推進を図る事業者等の公募を実施しており、その応募方法や応募結果も掲載している。「エコ通勤」では、企業の社会的責任(CSR)の観点から通勤時の公共交通などの利用を増やし、周辺地域の渋滞緩和や公共交通の利用者増加・サービス水準の向上などが期待できると共に、CO2排出量の削減にも寄与することができる。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000005.html
エコ通勤ポータルサイト:
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/ecommuters/

英カーボントラスト社、気候変動がビジネスに与える影響を報告

英国カーボントラスト社は、気候変動が企業のビジネスに与える影響についてセクター別に分析した報告書”Climate Change: a business revolution?”「気候変動:ビジネス革命か?」を発表した。報告書は、マッキンゼー社による分析を中心に、企業が気候変動への取組みの中でCO2排出量を減らし低炭素社会へ移行する際に、様々なビジネス上の機会とリスクが存在するとしている。気候変動への取組みを積極的に進める企業では最大80%も企業価値を高める可能性があるが、逆に取組みが遅れた場合には大きく企業価値を損なうリスクが発生する。6つのセクターについて詳細に分析をしたところ、自動車やアルミ製造などのセクターでは最大65%もの企業価値を損なう可能性があることがわかった。自動車セクターでは、その反面、積極的な取組みにより最大60%も企業価値を高められる可能性があるとしている。

カーボントラスト社プレスリリース(英語):
http://www.carbontrust.co.uk/News/presscentre/shareholder-value-report.htm
日刊温暖化新聞 温暖化ニュース:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080930_1.html

12:17 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月15日 (日)

長期ビジョンと中期目標の狭間で

先週12日は脱温暖化2050プロジェクトの5年間の成果を報告するシンポジウムに参加してきました。2004年からスタートしたこのプロジェクトでは2007年2月に発表された「2050低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討」やそれに続く「低炭素社会に向けた12の方策」など多くの研究成果を生み出しただけではなく、ここ数年の日本での「低炭素社会」に向けた様々な動きを先導した研究となりました。研究代表者の西岡秀三氏が挨拶の中で言っていた「希望」という言葉がとても印象的でした。厳しい温暖化の現実の中で、日本が先進国として温室効果ガスの70%削減が可能であることをバックキャスティングの手法で示してくれました。今後の方向性としては、中国やインドなどのアジア諸国への展開、国内では具体的な実現に向けた取組みや2020年など中期目標に対する検討がありますが、まずはこの5年間の研究成果をしっかり評価したいと思います。

先週は、これ以外にも様々な発表や動きがありました。シンポジウムと同日に開催された政府の「地球温暖化問題に関する懇談会(第7回)」では、中期目標検討委員会の中間報告があり、新聞などでも報道されたとおり、2020年までの25%削減から6%増(1990年比)までの「複数の選択肢」が示されました。6%増は明らかにBAU(現状維持)であり、中期目標の選択肢としては当然不適当ですが、それ以外の選択肢も対策費用に関する検討が先行し、中期目標としては不適当なものが多く見られます。中期目標は日本が先進国として世界に見せる決意としてリーダーシップの源となり、国内の様々な気候変動政策を引っ張る原動力となるものです。それができない中期目標は、設定すること自体が無意味でしょう。その意味では、この中期目標検討委員会での検討手法自体に問題があるのかもしれません。中期目標の設定に関しては、日本政府や関係者のリーダーシップが今こそ問われていると思います。6月の発表に向け、この問題は検討や議論が続きます。是非とも、意味のある中期目標が日本として世界に発信できるようにしてもらいたいと願います。

10:36 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 9日 (月)

サステイナブルなニュース 第74号

オーストラリアの熱波による影響で、山火事の発生など大変なことになっているようです。中国でも内陸部や北部で50年来とも言われる深刻な干ばつが発生し、小麦などの農作物に大きな被害とのこと。先週お伝えした国内のスキー場での暖冬の影響などはまだまだ序の口という感じでしょうか。現在の金融危機やこれら異常気象の影響で、各国が精一杯の状況になれば、地球温暖化対策に対する取組みもおろそかになり、さらに地球環境を悪化させる悪循環を招く恐れがあります。そうならないためには各国政府や国民の明確な意思と国際的な枠組み作りが重要です。果たして、日本はCOP15(コペンハーゲン)に向けて地球温暖化対策に対する明確な意思を示すことができるのでしょうか。

それでは、今週のニュースをお届けします。昨年9月下旬のニュースですが、昨年の記事でもご紹介した「永続地帯」のニュースが含まれています。

*********** サステイナブルなニュース 第74号 ******************

5年ごとの全国森林計画の案がまとまり、意見募集

全国の森林の整備および保全の具体的事項について5年ごとに定められる全国森林計画の案がまとまった。これは「森林法」に基づき「森林・林業基本計画」で示した長期的かつ総合的な政策の方向・目標の達成に向け、農林水産大臣が平成21年4月1日からの15年間の具体的な計画を定めるもので、広域的な流域ごとに森林整備および保全の目標などを明らかにしている。日本の森林では人工林の造成が1千万haを超え、資源として本格的な利用が可能となる段階を迎え、国産材の安定的な供給への期待が高まっており、森林の持つ多面的機能の発揮しながら林業の再生を図り、適切な間伐や広葉樹林化等を推進する重要な時期を迎えている。さらに森林の持つ生物多様性の保全や二酸化炭素吸収源・貯蔵庫としての役割の重要性も示されている。

林野庁プレスリリース:
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/keikaku/080910.html

市町村ごとのエネルギー自給率を試算、永続地帯指標

千葉大学と環境エネルギー政策研究所は、日本国内の自然エネルギーによる市町村ごとの民生用エネルギーの自給率を試算し、「エネルギー永続地帯2007年版」として発表した。その結果、全国62の市町村で自然エネルギーのみで民生用エネルギー需要(電力および熱)を賄うことができることがわかった。都道府県では、大分・秋田・富山・岩手・長野・鹿児島・青森の7県が県内の民生用エネルギー需要の10%以上を賄っている。エネルギー源別の割合ではダムを使わない水路式の水力発電(1万kW未満)が全体の48%と最も大きく、太陽熱利用(12%)、風力発電(11%)、地熱発電(11%)、温泉熱利用(7%)、太陽光発電(5%)の順番となっている。昨年発表された電力のみの試算については福田ビジョンでも引用されたが、2007年版では86の市町村で民生用電力需要を賄っていることがわかった。

永続地帯ホームページ: http://sustainable-zone.org/
プレスリリース: http://www.isep.or.jp/press/20080916SustainableZone.pdf

今年も地球への環境負荷がオーバーシュート

地球環境への負荷を表す指標として有名なエコロジカル・フットプリントを公表しているGlobal Footprint Networkは、今年の「地球オーバーシュート・デイ」が9月23日だったことを発表した。これは、人類が地球全体に対して与えている環境負荷が、その許容範囲を超え、超過(オーバーシュート)の状態になっていることを示している。いまや年間を通じた環境への負荷は、地球1.4個分になっており、その数字は年々増加している。このエコロジカル・フットプリント指標では企業の会計や国の財政と同じような考え方で、地球全体の持つ環境容量を「予算」と考えることができ、環境負荷がそれに対する「支出」となる。1986年よりこの収支は「赤字」となっており、地球環境からの「借金」は増え続け、地球温暖化や水不足など多くの地球環境問題が発生している。

Global Footprint Networkプレスリリース(英語):
http://www.footprintnetwork.org/gfn_sub.php?content=overshoot

01:31 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 2日 (月)

サステイナブルなニュース 第73号

この週末は、新潟県の越後湯沢に家族でスキーに行って来ました。新幹線で行けば東京からたった1時間半で行くことができます。越後湯沢の駅に到着して驚いたのは、「雨」が降っていたことです。地元の人に聞いたところ、最近は、真冬に雨が降ることが増え、降雪量も減っているそうです。スキー場などが地球温暖化の影響を受けているのは、全世界的な傾向のようですが、はからずもそれを実感することができました。雪の減少は、冬の間の自然の貯水機能を損なうことにつながり、自然環境や人間社会に大きな影響を与えることになります。

世界的にも、異常気象と呼べるような現象が各地で発生しているようです。先週だけでもオーストラリアの熱波や、南米での洪水、ヨーロッパでの暴風雨などなど。自然災害による経済的な損失も増え続けているそうです。2008年は、18兆円(2000億ドル)に達し、なかでも四川大地震がもっとも被害額が大きく800億ドルだったそうですが、その他はハリケーンやサイクロン、竜巻などの被害です。日本国内ではなかなか実感ができませんが、世界では今年も大きな被害が予想されます。地球温暖化への「対策」だけではなく、「対応」や「適応」にも資金を投入する必要がある大変な時代が来てしまったようです。

さて、今週のニュースをお届けします。9月中旬のニュースですが、最近、話題になることが多い、カーボン・オフセットに関する協会の設立のニュースが含まれています。都市公園の面積の話題ですが、自然公園の今後のあり方に関するパブコメが1/19まで行われていました。

************ サステイナブルなニュース 第73号 ********************

民間事業者など9社がカーボンオフセット協会を設立

国内のカーボンオフセット事業を行う民間事業者など9社は、カーボンオフセット協会(COA)を設立し、日本国内におけるカーボンオフセット市場の発展と信頼性のあるカーボンオフセットの普及促進を目指す。カーボンオフセットは、個人や企業が温室効果ガスの排出削減に取り組む中で、自身では削減が難しい排出量を、どこか別の場所での削減量や吸収量でオフセット(相殺)する仕組み。京都議定書の第一約束期間に入り、日本国内でも急速にその市場が広がる中、信頼性の高いカーボンオフセットの仕組みが求められている。協会では健全な普及啓発に努め、コンプライアンスや正しい情報公開などにより信頼性の高いカーボンオフセットサービスの提供を目指す。さらに会員同士の協力体制や政府機関との連携も積極的に行う。

カーボンオフセット協会: http://co-a.org/index.html

二酸化炭素からメタノールを作る実証パイロット設備を建設へ

三井化学は、工場などから排出される二酸化炭素(CO2)から工業原料の一種となるメタノールを合成するプロセスを開発し、その実用化を目指す実証パイロット設備を来年2月までに建設する。設備のメタノール製造能力は年間100トンで、投資額は約15億円。大阪工場内に設置し、2010年3月を目処に実用化技術の確立を目指す。すでに合成プロセスの核となる高活性触媒を開発済みで、CO2と水の光分解などから得られる水素からメタノールを合成し、そのメタノールを原油代替原料として石油化学製品を製造するという「CO2化学的固定化技術」の工業化を将来的に目指している。地球温暖化の原因となるCO2を大幅に削減するには排出されるCO2を削減するだけではなく、排出されたCO2を分離・濃縮し、固定化する技術が求められており、その実用化・工業化が期待されている。

三井化学(株)プレスリリース:
http://jp.mitsuichem.com/release/2008/2008_0825.htm

全国平均の一人当たりの都市公園等の面積は約9.4平米に微増

国土交通省は、平成19年度末の全国の都市公園等の整備の状況を地方自治体の協力を得て調査し、その結果を発表した。平成18年度末と比較し、面積は約1900ha(2%)増加し、箇所数も約1800箇所増加した。一人当たりの都市公園等の面積は前年度末の約9.3平米から約9.4平米に微増しているが、欧米諸国の主要都市と比べると整備の水準は依然として低い。都市公園は、防災や環境問題への対応として、地方公共団体を中心にその整備が進められている。都道府県別では北海道が一人当たり約34平米で最も広く、神奈川県の5.4平米がもっとも狭い。政令指定都市の中では神戸市が16.7平米で最も広く、東京23区が約3平米と最も狭くなっているが、海外の主要都市では一人当たり20平米を越えるところが多い。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/city10_hh_000011.html

01:08 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月25日 (日)

サステイナブルなニュース 第72号

いよいよ米国のオバマ政権が発足しました。私も就任演説をインターネットで見ましたが、大きな変化の時を感じることが出来ました。就任演説自体は、非常に堅実なもので、国としての責任とやるべきことををきちんと表明しただけではなく、国民としての責任をしっかり自覚させようとするものだったようです。地球温暖化対策や再生可能エネルギーに対してもしっかり言及しています。

欧州では、いよいよ明日26日にIRENA(国際再生可能エネルギー機関)の設立総会が開催されます。当初、不参加を表明していた日本政府ですが、米国がオブザーバ参加するという情報を入手し、急遽オブザーバ参加することを決めたそうです。23日には公明党が麻生首相に対して、温暖化対策の強化と合わせて加盟を提言したということで、このまま外圧により加盟に向けて動き出しそうです。そんなことであれば、最初から主体的に加盟を進めるほうがどれだけ政府の姿勢としてよかったのではないかと思ってしまいます。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。9月上旬のニュースですが、今なお世界中で継続されている化石燃料への補助金を削減する提案や、グリーン電力の導入事例などについて紹介しています。

************ サステイナブルなニュース 第72号 ******************

化石燃料への補助金削減により温室効果ガスの排出を抑制可能

国連環境計画(UNEP)は、ガーナの首都アクラで開催された京都議定書に関する国連の特別作業部会において化石燃料への補助金に関する新たなレポートを発表した。本レポートでは、世界中の国で実施されている化石燃料に対する補助金が、低所得者層を助けるのではなく、富裕層に有利となっているとし、補助金額は世界全体で年間3000億ドルにもなり、世界のGDPの0.7%に達していると指摘している。さらに、この補助金を削減することにより温室効果ガスの排出量が6%削減され、世界経済のGDPも0.1%増えるとしている。その一方、ドイツやスペインで再生可能エネルギーの大幅な普及につながっている固定価格買取(FIT)などの制度については、一種の補助金制度のように経済的なインセンティブを与えることにより、社会、経済や環境に利益をもたらしていると指摘している。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=543&ArticleID=5902&l=en
温暖化NEWS記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080901_1.html

霞ヶ関官庁街の屋上緑化によるヒートアイランド抑制効果を確認

国土交通省は、これまで整備されてきた霞ヶ関官庁街の屋上緑化の効果を上空からの熱画像撮影により確認し、その結果を発表した。霞ヶ関官庁街では、これまで延べ約14,500平米(テニスコート約55面分)の屋上緑化が整備されてきた。その効果を確認するため、屋上を上空から熱画像(サーモグラフィ)で温度測定し、緑化された区域の表面温度がタイル面のままだった場所と比較して11~17℃程度低くなっていることが確認された。国土交通省では、都市におけるヒートアイランド現象の緩和や自然環境の創出のため、都市における有効な緑の確保手法として既成市街地での緑化の推進などを行ってきており、その一環として平成12年度より霞が関の官庁街の屋上緑化を進めてきた。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/city10_hh_000009.html

国内の金融機関として最大規模のグリーン電力をビル1棟分採用

三井住友海上火災保険株式会社は、国内の金融機関としては最大規模となるグリーン電力証書を購入し、これまでも省エネ対策などの環境配慮を進めてきた駿河台ビルの使用電力(年間760万kWh)を全てグリーン電力で賄う。契約期間は2008年10月からの5年間で、期間内で約15,000トンの二酸化炭素排出量の削減に相当する見込み。三井住友海上火災保険では、これまでも所有ビル・設備の運営において本格的な省エネ対策に取組んできており、2001年創立時より約17%の電力削減を実現している。駿河台ビルは、屋上緑化大賞を2004年に受賞した屋上庭園を初め特に先進的な環境対策を施したビルであることから、今回のグリーン電力の全面採用が決定した。

三井住友海上火災保険プレスリリース:
http://www.ms-ins.com/news/h20/0827_2a.html

10:00 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月19日 (月)

サステイナブルなニュース 第71号

いよいよ今週は米国のオバマ新大統領の就任式があります。アメリカ国民だけではなく、世界中の人々がこの新しい大統領に大きな期待をしています。直近の金融危機の克服に注目が集まっていますが、やはりここは長期的lな視点で、如何に世界に目を向けた気候変動対策を進めるかに注目したいと思います。オバマ大統領が掲げる"New Energy for America"では、2012年までに再生可能エネルギーによる電力の比率を10%とし、2025年までに25%まで増やすとしています。さらに温室効果ガスの排出量について2050年までに80%削減することを長期的な目標とし、その為にキャップ&トレード型の排出量取引制度が必要だと提案しています。「グリーン・ニューディール政策」として500万人の雇用を創出し、次の10年間に1500億ドルの投資がクリーン・エネルギーに対して行われるとしています。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお送りします。9月上旬のニュースです。

*********** サステイナブルなニュース 第71号 ************************

自然エネルギーを利用した本格的な住宅用給湯設備が続々登場

地中熱や太陽熱などの自然エネルギーを利用し、エコキュートに代表されるヒートポンプなどと組み合わせたハイブリッド型の住宅用給湯設備が続々登場している。旭化成ホームズでは、戸建住宅用量産システムとしては初めて地中熱と冷房排熱を給湯に利用する「地球熱利用ヒートポンプ給湯・冷暖房システム」を開発し、8月より量産モデルによる実証試験を開始した。これまで利用されなかった地下の安定した熱(地中熱)や冷房排熱を活用することにより、給湯ヒートポンプの消費電力を削減する。冷暖房については平成16年よりすでに販売している「地中熱利用冷暖房システム」の技術を採用している。一方、三洋ホームズは太陽熱温水器とヒートポンプ給湯器を組み合わせた「太陽熱+大気熱のハイブリッドソーラー給湯システム」を開発した。従来のガス給湯器と比較すると65%のCO2削減効果があるとしている。

旭化成ホームズ・プレスリリース:
http://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/tichuunetu2008.pdf
三洋ホームズ・プレスリリース:
http://www.sanyohomes.co.jp/release/pdf/hybrid_solar.pdf

環境に関する研究や技術開発の実施状況をフォローアップ

主に国の研究機関などで実施されている環境に関する研究や技術開発の推進戦略において、その実施状況が毎年フォローアップされており、平成19年度の結果が発表された。研究領域としては、構築すべき社会として「脱温暖化社会」「循環型社会」「自然共生型社会」「安全・安心で質の高い社会」の4つの領域があり、各領域における国内外の状況について特筆すべき点が最初に列挙されている。各領域の重点課題の実施状況として、例えば脱温暖化社会の構築では12の重点課題の実施状況が報告されており、研究・技術開発の成果が社会に普及するよう、低炭素社会に向けて社会システムの変革を進める研究や気候変動による不可避の影響を最小化するような政策提言に結びつく研究を強化する必要性を強調している。さらに2050年までに地球規模で温暖化ガスの排出を半減するための革新的な技術開発とシステム研究、モニタリング結果を対策へとつなげる研究などが重要としている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10110

太陽光や太陽熱の普及を目指し、東京都の連携プロジェクトがスタート

太陽エネルギーの大幅な利用普及を目指し、東京都は事業者などとの連携プロジェクトをスタートした。東京都は2006年に策定した再生可能エネルギー戦略の実現に向け、今年2月までに太陽エネルギー利用拡大会議を開催して提言書を取りまとめており、2016年までに100万kW相当の太陽エネルギーを都内に普及させるとしている。来年度より2年間で毎年2万世帯へ太陽エネルギーの利用設備を設置するため、事業者との連携プロジェクトをこの8月にスタートした。8月29日に都庁の大会議室で開催されたキックオフ大会には、200近い事業者が参加し、来年度からの東京都の新たな制度が発表された。平成21年度から2年間で総額90億円の補助金を住宅用の太陽光発電および太陽熱設備の導入に対して交付し、その設備が設置後10年間で生み出す環境価値を東京都に譲渡する。東京都はこの環境価値をグリーン電力証書やグリーン熱証書などに証書化し、二酸化炭素の削減義務がある大企業などに販売する。

東京都「太陽エネルギー利用拡大会議」:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/renewables/solarenergy.html
東京都「太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト」:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/renewables/solarproject.html

12:02 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月12日 (月)

サステイナブルなニュース 第70号

先日の記事で「サステイナブル」をGoogleで検索するとこのブログが"2位"だったと書きましたが、その後、確認したところ、これはGoogleの検索履歴機能の効果だったことが判明しました。この効果がなければ現在のところ14位となっていますので、それでもまずまずです。ちなみに、現在、「サステイナブル」での検索ヒット数は18万件ですが、"sustainable"で検索すると6170万件もあり、その第3位に"Sustainable Zone 「永続地帯」"があります。このブログも"Something Sustainable"として第6位にランクインしているので、嬉しいことです。

それでは今週のサステイナブルなニュースをお届けします。昨年8月下旬のニュースなので、あの北京オリンピック関連のニュースなども入っていますが、北京はこの金融危機でまた少し空気が綺麗になっているのでしょうか。東京都の太陽熱のグリーン熱証書制度については、本年4月からの制度開始に向け、現在、グリーンエネルギー認証センターの調査研究員会で検討が進んでいます。私自身もオブザーバとして参加し、制度の立ち上げに向け期待をしているところです。日本の下水道は、社会インフラとして世界に誇れるシステムだと思いますが、今後は全国一律ではなく、エネルギー利用も含め、その地域特性に応じた整備を進めるべきでしょう。

************* サステイナブルなニュース 第70号 *******************

下水道の普及率は71.7%、地域間の格差の解消が課題

国土交通省が発表した平成19年度末の下水道整備状況によると、下水道処理人口普及率は71.7%となり、前年度に比べ160万人増加した。ただし、人口5万人未満の都市においては普及率が42.7%にとどまっており、地域間の格差の早期解消が課題となっている。都道府県別で最も普及率が高いのは東京都の98.8%で、神奈川県や大阪府が続く。普及率が低いのは徳島県の12.1%で、和歌山県や高知県も30%以下となっている。下水道以外に浄化槽などによる汚水処理も普及が進んでおり、それらを合計した汚水処理人口普及率は全国平均で83.7%、合計1億635万人に達している。内訳は下水道が9,111万人、浄化槽が1,121万人、その他の農業集落排水施設等が403万人となっている。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000028.html
環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10085

東京都、太陽熱の利用拡大に向けグリーン熱証書制度を検討

東京都では、地球温暖化対策のひとつとして再生可能エネルギーの普及に力を入れており、太陽光や太陽熱などの太陽エネルギーを今後数年間で都内の住宅を対象に100万kW相当普及させることを目標としている。そこで、太陽光と比較して普及が低迷している太陽熱の利用拡大を目指す方策のひとつとして、その環境価値の評価により経済的な取引を可能とするグリーン熱証書の仕組みについて全4回の検討会が開催され、最終のとりまとめが策定された。この中ですでに普及が進んでいる太陽光のグリーン電力証書の制度を参照しつつ、グリーン熱証書制度の課題がひとつずつ検討され、その創設に向けた道筋が示されている。東京都では、グリーン電力証書制度を運用しているグリーンエネルギー認証センターやCO2削減価値などを検討している環境省などとも連携して来年度よりの実施を目指す。

東京都「太陽熱の利用拡大に向けたグリーン熱検討会」:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/renewables/greenthermal.html

北京オリンピック、大会4日目に大気汚染の基準をクリア

国連環境計画(UNEP)は、北京オリンピック組織委員会と協働でオリンピックに関する環境配慮の取組を3年がかりで進めて来ている。中国政府は環境配慮のために170億ドルを投資し、都市環境の向上に努めてきた。北京オリンピック開催から4日間が経過した8月12日には、北京市での前日の降雨に伴い大気汚染の度合いを表す指数(API)が32まで下がり、基準となる50を下回ったことを北京の認証機関が公式に確認した。これはオリンピックに参加している選手や観客にとっても歓迎されるニュースとなっており、国連環境計画でも高い評価をしている。北京市近郊ではオリンピック開催に合わせて、大気汚染の原因となる工場が閉鎖され、車の乗り入れも通常の半分に規制された。それに伴い、オリンピック会場への移動に利用される公共交通機関が整備されている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=543&ArticleID=5895&l=en

10:30 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月31日 (水)

サステイナブルなニュース 第68号

先ごろ電力事業者別の平成19年度の二酸化炭素排出係数の数字が公表されました。これをみると特に東京電力と北陸電力が前年度から大幅に数字が大きくなっていることがわかります。東京電力は0.339から0.425kg-CO2/kWhと2割以上も悪化しており、北陸電力は4割近く悪化して0.555以上の公表ができない数値(0.632kg-CO2/kWh)になってしまいました。これらはいずれも原子力発電所の長期停止が大きく影響しています。電力事業者を見渡してみても排出係数が前年よりも小さくなったところは中部電力ぐらいで、残りは増加をしています。

Co2

それでは、今年最後のニュースをお届けします。8月中旬のニュースです。電気自動車については、この半年ぐらいで急速に話題になり始めましたが、普及に向け、そのCO2削減とコスト削減効果が注目されています。

*************** サステイナブルなニュース 第68号 *******************

プラスチック容器のリサイクルに伴い環境負荷は低減されるか

プラスチック製の容器や包装は、容器包装リサイクル法に基づいて、廃棄物のリサイクルとして様々な手法で再商品化されている。この再商品化に伴う環境負荷の削減効果についてライフサイクルアセスメントによる分析(LCA分析)による検討が行われ、その結果が環境省から公表された。リサイクルによる環境負荷の削減効果は、リサイクルを行わず焼却・埋立処理や廃棄物発電を行う場合と比較して一定の効果を上げていることがわかった。例えば、最終処分量の削減効果は約10.5万トン、二酸化炭素排出削減効果は、廃棄物に関する排出量の最大3%程度に相当し、それらの削減効果は2003年度に比べ2006年度は増大している。この再商品化の手法には、いわゆる材料としてのリサイクルのほか、ケミカルリサイクルと呼ばれる油化、製鉄所での高炉還元剤化、コークス炉化学原料化、ガス化などの方法がある。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10058

デル社、予定より5ヶ月前倒しでカーボンニュートラル化を完了

コンピュータ大手の米国デル社は、全社のカーボンニュートラル化を予定より5ヶ月早く達成したと発表した。デル社は2007年9月にカーボンニュートラル化を2008年末までに達成するという公約をしていた。まず、エネルギー効率の改善キャンペーンを実施し、年間300万ドルのコスト削減と2万トン近い二酸化炭素排出削減を行った。その上で、風力、太陽光などの再生可能エネルギーによる1億1600万kWhのグリーン電力を電力会社より購入し、今年4月には本社キャンパスで使用する電力の100%をグリーン化した。さらにデル社では、カーボンニュートラルの一環として、米国、中国、インドでの風力発電への追加投資を行うことを発表した。これらを合わせた電力は、6億4,500万kWhに達し、年間40万トンの二酸化炭素排出削減に相当する。このほか、環境NGOを通じで熱帯雨林の保護に対する支援も行っていることも同時に発表している。

デル社プレスリリース:
http://www1.jp.dell.com/content/topics/topic.aspx/jp/segments/corp/pressoffice/2008/080807?c=jp&l=ja&s=corp

全国初、自治体業務での電気自動車の実証走行試験を実施

三菱自動車は、来年の市販化を目指している電気自動車「i MiEV」(アイ ミーブ)を用いて、全国初として神奈川県の警察業務における実証走行試験を実施することを発表した。この電気自動車は、軽乗用車をベースに、大容量リチウムイオン電池と小型・高性能モーターを搭載したもので、2009年中に市場投入を予定しており、すでに全国7つの電力会社と実証走行試験を実施している。フル充電時の航続距離は160kmに拡大しており、家庭用の100Vコンセントでは約14時間でフル充電することができる(電池の総容量は16kWh)。搭載するモーターは1個で、最高出力は64馬力(47kW)、インバータ制御の採用やモーター効率向上および減速時のエネルギー回生の強化などを行い、航続距離を伸ばしており、約30分で充電が可能な急速充電器も同時に開発をしている。

三菱自動車プレスリリース:
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/publish/mmc/pressrelease/news/detail1802.html

01:32 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月30日 (火)

2008年の研究活動を振り返って

本日の新聞記事によると、日本政府はIRENA(国際再生可能エネルギー機関)への参加を見送ることを決定したそうです。とても残念なことです。日本国内のことで精一杯で、気候変動や再生可能エネルギーの分野で日本が国際的なリーダーシップを取ることはやはり困難なのでしょうか。

さて、私自身の研究テーマとして今年は2つのテーマに取り組みました。このブログでもご紹介していますが、1年間のまとめとして先日発行された「環境とエネルギーのニュースマガジン」SEEN第45号に寄稿した記事を転載したいと思います。来年も引き続きにこれらのテーマに取り組んで行きます。

         2050年自然エネルギービジョンとエネルギー永続地帯

今年、日本はG8洞爺湖サミットの議長国として、主要排出国に対し「2050年までに全世界の温室効果ガス排出半減」への合意を呼びかけ、それに先立つ福田ビジョンにおいては日本の排出削減目標を2050年に60%~80%と宣言した。ISEPでは、気候変動対策に関する「イノベーション」の核となる自然エネルギーに注目し、昨年末より国内の自然エネルギー関連団体と協力して「2050年自然エネルギービジョン」を策定し、その実現に必要な政策の提言と共に2月の「再生可能エネルギー展望会議」に発表を行った。本ビジョンでは、2050年に低炭素社会を目指す上で、自然エネルギーに注目して、日本で 2050年までに最大限導入しうる可能性を検討している。その結果、2050年の日本の姿(ビジョン)は以下のようになった。

 ■ 電力需要の65%以上を自然エネルギーにより供給している。
 ■ 熱需要の約30%を自然エネルギーで賄い、家庭部門や業務部門はほぼ100%となる。
 ■ エネルギー起源のCO2排出量を75%以上削減(2000年比)
 ■ 一次エネルギー供給のほぼ60%を自然エネルギーで賄い、エネルギー自給率50%以上

本ビジョンの検討にあたっては、原則として、各自然エネルギー関係団体から導入可能性やその考え方、必要な政策などを提示していただいた。その際に自然エネルギー以外の供給想定や全体の需要想定は、基本的に国立環境研究所の「2050年低炭素社会シナリオ」をベースにして、検討を行った。

○[再生可能エネルギー展望会議(2008年2月21日)]
http://www.isep.or.jp/event/080221sympo2050.html
○[2050年自然エネルギービジョン]
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo/2050vision080603.pdf
○[2050年自然エネルギービジョンの実現に向けた政策提言]
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo/2050policies080603.pdf

6月に開催された「自然エネルギー政策会議」において「自然エネルギー促進法」ネットワーク(GEN)の解散が宣言され、7月には持続可能な自然エネルギー政策の実現に向けて、自然エネルギー関連9団体により「自然エネルギー政策プラットフォーム」(JREPP)が新たに発足した(事務局ISESP)。現在の次の9団体が参加している。全国小水力利用推進協議会、日本風力発電協会、風力発電事業者懇話会、ソーラーシステム振興協会、日本地熱開発企業協議会、日本地熱学会、日本建築学会地球温暖化対策推進小委員会、日本木質ペレット協会、ISEP。上記ビジョンは「中間報告」としての位置付けであり、来年のCOP15に向けて、このJREPPと市民エネルギー調査会により需要サイドの見直しや2020年の中期目標などについても検討が進められる予定である。なお、6月に発表されたグリーンピースの「エナジー・[R]Eボリューション日本シナリオ」にたいする協力もISEPとして行っている。

○[自然エネルギー政策会議(2008年6月3日)]
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo.html
○[自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)発足プレスリリース]
http://www.isep.or.jp/press/jrepp_press080701.pdf
○[グリーンピース:「エナジー・[R]Eボリューション日本シナリオ」プレスリリース]
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20081201ce_html

一方、現在の地域毎の自然エネルギーの供給状況と民生部門のエネルギー需要とを比較し、市町村毎のエネルギー自給率を指標化する「エネルギー永続地帯」の調査研究が、千葉大学倉阪秀史教授との共同研究として進められている。9月16日には、昨年に引き続き2回目のプレス発表を実施した。今年発表した「2007年版」では、前年の「2006年版」には含まれていなかった太陽熱や地熱などの「熱」が加えられている。その結果、日本の62の市町村で自然エネルギーによる自給率が100%以上となり、民生用エネルギー需要の全てを賄っているとみなすことができる。都道府県では、7県(大分、秋田、富山、岩手、長野、鹿児島)が民生用エネルギー需要の10%以上を自然エネルギーで賄っていることがわかった。エネルギー源別では、小水力発電(1万kW未満)、太陽熱利用、風力発電、地熱発電、温泉熱利用、太陽光発電の順で供給量が大きい。今回は、残念ながら最近注目されているバイオマスの熱利用を含めることができなかったが、次回の2008年版には含めたいと考えているので、引き続き注目して頂ければ幸いである。

○[エネルギー永続地帯ホームページ]
http://sustainable-zone.org/
○「エネルギー永続地帯2007年版プレスリリース」
http://www.isep.or.jp/press/20080916SustainableZone.pdf

04:10 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月21日 (日)

サステイナブルなニュース 第67号

今年も残すところ10日となりました。今年を振り返ると短い期間に本当に多くの出来事がありました。7月頃までの洞爺湖サミットに向けた盛り上がりがあり、その後の原油価格の高騰、金融危機とその後の世界経済の急速な落ち込み、米大統領選挙の興奮とオバマ新大統領への期待。一方、地球温暖化よる気候変動の影響は、様々な形で全世界に広がり続けていますが、その原因となる温室効果ガスの大幅削減への国際合意はまだまだ不透明な状況が続いています。

そんな中、来年に向けた動きも活発になってきました。再生可能エネルギーについては、国内では太陽光発電への期待が高まっていますが、風力発電や地熱発電、水力発電などの普及の障害を取り除き、長期的な事業へのインセンティブを高めるための政策についても様々な議論が始まっています。国際的な動きとしては来年1月に設立されるIRENA(国際再生可能エネルギー機関)があります。欧州の国々が中心になっていますが、10月に開催された準備会合ではすでに51カ国が参加表明をしています。アジアからはすでにインドと韓国が参加表明をしており、中国もするという話を聞きました。日本は、所管省庁の経産省が参加に難色を示しており、なんとも残念な状況です。日本が、再生可能エネルギーの普及政策において「後進国」であり、この分野でリーダーシップが取れないことがわかっているからなのでしょうか。あのアメリカも変わります。日本も、変れると信じたい気持ちでいっぱいです。"We Can Change!"

それでは、今週のニュースをお届けします。8月上旬のニュースですが、あの「福田ビジョン」が再び登場します。福田首相が去ってからもこの「福田ビジョン」様々な場面で引用され、それなりのインパクトがあったようです。何しろ、日本政府としてははじめて?の「バックキャスティング」型のビジョンですから。

*************** サステイナブルなニュース 第67号 ******************

福田ビジョンの実現に向け、低炭素社会づくり行動計画が閣議決定

6月に発表された福田ビジョンの実現に向け、日本が低炭素社会へ移行するための具体的な道筋を示すものとして、「低炭素社会づくり行動計画」が策定され、7月29日に閣議決定された。福田ビジョンの長期目標として2050年までに現状から60~80%の温室効果ガス排出削減を行うため、本計画では、革新的な技術開発や既存先進技術の普及、国全体を低炭素社会へ動かす仕組みづくり等について、具体的な目標や施策が盛り込まれたとしている。2050年までの大幅な削減に寄与する革新技術の開発に対しては、今後5年間で300億ドルを投入する。既存の先進技術としては、CO2を排出しないゼロ・エミッション電源の割合について2020年を目途に50%以上を目指すため、太陽光などの再生可能エネルギーの一層の推進や原子力発電所の新設を進める。電気自動車等の次世代自動車や省エネ型機器、省エネ住宅・ビルの大幅な普及拡大を目指す。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20080729003/20080729003.html

富士通、2020年までの中期環境ビジョンを策定

富士通グループは、2020年までの中期環境ビジョン「Green Policy 2020」を策定した。世界全体の温室効果ガス排出量を遅くとも2020年までにピークアウトすることに貢献するため、社会へのテクノロジー・ソリューションの提供により国内で年間約3000万トンのCO2排出量削減を目指す。具体的には、「エネルギー革新技術の開発」および「お客様のビジネスにおける省資源・省エネルギー化」などお客様・社会全体への貢献となる13テーマと、自らの変革として「事業活動の徹底した低炭素化」に関する5テーマ、そして生物多様性の保全における2テーマ、合計20テーマの取組みを推進する。そのためグループの各事業領域(ソフトサービス、ハードウェア製品、電子デバイスなど)における総合エネルギー効率が世界トップレベルであることを目指し、低炭素化を推進する新たな組織を設立する。また、「ビジネスと生物多様性イニシアチブ」で宣言されたすべての項目を推進し、2020年までに具体的な取組みを行うとしている。

富士通グループ・プレスリリース:
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/07/23-1.html

太陽光発電など再生可能エネルギーの国際会議・展示会が東京で開催

再生可能エネルギー協議会、太陽光発電協会、SEMIおよび産業技術総合研究所は、7月28日から5日間、東京ビックサイト等において再生可能エネルギー世界フェア2008を共同開催した。本フェアでは産・官・学が一堂に会し再生可能エネルギーに関して「世界最新技術情報の発表」と「次世代技術を駆使した新製品の紹介」が行われた。展示会としては、「第3回新エネルギー世界展示会」および「PVJapan2008」が同時に開催され、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー関連の最新技術や製品が披露された。国際会議としては、再生可能エネルギーに関する国際カンファレンスおよび第25回太陽光発電システムシンポジウムなどが開催され、国内外の最新動向や研究開発の成果などが発表された。展示会への来場者数は、3日間でのべ44,547人。

「再生可能エネルギー世界フェア2008」:http://www.renewableenergy.jp/index.html

01:26 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月14日 (日)

サステイナブルなニュース 第66号

ポーランドのポズナンで開催されていたCOP14も大きな成果を残せぬまま閉会し、日本もNGOなどから「化石賞」を頂いたということで、日本国内から見ているとなんとも先行き不透明な状況です。そんな中、アメリカは来年の政権交代に向けて着々と準備を進めているようですし、EUも正式に2020年までにCO2排出量を20%削減し、再生可能エネルギー比率を20%まで高めることに合意しました(トリプル20で分かりやすいですね)。

日本国内では先週はエコプロダクツ展が東京ビックサイトで開催され、延べ17万人以上の人が来場したそうです。私も土曜日の午後に会場に行き、担当のブースで説明などを行いましたが、もう少し多くの人にアピールできるような工夫が欲しかったと反省しています。
2008_011 2008_010
ブースでは、グリーン電力証書などの普及を行う「1億人のグリーンパワー」や「グリーンエネルギー購入フォーラム(GEPF)」のほか、地球温暖化対策に先進的な取組みを行っている4つの自治体(東京都、北九州市、横浜市、飯田市)を紹介しました。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。7月末のニュースですが、ちょうどエコプロのブースでも紹介した環境モデル都市(横浜市、北九州市、飯田市)に関するニュースが含まれています。また、タイムリーにちょうどDVDの発売が開始された環境ドキュメンタリー映画「The 11th Hour」のご紹介もあります。私も早速購入したので、これからぼちぼち見てみたいと思います。この"11th Hour Action"のサイトでは、このブログも紹介してもらっています。

************* サステイナブルなニュース 第66号 *****************

環境モデル都市として6団体を選定し、政府が支援

世界の先例となる低炭素社会への転換を進める取組の一つとして、日本政府は全国82件の提案の中から6団体を環境モデルとして選定し、公表した。選定されたのは、大都市として横浜市と北九州市、地方中心都市として帯広市と富山市、小規模市町村として水俣市と北海道の下川町。選定にあたっては5つの選定基準として、温室効果ガスの大幅な削減目標、先導性やモデル性、地域適応性、実現可能性、持続性が評価された。その他、追加選定の候補として京都市や飯田市など7団体の環境モデル候補都市も発表され、アクションプランの検討状況を見つつ改めて選定が行われる。選定された環境モデル都市に対しては、必要な予算等の支援を優先かつ重点的に行うと共に、取組の拡大と世界に向けた情報発信の体制を作るため、低炭素都市推進協議会(仮称)を創設するとしている。

地域活性化統合本部: http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/
環境モデル都市選定結果:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/080722kankyo-kouhyo.pdf

10年間で2兆円の保険引受枠、地球環境保険制度が来年1月スタート

経済産業省は、本年1月に発表した「クールアース・パートナーシップ」構想において地球温暖化対策に真剣に取り組む開発途上国を支援するため、日本からの省エネ・新エネ技術の移転等による温室効果ガスの排出低減に貢献する地球環境保険制度を創設し、来年1月より運用を開始する。本制度では、開発途上国に限定せずに全世界を対象に10年間で2兆円の保険引受枠を設定し、制度の利用を促進する。温室効果ガスの排出低減が可能な設備や機器に関する貿易や投融資等のプロジェクトに対して、本制度を適用し、ユーザーの利便性を増やす。その際のカントリーリスクを100%保障するオプションを設けることにより、事業実施に伴うリスクを低減する。対象となるプロジェクトには、従来の製品と比較して温室効果ガスの排出低減が見込まれる省エネや新エネ等のプラントあるいは単体の設備機器の輸出、植林プロジェクト、CDM(クリーン開発メカニズム)等がある。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20080729001/20080729001.html
外務省「クールアース・パートナーシップ」:
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/kaidan/s_fukuda/davos_08/cep.html

映画“The 11th Hour”、持続可能な社会を目指すアクションサイト

地球環境問題をテーマとしたドキュメンタリー映画“The 11th Hour”が日本国内でも6月に上映され、日本国内向けのアクションサイト”11th Hour Action”が同時に開設された。映画は、環境保護活動家として有名なレオナルド・ディカプリオが製作・脚本・ナビゲータを務め、50以上の一流科学者、思想家、各界リーダーが出演して、人類と地球が直面する最も重要な問題について議論するドキュメンタリー。問題提起と共に、それらを解決する方法や現在行われている様々な取組を紹介している。アクションサイトでは映画に登場する専門家のアイデアや活動暦が紹介されているほか、国内外の様々な団体の活動が紹介されている。6月の日本での上演にあたっては、ドイチェ・アセット・マネジメントが協賛したが、今後の上映については年内で企画中。

アクションサイト”11th Hour Action”(日本語): http://www.11thhouraction.jp/
アクションサイト”11th Hour Action”(英語): http://11thhouraction.com/

04:09 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 7日 (日)

サステイナブルなニュース 第65号

ポーランドのポズナン(Poznan)において国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第14回締約国会議(COP14)が12月1日から開催されています。年1回開催されるこの会議において、今年の重要テーマは2012年以降の京都議定書に続く枠組みを決めるためのより具体的な筋道を合意することです。昨年のバリ島で開催されたCOP13では、「バリ・ロードマップ」と呼ばれる作業工程が決められ、来年12月のCOP15(コペンハーゲン)までに2012年以降の枠組みを決めることが合意されています。政府関係者だけではなく、気候変動問題に取り組むNGOなどの関係者が一同に会する場でもあり、多くの会議やサイドイベントも開催されています。JCCCAのCOP14特設ページへ 

先進国が2050年までの長期目標を次々に発表する中、あの米国も来年からオバマ政権に変わり80%削減のような大胆な目標を出そうとしています。現在は2020年の中期目標に注目が集まっていますが、すでに20%削減を打ち出した欧州に対し、日本は未だ検討段階で、基準年を1990年から後ろにずらすことに腐心している状況です。基準年を2005年あたりにずらすことにより、欧州と方を並べる削減目標が立てられからという理由の様ですが、あまり本質的なポイントとは思えません。一方、日本としては、自国の削減よりもいまや世界一の排出国となった中国などの削減ポテンシャルが大きいことに注目し、その削減支援に力を入れるべきだという観点からセクター別アプローチを提案しています。提言内容はとても合理的なものだと思いますが、国際的なリーダーシップの観点からも、自らの大胆な目標も含めたもっと踏み込んだ提言が望まれます。引き続き、注目していきたいと思います。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。7月下旬のニュースですが、「エコレールマーク」については、その後、取得企業の数は増え続けています(11月時点で47社)。世界の自然エネルギーへの投資は増え続けており、昨今の金融危機においても「グリーン・ニューディール」として注目されています。

***** サステイナブルなニュース 第65号 ***********

エコレールマークの認定企業が43社に、認定商品はすでに25品目

国土交通省が進めている「エコレールマーク」の認定企業が新たに3社増え、43社となった。新たに認定された企業は、サラヤ(株)、住化バイエルウレタン(株)、トヨタ自動車(株)の3社。エコレールマークは、地球環境に優しい鉄道貨物輸送を一定割合以上利用している商品や企業を認定するためのマークで、認定企業は、500km以上の陸上貨物輸送のうち15%以上あるいは年間1万5千トン以上鉄道を利用しているなどの条件がある。貨物鉄道のCO2排出量原単位は、トラックと比較すると7分の1と言われ、流通過程において地球環境問題に積極的に貢献している商品や企業の情報を消費者の判断基準として提供している。認定された商品としては、全20件(25品目)あり、認定マークとしてエコレールマークが貼られて販売されている。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo02_hh_000003.html
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo02_hh_000004.html

世界の自然エネルギーへの投資は20兆円規模に拡大

国連環境計画(UNEP)の持続可能なエネルギー金融イニシアティブ(SEFI)が今年7月に発表した報告書によると、持続可能な自然エネルギーへの世界的な投資は拡大を続け、2007年には企業買収を含む再生可能エネルギーへの投資の全体規模は2040億ドルに達した。このうち1484億ドルは新規に集められたが、この規模は2006年より60%の増加となっている。大部分のこれらの投資はヨーロッパに向かっており、米国がそれに続くが、中国やインド、ブラジルなどへの投資も増加している。これらの投資において風力がもっとも優勢であるが、セルロースによる第二世代バイオ燃料や薄膜太陽光発電などの次世代技術への投資も活発化している。調査グループNew Energy Financeによると、今後、2012年までに4500億ドル規模に達し、2020年以降は6000億ドル規模になると予測している。

UNEP SEFI ”Global Trends in Sustainable Energy Investment 2008”:
http://sefi.unep.org/english/globaltrends
日本語サマリー:
http://sefi.unep.org/fileadmin/media/sefi/docs/publications/Executive_Summary_Japanese.pdf

「eco読」キャンペーン開催、全国1100店舗で環境関連図書

チーム・マイナス6%チーム員企業である(株)トーハンは、7月より年末まで「eco読キャンペーン」として全国の約1100店舗の書店において環境関連図書を集めたブックフェアを開催する。「本を読んだら動き出そう 地球のために自分ができること」をキャンペンテーマに掲げ、読書をしながら環境への意識を高めると共に環境への取組を実践してもらうことを目的としている。このキャンペーンではチーム・マイナス6%と連携し、本を読んで地球温暖化を考え、読者ができるCO2削減のための取組を「私のチャレンジ宣言」を通じて発見できるよう、1人1日1kg CO2削減運動の専用QRコードを印刷したオリジナル帯を装着する。また、「私のチャレンジ宣言」を巻末に掲載した「eco読ブックガイド」(無料)やしおりを店頭配布する。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9980

11:15 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年11月30日 (日)

サステイナブルなニュース 第64号

すっかり冬の気配ですが、関東地方ではまだまだ紅葉が見られる場所があるようです。近所の神社の大きな銀杏の木や、公園のもみじが、とても綺麗に紅葉していました。いよいよ明日から12月ですが、年に1回の国連気候変動枠組条約に関する国際会議(COP)が今年はポーランドのポズナンで12月1日から開催されます。ポスト2012年の枠組みを来年のCOP15(コペンハーゲン)までに決めるため、大きな進展があることが期待されています。

その中で、注目されているのが各国の中期目標(2020年)がどのような設定されるかという点です。2020年の目標はすでにEUが20%削減(1990年比)という目標をすでに発表していますが、日本はまだ発表をしていません。日本政府の方針としては、来年のしかるべきタイミングで発表できるように検討を進めているようです。そのひとつが官邸の「地球温暖化問題に関する懇談会 中期目標検討委員会」です。先週、第1回の委員会が開催され、今後の検討の進め方や現在のシナリオ・モデルの紹介などが行われたようです。ただし、この委員会で検討した内容をそのまま中期目標とするのではなく、あくまで選択肢を検討し、政府が最終的に中期目標を決定するそうです。2020年といえば、10年程度の短い期間ですので、世界をリードする大胆な目標設定と共に、緻密でより具体的な政策が要求されます。

この中期目標の達成に大きく貢献する日本国内での自然エネルギーの普及政策について、現在、様々な検討が行われいます。特に太陽光発電については、2030年までに現在の40倍の普及を目指すというビジョンが6月の福田ビジョンで示されました。現在は、その実現に向けた検討が導入コストや系統問題などについて行われています。風力や地熱など太陽光以外の自然エネルギーについても、もっと積極的に検討を進めるべきでしょう。

それでは、今回のサステイナブルなニュースをお届けします。7月中旬のニュースです。

***************** サステイナブルなニュース 第64号 ****************

日本カーボンアクション・プラットフォーム設立

環境省は、日本国内における市場メカニズムを活用した地球温暖化対策の各種イニシアティブ(率先行動)を強力に推進していくため、「日本カーボンアクション・プラットフォーム(JCAP: Japan Carbon Action Platform)」を設立する。まずは国と東京都など地域の地球温暖化対策に熱心な都道府県、指定都市、中核市、特例市を中心に参加を募り、将来的には地域で活動する民間団体や企業の参加も検討している。具体的な活動内容としては、カーボン・オフセットの手法を活用することによる市民や企業の主体的な温暖化対策を促進する取組やキャップ&トレード型の排出量取引制度の仕組みに関する情報交換、さらにはこれらの取組に使用するための国内クレジット創出のための認証の仕組みなどを検討する。

環境省プレスリリース:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9886
第1回会合プレスリリース:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9979

ペットボトルの再利用やデポジット制度に関する研究会中間取りまとめ

ペットボトルを始めとした容器包装に関して、再利用(リユース)やデポジット(供託金)制度の活用による環境負荷の小さい循環的な利用の促進について検討する環境省の研究会より中間結果が公表された。これまでペットボトルなどの容器包装は、容器包装リサイクル法に基づく「リサイクル」がある程度進展してきたが、更なる循環型社会の形成のためには廃棄物の発生抑制と一層の環境負荷低減を図る必要がある。そこで今年3月より「再利用(リユース)」や「デポジット(供託金)制度」の導入について検討する研究会でこれまで5回の審議がおこなわれた。日本国内では、ペットボトルの回収率が66%まで上昇している一方、リターナルびんの使用量は減少を続けている。海外では世界20カ国以上で、ペットボトルの再利用(リユース)が行われているが、国内では様々な理由からいまだ実現をしていない。

環境省プレスリリース: http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9968

海外での温室効果ガス削減事業の国内承認345件目、累計1.2億トン

経済産業省に申請されていた7件のCDM(クリーン開発メカニズム)事業・JI(共同実施)事業が日本政府のプロジェクトとして「京都メカニズム推進・活用会議」で承認された。関西電力がニュージランドで進める風力発電事業、三井物産が中国で進める水力発電事業、三菱UFJ証券がタイで進める産業廃棄物からのメタンガス回収事業など。これまで日本政府に承認された事業は、345件に上り、予定されている温室効果ガスの削減量は年間1.2億トンに達している。プロジェクトとして正式に承認されるためには、今回の日本政府(投資国)の承認の他、事業を実施するホスト国の承認を受けた後に、国連のCDM理事会の承認を受ける必要がある。その後、プロジェクトの実施に対するモニタリングが行われ、CER(認証排出削減量)の検証と認証が行われる。発行される排出削減クレジットCERは、国際的な排出量取引により、京都議定書第一約束期間の国内での排出枠として認められることになる。

経済産業省プレスリリース:http://www.meti.go.jp/press/20080709002/20080709002.html
「京都メカニズム情報プラットフォーム」: http://www.kyomecha.org/

11:58 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月16日 (日)

サステイナブルなニュース 第63号

北の国ではそろそろ雪の便りも聞かれるようになって来ました。今のところ灯油などの燃料の値段は昨年ほどは高くないようですが、冬に向けどのようになるでしょうか。原油価格は1バレル60ドルを割り込むレベルまで下降し、昨年の同時期には100ドル近くまであったことを考えるとだいぶ状況が変わっています。しかし、これは金融危機に伴う一時的な消費低迷に原因があると言われており、中長期的には原油価格は上昇すると言われています。

将来的な原油価格については、先ごろ発表された国際エネルギー機関(IEA)の世界エネルギー見通し2008(World Energy Outlook 2008)にも予測があり、今後も乱高下する中、2015年までの平均的レベルとしては1バレル100ドルとなっています(日本語のサマリーはこちら)。中国など新興国の石油需要がこれからも伸び続ける一方、原油生産国での既存の油田からの生産量は今後、減少するとされ、そのギャップは広がる一方です。それを埋め合わせる新たな油田は主にOPEC諸国などにありますが、それらのの開発は進んでいません。このまま開発が進まない場合には、「ピークオイル」論における石油生産のピークがこのまま過去のものになる可能性も出てきます。

米国ではオバマ大統領の誕生により、気候変動や再生可能エネルギー政策が大きく変わる可能性が出てきました。その中で、省エネルギーや再生可能エネルギーへの大規模な投資を金融危機克服のための新たな公共事業「グリーン・ニューディール」とする機運が高まっています。再生可能エネルギー政策で先行する欧州に続き、米国や中国も風力発電などへの投資額を大幅に増やしており、日本が今後、これらの動きにどのように絡んでいくのかが注目されます。

今週のニュースは、7月中旬のものですが、日本国内でも洞爺湖サミットをきっかけに低炭素社会に向けた様々な動きが始まろうとしています。

******** サステイナブルなニュース 第63号 *******************

環境・循環型社会白書、英語版や北斎風解説書をサミットで配布

6月に閣議決定された平成20年版環境・循環型社会白書では、低炭素社会と循環型社会について、それぞれの構築に向け転換期を迎えた世界と日本の取組を総説のテーマとしている。低炭素社会の構築については、気候変動枠組条約のCOP13で採択されたバリ行動計画の下での世界の潮流や、日本の取組や国際貢献について、国民の理解・関心を呼び掛けた内容となっている。循環型社会については、「地域循環圏」や低炭素・自然共生社会づくりの連携、江戸期の社会からの示唆などが紹介されている。洞爺湖サミットに向けて、漫画を活用して内容を分かりやすく要約した「北斎風循環型社会之解説」が作成され、主要7ヶ国語で配布された。さらに、サミットに参加する各国政府代表団や海外メディア関係者等に向けて、総説を英訳した英語版4000部が作成され、配布された。

環境省プレスリリース「平成20年版環境・循環型社会白書」:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9792
環境省プレスリリース「北斎風循環型社会之解説」:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9941
環境省プレスリリース「英語版平成20年版環境・循環型社会白書」:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9949

家電製品初のグリーン・エネルギー・マーク貼付へ

シャープでは、家電製品としては初めて、液晶テレビAQUOS Rシリーズに「グリーン・エネルギー・統一マーク」を、今年の秋以降順次貼付することを発表した。グリーン・エネルギー・統一マークは、グリーン電力証書を用いて、製品の製造に必要な電力の10%以上をグリーン電力で賄ったことを製品に添付して表現するためのもので、国民の認知度やグリーン電力付の商品の信頼性向上と共に、グリーン電力証書のコストを損金参入することを目的としている。グリーン電力証書は、風力、太陽光、バイオマスなどの自然エネルギーから得られた電気を、電気そのものと環境付加価値とに切り離し、その環境付加価値を証書の形で、電力使用者が保有することにより、グリーン電力とみなすという仕組み。日本国内の自然エネルギーの普及に向けて、普及啓発活動も盛んになっており、現在、急速に企業や個人での関心が高まっている。

シャープ・プレスリリース:
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/080630-a.html
経済産業省プレスリリース「グリーン・エネルギー・統一マークの決定について」:
http://www.meti.go.jp/press/20080529002/20080529002.html
「みんなのグリーン電力」:http://www.greenpower.jp/

「低炭素社会」に関する世論調査結果、90%が実現すべき

内閣府は、低炭素社会に関する国民の意識を調査する世論調査を実施し、その結果を発表した。調査期間は5月下旬で、全国の20歳以上の3000人が対象(有効回答数は1837人)。「低炭素社会」の認知度では、32.7%の人が知っており、41.4%が「低炭素社会」においても技術革新が進み、豊かな暮らしを続けることができると回答した。特に、「低炭素社会」を実現すべきかという質問に対しては、90.1%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答している。実現のために重要な取組については、「省エネ家電・住宅、環境に優しい車などの普及」が68.4%と最も多く、「レジ袋削減、リサイクルなどの資源の有効利用」(65.9%),「太陽光・風力などの自然エネルギーの利用」(61.5%)などが続く。家計への負担については、1家庭あたり月500円以上1000円未満が24.4%で最も多かった。

内閣府「平成20年度特別世論調査」:
http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/tindex-h20.html

01:58 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 3日 (月)

サステイナブルナニュース 第62号

山ではすっかり紅葉のシーズンを迎えていますが、先週、長野県の北部に行ったときにはすでに紅葉のピークは過ぎたということでした。関東以南はこれからが見頃でしょうか。記事の投稿の間隔が少し開いてしまうようになってきましたので、今後はなんとか毎週投稿するようにして行きたいと思います。

ここ数ヶ月の世界的な金融危機はいまだ先行きが見えない状況ですが、短期的な対応ではなく、そろそろ長期的な視点で考えていく段階に来ているようです。今回の金融危機からの脱出を戦前の大恐慌後の米国のニューディール政策になぞらえて、温暖化対策、特にエネルギー効率化や再生可能なエネルギーなどに大規模な投資を行う「新ニューディール政策」の提案が各所から行われています。例えば、UNEP(環境基本計画)の「グリーン経済イニシアティブ」や、グリーンピースが発表した"Energy [R]evolution 2008"などがあります。いずれも温暖化対策に対する大規模な投資が、この金融危機の根本的な打開策であるとしており、注目に値します。

日本国内では、太陽光発電への投資を拡大する政策が徐々に固まりつつありますが、まだまだ小さな動きにとどまっています。私自身が携わっている自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)でも「2050年自然エネルギービジョン」を発表し、自然エネルギーの普及させるための政策提言を行っていますが、欧州ですでに成功している固定価格買取制度に類する仕組みの導入など、国内でも新たな制度の導入の機運が高まっているのを感じます。日本国内の自然エネルギー普及の実績を地域毎に評価した「エネルギー永続地帯」という指標を千葉大学と共同研究していますが、先日はそれに関連して、NHKの取材を受け、朝のニュースで放映されました(10月28日「地熱や小水力発電 利用進まず」)。日本国内においては、太陽光発電や風力だけではなく、小水力や地熱など地域毎に国土の特性に応じた自然エネルギーを様々な側面から普及させることが重要であるとコメントしました。

それでは、今回のサステイナブルナニュースをお送りします。7月前半のニュースです。

********* サステイナブルなニュース 第62号 ****************

環境省、エコファースト制度への参加企業が11社に

環境省が今年4月から開始した「エコファースト制度」への参加企業が11社となった。新たに加わった日産自動車では、新車からのCO2排出量を2050年までに2000年比で70%削減するという長期目標を掲げ、2010年度に電気自動車を投入し、2012年には量産を目指す。一方、三菱自動車でも新世代電気自動車を2009年中に市場投入する。銀行としては滋賀銀行とびわこ銀行が参加し、カーボンオフセット定期預金などの環境配慮型金融商品を提供すると共に、地域の環境ビジネスの支援を積極的に行う。NECパーソナルプロダクツでは、環境に配慮したPCの設計・製造およびリサイクルの推進に取り組む。エコファースト制度は、業界のトップランナー企業が環境保全に関する取組を環境省と「約束」する制度で、これまでにビックカメラ、ユニー、キリンビール、ライオン、INAX、積水ハウスの各社が参加している。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9928
環境省「エコファースト制度について」:
http://www.env.go.jp/guide/info/eco-first/

シャープが環境配慮工場の新認定制度をスタート

シャープは、2003年度から実施している工場の環境配慮性を高める独自の環境配慮性能認定制度「スーパーグリーンファクトリー(SGF)」に、新たにCO2および廃棄物の総排出量削減を評価基準に加えた「スーパーグリーンファクトリーII(SGF II)」を2008年度より国内の全10生産工場を対象に開始する。これまでの取組では、温室効果ガスや化学物質の原単位排出削減、廃棄物埋立処分率など5つの認定基準による評価に対して国内全10工場においてSGFの目標を達成した。その結果、グループ全体のCO2排出原単位(生産高ベース)を2003年から34%削減し、国内全事業所の「ゼロエミッション」を実現している。今年度からのSGF IIの取組により、2008年度中に既存工場におけるCO2排出ピークアウトを実現し、企業ビジョン「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」を目指す。

シャープ・ニュースリリース:
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/080701-a.html

不動産投資に責任投資原則を、国連の作業部会が提言

国連環境計画の金融イニシアティブ(UNEP FI)の不動産作業部会(PWG)は、地球温暖化に大きな影響がある不動産事業への投資に対して国連が提唱する責任投資原則(PRI)を重視すべきだという提言をまとめた報告書を発表した。この作業部会のメンバーは主要国の18の不動産ファンド運用者により構成され、運用する不動産資産は3000億ドルを超える。運用する不動産から直接あるいは間接的に排出されるCO2の量は世界の排出量の半分にも相当するとしている。その中で、高い利回りが得られている不動産は環境に配慮することにより低コストの運用が可能となった建物などであり、利用者であるテナントも「持続可能な空間」を望んでいるとしている。提言をまとめた報告書”Building Responsible Property Portfolios”では、PRIの6つの原則を重視すべきであるとし、原則毎に不動産投資の先進事例を紹介している。

UNEP(国連環境計画)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=538&ArticleID=5840&l=en
報告書”Building Responsible Property Portfolios”(英語):
http://www.unepfi.org/fileadmin/documents/building_responsible_property_portfolios.pdf
国連の責任投資原則(PRI): http://www.unpri.org/

01:12 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月18日 (土)

サステイナブルなニュース 第61号

前回の投稿から少し間があいてしまいましたが、すっかり秋の気配で、紅葉のニュースも北の方から聞かれる様になりました。関東地方ではまだ紅葉が見られるところは少ないので、とりあえずこの前の週末は房総半島の養老渓谷に「下見」に行って来ました。紅葉の見頃は11月の下旬から12月の初めということで、まだ人も少なく、ゆったりと自然の渓谷美を堪能することができました。

さて、10月からの国内排出量取引の「試行」は、省庁間のつばぜり合いと産業界の横槍により、まったく形骸化したものになりそうです。そのあたりのいきさつは、こちらの日経エコロミーの記事をどうぞ。世界の株価は乱高下を続け、米国発の金融危機の嵐は中々収まりそうもありません。原油価格もちょうど1年ほど前の水準まで戻ってしまいました。WTI指数のグラフを見るとやはり100ドル以上はバブルだったのでしょうか。それでも2000年から続く上昇トレンドは、ピークオイルが現実となりつつある状況では、今後も長期的に続くことが予想されます。

Wti20032008

今回のニュースは、自然エネルギーの普及を促進するグリーン電力の話題、そして日本にも影響が出始めている地球温暖化への適応策、そして最近、環境問題に積極的に取り組む世界的なIT企業グーグル社の取組みです。約3ヶ月前の6月下旬のニュースになります。

*********** サステイナブルなニュース 第61号 *****************

グリーン・エネルギー・パートナーシップが6月末に設立

太陽光、風力、バイオマスなどのグリーン・エネルギー(自然エネルギー)の導入普及をめざす「グリーン・エネルギー・パートナシップ」が設立される。ビジネス・産業活動におけるグリーン・エネルギーの活用促進や消費者への認知度の向上を図り、製造・小売業者、グリーン電力発電事業者、グリーン電力証書発行事業者などの関係者が連携した国民運動としてグリーン電力証書などの導入普及を促進する。それに先立ち、5月にはグリーンエネルギー認証センター(日本エネルギー経済研究所内)が発足し、グリーン電力設備の認定や電力の認証などの認証業務をグリーン電力認証機構から引き継いでいる。さらに製品の製造などに必要な電力などをグリーン電力などで賄ったことを示す「グリーン・エネルギー・統一マーク」の公募を行い、989作品の中からすでにマークが決定されている。

経済産業省プレスリリース(グリーン・エネルギー・パートナーシップ設立):
http://www.meti.go.jp/press/20080612002/20080612002.pdf
経済産業省プレスリリース(グリーン・エネルギー・統一マーク):
http://www.meti.go.jp/press/20080529002/20080529002.pdf
グリーンエネルギー認証センター:
http://www.geccj.jp/index.html

地球温暖化による気候変動への「賢い適応」を発表、環境省報告書

環境省は、近年の地球温暖化による影響の顕在化や深刻化する状況を踏まえて、「地球温暖化影響・適応研究委員会」を昨年10月に設置し、報告書「気候変動への賢い適応」としてまとめた。検討は、食料、水環境・水資源、自然生態系、防災・沿岸大都市、健康、国民生活・都市生活、途上国の各ワーキンググリーンに分かれて行われ、現在までの科学的知見を明らかにした上で、賢い適応のあり方を示し、今後の研究の方向性や課題を提示している。報告書では、既に日本国内においても気候変動の影響が現れており、今後、一層大きな影響が予想されることや、国内の自然や社会が有する脆弱性にこれらの影響が重なると厳しい影響が生じ得るとしている。その上で、「賢い適応(効果的・効率的な適用)」が必要となり、適応計画を作成すると共に、より脆弱な途上国に対する協力や支援が必要であると結論づけている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9853
「地球温暖化影響・適応研究委員会」:
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/rc_eff-adp/index.html

グーグル社が国内でチーム参加型の環境コンテンツをスタート

グーグル(株)は、日本向けの新しい環境コンテンツとして、「One Greenプロジェクト」をスタートした。環境問題に関する情報を発信し、身近にできるCO2削減の取組をインターネット上に公開し、共有しながら推進することができるユーザ参加型コンテンツとなっている。ユーザは、パーソナライズドホームページ「iGoogle」内のガジェットや、地図情報サービス「Googleマップ」を活用することにより、気軽にCO2削減の取組を記録したり、ユーザ同士で地球環境問題に関する情報や目標を共有することができる。コンテンツの作成にあたっては、環境省のチーム・マイナス6%からCO2削減の計算方法の提供を受け、JAXAからも北極海の融けていく海氷の様子や世界の降水分布など宇宙から見た地球をテーマとしたガジェットとして提供されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9879
グーグル「One Greenプロジェクト」:
http://www.google.co.jp/intl/ja/landing/onegreen/

01:42 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 6日 (月)

サステイナブルなニュース 第60号

今回でサステイナブルなニュースは60回目です。およそ1週間に1回のペースですが、昨年の5月に開始しておよそ1年半が経過したことになります。ニュース以外の話題も充実させて、今後もまずは100号を目指してがんばって行きたいと思います。

米国発の金融危機は、日本へも影響が及びつつあり、政府もそちらの対策に手がいっぱいの様です。今年から始まった京都議定書の第一約束期間も、日本のマイナス6%を実現する目標達成計画が大企業の自主行動計画や一般家庭への普及啓発に依存した状態で、達成の目処は未だに立っていません。一つの方策である国内排出量取引制度も試行がこの10月から実施されることになっていますが、キャップの決め方が大企業の自主目標をベースにするなど、かなり緩い内容に落ち着きそうです。まずは開始することと参加者を増やすことが大切だということになっていますが、本当に意味のある試行となるのか、引き続き注目して行きたいと思います。

さて、今週のニュースで取り上げる「名水百選」は昔から有名ですが、今度、NEDOが新エネルギーの普及のために「新エネ百選」というものを選ぶそうです。どのような「新エネ」が集まるのでしょうか。また、WWF報告書による「テレビ会議」の効果については、まずは電話会議などの普及が重要かもしれません。最近は、Skypeなどの仕組みを使って気軽に会議通話を利用することができます。日本国内でも、もっと電話会議が普及すると良いですね。最後の「地球温暖化問題に関する懇談会」については、国内排出量取引制度の検討や環境モデル都市に関連してまだ継続しているようですが、麻生首相はどこまで気候変動対策をやる気があるのでしょうか(まずは景気対策なんでしょうが...)。

************* サステイナブルなニュース 第60号 ***************

水環境の保全を推進、新たに「平成の名水百選」が決まる

環境省は、洞爺湖サミットを契機に水環境保全の一層の推進を図るため、新たに「平成の名水百選」を選定した。昭和60年に選定されたこれまでの「名水百選」は、全国に存在する清澄な水を広く国民に紹介することを目的としており、選定からすでに20年が経過して、各名水の周辺地域では、その保全活動が組織的に行われ、名水を核とした地域振興にも取り組んでいる。そこで、近年、健全な水循環がもたらす恩恵と人間社会の営みとの共生や、水のある暮らしや風景の復権が強く求められる中、地域住民などが、望ましい水環境を保全・維持する取組に主体的に関わり、地域の生活に溶け込んでいる名水が新たに百か所選定された。選ばれた名水の6割以上は、山間部の湧水となっており、水の豊かな埼玉県、新潟県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、滋賀県、鹿児島県からは4か所づつが選定されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9797
環境省「水環境総合情報サイト」:
http://www.env.go.jp/water/mizu_site/index.html

テレビ会議で、飛行機による出張を減らす。WWF報告書

英国WWFの報告書によると、ビデオ会議を使うことにより、これまでの飛行機による出張を減らし、排出される二酸化炭素を大幅に減らせる可能性がある。英国では、輸送部門の中で飛行機による旅行が二酸化炭素の排出に二番目に大きな影響を持っている。このままの状況が続けば、2050年には英国が排出を許される二酸化炭素の大部分を占めてしまうと言われており、燃料価格の高騰も相まって英国の多くの企業では、飛行機以外の移動手段を模索している。すでに英国の大企業の89%は、今後10年間で飛行機による出張を減らしたいと考えている。報告書によると、もし、欧州の企業が出張を20%減らし、テレビ会議に切り替えたとすると、年間2200万トンの二酸化炭素排出を削減できるとしている。

WWFニュース(英語):
http://www.panda.org/about_wwf/what_we_do/climate_change/news/index.cfm?uNewsID=135281
温暖化新聞記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080614_1.html

地球温暖化問題に関する懇談会の提言書がまとまる

福田総理が主催する地球温暖化問題に関する懇談会は、約3か月間の議論の内容を取りまとめ、中長期的な温暖化対策などを盛り込んだ提言『「低炭素社会・日本」をめざして』を発表した。その中で、地球温暖化問題が環境、資源、エネルギー、食糧、水、産業構造など経済・社会基盤に関わる非常に重大な問題であり、21世紀の日本のあり方を考え総合的かつ長期的な国家戦略が必要があることや、低炭素社会の実現に向けて国民全員の参加が不可欠であると共に、社会的コストも想定される中、広く国民レベルでの応分の負担が必要であることが盛り込まれている。さらに、低炭素社会の実現には、「技術」、「エネルギー」、「資金」、「社会」それぞれのイノベーションが不可欠であるとし、国レベル、地域レベル、企業・家庭・個人の各レベルでの取組についてそれぞれ提言が述べられている。

首相官邸「地球温暖化問題に関する懇談会」:
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaphoto/2008/06/16ondanka.html

01:49 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月29日 (月)

サステイナブルなニュース 第59号

すっかり涼しくなり秋の台風シーズンに突入しましたが、今年は太平洋の高気圧の配置により台風のコースが例年と少し違い、まだ1度も日本に上陸していません。その代わり台湾や中国に上陸して大きな被害をもたらしているようです。気候変動がもたらす国内への様々な影響の予測は、この後ご紹介するニュースの記事の中にも書かれています。

最後のニュースでご紹介する6月に発表された「福田ビジョン」ですが、低炭素社会に向けた政府の約束として信じたいところですが、最近の政局の状況ではすっかり霞んでしまっているように見えます。10月から開始が予定されている国内排出量取引制度の試行はようやくその内容が見えてきましたが、かなり妥協の産物となっているようです。その他の政策においても経産省が太陽光発電への補助金を発表したり、単発の政策は実施されつつあるようですが、京都議定書目標達成に向けた大きな動きは相変わらず進展がみられません。そんな中、いわゆる「グリーン税制」に関する検討は少しづつは進んでいるようです。

それでは、今週のニュースをお送りします。主に6月上旬に発表されたニュースです。

******** サステイナブルなニュース 第59号 ******************

省エネ法の規制強化、コンビニなども規制対象に

今年5月の国会で省エネ法(エネルギーの使用合理化に関する法律)が改正され、規制の対象がこれまでの大規模な工場・オフィスからコンビニなどのフランチャイズチェーンまで広がる。今回の改正では、これまで工場単位だったエネルギー管理義務が事業者単位(企業単位)に変更され、これまで産業部門での省エネルギー重点的に進めて来たが、近年、二酸化炭素の排出量が増加している業務部門や家庭部門での対策を強化する。さらに、これまでの2000平米以上の大規模な住宅・建築物に加え、一定の中小規模の住宅・建築物も省エネルギーの取組に関する届出の対象に追加すると共に、住宅を建築し販売する事業者に対し、住宅の省エネ性能向上を促す。この改正省エネ法の施行は一部規定を除き平成21年4月1日より。

経済産業省ホームページ:
http://www.meti.go.jp/press/20080304002/20080304002.html

地球温暖化、日本への影響を詳細に予測

地球温暖化に伴う将来の日本への影響について、水資源、森林、農業、沿岸域、健康などの各分野で総合的に予測した研究成果が発表された。2005年にスタートした研究では、国内の約45名の研究者が参画し、2050年頃までを重点におきつつ今世紀末までの日本およびアジア地域の温暖化の影響予測および経済評価を行い、その影響やリスクを総合的に評価している。その結果、地域差があるものの、洪水や土砂災害の増加、森林の北方への移動と衰退、米作への影響、高潮災害の拡大や沿岸部での液状化リスクの増大、熱中症患者の増加、感染症の潜在的リスクの増加といった多岐にわたる影響が現れることがわかった。さらに、気温上昇と温暖化の影響の程度との関係を示す「関数」を構築し、比較的低い温度上昇で厳しい影響が出ることを明らかにした。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9770

「福田ビジョン」サミットを控え自らの温暖化対策を語る

福田首相は、洞爺湖サミットを控えた6月9日、自らの地球温暖化への取組みを「福田ビジョン」として発表した。まず日本を「低炭素社会」へ転換する必要性を強調し、それを新たな経済成長の機会とすることで、大きなチャレンジとして自信を持って踏み出すべきと述べた。CO2排出量に関する長期目標については、日本としても現状から60~80%の削減を目標として掲げるとしたが、2020年までの中期目標については、今後セクター別アプローチによる積み上げにより確実に削減できる数字を明確にしていくとし、明言を避けた。具体的な政策としては、「革新技術の開発と既存先進技術の普及」、「国全体を低炭素化へ動かしていくための仕組み」、「地方の活躍」、「国民主役の低炭素化」の4つを述べた。既存先進技術である再生可能エネルギー普及に関する目標として2020年までに原子力を含む「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上に引き上げるとした他、排出量取引制度や環境税の導入についても積極的に取り組むとしている。

「福田ビジョン」スピーチ(テキスト):
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/06/09speech.html
「福田ビジョン」スピーチ(動画):
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1904.html

12:58 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月20日 (土)

サステイナブルなニュース 第58号

普段はあまりフィクションは読まないのですが、久しぶりに「マグマ」という日本のエネルギー問題を扱った経済小説(?)を読みました。日本の地熱発電は何故、普及しないのかという素朴な疑問からスタートし、エネルギー開発会社の再生という経済問題を扱いながら、日本の原子力行政の問題点を突くという非常にバラエティに富んだ内容です。登場人物による人間ドラマも、そのストーリーの展開の面白さと合わせ、魅力的です。この著者の最新作は「ベイジン(北京)」というタイトルで、原子力を真正面から扱っているそうです。こちらも是非、読んでみたいと思います。

国内の自然エネルギーの普及を計る指標として、「エネルギー永続地帯」というものがあります。昨年は、市区町村毎のエネルギー自給率を民生用電力について試算したものが発表されましたが、今年は太陽熱や地熱などの熱を含めた試算を行っており、先週、千葉大学との共同研究として発表を行いました。電力については、太陽光や風力発電の供給量が増えており、電力に関する100%永続地帯(100%の民生用電力を自給している市町村)が86となりましたが、熱については100%自給している市町村は9という結果になりました。熱については、まだ計算の中にバイオマスが含まれていませんが、統計データの整備と更なる普及が求められていると思います。

このブログでも何度か注目してきた北極海の海氷ですが、先日、今年の最小面積を記録し増加に向かっているそうです。NASAが今年の海氷の溶け方をアニメーションにしています。今年は昨年に引き続き歴代2位の面積最小記録となりましたが、確実に極地方の氷が溶け、世界の気候に影響が出始めていると言えそうです。もちろん、海面上昇に直接影響のある陸の氷床としてグリーンランドの氷と南極の氷も非常に心配です。

さて、今週のサステイナブルなニュースでは、2つの白書を取り上げます。ひとつは森林白書、そしてもう一つはエネルギー白書です。森林が国土の面積の70%を占め、森林資源が豊富なのにそれを十分に活用していない日本。一方、エネルギーについては自給率が約6%しかない日本。いずれも日本の実情を如実にあらわしています。そしてもうひとつのニュースが日本が世界の水資源をいかに浪費しているかがわかる「バーチャルウォーター」についてです。

***************** サステイナブルなニュース 第58号 ************

日本の森林の多面性と林業の方向性を提示、森林白書

今年の森林白書では、森林が持つ地球温暖化防止、国土の保全、水源のかん養、生物多様性の保全などの多様な機能を紹介し、日本の森林の持つ多面性を訴えている。日本は国土の3分の2を森林が占める世界有数の森林国であり、利用可能な国内の森林資源は充実した状態にある中、これまであまり利用されてこなかった国産材への期待が急速に高まっている。しかし、これまで輸入材に頼り、国産材の利用が低迷してきたことにより、林業を取り巻く環境の厳しさには深刻なものがあり、長期的な視野に立った効率的で安定した林業経営の確立が重要となっている。第1章「林業の新たな挑戦」では、国内の林業において、必要な森林整備を行いつつ、国産材の安定供給を実現するため、意欲ある林業事業体の育成や、森林所有者からの長期的な施業受託など、そのための仕組み作りの重要性が強調されている。

「平成19年度森林・林業白書」:
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_rinya/h19/zenbun.html
「私の森.jp」: http://watashinomori.jp/

世界の水環境問題を知るために、普及啓発サイト

環境省は、水の大切さや世界の水環境問題と私たちの生活とのつながりを理解するための普及啓発サイト「バーチャルウォーター」を開設した。近年、地球温暖化による気候変動や途上国などでの急激な人口増加や経済発展と共に、世界の水環境問題は深刻な状態となってきている。その一方、日本は、食料の60%以上を輸入に頼っており、その輸入食料を生産するために必要な水は「バーチャルウォーター」と呼ばれ、年間800億立法メートルに達していると推計されている。この量は、日本の年間水道利用量の約8倍に達しており、私たちの普段の生活と海外の水環境問題との関わりを漫画などでわかりやすく解説している。例えば、1kgのトウモロコシを生産するには、1,800リットルの水が必要となり、このような穀物を消費して育つ牛1kgを生産するには、約20,000リットルの水が必要といわれている。

環境省「バーチャルウォーター」: http://www.env.go.jp/water/virtual_water/

原油高騰と地球温暖化問題の解決への対応を分析、エネルギー白書

経済産業省が発表した今年のエネルギー白書は、近年の原油価格の高騰を取り上げ、その要因の分析と今後の方向性を提示すると共に、地球温暖化問題の解決に向けた国際的な取組について紹介し、短期・中期・長期それぞれの戦略的な取り組みの必要性を訴えている。原油価格は、2000年以降、上昇傾向を続けており、2004年以降はさらに加速して史上最高値を更新し続けている。世界の石油需要は中国などを中心に90年以降、一貫して増加する一方、供給側は供給余力が低水準で推移する状況が続いており、これらが石油高騰の基礎となっている。そこに中東地域の地政学リスクや生産コストの上昇、人材不足などの加え、金融市場での投資マネーの流入や先行き不安などのプレミアが加わり、近年の石油高騰につながっていると分析している。この石油高騰を受け、産業や民生・運輸など様々な分野での省エネへの投資や代替エネルギーへの転換が今後、急速に進むと考えられるとしている。

資源エネルギー庁「エネルギー白書」:
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm

11:55 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月15日 (月)

サステイナブルなニュース 第57号

この秋から試行が始まる予定の国内排出量取引制度ですが、まだまだ制度面の詳細は決まっていないようです。環境省は数年前から自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を実施し、制度の仕組みを整えて来ました。今年に入りカーボン・オフセットフォーラムを設立し、海外からの京都クレジットだけではなく、国内クレジット(VER)の為の仕組みも整備を進めています。一方、経産省では、国内CDM制度の実現を目指しており、昨年あたりから、検討やモデル事業を行ってきました。今年の6月には国内クレジット推進協議会を設立し、国内クレジット制度に関するパブコメも開始しています。しかしながら、「国内クレジット」の具体的な中身については、まだまだ様々な議論があり、紆余曲折が予想され、当面はしっかりその中身を見定める必要がありそうです。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、農業や食料に関する白書の話題を取り上げています。地産地消への取り組みが各地で行われ、、国内の食料自給率も少しづつですが回復する兆しが見える中、日本の農業の行く末はまだまだ予断を許しません。国立環境研究所を中心とした研究グループからは低炭素社会を実現するための「12の方策」が発表されています。2050年低炭素社会のビジョン実現に対する方策が示されています。最後は、国連の植樹プロジェクトの話題です。当初の目標をすでに達成し、追加目標を設定されたようです。これが各国での有効な植樹であれば、この勢いでさらに継続して欲しい取り組みです。

************* サステイナブルなニュース 第57号 ****************

農業の体質強化と農村地域の活性化が課題、食料・農業・農村白書

農林水産省は平成19年度の「食料・農業・農村白書」を発表した。食料自給率が40%以下と低迷し、農業経営を取り巻く状況が厳しさを増す中、「農業の体質強化と農村地域の活性化」や地球温暖化対策や生物多様性の保全のための「地球環境対策と農村資源の保全・活用」について特集している。我が国の農業は、農地面積の減少や農業従事者の減少・高齢化により農業構造の脆弱化が急速に進行しており、農家一戸あたりの農地面積は1.8haとEUの1/9に留まっている。その中で主力農産物の米については米価の大幅な下落のため「米緊急対策」が実施され、生産調整の見直しが行われている。耕作放棄地が増える中、農地の利用集積についても様々な促進策が講じられ、農業経営の安定と競争力の強化を図るための取り組みも各地で行われている。

農林水産省「食糧・農業・農村白書」:
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h19/index.html

2050年までに70%削減、低炭素社会に向けた12の方策

国立環境研究所を中心とする研究グループは、2050年までに温室効果ガスの排出量を70%削減することを可能にする「低炭素社会に向けた12の方策」を研究成果として発表した。昨年2月に発表した日本の温室効果ガス排出70%削減のシナリオ分析結果をもとに、どの時期に、どのような手順で、どのような技術や社会システム変革を導入すればよいのか、それを支援する政策にはどのようなものがあるかを、12の方策として整合性をもってまとめ、それぞれの方策の削減効果を定量的に把握した。エネルギー需要の面では「快適さを逃さない住まいとオフィス」「滑らかで無駄のないロジスティックス」「歩いて暮らせる街づくり」などがあり、「安心でおいしい旬産旬消型農業」「森林と共生できる暮らし」など農業や林業についても言及している。エネルギー供給の面では「カーボンミニマム系統電力」「太陽と風の地産地消」などについての具体的方策を提言している。

国立環境研究所プレスリリース:
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2008/20080522/20080522.html
「脱温暖化2050プロジェクト」; http://2050.nies.go.jp/index_j.html

目標本数を70億本に引き上げ、国連の植樹キャンペーン

国連環境計画(UNEP)は、「10億本植樹キャンペーン」の2009年末までの目標本数を70億本に大幅に引き上げることを発表した。これは地球温暖化に伴う気候変動への取り組みとして2009年末に開催されるCOP15までの重要な期間でもあり、世界中の人々が一人1本を植樹することにより達成できる象徴的な数字となっている。国連環境計画(UNEP)と世界農林センター(ICRAF)が2006年から進めている「10億本植樹キャンペーン」では、多くの市民や団体の手で、昨年の段階ですでに20億本が世界155カ国に植樹され、当初の目標を大きく上回る成果を上げた。植樹された樹木は地球温暖化対策として二酸化炭素の吸収源になるだけではなく、その地域の復興や保全に様々な恩恵をもたらし、農業環境の改善、水の保全やエネルギーの供給や生物多様性の保全も可能となる。これまでの実績ではエチオピアの7億本を筆頭に、トルコ4億本、メキシコ2.5億本、ケニア1億本などとなっている。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=535&ArticleID=5806&l=en
「温暖化新聞」記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080522_1.html

12:03 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 8日 (月)

サステイナブルなニュース 第56号

先週の最大のニュースといえば、福田さんが辞任表明したことでしょうか。ねじれ国会と数々の難題、やはり福田さんも普通の人だったということかもしれません。洞爺湖サミットの前には、あの「福田ビジョン」を発表し、気候変動政策ではそれなりにがんばっていたのですが、この勢いを次の首相も引き継いで頂きたいと思います。

さて、今週のニュースをお送りします。5月下旬のニュースですので、その後、東京都については、条例も可決され、新しい制度に向けた準備が着々と進められています。この環境確保条例の改正については、すでに何度か説明会が開催され、説明資料が公開されています。主な内容は大規模事業所への「総量削減義務と排出量取引制度」ですが、それ以外にも中小事業者への対策(報告制度など)も含まれています。国では、この秋から国内排出量取引制度の試行が開始される予定ですが、そちらも含め注目して行きたいと思います。

**************** サステイナブルなニュース 第56号 *****************

国土交通白書、地球温暖化をメインテーマに

今年の国土交通白書では、地球温暖化がメインテーマとして取り上げられ、「地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開」について詳しく紹介されている。国土交通省では、住まいやまちづくり、交通ネットワークの整備、防災、気象情報の提供など、暮らしに密着した行政分野を担っており、近年、地球温暖化に対応した各種の対策を推進している。地球温暖化がもたらす気候変動の監視・予測については、気象庁が国内や近海だけではなく、世界のデータを収集しており、気候変動の予測を「全球気候モデル」を使って行っている。国土地理院では、「地球地図」の作成を推進し、今年3月にその第1版を取りまとめた。地球温暖化への適応策と緩和策は車の両輪であり、気候変動の影響による自然災害の被害を最小限に留め、合わせて緩和策として都市計画、建築分野、交通分野などにおいて各種のCO2排出削減に取り組んでいる。

「平成19年度 国土交通白書」:http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/index.html
国土地理院「地球地図」:http://www1.gsi.go.jp/geowww/globalmap-gsi/globalmap-gsi.html

東京都、排出量取引制度導入を含む条例改正へ

東京都では、地球温暖化対策を強化し、大幅なCO2排出削減を実現するための「環境確保条例」の改正案を次回の定例都議会に提案する。この改正案には、大規模なCO2排出事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の導入が含まれている。その他、中小規模事業所へのCO2排出量等の報告制度を創設し、多数の事業所を有する企業などには提出を義務化する。さらに、地域におけるエネルギーの有効利用に関する計画制度を創設し、大規模開発における省エネ性能目標値の設定や未利用エネルギーの活用を検討する。節電・省エネ機器などの設置努力義務や認定制度による普及促進などにより家庭用電気機器等に関するCO2削減対策を強化する。今回の改正案については、気候変動の危機など人類・生物の生存基盤を脅かす問題、健康で安全な生活環境に支障を及ぼす問題などに適切に対応するため、東京都環境審議会の答申が3月に行われた。

東京都環境局プレスリリース:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/05/20i5g400.htm
東京都環境審議会の答申について:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2008/03/40i3v100.htm

クボタ、日本農業の活性化を支援するプロジェクトを展開

株式会社クボタは、耕作放棄地の再生支援など日本農業の活性化サポートとして「クボタeプロジェクト」を展開することを発表した。食料供給・国土保全など重要な役割を担う日本農業は近年、就業人口の減少、農家の高齢化・二極化、地域の過疎化といった厳しい問題に直面している。本プロジェクトでは、ディーラや第三者機関と連携し、より具体的に地域・農家・学校などと深く広く関わることにより、地球環境保全や日本農業の活性化を支援する。耕作放棄地の再生支援として、農地への復元整備や作物栽培作業の一部を、農業機械とオペレータの提供を通じて支援する。小学校や主催する農業体験野外学習の支援では、農業体験教室を開設し、稲作体験を通じた農業への理解促進と情操教育の推進に取り組む。その他、ご当地ブランド・産直品の全国PR支援、「菜の花プロジェクトネットワーク」などのバイオ燃料用作物栽培の支援なども行う。

プレスリリース:
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=189195&lindID=5

02:14 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 1日 (月)

サステイナブルなニュース 第55号

北京オリンピックが終わり1週間が経ち、すっかり過去の出来事になった感じがします。その間にもグルジアでの緊張の高まりや北極海の氷の減少、米国の大統領選挙と大型ハリケーン来襲と、国際的な重大ニュースが続いています。中国や原油需給の今後も含め、目が離せません。

先週の金曜日、東京都が新たな地球温暖化に向けた取組を盛大に発表しました。太陽エネルギーの利用拡大に向けた連携プロジェクトのキックオフ大会が都庁の大会議室で開催され、私も出席してきました。6月に発表された排出量取引制度に続く、新たな取組です。また、東京都が取組む再生可能エネルギー戦略の一部でもあります。当日発表された新たな政策は、都内の太陽エネルギーの大幅な利用拡大(平成22年度までに4万世帯分)を目指し、住宅用の太陽光発電や太陽熱温水器への補助金を交付するというものですが、10年分の環境価値を東京都が取得し、それを証書化(グリーン電力証書グリーン熱証書)して大企業などに販売するという仕組みです。詳細はこれから決まって行くと思いますが、制度への期待は非常に大きく、国も支援する太陽光と合わせ、太陽熱の大幅な利用拡大が期待されています。

それでは今週のニュースをお送りします。NTTグループのグリーン電力に対する取組みや大規模事業者からのCO2排出量の公表制度についてなど、ホットな話題となっています(5月上旬のニュースです)。

*********** サステイナブルなニュース 第55号 ********************

NTTグループ、太陽光発電による「グリーンNTT」の推進を発表

NTTグループは、更なる地球温暖化防止活動として、太陽光発電を中心とした自然エネルギーの利用を促進する「グリーンNTT」を発表した。2012年までに、5000kW規模を目指して太陽光発電を中心に導入を進めるとともに、NTTグループ内における太陽光発電を中心とした自然エネルギー利用普及のための有限責任事業組合「NTT-グリーンLLP」を新たに設置する。NTTグループは、これまでに約1800kW規模(112か所)の自然エネルギーによる発電システムを導入しているが、5000kW規模までの拡大を目指し、研究所や通信設備センターを中心に太陽光発電システム等の設置を進める。さらに、NTTグループ各社が出資して7月を目途に「NTT-グリーンLLP」を設立し、NTTグループにおける積極的導入促進を行うと共に、将来的にはグループ外への拡大などを検討する。

NTTグループ・プレスリリース:
http://www.ntt.co.jp/news/news08/0805/080502a.html

国内企業による温室効果ガス排出の実態を公表

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量について、国内の大口排出事業者からの排出量を算定、報告、公表する制度が今年から始まった。気候ネットワークでは、この3月に公表された2006年度の情報および情報開示請求を行って入手した個別排出事業者の排出量を分析し、その分析結果を発表している。特に排出量の大きい電力会社や熱供給事業会社などの「電気業」は、日本全体の排出量の28%を占めており、素材製造業として鉄鋼業が14%、化学工業が6%と大きな割合を占めている。全14,224事業所のうち230事業所の排出量で日本全体の50%を占めており、電気業や素材製造業の上位排出事業者に極端に集中している実態が明らかになった。例えば、排出量が1位の特定排出事業所は、下位の7000事業所の排出量にほぼ等しい。さらに気候ネットワークでは、本制度に基づく公表内容について非開示事業所などの多くの問題点を指摘している。

環境省・経済産業省「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度について」:
http://www.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/
気候ネットワーク・プレスリリース:
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2008-04-11.html

アジア開発銀行、年次総会において気候変動や食料危機への対応を発表

アジア開発銀行は、スペインのマドリードで開催されている第41回年次総会において、現在の深刻化しているアジア太平洋地域での気候変動や食料危機への対応について発表した。気候変動に対しては、新たに4000万ドル規模の気候変動基金を創設し、より全体的なアプローチにより温室効果ガスの排出削減や気候変動への適応措置を行う。これには森林や土地利用、生活改善、健康、異常気象への対応なども含まれている。現在、アジア太平洋地域では2020年までに約12億人が水不足になり、2050年までに食料生産が半分に激減することや主要な都市が洪水に襲われることが予測されている。さらに、現在、緊急の問題となっているアジア太平洋地域での食料コスト上昇に伴う食料危機について、緊急に5億ドルの予算措置を発表した。さらに2009年までに農業分野等へ、従来より2倍の20億ドル規模の融資も行う。

アジア開発銀行プレスリリース(気候変動基金について):
http://www.adb.org/media/Articles/2008/12474-asian-climates-changes/
アジア開発銀行プレスリリース(食糧危機への対応について):
http://www.adb.org/Media/Articles/2008/12483-asian-food-crisis/default.asp

09:08 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月22日 (金)

サステイナブルなニュース 第54号

北京オリンピックも残すところ数日となり、オリンピック後の中国の動向も気になり始めました。原油の高騰も現在は一旦落ち着いていますが中国の経済が再び本格稼動し出すと状況がまた変わるかもしれません。

前回のニュースから少し間が空いてしまいましたが、今回も3つのニュースをお送りします。これらは4月下旬に発表されたものですが、UNEPのCN Netや環境省のエコファースト制度もその後、加盟団体は徐々に増えているようです。航空業界は、燃料費の高騰でCO2の削減はそのままコストの削減につながるという意味合いもありそうです。

************** サステイナブルなニュース 第54号 *********************

「気候ニュートラル・ネットワーク」(CN Net)の参加団体が増加中

国連環境計画(UNEP)が今年の2月に設立した「気候ニュートラル・ネットワーク」(CN Net: Climate Neutral Network)では、この4月に新たに10の企業や団体がネットワークに参加したと発表した。このCN Netは、地球温暖化による気候変動を避けるために率先して温室効果ガスの大幅削減に取り組み、その排出量をゼロにすることを目指す国、都市、団体や企業のインターネット上のネットワーク。2月の設立時には、13の国、都市、企業が参加していた。国としては、コスタリカ、アイスランド、ニュージーランドそしてノルウェイの4カ国。コスタリカは、独立200周年を迎える2021年までに排出量ゼロ(ニュートラル)を目指す。アイスランドは2050年までに温室効果ガス排出量の75%削減を目指しているが、すでに発電量の99%、エネルギー全体の75%は、地熱や水力などの再生可能エネルギーで賄われている。

国連環境計画(UNEP)「気候ニュートラル・ネットワーク」:
http://www.climateneutral.unep.org/
温暖化NEWS記事:
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080427_1.html

JAL、「空のエコ」プロジェクトを発表

日本航空JALは、「空のエコ」プロジェクトとして、これまでの環境社会活動を推進すると共に、航空機から排出される二酸化炭素の削減目標や「JALエコジェット」の運航について発表した。二酸化炭素の排出量については、2010年までに1990年比で有効トンキロ輸送量あたり20%の削減を目指す。そのため、機材更新による燃費効率の向上、適正高度の選択や新着陸方式、エンジンのクリーニングや航空機の軽量化などを実施する。さらに6月より、地球環境への取り組みの象徴として尾翼を緑に塗装した「JALエコジェット」を運航し、顧客など社会への呼びかけを行う。環境社会活動としては、1993年より開始している高度1万メートルでの大気の採取を継続し、気候変動のメカニズム解明をサポートすると共に、シベリア、アラスカ、インドネシアなどの森林を上空から観測して、森林火災の情報提供する活動についても継続する。

JALプレスリリース:
http://press.jal.co.jp/ja/release/200804/000906.html

環境省が「エコ・ファースト制度」を創設し、2企業が「約束」

環境省は、4月に業界のトップランナー企業の環境保全行動を促進するため、企業が環境大臣に対して自らの環境保全に関する取組を約束する「エコ・ファースト制度」を創設した。この「エコ・ファーストの約束」を行った企業に対しては「エコ・ファースト・マーク」の使用が認められる。この制度の第1号となった株式会社ビックカメラでは、家電リサイクルの適正かつ積極的な推進や、地球温暖化防止に向けた取組として省エネ家電の普及促進やCO2削減目標の設定(2010年までに2006年比で店舗面積あたりの排出量を4%削減)などを「約束」している。第2号となった食品小売の株式会社ユニーでは、食品リサイクル適正かつ積極的に推進するとして2021年までに食品売上高当たりの食品廃棄物の発生量を2007年比で10%削減する。

環境省プレスリリース(創設と第1号認定):
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9595
環境省プレスリリース(第2号認定):
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9605

12:41 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月11日 (月)

サステイナブルなニュース 第53号

いよいよ北京オリンピックが開幕しましたが、2008年8月8日午後8時からの開幕式をご覧になった方も多いのではないでしょうか。中国がその威信にかけて行う一大イベントだけあって、その壮大さには目を見張るものがありました。巨大な地球儀の周りを走り回る人にはびっくりしましたが... 日本も東京オリンピックを契機に急速な経済発展をしましたが、中国も同じような道を辿るのでしょうか。2000年頃から石炭や石油の消費量を急速に伸ばし、CO2の排出量も世界第一位のアメリカを超えたと言われる中国。今後の動向に目が離せません。

日本では、異常な高温と局所的な集中豪雨が続いています。今年は台風の数が少ないと感じるのは私だけでしょうか。西日本の渇水の状況は日に日に厳しくなっているようです。地球温暖化の影響予測では台風の数が減り大型化するというものがあったような気もします。地球の気候に大きな影響を与える北極の氷は今年の夏も急速に減っています。まだ昨年ほどの急激な減少は見られないようですが、北極点付近でも年々氷が薄くなっており、再び氷が増え始める9月中旬までは安心できません。日々の北極海の海氷の様子が北極圏海氷モニターで見ることができます。

それでは、今週のニュースをお届けします。最近話題になっているカーボン・オフセットなどで用いられる京都クレジットの取引価格の情報提供、持続可能な農業に関する提言、そして東京都を始めとする八都県市の動きです(いずれも4月下旬の情報です)。

***************** サステイナブルなニュース 第53号 ******************

日経と国際協力銀行(JBIC)が共同で排出量取引の価格気配情報

国際的な温室効果ガス削減の手段として排出量取引が注目される中、国際協力銀行(JBIC)と日本経済新聞デジタルメディアは共同で、日本国内における排出量取引の価格気配動向を算出し公表を4月21日に開始した。今年から第一約束期間が始まった京都議定書の京都メカニズムとして実施されているCDM(クリーン開発メカニズム)などからの排出量クレジットの取引が開始されたが、取引は相対で行われて価格が非公開となっている。一方、排出量取引の活用としてカーボン・オフセット等の検討する企業が増え、価格情報のニーズが高まっている。そこで、取引市場の主要参加者5社の協力で、日本国内で確定排出量取引をする場合の価格動向を気配値として公表する。公表は毎週月曜日に「日経エコロミー」および国際協力銀行/JOIの「排出権取引プラットフォーム」から「日経・JBIC排出量取引参考気配」として行われる。

プレスリリース「日経・JBIC排出量取引参考気配」の公表について:
http://eco.nikkei.co.jp/NJCI/article.aspx?id=20080418q5000q5
「日経エコロミー」: http://eco.nikkei.co.jp/
国際協力銀行/JOI「排出権取引プラットフォーム」: http://www.joi.or.jp/carbon/

持続可能な農業に関する報告と提言がまとまる

持続可能な農業に関する調査結果が4月16日に開催されたシンポジウム「本来農業への道」で発表された。同時に公表された報告書では、持続可能な社会に向けた農業の役割に関する報告と提言として、持続可能な農業の基本条件に関するアンケート調査結果、日本の持続可能な農業の実現に向けた10の提言などがまとめられている。この調査プロジェクトでは、多くの大学有識者、NPO、農業関係者により、2006年より4回の委員会が開催され、科学的な見地に立った上で、社会的な側面を考慮し、中立的な立場で日本国内および世界の農業の持続可能性について文献調査やアンケート調査が行われている。これまでの世界の農業の急速な発展により、土壌の劣化や塩害、肥料・農薬の多用による悪影響の他、グローバル化の進展による貿易の不均衡、大企業による農材・種子の市場支配など多くの課題があり、日本国内での農業のあり方を含め、その持続可能性が問われている。

「本来農業への道」: http://www.sas2007.jp/index.html
「持続可能な農業に関する調査プロジェクト」報告書:
http://www.sas2007.jp/download.html

八都県市首脳会議・首都圏連合フォーラムが環境行動宣言を採択

八都県市首脳会議と各地域の商工会議所などから構成される首都圏連合フォーラムでは、4月22日に環境行動宣言を発表した。特に地球温暖化防止への取り組みとして低炭素社会の実現を目指し、太陽エネルギーの利用や意識啓発や環境教育などに連携して取り組むことや、アジア諸国やアフリカ地域などへの環境分野の支援なども強化するとしている。この7月には洞爺湖サミットと合わせて八都県市地球温暖化防止一斉行動「エコウェーブ」として、7月7日20時に一斉消灯を実施する。八都県市首脳会議は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市より構成され、「あおぞらネットワーク」による大気保全や地球温暖化防止キャンペーンや省エネ型家電拡大キャンペーンなど、環境問題を始めとした首都圏広域の課題に取り組んでいる。

[八都県市温暖化防止キャンペーン]
http://www.8tokenshi-kankyou.jp/global-w.html
[首都圏連合フォーラム環境行動宣言]
http://www.8tokenshi-kankyou.jp/images/news/news080422.pdf

02:24 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年8月 4日 (月)

サステイナブルなニュース 第52号

連日、34℃を越える暑い日が続いていますが、最近の集中豪雨は本当に熱帯の様になってしまいました。北海道に前線があるのも以前の日本の気候とは違うような気がします。身の回りの気候が目に見える形で年々変化することに本当に不気味さを感じます。最近読んでいるレスター・ブラウンの著書「プランB3.0」には世界中の気候変動の現実や兆候が、これでもかというぐらいに書かれていますが、それらを直視することは精神的にもとても厳しいものがあります。それでも、何らかの形でこれらの気候変動の現実や予測を直視することが私たちの義務なのでしょう。

先週は、東京ビックサイトで、新エネルギー世界展示会が開催されていました。最終日の午後からなんとか会場に行くことができ、1スパンのみの展示会場を一回りした後に、風力および地熱のセミナーを聴講することができました。展示会では、小規模ながら、国内の再生可能エネルギーに関する情報を得ることができました。ひとつには、東京電力のブースにあった電気自動車(三菱自動車製)が最初に目につきました。家庭で充電可能で、フル充電で約160km走行できるそうです。さらに驚いたのが、フルで電池容量が16kWhなので、約300円余りで160km走ることになります。まだ価格は300万円ほどするそうですが、いよいよ来年から発売が始まり、2010年になると他のメーカも続々と電気自動車を発売する予定だそうです。10年も経たないうちに電気自動車があちらこちら走ることになる様な気がしてきました。もちろん利用できる電力として、自然エネルギーからの電力が選べればCO2フリーの自動車も夢ではなくなりますが、是非、そのような仕組み作りも同時に進めるべきでしょう。

さて、今週のサステイナブルなニュースです。最初は、サステイナブルではないニュースとして、世界のCO2排出量が年率3%で増え続けているという話題。そして、ついに白熱灯の販売を中止するメーカの話題と国内排出量取引として国内クレジットに関する協議会発足のお話です。

***************** サステイナブルなニュース 第52号 *****************

世界の二酸化炭素排出量は、年率3%以上で増加中

地球温暖化の原因となる世界中の二酸化炭素の排出量が化石燃料の使用により増加し続けていると米国の民間シンクタンク・アースポリシー研究所が警告を発している。2006年の二酸化炭素の排出量は307億トンに達し、2000年と比べ20%増加した。この6年間の増加率は年率3.1%となっており、地球温暖化の防止が叫ばれる中、1990年代の増加率の2倍に達し、世界の排出量の増加はむしろ加速している。この二酸化炭素排出量の増加率はIPCCが地球温暖化の予測シナリオの中で最悪のケースとして想定している増加率2.3%よりも高い。世界各国の排出量の内訳を見ると上位5カ国の排出量が、世界全体の半分を占め、その中でも米国と中国を合わせた排出量が世界の3分の1以上となっている。特に中国の排出量の増加は著しく、1990年の2倍に達しており、平均すると毎週2基の石炭火力発電所を新たに建設している。

アースポリシー研究所プレスリリース(英語):
http://www.earthpolicy.org/Indicators/CO2/2008.htm

白熱電球の製造を2010年までに中止、東芝ライテック社

電球製造の国内最大手、東芝ライテックは2010年を目途に一般白熱電球の製造を中止し、年間約4000万個の白熱電球を製造している生産ラインをすべて廃止することを発表した。地球温暖化防止の観点から世界的にも白熱電球から電球型蛍光灯への置き換えが進んでおり、東京都などでも「白熱球一掃化作戦」を実施している。東芝ライテックでは、120年前に日本で最初の白熱電球を実用化したが、1940年には日本で始めての蛍光ランプの製造を開始し、1980年には電球型蛍光灯を実用化して累計で約1億2千万個の販売をしてきた。今後、一般白熱電球に代えて電球型蛍光灯やLED電球などの省エネ製品を販売する事業活動に注力することにより、2010年には現在と比べ年間50万トンのCO2削減に貢献できると試算している。

東芝ライテック・プレスリリース:
http://www.tlt.co.jp/tlt/topix/press/p080414/p080414.htm
東京都「白熱球一掃化作戦」:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sgw/hakunetu/index.htm

経済界を中心とした国内排出量取引の協議会発足へ

取組みの遅れている中小企業の温暖化対策を支援するため、経済産業省が構築を進めている「国内クレジット(CDM)制度」の普及活動などを行う「国内クレジット推進協議会」が設立される。日本商工会議所、日本政策投資銀行をはじめ24の国内企業および団体が発起人となり、5月下旬の設立を目指しており、洞爺湖サミットでのアピールや10月以降の制度紹介セミナーの開催などを計画している。この「国内クレジット(CDM)制度」では、民間、特に大企業の資金や技術を活用して、中小企業の排出削減を進める仕組みとして、削減した排出量をクレジットとして第三者認証機関が認証し、大企業などが自主行動計画の目標達成などに活用する。昨年度は経産省を中心に「中小企業等CO2排出削減検討会」において制度の整備に向けた検討を行っており、今年度は制度の基盤整備として審査人の人材育成やデータベース構築、制度の普及啓蒙などを行う。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20080415005/20080415005.html

09:24 午後 環境 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年7月27日 (日)

サステイナブルなニュース 第51号

連日の猛暑が続いていますが、今年も関東地方では、東京電力の「でんき予報」が始まり、平日の電力消費量の予想を毎朝公表しています。先週金曜日に今年初めて6000万kWを超えたとしてニュースになりましたが、昨年に引き続き今年も目が離せません。東京電力が先日発表した環境行動レポートによると、新潟県の原子力発電所が停止しているため、平成19年度のCO2排出係数が0.425kg-CO2/kWhとなり、前年比で25%も増加しています。このため東京電力の電気を使用しているユーザは、同じ電力を使用しているだけでCO2排出量が25%も増えることになります。これはもちろん東京電力が不足分を化石燃料による発電で補っているためですが、ユーザ側もなんらかの対策を真剣に考える必要があるのではないでしょうか。この機会にまず25%以上の省エネを行うことやグリーン電力を活用して自然エネルギーの利用を積極的に進めるのはいかがでしょうか。

それでは今週もニュースをお送りします。いま、国内で地産地消の自然エネルギーとして注目されているバイオマスの話題、政府の発表した日本のエネルギーの長期需給見通し、そしてすでに何回もご紹介しているカーボン・オフセットのフォーラム設立の記事です。

**************** サステイナブルなニュース 第51号 ******************

地域のバイオマス資源の積極的な活用を目指す市町村が増加

地域の未利用の資源として注目されているバイオマスを積極的に活用しようとする市町村が増えている。農林水産省は平成15年から推進しているバイオマス・ニッポン総合戦略の中で、地域内で安定かつ適正なバイオマスの利活用が行われることを目指した「バイオマスタウン構想」を進めている。3月には新たに31市町村から公表され、現在、全国の市町村136がこの「バイオマスタウン構想」を公表している。最も公表数の多い北海道からは17の市町村が公表しており、7月にサミットが開催される洞爺湖町では、農畜産業の振興や観光資源として、安心安全な農産物・水産物の提供と共に地域のバイオマス資源からのたい肥や飼料の利用を拡大し、地域特有の地熱や温泉熱とバイオマスなどの再生可能エネルギーを組み合わせる構想を発表している。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio/080331.html
農林水産省「バイオマス・ニッポン」:
http://www.maff.go.jp/j/biomass/index.html

経済産業省が2030年までのエネルギー需給見通し案を発表

経済産業省では、2030年までのエネルギー需要および供給の見通しについての案を発表し、意見募集を開始した。今回発表された「長期エネルギー需給見通し(案)」では、特にエネルギーの安定供給および地球温暖化問題への対応に関する政策課題を踏まえ、2030年までの国内のエネルギー需給とCO2排出量について予測している。2030年までの予測では「新・国家エネルギー戦略」の目標に基づき「エネルギー技術戦略」の進展・導入状況を想定し、現状固定ケース、努力継続ケース、最大導入ケースの3ケースに分けて分析されている。需要面では、エネルギー消費効率の改善や運輸部門の次世代化、供給面では原子力利用の推進、新エネルギーの導入促進、石油依存度の低減が掲げられている。2010年の需給見通しでは、京都議定書の第一約束期間の中間点であることを踏まえて、より詳細なエネルギー起源CO2排出量の分析が行われている。

経済産業省「長期エネルギー需給見通し(案)」:
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/080321.htm

低炭素社会を目指し「カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)」設立

環境省では、低炭素社会の実現に向けて4月1日に「カーボン・オフセットフォーラム」を設立した。市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の主体的な「カーボン・オフセット」への取組を支援するために、国内外の情報収集、ウェブサイトを通じた情報提供、イベントやセミナーなどの普及啓発、ヘルプデスクによる相談支援などの活動を行う。カーボン・オフセットでは個人や企業がCO2などの温室効果ガスの排出量を認識し、その削減努力と共に、排出量クレジットやグリーン電力証書など他の場所での排出削減や吸収によりその一部を埋め合わせる。海外ですでに推進されているカーボン・オフセットの取組みを踏まえ、この2月には「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」を発表している。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9558
カーボン・オフセットフォーラム(J-COF):
http://www.j-cof.org/index.html

09:33 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月22日 (火)

サステイナブルなニュース 第50号

このブログをスタートしてから約3年、サステイナブルなニュースをスタートしてから約1年が経過し、ニュースも第50号となりました。もう少しペースを上げたいところですが、週1回程度のペースが今はちょうど良いようです。

今年もまた暑い夏がやってきました。連日35℃を超える猛暑ですが、もう毎日の天気予報ですっかりおなじみになってしまい、慣れとは恐ろしいものです。昨年あたりから北極やグリーンランド、そして南極の氷が溶け始めているという観測結果やニュースがとても増えており、いわゆる正のフィードバックが働いているのではないかと、非常に心配になります。最近読み終わった「+6℃地球温暖化最悪のシナリオ」に書かれた内容がまさに現実味を帯びてきています。”+2℃”を超えるとこの正のフィードバックが止まらなくなる「ポイントオブノーリターン」を超えることになります。そのためには、CO2濃度を400ppmで安定化させる必要があると言われていますが、すでに380ppmに達しているのが現実です。全ての国々は、地球の気候を安定化させ、急激な気候変動を避ける方法を早急にかつ着実に実行する必要があるのではないでしょうか。

それでは今週のニュースをお送りします。すでに3ヶ月前に発表された内容ですが、ご参考になれば幸いです。

************ サステイナブルなニュース 第50号 ********************

平成18年度の温室効果ガス排出量の集計結果が公表される

環境省と経済産業省は、地球温暖化対策推進法に基づいて事業者から報告された平成18年度の温室効果ガス排出量の集計結果を公表した。報告を行った事業者数は約9000事業者に上り、温室効果ガス排出量の合計値として報告された約6.4億トンCO2は、我が国全体の排出量13.4億トンCO2の約半分に相当する。集計結果は、インターネットでも公開され、個別の事業者に対して開示請求を行うことができる。今回の集計では初めて電力会社や鉄鋼会社等の大規模排出事業者の排出量が公表された。温室効果ガスの中でもエネルギー起源の二酸化炭素CO2が9割近くを占めており、電力会社以外では鉄鋼業が36%、化学工業が15%、石油・石炭製品関連企業が7%を占めている。輸送関係では、運輸業、鉄道業、航空運業がエネルギー起源CO2の排出源として比較的大きな割合を占めている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9536
「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」
http://www.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/

都道府県別の食料自給率、北海道や東北の4県は100%以上

農林水産省は、都道府県別の食料自給率について平成18年度の概算値(カロリーベース)と平成17年度の確定値(カロリーベースおよび生産額ベース)を発表した。カロリーベースでは、米の生産量が減少した地域を中心に15の道県で自給率が低下したが、最も高い北海道の自給率は195%で、東北地方の4県で100%を超えている。その一方、最も自給率の低い東京都は1%、大阪府2%、神奈川県3%となっている。生産額ベースでは国産の野菜や肉類の生産動向を大きく反映し、青森県が218%で最も高く、23の道県で100%を超えている。全国平均ではカロリーベースの食料自給率が平成18年度に39%まで低下し、生産額ベースでは69%となっているが、先進国の中では最も低いレベルにある。現在、18県において食料自給率目標が設定され、自給率向上に向けた取組みが全国的に行われている。

農林水産省プレスリリース:
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/kikaku/080328.html
農林水産省「食料自給率の部屋」
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/index.html

国連の責任投資原則に日本の厚生年金基金が初めて署名

国連の推進する責任投資原則(PRI: Principles for Responsible Investment)に、日本のフジ厚生年金基金が署名した。これまでにもすでに10近い国内の信託銀行などが署名をしているが、厚生年金基金としては初めて。海外ではすでに年金基金や信託銀行など120を超える機関投資家が署名しており、その総資産額は13兆ドルを超えている。このPRIでは、投資分析や意思決定のプロセスに環境、社会、企業統治 (ESG: Environmental, Social, and corporate Governance) の課題について組み込むことや、投資対象の企業などに対してESG課題の開示を求めることなどがコミットメントとして定められている。PRIは、2005年に国連事務総長が世界の20の有力機関投資家を集めた会合で初めて署名され、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)と国連グローバルコンパクトの支援で運営されている。PRIには、法的な拘束力などはないが、多くの機関投資家の参加を呼び掛けており、現在進められているフェーズ2では、PRIの実現に向けた取組が行われている。

国連 責任投資原則(PRI)[日本語]:
http://www.unpri.org/principles/japanese.php
PRIホームページ(英語):
http://www.unpri.org/

03:24 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月13日 (日)

サステイナブルなニュース 第49号

洞爺湖サミットが終わりました。終わってみれば、アメリカや中国も含め、各国とも温室効果ガスの排出量を減らさなければいけないことは十分にわかっているはずなのに、それを明確にコミットできないという状況は変わっていません。それでも皆が「2050年までに半減」という同じようなことを考えていることは、なんとなく確認できたというレベルでしょうか。

今年の夏も暑くなりそうですが、北極の氷は今年はどこまで縮小してしまうのでしょうか、北極点の氷までが溶ける確率は50%と言われていますが、グリーンランドの氷も非常に心配です。現在、読んでいる「+6℃ 地球温暖化最悪のシナリオ」という本には、地球の平均気温が1℃上昇する毎にその影響を、多くの研究結果から引用しています。断片的なニュースで聞こえてくる世界各地の影響を網羅的に知ることができますが、「+2℃」の上昇でもかなりの深刻さであることがひしひしと伝わってきます。「+3℃」以上を読むのが怖くなります。

それでは、サステイナブルなニュースをお届けします。 最近は、欧州や中国のメーカに追い上げられている日本の太陽光発電装置メーカの話題などです。

************* サステイナブルなニュース 第49号 **********************

世界初、シャープが太陽電池の累計生産量で2GWを達成

太陽電池のメーカ最大手のシャープは、2007年末までの累計生産量で、世界で初めて2GW(2百万kW)を達成したと発表した。現在、世界の太陽電池の累計生産量は8GWと推定され、シャープはその約4分の1を占めていることになる。また、住宅用太陽電池パネルに換算すると、約67万世帯に相当する。シャープでは、1959年に太陽電池の研究に着手し、2009年には太陽電池開発50周年を迎える。灯台用から人工衛星用までの過酷な環境下で使用されると共に、1994年からは住宅用太陽光発電システムなど民生用の展開を本格的に開始した。2009年度中に大阪府堺市に年間1GW規模の生産能力を持つ薄膜太陽電池の新工場を稼働し、発電コストを2010年までに現在の半分にすることを目指している。世界的な太陽電池の需要拡大に合わせてメーカ各社では、太陽電池の増産を積極的に進めており、日本でも国内市場の低迷から、ヨーロッパなどへの輸出が急速に増えている。

シャープ・プレスリリース:
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/080227-a.html

メキシコ湾流と地球温暖化との関係を解明、海洋研究開発機構

海洋研究開発機構は、地球シミュレータを用いてメキシコ湾流が与える大気の気候への影響について世界で初めて詳細に明らかにした。北太平洋を流れてヨーロッパ近海まで達するメキシコ湾流は、日本近海の黒潮と並んで北半球最大の海流だが、ヨーロッパが北米よりも温暖である理由はこの海流が大きく影響していると言われている。メキシコ湾流は、熱帯からの熱を大量に運び込んで、大気に放出することにより、大気の表面付近から対流圏上層にいたるまで強い影響を及ぼし、低気圧の発生や降水量の変化など様々な気候の変化を、ヨーロッパを含む広い範囲に引き起こしていることが分かった。将来、地球温暖化によりこの海流の循環に影響が出る可能性が指摘されており、ヨーロッパ周辺での急激な気候変動が懸念されている。日本近海の黒潮についても同様に大気への影響が考えられるが、その仕組みはより複雑になっており、今後の研究が期待されている。

海洋研究開発機構プレスリリース:
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20080313/index.html

NGO/企業の環境政策提言、優秀提言が決定

環境省は、民間のNGO/NPOや企業からの政策提言を政策に生かすとともに、民間の政策提言能力の向上を目的として、政策提言の募集を毎年しており、今年も優秀提言2件などが決定した。財団法人省エネルギーセンターと(株)環境エネルギー総合研究所からの提言では、家庭でのエネルギー消費の変化量を予測するライフプランを作成し、CO2排出量の実績値および予測値を表示する「エネバロメーター」を開発して全国エネルギー予報を実施することにより、ライフスタイルにマッチした「低炭素家庭」を実現するとしている。国際環境NGOであるFoE Japanからは、「生物多様性保全のための企業とNGOのパートナーシップ形成支援政策」として、企業とNGOの協議会の設立、企業がCSRとして実施する生物多様性保全へ取組みを評価する基準づくり、教育ツールの作成と人材育成などが提言されている。

環境省報道発表:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9492

01:01 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月 6日 (日)

サステイナブルなニュース 第48号

いよいよ今週は、洞爺湖G8サミットが開催されます。これまで様々な動きが国内外でありましたが、今週はそれらの動きがある意味で集約された一週間になるかもしれません。しかし、これはあくまで一つの通過点に過ぎず、今後、長く続く人類の地球温暖化との戦いの一幕でしかないと思いますが、注目して行きたいと思います。

地球温暖化防止やエネルギー安全保障さらには関連産業や地域経済の振興などの観点から、海外では自然エネルギーの市場が急速に拡大しています。その一方で、国内では自然エネルギーの普及が様々な理由から進んでいません。このあたりの事情は、日経エコロミーの連載に詳しく記載されています。

[日経エコロミー:飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて]
第1回第2回第3回

一方、ここに来て自然エネルギーを取り巻く動きも国内でも非常に活発になってきました。先週は私も関わっている「自然エネルギー政策プラットフォーム」の発足にあたってプレスリリースと記者会見が行われました。その様子は、幾つかのインターネットメディア(ZDNET,グッドニュース)に取り上げられています。

そんな中、民間の自主的な取組として自然エネルギーなどへの投資を進める仕組みとして、グリーン電力があります。「温暖化防止おひさまファンド」など市民出資による取組もありますが、中でもグリーン電力証書については、最近、経済産業省や環境省もその取組を積極的に後押しする様になってきました。

[経済産業省:グリーン電力ポータルサイト]
[環境省:カーボン・オフセットフォーラム]

地方自治体などでの取組も広がっており、7/1にも関連するセミナーがグリーンエネルギー購入フォーラム(GEPF)の主催で開催されています。

[グリーンエネルギー購入フォーラム] 会員募集中(現在は会費無料)

さらに、民間ベースの普及キャンペーンとして、来週7月7日(月)のキャンドルナイトの日に「一億人のグリーンパワーキャンペーン」が始まります。当日の夕方には
新宿南口でキャンペーンイベントが開催されます。詳しくは、以下のポータルサイトにアクセスしてみてください!

[一億人のグリーンパワーキャンペーン]
[1億人のグリーンパワーナイト(7/7)]

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。最近注目されている国内排出量取引の動きや、木材のグリーン調達、そして世界の再生可能(自然)エネルギーの動向に関するレポートのご紹介です。

************* サステイナブルなニュース 第48号 *****************

産業界も巻き込み、国内排出量取引の本格的な議論始まる

産業界も巻き込んでCO2排出削減に関する国内排出量取引の議論が本格的に始まった。国内排出量取引はCO2排出量を削減する経済的に有効な手法として注目されているが、すでに欧州ではEUETSが始まっており、米国でも州を中心にその機運が高まっている。日本国内では環境省のモデル事業として2005年から「自主参加型国内排出量取引制度」が始まっており、これまで約150社が参加しているが、国の政策としては取組が遅れていた。7月の洞爺湖サミットを控え、これまで反対を表明した産業界も巻き込んだ議論が官邸、経産省、環境省それぞれの検討会などで始まり、官邸では「地球温暖化問題に関する懇談会」において排出量取引などを中心に地球温暖化問題全般の議論を開始した。経産省では、「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」を発足し、2012年以降の導入を目指した検討を始めている。最も先行している環境省でも「国内排出量取引制度検討会」において、これまでのモデル事業の成果を活用し、より具体的な制度設計を検討している。

環境省「国内排出量取引制度」: 
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/det/index.html
官邸「地球温暖化問題に関する懇談会」:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tikyuu/kaisai/dai01/01gijisidai.html
経産省「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」第9回配布資料(中間まとめ)
http://www.meti.go.jp/committee/materials/g80626aj.html

木材調達のグリーン化についてのキャンペーン始まる

日本ではこれまで8割以上の木材を輸入していたが、世界規模での森林の減少が懸念される中、木材の調達先での持続可能な森林経営の実現が求められている。特に問題となっている調達先での違法伐採を減らすため、すでに政府ではグリーン購入法により平成18年4月から調達の対象を合法的かつ持続可能性が証明された木材に限定している。環境省ではこの取り組みを地方自治体や企業に広げるキャンペーンを「木材調達のグリーン化」としてスタートした。すでに国際環境NGOが中心となって2003年より「フェアウッド・キャンペーン」が実施されており、キャンペーンの共同実施が決まっている。事前に実施したアンケート結果によると、森林減少や違法伐採問題に対しての国民の関心があまり高くなく、そのことが木材調達のグリーン化の取り組みを促す上での障害の一つとなっている。

環境省ホームページ: http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9474
「フェアウッド・キャンペーン」: http://www.fairwood.jp/

世界各国で急成長する再生可能エネルギー市場

2月にREN21から発表された世界の再生可能エネルギーに関する現状報告書によると、2007年の再生可能エネルギーによる市場規模は1000億ドル以上に達し、世界各国で240万人が関連する事業に従事しており、新たな発電設備や技術開発への投資が加速している。大型水力を除く再生可能エネルギーによる発電設備は全世界で240GWに達し、2004年から50%増加している。この中でもっとも大きな割合を占めるのは風力発電で、前年比で28%増加して95GWに達した。現在もっとも急成長している太陽光発電は、電力系統に接続されたもので前年比50%増加して7.7GWとなっている。全世界の発電量に占める再生可能エネルギーの割合は3.4%で、大型水力発電の発電量の15%を加えると合計で約18%となっており、原子力発電の14%よりも大きい。すでに65カ国以上で、再生可能エネルギーの普及促進が政策目標に掲げられており、エネルギー産業としても世界の主流になりつつあることが明らかになった。

REN21 Renewables 2007 Global Status Report(英語):
http://www.ren21.net/globalstatusreport/default.asp
EICネット(日本語):
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=18203&oversea=1

11:18 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月29日 (日)

サステイナブルなニュース 第47号

いよいよ洞爺湖サミットまで一週間となりましたが、ここ最近の地球温暖化をめぐる国内外の動きは目覚しいものがあります。もちろん個別の事情により、なかなか確信に踏み込めないことも多々あるようですが、それでも以前に比べれば確実に前進しているのではないでしょうか。問題は、この前進をサミット後にも確実に持続可能なものにできるかどうかだと思います。

先週の土曜日に国立環境研究所の公開シンポジウムに参加して来ました。会場のメルパルクホールの大ホールがほぼ満席になるぐらいに大勢の一般の方々に対して、各研究者から地球温暖化の現状や対策に関する発表がありました。単なる研究発表ではなく、この研究の成果が自分たちの未来に大きくかかわっているという緊張感が会場に溢れていた様に感じました。国環研からは、私自身も作成に協力した再生可能エネルギーに関する提言レポートが公開されています。

[国立環境研究所:我が国における再生可能/分散型エネルギー導入戦略への提言]
http://www-cger.nies.go.jp/publication/I082/i082.html

少し間があいてしまいましたが、サステイナブルなニュースを3本お届けします。いずれも今年の3月に発表されたニュースですが、この4月から始まった京都議定書の第一約束期間に関して対策を促進する法律の施行が国会で決まったものの、その目標達成についてはまだまだ不確実な状況です。海外では、再生可能(自然)エネルギーの市場が急速に拡大し、世界的に投資が進んでいますが、国内での状況は膠着状態が続いています。

*************** サステイナブルなニュース 第47号 *****************

京都議定書の約束期間スタートに向けて法律の改正相次ぐ

今年から始まった5年間の京都議定書の第一約束期間では、1990年比で6%の温室効果ガス排出量削減を目標としている。4月からその評価期間がスタートするのに際し、目標達成計画の見直しや温暖化防止に関連する法律の改正が現在行われている。省エネに関する法律(エネルギーの使用の合理化に関する法律)では、エネルギー管理の義務の対象を工場から事業者に変更し、住宅・建築物分野の対策を強化する。一方、地球温暖化対策推進法では、目標達成計画の見直しに盛り込まれた既存対策や追加削減の効果を確実にするため、数多くの改正を行う。例えば、温室効果ガスの排出量を報告し、公表される制度では、事業所単位から事業者あるいはフランチャイズ単位となる。また、国が各事業者に対する排出抑制等指針を策定し、排出原単位の水準や取組内容を用途別に示すことや地方公共団体の実行計画の充実なども盛り込まれている。

資源エネルギー庁発表資料:
http://www.meti.go.jp/press/20080304002/20080304002.html
環境省発表資料:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9435

優れた環境報告書や環境CMに対し環境コミュニケーション大賞

優れた環境報告書や環境活動レポートおよびテレビ環境CMを選考した環境コミュニケーション大賞の受賞者が決定した。全410点の応募作の中から部門毎に審査が行われ、環境報告書部門では2点の大賞、優秀賞6点、奨励賞2点が決まった。また、環境配慮促進法で定められた大学などの特定事業者についても個別に優秀賞が選ばれた。今年の環境報告書大賞と持続可能性報告大賞には、それぞれ松下電器産業(株)とトヨタ自動車(株)が選ばれ、いずれも通算受賞回数は7回となった。過去の受賞が3回以上に渡る優れた取り組みに対して贈られる環境報告マイスター賞については、この2社を含め、(株)西友(通算8回)を筆頭に、(株)リコー(7回)、日産自動車(株)(6回)、積水化学工業(株)(4回)の6社が受賞した。

環境省発表資料:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9413

再生可能エネルギー国際会議が3年ぶりにワシントンで開催

再生可能エネルギーに関する国際会議WIREC2008が、米国ワシントンで開催された。会議には、各国の関係首脳やNGO、経済界のリーダーなどが参加し、世界的に急成長している再生可能エネルギーの利点やコストなどについて3日間にわたり議論された。特に農業分野、技術開発、市場と金融の3つの分野については集中的な討議が行われた。会議の成果として各国の政府機関や企業からは、再生可能エネルギーに関する多くの”公約”が発表されており、米国政府も世界最大のエネルギー消費国として2013年までに電力の7.5%を再生可能な資源でまかなうことを公約している。再生可能エネルギー国際会議は、2004年に初めてドイツのボンで開催され、2005年に第2回が中国の北京で開催された後、再生可能エネルギーの急速な導入が世界的に進み、第3回目の開催が3年ぶりに実現した。

WIREC2008ホームページ: http://www.wirec2008.gov/
WIREC2008での公約(REN21ホームページ): http://www.ren21.net/wiap/wirec.asp
温暖化NEWS: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080308_1.html

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2008年6月16日 (月)

サステイナブルなニュース 第46号

6/3に開催された「自然エネルギー政策会議」の発表資料などが掲載されたページが公開されています。世界の自然エネルギー市場の動向をまとめたREN21の"Global Status Report"や、日本でも注目されているEUでの「固定価格買取制度」"FIT"の詳細情報と合わせて、ISEPの「2050年自然エネルギービジョン」関連情報など、自然エネルギー政策に関する情報が満載です。

[自然エネルギー政策会議]
http://www.isep.or.jp/event/080603sympoGEN_ISEP.html

洞爺湖サミットを前に、盛り上がりを見せているのが、排出量取引制度ですが、環境省がポータルサイトを開設しています。

[環境省:排出量取引インサイト]
http://www.ets-japan.jp/

環境省の排出量取引には、幾つかの流れがあり、それらを全て把握するのは、結構、大変なのですが、大きく分けると3つの流れがあります。

(1) 京都クレジット
海外のCDMプロジェクトで発生したCERを国内で取引(基本的には国際取引)

(2) 国内排出量取引制度
EUなどで行われているキャップ&トレード方式の排出量取引を国内で行う。自主的なモデル事業(JVETS)は2005年度から行われているが、本格的な導入検討は、まさに今行われている。産業界の反対が根強いが、何らかの動きが今年はありそう。

(3) カーボン・オフセット
個人や企業のCO2排出をオフセットする仕組み。すでに海外では一般的なサービスだが、国内でも一部導入が始まっている(COJなど)。現在、検討しているのはそれの第三者認証の方法や普及啓発活動(J-COF)。それと、VER(Verified Emission Reduction)と呼ばれる民間ベースのCO2排出削減クレジットの扱いを検討中(グリーン電力証書、グリーン熱証書、森林など)。このVERは経産省の国内CDMとも関連する。

カーボン・オフセットについては、以下のサイトにより詳しい情報があります。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html

また、カーボン・オフセットの普及啓発を行うJ-COF(カーボン・オフセットフォーラム)のページは、こちら。メルマガの配信もあります 

それでは、前回から少し間が空いてしまいましたが、サステイナブルなニュースの第46号をお届けします。

************** サステイナブルなニュース 第46号 *******************

INAX、2050年にCO2総排出量80%削減を目指す新しい「環境宣言」公表

INAXグループは、この4月からスタートした新「環境宣言」において、地球環境問題への取り組みを強化し、低炭素社会の実現に向けた独自のシステムづくり、モノづくりのスリム化、循環型社会に貢献するエコサービスの展開を行うと共に、生物多様性の維持を新たな課題としたと発表した。その中で、2010年のCO2総排出量を1990年比19%削減し、さらに2050年には80%削減を目指す。CO2を出さない独自のシステムづくりでは、家庭のエネルギーのうち冷暖房・給湯エネルギーの削減や水資源の節約について研究し新事業として育てる。モノづくりにおいても生産場面でのイノベーションを進め、自然エネルギーの利用を促進し、化石燃料を使わない技術の導入により独自の生産システムを構築する。モノづくりの究極のスリム化により省エネ製造技術のレベルアップを進め、省エネの効率化を進めると共に、ライフサイクル全体で環境負荷の低いエコ商品をつくる。

INAXニュースリリース:
http://www.inax.co.jp/company/news/2008/060_eco_0304_203.html

地球温暖化と生物多様性の枠組みを議論するG20対話、千葉で開催

7月に洞爺湖で開催されるG8サミットに先立ち、最初の閣僚級会議として「G20対話」が3月14日から千葉市の幕張メッセで開催された。この会議には世界の温室効果ガス主要排出国20カ国の環境・エネルギー担当大臣に加え、関係する国際機関、産業界やNGOの代表などが参加し、地球温暖化問題などについて議論を行う。参加国には世界最大のCO2排出国となりつつある中国なども含まれ、CO2排出量は参加国合計で全世界の約78%に達する。この国際会議は「気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する閣僚級対話」として2005年にイギリスのグレーンイーグルズで第1回が開催され、今回が第4回目の会合。地球温暖化に対応するための技術、資金や将来枠組みについて議論を行い、最終総括として洞爺湖サミットで報告される。国内外のNGOも多数参加し、G8サミットNGOフォーラムを中心に国際ワークショップなどの独自のイベントも開催された。

洞爺湖洞爺湖サミット(G20対話):
http://www.env.go.jp/earth/g8/g20/index.html
G8サミットNGOフォーラム:
http://www.g8ngoforum.org/

学校エコ改修と環境教育事業の成果を発表する全国会議を開催

地域社会の拠点のひとつである学校での地球温暖化対策と地域と一体となった環境教育を進めるモデル事業の成果を報告する全国会議が開催された。環境省では、二酸化炭素の排出を抑制しながら児童生徒の快適な学習環境を整備する学校施設のエコ改修と、学校・地域での環境教育を一体として行う「学校エコ改修と環境教育事業」を平成17年度より実施してきた。この学校エコ改修では、冷暖房負荷低減のための断熱改修や、太陽光発電等の自然エネルギーの導入、屋上緑化等を効果的に組み合わせたハード整備を行うと共に、その改修を素材として、地域への環境建築等の技術普及や学校を核とする地域ぐるみの環境教育を展開していることに特徴がある。現在、全国各地の16校がモデル校として選ばれ、それぞれが地域の特色を生かしたエコ改修や環境教育に取り組んでいる。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9409
「学校エコ改修」ホームページ(エコフロー): http://www.ecoflow.jp/

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2008年5月18日 (日)

サステイナブルなニュース 第44号

先日訪問したオランダに関連した情報を幾つか入手しましたので、ご紹介したいと思います。まずは、オランダの首都、アムステルダムで多くの人が使っている自転車です。市内には自転車専用道路が張り巡らされており、明らかに自動車よりも自転車で通勤している人のほうが多いようにみえました。あのレスター・ブラウンのアースポリシー研究所が採用している指標の一つに自転車の生産台数というものがあるそうです。世界の自転車の生産台数は、自動車の2倍だとか。近年、その差が広がっているそうです。

[Bicycles Pedaling Into the Spotlight]
http://www.earthpolicy.org/Indicators/Bike/2008.htm

オランダは、海水面より低い土地が多いことで有名ですが、その歴史は水との戦い、そして共存から見えてくるそうです。また、オランダはその合意形成の巧みさから気候変動の国際政策でも重要な位置を占めています。

[オランダ 合意の水位]
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/mizu_19/index.html

最後に、海面水位が上昇したときにどこが水没するかをシミュレートできるサイトの紹介です。Google mapの機能を利用しています。

[flood.firetree.net]
http://flood.firetree.net/?ll=33.8339,129.7265&z=12&m=7

それでは、今週のニュースをお送りします。最初は2月に開催されたグリーン電力に関するキャンペーンイベントですが、その中で開催された分科会については、詳しい資料がISEPのホームページで公開されています。あとは、WWFジャパンの地球温暖化防止プログラム「クライメート・セイバーズ・プログラム」などの情報です。

************* サステイナブルなニュース 第44号 ******************

グリーン電力普及イベント、グリーンパワーキャンペーン開催

企業から個人や家庭までさまざまな場面でグリーン電力が導入される未来づくりを目標に、東京国際フォーラムにおいて2月21日と22日の両日に「グリーンパワーキャンペーン」が開催された(資源エネルギー庁主催)。グリーン電力とは、太陽光や風力などの自然エネルギーから発電される電気のことで、環境に与える負荷が小さいグリーンな電力。基調講演、第12回新エネ大賞表彰式、パネルディスカッション、「不都合な真実」上映会をはじめ、3つの分科会「再生可能エネルギー展望会議」「グリーンエネルギー購入フォーラム」「持続可能なエネルギー金融会議」や展示会など多彩なイベントが行われた。イベントの電力は全てグリーン電力証書により、自然エネルギーからの電力で賄われた。

「グリーンパワーキャンペーン」ホームページ:
http://www.greenpower.ne.jp/index2.html

「再生可能エネルギー展望会議」
http://www.isep.or.jp/event/080221sympo2050.html

「持続可能なエネルギー金融会議」
http://www.isep.or.jp/event/080221sympoSEFI.html

「グリーンエネルギー購入フォーラム」
http://www.gepforum.jp/

地球温暖化への取り組みを拡大する「東京宣言」へ12社が署名

世界最大の自然保護NGOであるWWFが企業と共に地球温暖化へ取り組むWWFクライメート・セイバーズ・プログラムに参加する12社が、地球温暖化への取り組みを拡大する決意を「東京宣言」として発表した。国内企業としてソニーや佐川急便など12社が署名した東京宣言では、ビジネス・パートナーと連携して温室効果ガスの排出量削減活動の範囲を広げる努力することや、消費者や顧客にむけて低炭素型のライフスタイルを普及啓発したり、自らの二酸化炭素排出量や削減活動について透明性を高め、その成功事例を他社に広め、かつWWFとのプログラムを他の産業部門や地域に拡大することを宣言している。各企業はこの宣言を通して早期に自主的、革新的に気候変動に取り組むことがビジネス界の緊急の課題であると同時に、恩恵をもたらすことであることを強調している。

WWF Japanプレスリリース:
http://www.wwf.or.jp/news/press/2008/p08021501.htm#1

50カ国の潜在競争ランキングで、日本は13位に後退

日本経済研究センターでは、世界50カ国を対象に潜在競争力ランキングを作成し、2007年の調査結果を発表した。潜在競争力とは、今後約10年間にどれだけ一人当たりの国内総生産(GDP)を増加させることができるかを示したもので、国際化、企業、教育、金融、政府、科学技術、インフラ、ITなどの項目で評価される。総合1位は香港で、2位のシンガポール、米国の3位が続く。日本は、前年の総合12位から13位に後退したが、強い分野は「科学技術」(2位)と「企業」(4位)で、弱い分野は「政府」(32位)「インフラ」(27位)「金融」(32位)となっている。一方、中国は35位で、経済発展の遅れている内陸部も含めた中国全体の経済力を測っているため。他のアジアの国では台湾17位、韓国20位が日本と肩を並べている。

「日本経済研究センター」ホームページ:
http://www.jcer.or.jp/research/world/index.html

02:25 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月10日 (土)

サステイナブルなニュース 第43号

今週は、とある会議に出席するために2年ぶりにヨーロッパに行ってきました。行ったのは、オランダの首都アムステルダムです。市内には、トラム(路面電車)が縦横無尽に走っており、自転車多いことにも驚きました。17世紀に海運で繁栄した名残なのか、運河が張り巡らせていて、古いレンガ造りの町並みがそのまま残っています。すでに初夏を迎えており、夜の9時過ぎまで明るいので、市街地のレストランやカフェも戸外で営業をしていて、とても賑やかでした。最終日には、有名な風車がある地域(ザーンセ・スカンス)に行って来ました。最盛期には1000基を超える風車が林立した工業地帯だったそうですが、現在は十数基ほどの風車が保存されています。実際には、動いている風車の中にも入ることが出来ました。ヨーロッパでは、現在、風力発電が急速に普及していますが、その源流はこんなところにあるのかもしれません。

ミャンマーでは、大型のサイクロンにより数万人もの死者を出す非常に大きな被害が出ているようです。多くの国際協力NGOが、すでに活動を開始し、義援金の募集も始めています。以下のJANIC(国際協力NGOセンター)のサイトから各NGOへ寄付をすることが可能です。私は、この中でケア(CARE)にオンラインで寄付をしました。

【ミャンマー】サイクロン被災者救援情報
http://www.janic.org/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=37

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。

************* サステイナブルなニュース 第43号 *****************

非接触給電ハイブリッドバス、羽田空港で試験運行を開始

電気駆動可能な非接触給電ハイブリッドバスが羽田空港の無料連絡バスとして2月15日より2週間程度、運行する。これは国土交通省が平成14年から実施している「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト」として(独)交通安全環境研究所を中心に産官学連携で開発・実用化を進めているものの一環で、日野自動車(株)が開発をした日本で1台のみのバスを実際に運行し、データを収集する。この非接触給電ハイブリッドシステムでは、路面等に埋め込んだ給電装置から非接触で車両側のバッテリーに急速に大量充電を行い、電気駆動の割合を増やすことで、燃費を格段に向上させることが可能。定員63名で、電気のみで走行した場合、市街地で約15km程度走行が可能となっている。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/09/090206_3_.html

英国王立協会、持続可能なバイオ燃料に関する報告書を発表

英国王立協会は、今年1月に持続可能な輸送用バイオ燃料を開発・普及させるための政策および技術開発についての提言をする報告書「持続可能なバイオ燃料:その展望と挑戦」を発表した。同協会では、専門家による部会において環境保護や持続可能性(サステナビリティ)という幅広い観点で、より効率的な輸送用バイオ燃料を開発するための科学的かつ技術的な展望を検討している。報告書では、バイオ燃料が気候変動やエネルギー安全保障の面での対策として有効となる可能性に言及する一方、適切な政策や経済措置でバイオ燃料の開発を支援しない場合には、結果的に環境や社会に悪影響を及ぼす非効率なバイオ燃料が普及する恐れを警告している。現在、世界のエネルギーの約20%が輸送用燃料であり、そのほぼ全量が石油等の化石燃料により賄われているため、使用時に発生する二酸化炭素の大幅削減や将来の石油の供給を考えた場合、燃費などの効率化と共にバイオ燃料の重要性が増している。

温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080210_1.html
英国王立協会プレスリリース(英語): http://royalsociety.org/document.asp?tip=0&id=7366

世界エネルギー会議、世界各国のエネルギー効率と政策に関する報告書発表

ロンドンで1月末に開催されていた世界エネルギー会議において、世界各国のエネルギー効率の動向と向上の為の政策についての報告書を発表した。報告書自体はフランスの環境エネルギー管理庁(ADEME)と共同で作成され、世界全体のエネルギー消費量の80%以上を占める70カ国以上を調査対象としている。報告書では、エネルギー効率に関する総合的で有益な情報が提供されており、エネルギー需要の管理などの政策を始めたばかりの発展途上国の国々に最も効果的な政策について推奨をすることできる。世界の大半の地域では、単位GDPあたりのエネルギー消費量が1990年から2006年の16年間に年率1.6%の割合で低下する傾向があり、報告書では具体例を挙げながら各国の政策の短所や長所をまとめている。

温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080210_1.html
世界エネルギー会議プレスリリース(英語):
http://www.worldenergy.org/news__events/media_relations/press_releases/1213.asp

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2008年4月30日 (水)

サステイナブルなニュース 第42号

今週はGWですが、「グリーン・ウィーク」という呼び方にしようと提案が行われています。まさに、緑を感じ、満喫する一週間にしたいですね。ガソリン税にかかわる混乱も明日からの復活でようやく元に戻る気配ですが、復活分も含め一般財源化をさらに踏み越えて、環境税化に一気に進んで行って欲しいものです。ガソリンや軽油を使うこと自体が、地球環境を破壊していることにつながるわけですから、至極、当たり前のことだと考えることができます。多くの環境NGOは、同様の提案をすでに行っています。

少し遅くなりましたが今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、世界的なランキングの中での日本の位置づけやIT業界の動きを取り上げました。

************* サステイナブルなニュース 第42号 ******************

日本郵船やリコーなど13社の日本企業が選出、持続可能な世界の100社

2005年から実施され「Global 100」として知られている「最も持続可能な世界の100社」が1月23日のダボス会議において発表された。英国が23社と最も多くの企業が選ばれ、米国が17社で続いている。日本からは日本郵船やリコーなど13社が選ばれており、リコーは4度目連続、日本郵船は2年連続で選出されている。また、中国からは初めて鉄道会社1社が選出されていている。これはカナダのコーポレートナイツ社(Corporate Knights)と米国のイノベスト社(Innovest Strategic Value Advisors)が共同で調査・格付けを行っており、環境、社会、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメントなどの非財務要因の企業価値に焦点を当てている。2008年は、約1,800社の対象企業から17カ国の様々な業界の企業が上位100社に選ばれた。

日本郵船プレスリリース:
http://www.nykline.co.jp/news/2008/0130/index.htm
「Global 100」ホームページ: http://www.global100.org/

温暖化対策を目指し「グリーンIT推進協議会」設立

2月1日、産官学のパートナーシップにより、IT機器の省エネ化とIT・エレクトロニクス技術による地球温暖化対策をより具体化するため「グリーンIT推進協議会」が設立された。本格的なIT化に伴い社会で扱う情報量は2025年には現在の約200倍になると見込まれ、それに伴いIT機器の台数や情報処理量は大幅に増加するため、IT機器自身の省エネは重要な課題となっている。一方、IT・エレクトロニクス技術は、高度な制御・管理による生産・流通・業務の効率化を通じて、生産性向上やエネルギー効率の向上を可能とし、環境負荷の低減に大きく貢献することができる。当面の活動を7月の洞爺湖サミットに向けた情報発信等による国際的リーダシップ発揮の支援や省エネ効果の高い電子・情報技術の抽出・ロードマップ作成、IT・エレクトロニクス活用によるCO2排出量削減可能性等の定量的調査・分析としている。

JEITA(電子情報技術産業協会)ホームページ:
http://www.jeita.or.jp/japanese/detail.asp?pr_id=1199

世界の金融機関の地球温暖化対策ランキングで、邦銀は低評価

機関投資家や環境保護団体で構成される連合組織セリーズ(Ceres)は、世界の主要な40の金融機関について初めて調査し、地球温暖化(気候変動)対策への取り組みを評価したレポートを発表した。温暖化対策に対するコミットメント、マネジメント体制、情報公開、CO2排出量削減への取組および戦略などが100点満点で評価された結果、多くの欧州の金融機関が比較的高い評価を受け、米国および日本の金融機関がそれに続いている。もっとも高い評価(70点)を受けたHSBCでは、自らのCO2排出量を自然エネルギーの利用で削減すると共に、温暖化対策に関連する事業への投融資を積極的に行っていることが評価された。日本の銀行では東京三菱UFJの39点で最高で、欧米の銀行に比べ低い評価にとどまった。これらの金融機関による市場規模は6兆ドルに達し、温暖化対策に大きな影響力を持っていると言われており、その取組みに大きな期待が集まっている。

Ceresプレスリリース(英語):
http://www.ceres.org/NETCOMMUNITY/Page.aspx?pid=826&srcid=705


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2008年4月19日 (土)

サステイナブルなニュース 第41号

今週月曜日(4/14)は、第39号のニュースと共にご紹介した環境省の「カーボン・オフセットフォーラム」のキックオフミーティングに参加して来ました。少し遅れて到着した会場はすでに満席で、この分野への関心の高まりを感じることができました。経産省も、国内での排出量取引を視野にいれた「国内クレジット推進協議会」を5月に設立するということで、今週金曜日(4/18)に発起人が開催されたそうです。こちらはまだ非公開で設立後に会員を募集するとのことでした。カーボン・オフセットでは、海外でのCDMプロジェクトによる削減量(CER)や国内の再生可能エネルギーの普及に貢献するグリーン電力証書などが使われますが、その他、個人や企業が自らの意思で自然エネルギーなどの事業に出資をする「市民出資」(地球温暖化防止おひさまファンドなど)も注目されています。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は、国際的な
安全保障や気候変動に関する記事が多かったようです。日本は果たしてこれらの
動きについていくことができるのでしょうか。

*************** サステイナブルなニュース 第41号 ********************

世界経済フォーラム、ダボス会議で「グローバルリスク2008」を発表

世界経済フォーラムは、スイスで開催されるダボス会議に合わせて「グローバルリスク2008(Global Risks 2008)」を発表した。この中で主に4つのリスクが取り上げられ、ダボス会議での主要なテーマとして議論されることになる。1つ目は国際的な金融システムへの不安を取り上げ、米国が年内に不景気となる恐れを指摘している。食料の安全保障については、今後10年間で人口増加、ライフスタイルの変化、バイオ燃料の生産そして気候変動による影響が強まる懸念を指摘。さらにこの20年間で急成長し極度に最適化されたサプライチェーンの脆弱性を指摘している。最後に高騰の続く石油など気候変動とも大きく関連するエネルギーのリスクを取り上げ、今後もエネルギー需要増が見込まれる中、価格の高止まりが長期化する恐れがあり、国際経済への影響を懸念している。

温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080117_1.html
「世界経済フォーラム」プレスリリース:
http://www.weforum.org/en/media/Latest%20Press%20Releases/GlobalRisk08Press

EUが気候変動対策および再生可能エネルギー利用の国別目標

EUは、すでにEU首脳会議で約束されている気候変動対策および再生可能エネルギー利用の促進に関する目標を達成するための包括的な提案を発表した。EU各加盟国における再生可能エネルギーの利用拡大のため、法的拘束力のある目標を国別に定めている。また、排出権取引制度の全面的な改革を行い、各加盟国の排出量の上限(キャップ)を定め、CO2排出削減のための技術開発を促進する。2020年までに温室効果ガスの排出量を最低でも20%削減し、再生可能エネルギーの割合を20%に増やすという目標が技術的・経済的に達成可能であることを示し、多くの欧州企業に貴重なビジネスチャンスを提供できるとしている。EUの排出権取引制度(EU-ETS)は、EU内の排出量の約半分に相当する1万の工業施設が対象となっており、それ以外の建設、運輸、農業などの部門についても2005年比で10%の削減を目標としている。バイオ燃料の使用割合を2020年までに最低10%とする目標も含まれている。

駐日EU代表部ホームページ:
http://jpn.cec.eu.int/home/news_jp_newsobj2615.php

環境への取組の国別ランキングがダボス会議で発表される

米イェール大学が毎年発表しているEPI(環境パフォーマンス指標)の2008年版がダボス会議に合わせて発表され、国別のランキングが明らかになった。今年の1位はスイスで以下スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、コスタリカの順位となっている。日本は149カ国中21位で、前回2006年の14位から後退したが、アジア太平洋地域ではニュージーランドに次いで2位となっている。EPI指標には、健康にかかわる環境汚染の低減と地球環境の保全という大きく2つカテゴリーがあり、全部で25の指標から構成されている。地球環境の保全では大気、水、生物多様性、森林や農業などの自然の資源、そして気候変動に関する指標が対象となっている。トップにランクされている国では、水や大気など自然環境の維持に多くの投資を行っており、ランクの下位の国々では、最低限の国民の健康への投資さえ十分にされていない。

米イェール大学EPIサイト: http://epi.yale.edu/
温暖化新聞記事: http://daily-ondanka.com/news/2008/20080128_1.html

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2008年4月13日 (日)

サステイナブルなニュース 第40号

東京では桜も散ってしまいましたが、北の方の地域ではこれからが見頃ですね。私が毎週行っている長野県の方では先週あたりがちょううど見頃でした。そのときの写真ですが、この地域には立派な一本桜が沢山あります。
Dsc05808

それでは、今週のニュースをお届けします。今週はバイオマスによるバイオガス供給のネットワーク組織が設立された話題や京都大学で導入された「環境税」のお話です。

************ サステイナブルなニュース 第40号 *************************

日本初のバイオガス供給ネットワーク組織が設立

下水汚泥や食品廃棄物などの有機性廃棄物から発生するバイオガスを有効活用するための日本初の供給事業会社として合同会社バイオガス・ネット・ジャパンが1月16日に設立された。再生可能エネルギー供給の技術を有する先端企業11社の出資により、主に下水処理場、食品工場、産廃処理事業者、畜産農家をガス供給基地とするために、バイオガスの回収・精製・流通の実用化を推進する。すでに2005年より開始した「バイオガス・ネットワーク・コンソーシアム」での実証試験では、バイオガスを精製して一般的なガス器具でも利用可能な都市ガス相当のガスにする技術や、圧縮容器などに充填して運搬する技術の開発に成功している。事業の3つの柱として、食品工場などバイオガス発生源でのオンサイト高度利用、産廃処理施設などでの天然ガス自動車などの輸送用燃料利用、畜産農家などからの食品工場などへのガス外販利用を推進する。

プレスリリース(日本総合研究所):
http://www.jri.co.jp/press/press_html/2007/080115.html

シベリアの永久凍土の融解が急激に進行、海洋研究開発機構の観測結果発表

海洋研究開発機構の研究グループは、シベリアの永久凍土の観測データにおいて、ここ数年のこの地域での地中温度が観測史上最高を記録し、永久凍土の融解が急激に進んでいることを確認したと発表した。これは北極地域の急速な温暖化に伴う現象の一つとして考えられ、ここ数年の降水量および積雪量の大幅な増加、積雪時期の変化など、水循環の変化も同時に現われていると考えられている。1970年より観測をしている東シベリアの永久凍土では夏期に地面の表層が融ける「活動層」の厚さが2004年以降急激に厚くなり2006年には2mを超えた。また地下3.2mの温度も2006年に最高となり、2007年にはさらに高温となることが推測されている。融解により真冬の異常な河川の流れや湖沼の拡大、森林の枯れなどの植生への影響などの現象も観測されており、今後、様々な影響が出ることが懸念されている。

海洋研究開発機構プレスリリース:
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20080118/index.html

京都大学、環境負荷低減のために学内「環境税」導入

京都大学では、CO2排出量が1990年から約93%増加し、今後も2~3%程度の増加が予測されることから、学内の全構成員が協力してエネルギー消費量や水道使用量を削減するための「環境税」を導入することを決めた。削減目標としては、CO2排出量の原単位を省エネ改修工事で1%、研究室での環境配慮行動で1%、合計2%削減すると共に、総量においても極力抑制する。この制度では「環境賦課金」というものが、電力、ガス、水道に対して4~5%程度課金され、学内のほとんどの研究室が対象となる(人員の99%、床面積の90%、エネルギー使用量の99%を網羅)。具体的には電力については1.0円/kWh程度の賦課金を本部と各部局が折半して負担し、総額約1.6億円程度を集める。これにガスの5100万円と水道の2700万円を加えると総額2.4億円程度の資金が集まり、これを各部局での省エネ改修工事の費用とする。この賦課金の徴収により、省エネルギーへのインセンティブを高める狙いがある。

京都大学環境賦課金方針(2008年1月):
http://www.kyoto-u.ac.jp/GAD/topic/data07/tpc080121_1/documents/080121_1.pdf

11:15 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 5日 (土)

サステイナブルなニュース 第39号

最近、「カーボン・オフセット」という言葉を良く聞くようになりました。個人や企業などが、その活動の中で排出した二酸化炭素(CO2)に対して、それと同じ量をのCO2を減らす事業や活動にお金などを出すことで、「オフセット」"相殺"するというものです。お金さえ出せば、幾らでもCO2を排出できるというのは本末転倒ですが、できるだけCO2の排出を減らす努力をした上で、それでも排出してしまったCO2を何とか出なかったことにするという苦肉の策です。4月1日は、「カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)」が設立され、グリーン電力証書を用いたものや、海外のクレジットを利用したものなど、さまざまな形態のカーボン・オフセットが国内でも始まりつつあります。

4月から始まった京都議定書の第1約束期間で、日本排出削減目標を"マイナス6%"を達成するために、海外でのCO2削減事業の"クレジット"(CO2削減量)を、海外から買ってくる国際的な取引が決まっています。これに対して、国内での排出量取引を実現しようという動きもようやく動き出しています。たとえば、環境省の国内排出量取引制度などです。経済産業省も国内CDMなど、少しづつ動き始めています。今年は、日本もカーボン・オフセットと国内排出量取引の元年になりそうです。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。世界的な地球温暖化防止への投資や経済活動の高まりを報告した地球白書2008、普段は見落とされている都市に眠る「資源」などの話題です。

*************** サステイナブルなニュース 第39号 *******************

地球温暖化防止への投資や経済活動が拡大、地球白書2008

米国の民間研究機関ワールドワッチ研究所は最新の「State of the World (地球白書)2008」において、地球温暖化防止に関連する投資や経済活動がここ数年で急拡大し、1000億ドル規模となっていると報告した。報告の中で、2006年の風力などの再生可能エネルギーへの投資が520億ドルに達し、2005年と比べて33%増加しており、2007年には660億ドルになると推定している。また、いわゆるカーボンの排出量取引の成長は著しく、2006年には300億ドルと、2005年の3倍の規模になっている。さらに大企業での先進事例としてデュポンでは、温室効果ガスを1991年比で72%削減することにより30億ドルの経費削減を実現している。地球白書は1984年から毎年発行され、世界中の言語に翻訳されて多くの人々に読まれており、日本で今年発刊された「地球白書2007-08」では、世界中で拡大し続けている都市の未来を特集している。

ワールドワッチ研究所 ”State of the World 2008”:
http://www.worldwatch.org/stateoftheworld
ワールドワッチ・ジャパン「地球白書2007-08:都市の未来」:
http://www.worldwatch-japan.org/BOOKS_SYOUKAI/HAKU_2007-2008.html

国内の「都市鉱山」は、世界の主要資源国に匹敵

(独)物質・材料研究機構では、国内の製品や廃棄物に蓄積されたレアメタル(希少金属)などの資源量を推計し、「都市鉱山」として世界有数の資源国に匹敵することを明らかにした。計算では、金は、約6,800トンが国内に存在し、世界の現有埋蔵量42,000トンの約16%となっており、銀は60,000トンで22%、インジウムが61%、錫11%、タンタル10%と世界の現有埋蔵量の一割を超える金属が多数あることがわかった。その他にも世界の年間消費量の数倍の蓄積量をもつ金属が多数あり、特に電池材料となるリチウムや触媒などとして不可欠な白金(プラチナ)の蓄積量が大きい。これらのレアメタルは、電子部品などに多用され世界的な需要増と供給リスクが指摘されている。現状ではこのような国内の「都市鉱山」の資源は、使用済みの製品や廃棄物として比較的安価に海外に流出している場合も多く、国内での適切なリサイクルが求められている。

(独)物質・材料研究機構プレスリリース:
http://www.nims.go.jp/jpn/news/press/press215.html

環境に貢献する特許を開放するエコ・パテントコモンズ設立

持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)はIBM、ノキア、ソニーなどの有力企業と協力して、環境技術に関する数十件の特許を開放する取り組みを始めた。開放する特許はエコ・パテントコモンズ(Eco-Patent Commons)と呼ばれ、環境問題に焦点をあてたものや、環境保全に効果がある製造やビジネスプロセスの技術革新に関するものが含まれている。例えば、有害廃棄物発生の削減、省エネや節水の効果をもたらす製造プロセス、燃料消費量の削減効果がある購買や物流ソリューションに関する特許がある。これらの特許はWBCSDが運営する専用のウェブサイトで公開され、環境保全につながる優れた技術を業種・国の壁を越え発展途上国にまで提供できる共通のプラットフォームとして期待される。どの特許を公開するかの選択は各企業・団体の判断に委ねられており、さらに賛同する企業の参加を呼びかけている。

日本IBMプレスリリース:
http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/01/1501.html
世界経済人会議(WBCSD)ホームページ: http://www.wbcsd.org/

09:39 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月31日 (月)

サステイナブルなニュース 第38号

年度末の忙しさにかまけて前回の投稿から1ヶ月が経ってしまいました。その間に東京の桜も例年よりも早く満開を迎えているようですね。

先週の土曜日に、永続地帯と再生可能エネルギーに関する国際ワークショップが千葉大で開催されました。ドイツ、中国、インドなど海外のゲストスピーカも招待し、非常に有意義なワークショップでした。特に急成長を続けている中国での再生可能エネルギーの動向を知ることができました。

[EICネット:再生可能エネルギーと永続地帯に関する国際ワークショップ]
http://www.eic.or.jp/event/?act=view&serial=14463

今回の、サステイナブルなニュースでは、高騰が続く原油価格が年明けに100ドルを超えたときの国際エネルギー機関(IEA)のコメントと、泥炭湿地の重要性を指摘した国連の報告書の話題などをお送りします。

*********** サステイナブルなニュース 第38号 ****************
原油1バレル100ドル超、国際エネルギー機関が声明で省エネを訴える

年明け早々に原油価格が1バレル100ドルを超えたことを受け、OECD加盟国26カ国で構成されるIEA(国際エネルギー機関)は、省エネや代替エネルギーへの投資を呼びかける声明を発表した。原油価格の高騰は長期化し、原油在庫も減少傾向にある中、100ドル超えは象徴的であり、エネルギー効率の改善が強く求められているとしている。原油の埋蔵量は豊富だが、それらが供給可能になるまでには長い期間がかかるため、上流から下流までのエネルギー効率改善による省エネや代替エネルギーへの投資が必須だとしている。IEAは、第一次石油危機の際に、石油などの国際的なエネルギー安定供給を目指して1974年に設立され、加盟国は90日分以上の石油備蓄が義務付けられている。昨年9月より事務局長を、日本から高橋信男氏が務めている。

IEA(国際エネルギー機関)ホームページ: http://www.iea.org/
IEAの概要(外務省): http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/energy/iea/iea.html
IEAの声明(英語)2008/1/3: http://www.iea.org/IEAStatementHighOilPrices.pdf

日本経団連、社会貢献活動の実績は1社平均4.5億円

地球温暖化対策には泥炭湿地の保全が効果的、国連環境計画が報告

日本経団連は、会員企業の2006年度の社会貢献活動実績の調査結果を発表した。企業1社あたりの社会貢献活動支出総額の平均は約4.5億円で、前年度より28%増加し、バブル期の1991年度の額に次ぐ結果となった。調査対象は会員企業1405社で、回答数は435社。支出分野別では「学術・研究」が20%と大幅に増え、以下、「教育」16%、「地域社会の活動」10%、「環境」9%となっている。経常利益に対する比率でも平均で2.2%となり、前年度の1.4%から大幅に増加している。独立した専門部署を設けている企業は34%で、その4割がCSR関連部門に置かれており、企業の社会的責任(CSR)の一環として社会貢献活動を位置づけ、積極的に展開しようとする企業の姿勢が数字に表れているとみられている。

日本経団連タイムズ(2008/1/1):
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2008/0101/10.html

地球温暖化対策には泥炭湿地の保全が効果的、国連環境計画が報告

国連環境計画(UNEP)や生物多様性保全条約(CBD)などがインドネシアのバリで12月11日に発表した報告書において、「泥炭湿地」の保全が地球温暖化の緩和策として非常に有効でかつ低コストあるとし、泥炭湿地の早急な保全と修復を実行することを呼びかけた。報告書では、泥炭湿地の伐採、乾燥、焼失により全世界で年間30億トン以上のCO2が排出されており、化石燃料による排出量の10%に相当するとしている(日本の排出量の約2.5倍)。泥炭湿地は世界の森林の2倍の炭素を蓄えており、地球上の炭素循環で非常に重要な役割を果たしている。特に、永久凍土、山岳、沿岸地域にある泥炭湿地は地球温暖化により深刻な脅威にさらされており、早急な保全が必要だと警告している。

国連環境計画(UNEP)プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=523&ArticleID=5723&l=en
「日刊温暖化新聞」記事:
http://daily-ondanka.com/news/2007/20071227_11.html

12:39 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 1日 (土)

サステイナブルなニュース 第37号

先週は関東地方では春一番が吹き、ようやく春の気配を感じますが、私が毎週通っている長野県はまだまだ寒い日が続いています(雪も何回か降りました)。今年度も残すところ1ヶ月となり、私を含め年度内のプロジェクトを担当している方はもっとも忙しい時期ですね。がんばっていきましょう。さて、先週、ご紹介した「再生可能エネルギー展望会議」の資料がISEPのホームページで公開されています。各パネリストからの発表資料などが掲載されていますので、ご興味のある方はご覧ください。

[ISEP: 再生可能エネルギー展望会議(2008年2月21日開催]
http://www.isep.or.jp/event/080221sympo2050.html

それでは、今週のニュースをお届けします。今回は、最近話題の「カーボンオフセット」の話題や大企業が相次いで打ち出している長期ビジョンのご紹介などです。

************ サステイナブルなニュース 第37号 *************

環境省、カーボンオフセットのあり方に関する指針案発表

来年からの京都議定書第一約束期間を控え、排出した二酸化炭素をオフセット(相殺)するいわゆるカーボンオフセットのあり方にについて環境省が検討会を4回開催し、その指針案がまとまった。11月30日から12月30日までこの指針案に関する意見募集(パブリックコメント)が実施されている。指針案では、まず日常生活や経済活動においてできるだけ排出量減るように削減努力を行ったうえで、排出量に見合った削減活動に投資等をして、排出される温室効果ガスを埋め合わせる。現在、カーボンオフセットには海外の公的なクレジットを活用とする場合と、国内での民間ベースのグリーン電力等を購入する2種類の方法がある。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9105

2007年版ODA白書、日本の国際協力を前面に

2007年版の政府開発援助(ODA)白書が外務省から発表された。表題を「日本の国際協力」としてオールジャパンとしての取り組みを前面に出していることが今年の特徴。特に気候変動問題などの近年の役割の変化や、アフリカ支援の取組みについて解説しているほか、国際協力における民間企業やNGOなどとの連携の事例なども幅広く紹介している。2006年のODA実績は、一般会計予算の減額などに伴い2005年比で14.9%減の約112億円となっており、援助総額は1982年以来24年ぶりに第3位に下がった。実績の内訳は二国間の開発援助が全体の約65%、残りが国際機関を通じたもの。政府貸付については回収額が貸付額を上回り、これまでの無償資金協力や債務救済が減る一方、技術協力や国際機関への拠出や贈与は増えている。

外務省2007年版ODA白書:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/2007.html

日立グループ、地球温暖化防止に向けた環境ビジョン2025を策定

日立グループは、2025年度時点で日立グループ製品によるCO2排出量1億トン抑制の実現を目指す「環境ビジョン2025」を策定した。これは2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を半減するという世界的な目標の中間時点である2025年度までの行動計画を具体化したもの。すでに2006年に策定した「環境ビジョン2015」では、2015年を目標に温室効果ガスや廃棄物などの「エミッションニュートラル」に取り組んでおり、CEnO(最高環境戦略責任者)や「地球環境戦略室」を設置し、これらのビジョンの実現を目指す。2025年までに全製品を環境適合製品(ライフサイクルの各段階での環境配慮設計を行い、環境配慮に優れた製品)とすることを目指し、2010年度の売上高を2006年度比の約2倍の6.6兆円と拡大する。

日立グループ・プレスリリース:
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/12/1220.html

02:50 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月23日 (土)

サステイナブルなニュース 第36号

今日は風の強い一日でしたが、春一番だったそうですね。まだまだ寒い日が続きますが、着実に春が近づいているようです。それでは、早速、今週のニュースをお届けします。今回は、国際的なランキングについて2つ紹介していますが、どうもこの様なランキングでは日本の順位がいつも芳しくありません。実態が正しく評価されている部分については素直に反省すべきですが、きちんと評価されていない部分も多いのではないでしょうか。それでもこれらのランキングでは、普段、日本国内では見落とされている視点に気付くことができます。

********** サステイナブルなニュース 第36号 **************

地球温暖化による気候変動対策の国別ランキングで日本42位

今年で3回目になる気候変動対策に関する国別ランキングが、バリで開催された国連の国際会議に合わせ、ドイツの環境NGOから発表された。1位は昨年に引き続きスウェーデンで、2位以下はドイツ、アイスランド、メキシコ、インドとなっている。日本は42位で、昨年の39位から順位を落としたが、特に政策面の不足が指摘されている。この気候変動対策指標CCPI(Climate Change Performance Index)では、温室効果ガスの排出量傾向(昨年との比較など)が50%、現在の排出量が30%、政策面が20%の割合で評価されている。1位のスウェーデンにおいても排出量のトレンドやそのレベルでは、対策として決して十分ではなく、100点満点のスコアのうち65.6に留まっている(日本は46.9)。中国は、政策が評価され、順位を上げて40位となっているが、排出量は増え続けている。

ドイツ環境NGO(Germanwatch)プレスリリース(英語):
http://www.germanwatch.org/presse/2007-12-07e.htm

初めての国際的な人道支援国別ランキングで日本18位

国際NGO「DARA」は国際的な人道支援に関する国別の指標HRI(Humanitarian Response Index)の評価結果を新たに発表した。評価対象はOECDの開発援助委員会(DAC)に所属する23の国となっており、1位はスウェーデンで、以下ノルウェー、デンマーク、オランダなどEU諸国が上位に並んでいる。日本は、近年のODA予算の減少なども影響して18位だった。評価はステークホルダーへのアンケート調査などにより行われ、人道支援のニーズへの対応、援助と開発の統合、パートナーとの協働、国際ガイドラインへの準拠、学習支援と責任の分担などが評価項目となっている。国際ガイドラインとしては、2003年にストックホルムでの国際会議で定められた人道支援に関する原則(GHD原則)があり、それらに基づく評価となっている。

DARAホームページでの人道支援評価指標HRI紹介:
http://www.daraint.org/web_en/hri_en.html

国内初のグリーンPPSによる電力供給、ヤマダ電機がサミットエナジーより

ヤマダ電機は、サミットエナジーと国内初のグリーンPPSによる電力供給契約を結んだ。住友商事グループのPPS(特定規模電気事業者)であるサミットエナジーより電力を供給受けると同時に、98店舗において電力の一部(360万kWh)を自然エネルギーによるグリーン電力で賄う。従来は電力供給とは別にグリーン電力証書を購入する形態だったが、国内で初めて通常の電力とグリーン電力証書をセットで供給を受ける。グリーンPPSという電力供給の形態は、欧州など海外では、普及しつつあるが、日本国内ではPPSなどの電気事業者がユーザ毎に自然エネルギーの割合を設定することが事実上できない。そのため、民間ベースでグリーン電力認証機構が発電設備の認定や電力量の認証を行っているグリーン電力証書との組み合わせにより初めて実現をした。

プレスリリース:
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=177441&lindID=5

10:26 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月11日 (月)

サステイナブルなニュース 第35号

自然エネルギーに関するイベントを2つご紹介します。まずは、今月21日と22日に有楽町の東京国際フォーラムで開催される「グリーンパワーキャンペーン」です。基調講演や展示会、分科会などがありますが、私自身は3つある分科会のひとつ「再生可能エネルギー展望会議」の中のパネルディスカッションにパネラーとして参加します。現在、ISEPでは2050年の自然エネルギービジョンの検討を行っており、その一部はここで発表される予定です。

もうひとつのイベントは、自然エネルギーと市民出資に関するセミナーです。「自然エネルギーセミナー2008」と題して大阪(3/1)と東京(3/15)で開催されます。このセミナーで紹介される「温暖化防止おひさまファンド」は現在出資募集中です。ご興味のある方は是非、セミナーに参加したり、資料を請求してみてください。

さて、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。国連で進められていた植樹キャンペーンが前倒しで目標達成したという嬉しいニュースと国内でのグリーン電力の先進事例の紹介です。最後のコクヨの取組みは通常は公表しない負の部分をあえて公表するところが面白いと思います。

************** サステイナブルなニュース 第35号 ******************

国連の「10億本植樹キャンペーン」前倒しで目標達成

国連環境計画(UNEP)が実施している「10億本植樹キャンペーン」が、当初の2007年末より前倒しで11月末に目標の植樹本数を達成したと発表した。ちょうど12月に開催される国連の気候変動に関するバリ会議に間に合う形ともなり、気候変動に対する森林保護や復元の重要性が再認識されている。植樹の半分程度は、世界各国の一般市民がそれぞれ1~3本の木を植えており、インドネシアで開催されたバリ会議に先立ち、会議で排出されるCO2をオフセットするために8千万本の植樹も行われた。もっとも多くの植樹が行われた国はエチオピアの7億本で、以下、メキシコ2.2億本、トルコ1.5億本、ケニア1億本、キューバ1億本、ルワンダ5千万本、北朝鮮4千万本と続いている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071204_115148.html
国連プレスリリース:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24821&Cr=climate&Cr1=change
国連環境計画(UNEP)「10億本植樹キャンペーン」:
http://www.unep.org/billiontreecampaign/index.asp

ソニー、再生可能エネルギーの利用を増やし、個人向けのサービスも提供

ソニーは、国内外で太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入を積極的に進めているが、2010年までにその導入量を4倍に拡大することを発表した。CO2排出削減に換算すると、2006年の実績値は約1万3千トンとなる。国内では、「グリーン電力証書システム」を2001年から活用し、すでにグループ会社契約分と合わせて木質バイオマス発電など3640万kWhの再生可能エネルギーを発電委託している。欧州においては、2002年より導入を開始し、すでに9つの事業所が施設全てを水力発電などの再生可能エネルギー100%で稼動している。これは欧州における全電力使用量の約41%に当たる。ソニーでは、さらにソニースタイルの販売サイトにおいて「社会貢献メニュー」として“ソニーポイント”でグリーン電力証書を1kWh単位から小口購入できるサービスを国内で始めて開始した。使用されるグリーン電力は秋田市の市民風車や長野県飯田市の市民太陽光発電所から供給される。

ソニー プレスリリース:
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200712/07-132/index.html
“Energy Green”プレスリリース:
http://www.energygreen.co.jp/press071204.html

コクヨ、環境配慮が不十分な製品に「×(バツ)」マークを表示

コクヨは、12月から発行する製品カタログ(約4万5千品番、100万部発行)において、環境配慮が不十分な自社ブランド製品について「エコ×(バツ)マーク」を表示することを発表した。来年2008年より3年間で商品の環境配慮に積極的に取組み、2011年に全商品の環境配慮100%を目指す。コクヨでは、1990年代初めから積極的に環境配慮商品の開発に取組んで来たが、今後、環境への配慮を「当たり前」とする基本姿勢として、環境配慮余地の残る自社商品を「エコ×マーク」の表示により明示することで、環境への配慮の徹底を進める。ステーショナリー(文房具)では、一般に使用される環境マーク(エコマークやグリーン購入法適合マーク等)の基準に合致しない商品、ファーニチャー(家具)では、「つくる時」、「つかう時」、「すてる時」の3つの商品サイクルにおける環境配慮が1でもされていない商品が表示の対象となる。

コクヨ プレスリリース:
http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20071210-777.html

04:41 午後 環境 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年2月 7日 (木)

サステイナブルなニュース 第34号

昨年の冬は太平洋岸は雪が少なかったと記憶していますが、今年は関東地方でも雪がだいぶ降っていますね。先週の週末に引き続き、今週の週末も雪が降るという予報が出ています。週末ごとに降るのは何か意味があるのでしょうか?先週は久しぶりに雪かきをしてしまいましたが、雪国ではこれを冬の間中ずっと行うことを思うと本当に大変だと思います。

さて今週のニュースでは、「グリーン契約法」という新しい法律を取り上げています。国が電力などを調達するときの契約を環境に配慮したものにしようというものですが、まずは始めての試みであまり大きな効果は期待できそうもありません。それでも、最初の一歩が肝心ですからここからスタートして、良いものであれば、これが地方自治体や民間へも広がることが重要だと思います(いわゆる率先取組みってやつですね)。あとは地球温暖化に関わる国際的なニュースを取り上げていますが、国連の報告書(人間開発報告書)はいつもながら本当に重たいテーマを扱っています。オーストラリアは政権が交代し、地球温暖化対策に本腰を入れ始めたというニュースです。

*********** サステイナブルなニュース 第34号 *****************

グリーン契約法が施行、国などの施設でのグリーン調達を推進

2007年5月に成立したグリーン契約法(環境配慮契約法)が、11月22日から施行された。この法律は国や独立行政法人などが製品やサービスを購入する際、温室効果ガスの排出削減に配慮した契約を推進するために、電力調達、自動車、ESCOおよび建築それぞれについて基本方針を定めている。基本方針のポイントは、電力については入札に参加しようとする事業者が、電力のCO2排出係数および再生可能エネルギーなどの環境への負荷低減への取組状況などを評価して、入札参加資格を決める。自動車については、燃費などの環境性能を考慮した評価を含めた入札を行う。ESCOについては10年程度の長期のサービス契約を可能とし、建築については、設計段階での設計者の能力を評価して設計の契約を行うこととしている。

環境省「グリーン契約(環境配慮契約)について」:
http://www.env.go.jp/policy/ga/index.html

国連が人間開発報告書を発表、途上国への気候変動の深刻な影響を懸念

国連の開発計画(UNDP)は、地球温暖化による気候変動の影響を総特集した今年の人間開発報告書を発表した。1日2ドル以下で生活する26億人の人々は、温室効果ガスをほとんど排出しないにも関わらず、干ばつや洪水などの気候変動の深刻な影響を受け、これまで改善してきた貧困、保健、教育などへの取組が逆行しかねないと警鐘を鳴らしている。報告書は、京都議定書後の枠組みを話し合う国連の気候変動に関するバリ会議に合わせて発表され、「気候変動との戦い、分断された世界での人類の連帯」と題して、温室効果ガスを大量に排出している先進工業国に対して、排出量を削減し、気候変動への影響を最小限に抑えるための投資と努力を行う連帯責任を訴えている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071202_220706.html
国連プレスリリース:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24817&Cr=human&Cr1=development
国連「2007年人間開発報告書」:
http://hdr.undp.org/en/

オーストラリア新政権が、京都議定書を批准へ

先の総選挙で誕生したオーストラリア新政権のケビン・ラッド首相は、国連の気候変動に関するバリ会議の開幕初日に京都議定書の批准に向けた文書に署名し、気候変動との戦いに尽力すると発表した。これによりオーストリアは2008年3月末までに京都議定書の批准国となる。これまでオーストラリアは、アメリカと共に京都議定書を批准してこなかったが、近年の深刻な干ばつなど気候変動の影響の大きさによる世論の高まりなどにより気候変動への取組みを公約した新政権が誕生した。同時に新たな目標として、2050年までに2000年比で温室効果ガスの排出量を60%削減し、2010年までの国内排出量取引を確立や、2020年までに太陽や風力などの再生可能エネルギーの割合を20%にまで増やすとしている。京都議定書でのオーストリアの目標値は1990年比に対して108%(8%増加)だが、近年排出量が急増しており、その達成の見通しについては明確には示されていない。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071204_114458.html
オーストラリア労働党プレスリリース:
http://www.alp.org.au/media/1207/mspm030.php

09:44 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月28日 (月)

サステイナブルなニュース 第33号

先週、仕事で北海道に日帰りで行ってきました。新千歳空港に到着すると、空港のあちらこちらに7月の洞爺湖サミットの看板が出ており、期待の高さが伺えました。JR北海道に乗り換え電車で札幌へ向かうと、途中から雪が激しく降って来ました。どうやら札幌市内では今年一番の大雪となっている様です。話に聞くと1月の初めまではほとんど雪がなく、来週から始まる札幌雪祭りの雪は、あちらこちらから集めて来たそうです。それがこの数週間でかなりの雪が降り、やっと例年と同じような積雪となったそうです。

それでは、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今週は、地球温暖化の傾向を知る上で重要な大気中のCO2濃度のデータが発表されたこと、その名も「地球地図プロジェクト」ということで、地球全体の自然環境などの状況を最新のデータを基にビジュアル化したもの、そして恒例のエコプロダクツ大賞の結果です。

********** サステイナブルなニュース 第33号 ****************

増え続ける温室効果ガスの大気中濃度、WMOが報告

WMO(世界気象機関)が11月に発表した温室効果ガス年報によると、2006年の大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の平均濃度が、過去最高水準となっている。特に二酸化炭素(CO2)については381.2ppmで最高濃度を更新すると共に、最近増加傾向が強まっており、工業化時代以前の値である約280ppmより36%高く、前年より約2.0ppm上昇した(最近10年間の平均増加量は1.9ppm)。一方、メタン濃度の増加については最近10年間で緩やかになってきており、平均濃度は工業化時代以前より155%高いものの、前年とほぼ同じ濃度となった。WMOでは、温室効果ガス世界監視ネットワーク(WMO-GAW)において世界中の観測データを収集しており、日本の気象庁が温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)を運営して収集・解析にあたっている。

気象庁プレスリリース(2007/11/23):
http://www.jma.go.jp/jma/press/0711/23a/CO2_conc1123.html

地球地図プロジェクト、地球全体の樹木の分布を公開

国土地理院は、地球全体を対象とした「地球地図・樹木被覆率データ」の試作版を公開した。この樹木被覆率データは、森林・砂漠化の状況や水資源の変化、二酸化炭素の吸収量や吸収源の変動の推定などに役立てることができ、地球環境の変化の基礎資料となる。またブラジルのアマゾンを始め、東南アジア地域やアフリカでの不法伐採などによる森林の減少の状況などが一目でわかる。各国の地図作成機関が協力して進めている地球地図プロジェクトでは、2008年4月を目処に地球地図第1版として全陸域のデータを公開するため、データの整備、検証を進めている。公開された地球地図データは、作成されたものから順次インターネットを通じて全世界に公開されている。

国土地理院プレスリリース:
http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2007/1120.htm
地球地図サイト:
http://www1.gsi.go.jp/geowww/globalmap-gsi/globalmap-gsi.html

第4回エコプロダクツ大賞の結果発表

環境負荷の低減に配慮した優れた製品やサービスを選ぶエコプロダクツ大賞が今年も発表された。第4回目となる今年は、大賞としてエコプロダクツ部門4件、エコサービス部門3件がそれぞれ選ばれており、12月に東京ビックサイトで開催されるエコプロダクツ2007展示会において表彰が行われる。エコプロダクツ部門の大賞に選ばれたのは、バンダイの「ガシャポンアースカプセル昆虫採集」、富士ゼロックスの「ゼログラフィー複写機&プリンター」、エコファクトリー社の「輻射式冷暖房装置ハイブリッドサーモシステムecowin」そしてJR東日本・日立製作所の「鉄道用ハイブリッド車両」。エコサービス部門では、NTTファシリティーズの「グリーンポテト(屋上サツマイモ水気耕栽培システム)」、東芝エレベータの「エレベータのリニューアル」、日産自動車のカーウィングスナビゲーションシステム(愛車カルテ/最速ルート探索サービス)となっている。

第4回エコプロダクツ大賞受賞結果:
http://www.gef.or.jp/ecoproducts/4th_result/index.htm

01:58 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月20日 (日)

サステイナブルなニュース 第32号

昨年はIPCCのレポートが1年かけて発表され、様々な地球温暖化に関する事実や予測が明らかになりました。今年は京都議定書の第一約束期間が始まり、本格的な地球温暖化対策に世界中の国々で取り組むことが期待されていますが、温室効果ガスの排出量は一向に減る気配はありません。ところで、日本には、「失敗学」という学問があるのをご存知でしょうか?このブログでも以前にご紹介していますが、地球温暖化対策に失敗することは、人類の存亡に関わる事態になる可能性があることをもっと認識すべきなのかもしれません。

今週のサステイナブルなニュースでは、昨年11月にIPCCの統合レポートが発表されたことや日本国内でのエネルギー自給自足の取組み、そして「失敗知識データベース」のご紹介です。失敗に学ぶことは重要ですね。

************ サステイナブルなニュース 第31号 ****************

国連IPCCによる評価が出揃う、地球温暖化対策は待ったなし

スペインで開催されていた国連のIPCC総会において6年ぶりとなる第4次評価報告書の統合版の内容が発表された。これは、今年の2月から作業部会(WG)毎に発表されてきた自然科学的根拠(WG1)、影響・適応・脆弱性(WG2)および緩和策(WG3)の各評価報告書をまとめたもので、今後の世界の地球温暖化対策の基本となる重要な報告書となっている。その中で、地球温暖化を科学的に疑う余地のないものとし、その原因を人為的なものとして温室効果ガスの排出が大きな影響を与え続けているとしている。地球温暖化への対応には、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するための緩和策と、すでに世界各国で観測されている気候変動による影響への適応の両方が必要となり、今後20~30年間の継続的な削減努力や投資が非常に重要だとしている。

IPCCホームページ: http://www.ipcc.ch/
環境省による概要:
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=10504&hou_id=9055

自然エネルギー100%の電力自立システムが運転成功

青森県八戸市で実証試験が進められてきた再生可能エネルギーによる「マイクログリッド」システムにおいて、太陽光発電、風力発電およびバイオマス発電などを用いて、商用電力系統と同等の高品質な電力を得る電力自立運転に世界で初めて成功した。この実証試験では合計出力130kWの太陽光発電設備、数kWの風力発電、500kWのバイオマス・ガスエンジンが約5km程度の長さの自営線に接続されており、容量100kWの蓄電池設備により変動を抑えている。試験では8日間、市内の6施設を商用電力系統から切離した状態で、これらの再生可能エネルギーのみで各施設へ高品質な電力を供給した。そのための電力制御システムも新たに構築を行い、十分に機能することが確認された。

三菱電機プレスリリース: http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2007/1112-b.htm

失敗知識を生かすデータベース構築、公共事業の失敗事例も紹介

国内外の失敗事例を数多く集めて分析して、得られる教訓と共にデータベース化した「失敗知識データベース」が文部科学省の外郭団体JST(科学技術振興機構)で開発され、公開されている。データベースには、約1000の失敗事例が登録されており、自由に検索することが可能。その中で特に重要な約100事例を集めた「失敗百選」も公開されている。失敗百選では技術に関する失敗が数多く取り上げられる一方、身の回りの安全に関わる問題、そして社会へのインパクトの大きい公共事業の失敗事例なども取り上げられている。一つの事例として国営諫早湾干拓事業があり、干潟の環境破壊や大きな漁業被害などが問題となっている。この中で一度決定した公共事業であっても社会経済的な条件の変化に対して的確に再評価をすべきだと指摘している。

失敗知識データベース: http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search

01:18 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月12日 (土)

サステイナブルなニュース 第31号

昨年の7月頃の記事「カーボンのお値段はいくら?」の中で中国のCO2排出量がアメリカを抜いて世界第一になったということを書きました。この情報はオランダの民間の評価機関からのものでしたが、国際エネルギー機関(IEA)でもいよいよそれを認めたというレポートがすでに公表されています(ちなみに現在のIEAの事務局長は日本人です)。CO2の排出量取引もEU域内ではすでに始まっていますが、米国でも一部の州が取り組み始めており、国際的なネットワークが出来つつありますが、その動きに日本はなかなかついていくことができません。日本国内では、エコツーリズムなどの環境分野の草の根の動きは広がりを見せていますが、国際的な枠組みの中での政策的な動きがやはり弱い様な気がします。

というわけで、そんな話題を含む今週のサステイナブルなニュースをお届けします。

************** サステイナブルなニュース 第31号 ****************

IEA世界エネルギーレポート、中国とインドとの協力を重視

IEA(国際エネルギー機関)の田中伸男事務局長は今月発表された世界のエネルギー情勢2007年版”World Energy Outlook2007”で、今後10年間、世界のエネルギーが抱える大きな課題に対して中国とインドが非常に重要であり、協力関係を重視するとした。このまま各国の政策が変わらなかった場合、2030年には現在の50%以上エネルギー消費量が増え、世界のエネルギー安全保障や気候変動へ重大な影響を与えるとしている。一方、二酸化炭素の排出量は、このままでは27Gトン(2005年)から42Gトン(2030年)へと57%増えるとしており、各国の早急なアクションが求められている。また、2007年中には中国が排出する二酸化炭素の量が現在世界第1位のアメリカ合衆国を追い越すのは確実とされている。

IEAプレスリリース:
http://www.iea.org/Textbase/press/pressdetail.asp?PRESS_REL_ID=239

欧米を中心に世界的な排出量取引に関する協定を創設

欧州諸国と米国やカナダの主要な州、ニュージーランドなどが参加し、新しい世界的な排出量取引に関する協定「国際炭素取引協定(ICAP)」が創設された。すでに欧州で行われているキャップ・アンド・トレード方式の排出量取引の仕組みや経験を共有することにより、世界的な炭素市場の創設をめざす。世界レベルでの大幅な温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素化のための製品やサービスの需要が加速され、イノベーションを推進し、より低コストで排出量削減を可能とする。欧州9カ国およびEU(欧州委員会)と共に米国とカナダからは「西部気候イニシアチブ(WCI)」に加盟する州や「地域温室効果ガスイニシアチブ(RGGI)」の州、ニュージーランドやノルウェーが参加している。

ICAPプレスリリース:
http://www.icapcarbonaction.com/pr20071029.htm
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071101_222855.html

今年のエコツーリズム大賞は、霧多布湿原トラスト

今年で第3回目になるエコツーリズム大賞の受賞結果が発表された。大賞は、北海道のNPO法人「霧多布湿原トラスト」で、湿原の保全をナショナルトラスト活動とエコツアーを絡めて実施し、地域と都市を結ぶ試みとして東京都多摩動物公園とのパートナーシップ協定を結んでいるなど、エコツーリズムをより大きく展開している姿勢が評価された。優秀賞には、石川県の「いしかわ自然学校」、三重県の「海島遊民くらぶ」そして長崎県の「させぼパールシー」の3件が選ばれた。「いしかわ自然学校」は、平成13年に開校した全国初のネットワーク型の自然学校で、約50の団体が参加しており、その実績や全体としてバランスの良い組織となっていることが評価された。

日本エコツーリズム協会「第3回エコツーリズム大賞」:
http://www.ecotourism.gr.jp/07_taisyou/07_taisyou.html

11:55 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 6日 (日)

サステイナブルなニュース 第30号

今年最初のサステイナブルなニュース(第30号)をお送りします。個人や事業で排出した分のCO2を相殺することができ、昨年から注目されているカーボンオフセットが国内でも本格的に始まります。植林によるものから、海外でのCO2削減事業への投資、国内での自然エネルギーへの投資など様々な方式のサービスがありますので、きちんと内容をチェックした上で、利用することが大切になります。また地球温暖化対策として注目されているバイオ燃料については、様々な問題点が指摘されています。こちらの動向にも注目していく必要がありそうです。食育については、食料自給率が低迷する中、地産地消の食べ物に注目し、無駄なく健全な食生活にする為にも重要です。

************ サステイナブルなニュース 第30号 ****************

日本初、市民主導型のカーボンオフセット事業スタート

有限責任中間法人「日本カーボンオフセット」は、市民が日常生活において排出するCO2(「生活CO2」)を主体的にオフセットするためのプラットフォームを立ち上げ、各種のカーボンオフセット事業を12月上旬から開始することを発表した。この事業は日本国内においては初の民間事業者による本格的な取組となり、市民が日常生活で使用するエネルギーの削減努力をした上でもなお排出される「生活CO2」をオフセットするサービスを提供すると共に、事業の収益はCO2排出量削減に向けての啓発活動の原資とする。オフセットのための排出権は、京都メカニズムのクリーン開発メカニズム(CDM)に基づいて海外のCO2削減事業からの排出権(CER)であり、来年からの第一約束期間中の京都議定書遵守へ貢献する形としている。

日本カーボンオフセット: http://www.co-j.jp/

朝食を欠食する国民の割合が増加傾向、食育白書が発表

平成19年版の食育白書が発表され、国民運動としての食育を推進するため、家族などでの食育の重要性を踏まえた関連調査の結果が紹介されている。特に9つの項目において定量的な目標値が定められ、平成22年度までに達成することを目指している。その中で、「メタボリックシンドロームを認知している国民の割合」などは77%と目標の80%以上に近づいている反面、「朝食を欠食する国民の割合」として20歳代男性が33%と目標の15%以下を大きく上回っている。また、食料自給率が39%と低迷する中、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践を促進するために「食事バランスガイド」等の活用を推進し、国民の60%近くが参考にして食生活を送っているとしている。一方、推進計画を作成・実施している市町村の割合は4%程度に留まっており、目標の50%を大きく下回っている。

平成19年版食育白書:http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/index.html

バイオ燃料は5年間生産を凍結すべき、国連の人権専門家が要請

国連の人権専門家が、10月26日ニューヨークでの記者会見でバイオ燃料の5年間の生産凍結(モラトリアム)を要請した。トウモロコシ、小麦やサトウキビなどの農作物を原料としたバイオ燃料生産は、食料や水の価格を上昇させ、このままの価格上昇が続けば、アフリカなどの最貧国では十分な食料を確保できないばかりでなく、すでに人類の6人に一人、8億人以上と言われる飢えに苦しむ人々をさらに増やし、これらの人々に「壊滅的な」結果をもたらすと警告している。さらに、農地をバイオ燃料の生産地へ転換することは人類に対する「犯罪」であるとし、FAOによる統計で世界がすでに全ての人類に十分な食料が供給できるだけの農業生産がありながら、食料に入手できずに飢えに苦しむ人々がいるのは明らかに人為的な問題だとしている。

国連プレスリリース(英語):
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24434&Cr=food&Cr1=
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071105_212045.html

04:04 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 3日 (木)

平成20年を迎えて

あけましておめでとうございます。
今年で3年目を迎える「サステイナブルなもの」をどうぞよろしくお願いします。
2005年の5月からこのブログを開始し、昨年からはサステイナブルなニュースを週一回のペースで連載していますが、今年はさらに充実させて行きたいと思います。

いよいよ平成20年の節目を迎え、地球温暖化を巡る動きも益々活発になることが予想されます。昨年発表されたIPCCの衝撃的な報告書、今年から始まる京都議定書の第一約束期間、そして2050年を見据えたポスト京都の国際的な枠組み作りと駆引き、北極海の氷床や氷河の減少、世界中で観測される数々の異常気象、世界中で加速する低炭素社会へのチャレンジなど、このブログでも積極的に取り上げて行きます。

昨年1月の抱負では「結果を残す活動をする」こと、「将来を見据えた活動をする」ことを宣言しました。結果を残す活動としては、地域での環境エネルギー事業の実施や、エネルギー永続地帯の研究結果発表を行いました。このブログの継続も結果を残す活動として考えています。将来を見据えた活動としては、2050年に向けた再生可能(自然)エネルギー関連のビジョン作りに取組み始めています。今年もこれらの活動を継続してサステイナブルな活動にして行きたいと考えていますので、このブログでもご紹介して行きたいと思います。

昨年の記事としては、第29号までの「サステイナブルなニュース」や、地球温暖化関連のニュースを取り上げました。主な記事を振り返ってみたいと思います。

[1月]
まずノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏の「不都合な真実」を観た感想を取り上げました。「エネルギー基本計画」の見直しがあり、パブコメに対して意見を提出しました。

[2月]
IPCCの第4次評価報告書「WG1:自然化科学的根拠」の発表が、この月から始まりました。また2050年の低炭素社会に向けたビジョンが日本の国立環境研究所から発表されました。

[3月]
EUの2020年の目標(ビジョン)が発表され、再生可能エネルギーの導入率20%を目指すとされました。これに対して、日本国内のRPS法の見直しは、小幅なものに留まり、パブコメへの意見を提出しました。

[4月]
IPCC第4次評価報告書のWG2「影響、適応および脆弱性」について発表されました。

[5月]
IPCC第4次評価報告書のWG3「緩和策」についての発表がありました。この月から「サステイナブルなニュース」の連載を週一回のペースで開始しました。

[6月]
国連環境計画(UNEP)から世界の自然エネルギーに対する投資が12兆円を超えたという調査報告が発表されました。気候安全保障という考え方についての発表がありました。

昨年の振り返りの続きは、次回の記事で書きたいと思います。本年もどうぞよろしく!

12:01 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月27日 (木)

サステイナブルなニュース 第29号

今年も残り数日となりました。この一年で地球温暖化を取り巻く動きは大きく変化しました。国内での「不都合な真実」の上映に始まり、米国ではブッシュ大統領がようやく地球温暖化を認めましたが、2月にはIPCCの第4次評価報告書の最初のレポートが発表され、国内では国立環境研究所から低炭素社会シナリオが発表されました。その後も、IPCCのレポートが矢継ぎ早に発表される中、6月のドイツサミットに向けて、国内では「21世紀環境立国戦略」が短期間に策定されました。今年の夏には、北極海の氷の面積が史上最小となり、大型の熱帯低気圧や洪水や旱魃などの異常気象が世界各地から報告されています。そして、12月には国連の気候変動に関する国際会議がインドネシアのバリ島で開催され、発展途上国を含む枠組みを作るためのロードマップが策定されました。まさに世界の動きは加速していますが、国内での動きはかなり鈍く、その成果はいまだ目に見える形にはなってはいません。いよいよ来年からは京都議定書の第一約束期間ですが、果たして地球温暖化防止に向けてどのような国内外の動きがあるのでしょうか。

今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、省エネ家電普及に向けた動きや日本経団連の調査結果という軽いお話と、国連の機関による"GEO-4"と呼ばれる人類の危機を警告している非常に重いレポートのご紹介です。

*********** サステイナブルなニュース 第29号 **************

省エネ家電の普及促進を目指しフォーラム設立

家庭での省エネ対策に有効な省エネ家電製品(エアコン、冷蔵庫、照明など)の普及促進を目指すため、家電メーカ、小売事業者および消費者団体などが連携した「省エネ家電普及促進フォーラム」が10月18日に設立された。ポータルサイトを開設すると共に、省エネ家電製品普及キャンペーンの実施、統一省エネラベルや講座実施などの情報提供の充実、家庭の省エネ診断ツールの構築、「省エネコンテスト」の共催などの活動を今後行う。エネルギー消費量が増加傾向にある家庭部門での省エネ対策として、近年、省エネ性能が大きく向上している家電製品の普及が極めて有効としており、政府の「チームマイナス6%」や「めざせ!1人1日1kgCO2削減」などの取組みとも連携する。統一省エネラベルは、昨年10月より小売事業者での表示制度が開始されており、実施の徹底を図り、消費者への情報提供を充実する。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8947
ポータルサイト「ハロー!省エネ家電」:
http://www.shouenekaden.com/

オフィスや家庭での地球温暖化対策をフォローアップ調査

日本経団連では、会員企業に対してオフィスや店舗等におけるエネルギー効率の改善に向けた対策強化や従業員の家庭レベルでの取組みを6月に要請すると共に、そのフォローアップ調査を9月に実施した。会員企業1336社のうち483社から回答があり、オフィスビルにおける省エネ活動でエネルギー消費量等の数値目標を設定している企業は6割に達し、9割以上の企業は冷暖房温度の調整等の省エネ活動を実施している。一方、従業員の家庭において環境家計簿の活用を推奨している企業は16%に留まっており、今後の普及が期待されている。来年からの京都議定書の約束期間を控え、CO2の排出量が30%以上増加(1990年比)している業務部門(オフィスや店舗等)や家庭部門に対して、省エネ活動の推進などが重要になっている。

日本経団連プレスリリース:
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/082.html

国連、地球環境に関する報告書で人類の危機を警告

国連環境計画(UNEP)は、10月に現在の包括的な地球環境の概況を”GEO-4”と呼ばれる報告書として発表した。5年ごとに発表され、今年で4回目のこの報告書では、この20年間の気候変動や生物多様性の損失、人口増加などへの取組みが未だ不十分で、多くの国々で困難に直面しているとし、このままでは人類の生存を脅かしかねないと警告している。人口の増加に伴い人類の地球環境へのダメージ(フットプリント)は1人あたり21.9ha分に達し、地球環境の平均容量である15.7haをすでに大幅に超えていると指摘。報告書は500ページ以上に及び、390名の専門家により、5年間かけて世界中の1000人以上がレビューに参加して作成された。人類全体のこの困難な状況を乗り越えるために、われわれが今どのように行動するかが重要であることを強調している。

国連環境計画プレスリリース:
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=519&ArticleID=5688&l=en
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/071027_192333.html

09:37 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月16日 (日)

サステイナブルなニュース 第28号

インドネシアのバリ島で開催されていた気候変動に関する国連の国際会議COP13が閉幕しました。この会議で合意された"バリ・ロードマップ”は、2009年までに全ての国が参加するポスト京都の枠組みを創る道筋をとりあえず示しています。しかしながら、IPCCがすでに明らかにしているような気候変動問題の普遍性に対して、国による立場の違いが明確に示され、今後の見通しは必ずしも明るいものではないこともわかりました。特に2大CO2排出国である中国と米国が今後どのように動いていくのか?日本のリーダシップはどこで発揮されるのか?予断は許しませんが、引き続き注目していきたいと思います。

今週のニュースをお送りします。いまだに解決されずむしろ悪化している世界的な貧困の問題、石油の代替として注目され多くの問題が指摘されているバイオ燃料、そして日本の森林に関するニュースなどを取り上げています。

********* サステイナブルなニュース 第28号 ***************

働き甲斐のある人間らしい仕事が世界的に不足、ILOが指標を発表

世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関ILO(国際労働機関)が、9月に主要労働指標(KILM)の最新版(第5版、隔年発行)を発表した。世界の労働市場の20の主要指標を用いて、雇用状況と求職者の特性、教育水準、賃金及び報酬、労働生産性、働く貧困層などについて幅広く分析している。労働生産性がもっとも低いのがサハラ以南アフリカで、就業者当たりの生産性は先進国労働者の12分の1となっており、先進国との生産性格差はさらに拡大している。さらに世界全体で2億人近い失業者と、一日2ドル未満で暮らす貧困労働者(ワーキング・プア)が約13億人いる現状を指摘し、働き甲斐のある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)の必要性を訴えている。

ILO駐日事務所:
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm#47
ILO KILM(英語):
http://www.ilo.org/public/english/employment/strat/kilm/

世界のバイオ燃料市場の動向を予測

アクセンチュアの調査レポートによると、世界のバイオ燃料市場は急成長しており、バイオエタノールやバイオディーゼルの生産企業について、2012年頃までにグローバル規模の主力企業が台頭すると予測している。今年1月から開始されたこの調査では20カ国の比較分析と生産企業や研究機関などの主要関係者へのインタビューが行われ、バイオ燃料業界における企業の成功のポイントや、市場への参入企業へのインセンティブの必要性、世界規模のバイオ燃料供給市場の創造に向けた取組の多様性などを指摘している。原料の比較分析では、バイオエタノールの製造においては、サトウキビが今後もっとも有力であり、バイオディーゼルの原料については、やし油の持続的な供給が疑問視される中、大豆やジャトロファなどの重要性が増しているとしている。

アクセンチュア・プレスリリース:
http://www.accenture.com/Countries/Japan/About_Accenture/News_Releases/Y2007/news_070911.htm

間伐・間伐材利用コンクールの受賞者が発表

森林・林業に関する17団体で構成する間伐推進中央協議会では、平成12年度から「間伐・間伐材利用コンクール」を実施しており、今年もその受賞者が発表された。「林業事業体による森づくり」部門では、大分県のトライ・ウッド社が列状間伐等への取り組みにより林野庁長官賞に選ばれた。その他、「森林ボランティア団体等による森づくり」部門や「暮らしに役立つ間伐材利用」部門などで受賞者が選ばれている。日本国内の人工林は昭和30年代から植林が進み、その面積は約1000万haに達しているが、国産材市場の低迷から、健全な森林を維持するために必要な間伐などが十分に行われていないため、林野庁を中心に総合的な推進対策が進められている。現在の間伐目標面積は年間約30万haで、間伐された材のうち搬出利用されているものは全体の4~5割程度にとどまると推定されている。

林野庁プレスリリース:
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kanbatu/071015.html
林野庁「間伐等推進総合対策の推進について」:
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/kanbatu2/top.htm

09:16 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 9日 (日)

サステイナブルなニュース 第27号

インドネシアのバリでは、国連の気候変動に関する国際会議が開催されていますが、各国の思惑が交錯し、難しい交渉が続いているようです。いよいよ今週が山場となりますので、引き続き注目していきたいと思います。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。来年、洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて国内のNGOから様々な提言が行われています。また、日本の企業の気候変動対策での海外からの評価や再生可能エネルギーの展示会などに関する話題を取り上げています。

***** サステイナブルなニュース 第27号 *************

日本のNGOが洞爺湖サミットに向けて政策提言を発表

2008年に北海道洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて、日本の貧困・開発・環境・人権の各NGOが分野を超えて集まり今年の1月に結成した「2008年G8サミットNGOフォーラム」が、東京都内で国際シンポジウムを開催し、政策提言の素案を発表した。シンポジウムのセッションではアジアやアフリカ出身の研究者やNGOから母国での現状の報告があり、ミレニアム開発目標(MDGs)に掲げられた貧困・環境・人権問題のつながりについて訴えた。政策提言の素案は環境、人権・平和、貧困・開発の課題ごとに作成され、特に「環境」では、国内排出量取引や環境税の導入、2050年までに温室効果ガスの排出量を先進国で1990年比で80%削減するように求めており、太陽光や風力などの自然エネルギーの活用を進める必要性を訴えている。

G8NGOフォーラム: http://www.g8ngoforum.org/
G8NGOフォーラム活動報告: http://www.g8ngoforum.org/forum/category/reports/

日産自動車、気候変動に関する情報開示の先進企業に選ばれる

日産自動車は、気候変動に関する戦略において優れた取組や情報開示を行っている企業で構成するCDLI(Climate Disclosure Leadership Index)に選定された。CDLIには68の企業が含まれ、CDP(The Carbon Disclosure Project)が世界の主要企業、約2400社を対象に実施した気候変動への取組や戦略に関する詳細なアンケートへの回答内容に基づいて選定されている。自動車業界ではダイムラー・クライスラーと共に2社のみが選定されており、「ニッサン・グリーンプログラム2010」における包括的な戦略や、積極的な環境情報開示への姿勢が評価されたとしている。「ニッサン・グリーンプログラム2010」では、2010年に達成すべき目標と取組みをまとめており、「CO2排出量の削減」、「エミッションのクリーン化(大気、水、土壌の保全)」、「資源循環」の3つの重点課題を設定して、活動を進めている。

日産自動車プレスリリース:
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2007/_STORY/071011-01-j.html
CDP(The Carbon Disclosure Project): http://www.cdproject.net/

再生可能エネルギーの国際的な展示会が幕張で開催

地球温暖化問題や石油高騰の中で注目されている再生可能エネルギー全分野をカバーする国際展示会およびカンファレンスが「第2回新エネルギー世界展示会」として千葉県の幕張メッセで10月に開催された。昨年10月に開催された「再生可能エネルギー2006国際会議」「新エネルギー世界展示会」の流れを継承し、6月に結成された「再生可能エネルギー協議会」の主催により、再生可能エネルギー全分野に関わる176社が出展した展示会や、産官学のバラエティ豊かなセッションを含む国際カンファレンスなどが開催された。再生可能エネルギー協議会は、再生可能エネルギー各分野を構成する団体や専門家が連携し、技術の調査研究、国際交流により、技術分野の普及促進、技術開発、産業振興発展するための「連絡・交流組織」として、2010年まで毎年、国際会議や国際展示会の開催を計画している。

第2回新エネルギー世界展示会: http://www.renewableenergy.jp/top.html
再生可能エネルギー協議会: http://www.renewableenergy.jp/council.html

02:48 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 2日 (日)

サステイナブルなニュース 第26号

明日(12/3)から、インドネシアのバリで開催される国連の気候変動枠組条約第13回締約国会議 (COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)は、2013年以降の京都議定書後の国際的な地球温暖化対策の方向性を決める重要な会議だと言われています。しかしながら、欧州が積極的な数値目標を提示している一方、2大排出国である米国や中国などの動向はまだまだわかりません。日本も、具体的な数値目標を出すことには慎重のようですが、来年の洞爺湖サミットを控えどのように地球温暖化対策でのリーダシップをとっていくのか注目されます。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。地球温暖化をはじめとする人類による環境負荷は地球の環境容量をすでに超え、増大を続けています。先進的な一部の企業はそのことに気がつき独自に行動を始めようとしているようです。

********** サステイナブルなニュース 第26号 ***************

松下グループが中国で環境貢献企業を目指すことを宣言

松下電器産業(株)とパナソニックチャイナ(有)は、北京市内において「中国環境フォーラム」を中国日本友好協会と共同開催し、中国において環境貢献企業を目指す「中国環境貢献企業宣言」を発表した。高い環境性能を有する製品づくり(グリーンプロダクツ)や、製造事業所における環境負荷低減(クリーンファクトリー)、日本と中国の従業員13万人の環境意識の向上「CO2削減10万人エコチャレンジ」などを3つの軸として、松下グループ全体で現地に即した環境保全に取組むとしている。中国政府が「第11次五カ年計画」に環境目標を盛り込むなど環境保全活動を強化している中、松下グループは今年4月からの三ヵ年で「中国エコプロジェクト」をスタートし、宣言に盛り込まれた目標の達成や計画の実施を目指す。

松下電器産業プレスリリース:
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070926-3/jn070926-3.html

今年は10月6日にエコロジカルな赤字状態に突入

人類の地球環境への負荷を足跡の面積として表しているエコロジカル・フットプリントと呼ばれる環境指標がある。この指標を定期的に発表しているGFN(グローバル・フットプリント・ネットワーク)によるとすでに1980年代半ば以降このフットプリントが地球の生態系が供給することが可能な量を超過し続けている。今年はその超過量が30%を超えたため、10月6日にはエコロジカルな赤字状態に突入したことになり、年々その時期は早まっている。これは家計に例えれば、収入よりも多額の消費を続けている状態であり、赤字状態に陥っていることになる。見方を変えると環境への負荷が容量に対してオーバーシュートしている状況であり、長期間継続すると、最終的に廃棄物などが蓄積し続け、生態系資源そのものが枯渇する状況に陥ることになると警告している。

エコロジカル・フットプリント・ジャパン「地球1コ分の暮らし」10月6日発行
http://blog.mag2.com/m/log/0000151856/
グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)発表資料(英語):
http://footprintnetwork.org/press/EcologicalDebtDayMediaBackgrounder.pdf

皇居のクールアイランド効果を確認、周辺よりも平均1.8℃低く

近年、都市部の高温化(ヒートアイランド)現象が顕著になっているなか、公園などの都市内緑地の役割が注目されている。都内有数の都市内緑地である皇居のクールアイランド効果について定量的に検証するため、昨年に引き続き気温観測が行われ、8月の気温が周辺市街地と比較して1日を通して1.4~2.2℃程度低かったことが確認された(最大では4.1℃)。さらに周辺市街地に向かって、昼間は風による冷気が流れ、夜間は冷気のにじみ出しがそれぞれ観測された。よって、ヒートアイランド現象が顕著な都市の中心部にあって、明瞭なクールアイランドとなっていることが示されるとともに、周辺市街地の気温の低下にも寄与していることが分かった。今後、これらの結果を都市のヒートアイランドを改善する政策に有効活用することが期待されている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8870

01:27 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月23日 (金)

サステイナブルなニュース 第25号

初雪の便りが各地から聞こえ始め、すでに冬が訪れたようです。暖房が必要な時期になりますが、今年は暖房用の灯油などの高騰で、別の燃料に切り替える人も多いのではないでしょうか。特に、大量の灯油や重油を使う施設ではこの燃料費の値上がりは死活問題です。そのとき化石燃料ではなく、どのようなエネルギーを選ぶかが重要です。この機会に私たちの生活に欠かすことのできないエネルギーのことについて真剣に考えてみてはいかがでしょうか。先週、エネルギー資源のピーク問題に関するセミナーに参加して来ましたが、すでに多くの人が認識しているピークオイルに加えて、天然ガスや石炭そして原子力発電の燃料となるウランのピークまでも考える必要があることを再認識しました。私たちの次の世代が持続可能な社会を創り上げることができるどうかは、地球温暖化問題や食糧問題と合わせて、このエネルギー問題を解決していく必要があります。

今週のサステイナブルなニュースをお送りします。今、温暖化対策のひとつとして注目されている排出権取引の話題、先進的な地球温暖化対策を進めている東京都の取組み、そして今後のもっとも注目すべき国、中国との協力関係の話題をお送りします。

************* サステイナブルなニュース 第25号 ************

日本企業として丸紅が欧州排出権取引所に初めて加盟

丸紅(株)は、日本企業として始めて欧州排出権取引所ECX(European Climate eXchange)に加盟したことを発表した。ECXは世界最大の排出権取引所であり、2005年4月から排出権取引を開始し、欧州主要企業を中心に80社が会員となっている。2006年の取引規模は、EUA(欧州内の排出権)で推定100億ユーロに拡大している。ECXでは、京都議定書の京都メカニズムによる排出権CERの上場を今年9月より予定しており、欧州域内だけではなく国際的な排出権取引の拡大が見込まれている。丸紅は、この国際排出権取引に参画し、従来から扱っている海外での温室効果ガス削減プロジェクト(CDMなど)によるCERの調達、販売の機能や体制を強化する。さらに、国際排出権取引市場の創設を目指す非営利団体である国際排出権取引協会IETAにも加盟し、国際排出権取引に関する枠組み作りにも積極的に関わる方針としている。

丸紅プレスリリース:
http://www.marubeni.co.jp/news/2007/070921.html

東京都が、民間企業の協力により白熱球一掃作成を展開

東京都の気候変動対策の一環として、コンビニ、スーパー、電気店などと連携した「白熱球一掃作成」を展開することを発表した。家庭で従来から使用されている白熱球を、電球型蛍光灯に交換することにより、家庭で使用される電気の2割弱を占めると言われる照明の省エネを推進する。都内に店舗を有するコンビニ各社において、電球型蛍光灯の取り扱いを10月より開始。スーパー各社においては、売場拡大や割引セールなどにより積極的な販売を行う。電気店においても店頭で省エネ性能などのメリットを宣伝する。さらに、率先行動として東京都の施設において現在使用されている白熱球2万9千個について、原則として来年度末までに全て電球型蛍光灯に交換することにより、約200トンのCO2を削減する。

東京都プレスリリース:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/09/20h9l200.htm

日中間で省エネルギー・環境に関する10件の協力に合意

9月下旬に北京で開催されていた「第2回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」において、省エネルギー・環境に関する10件の協力について日中間で合意された。このうち5件については、日中省エネルギー・環境ビジネス推進モデルプロジェクトとして協力合意に至ったもので、石炭火力発電所の省エネ・環境診断及び技術改善事業の他、紡績工場の省エネ改善プロジェクト、下水汚泥・都市ごみ・未利用バイオマスのエネルギー化事業及び有効利用、鉄鋼・化学工業業界の電機システムの省エネ・余熱余圧利用のモデルプロジェクトなどがある。その他の協力合意事項としては、日本化学工業会と中国石油・化学工業協会との協力推進、日中間の循環型都市に関する協力推進、排熱発電に係る設備の製造を行う合弁企業の設立、省エネ推進・環境改善のための金融スキーム、そして日本のESCO推進協議会と中国ESCO協会との協力となっており、全て民間レベルで実施される。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20070927002/20070927002.html

09:17 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月18日 (日)

これからの20年間にするべきこと

これからの20年間の地球温暖化への対応が将来の人類の運命を決めることになりそうです。11/17までスペインで開催されていたIPCC総会において統合報告書のサマリー(SPM)が発表されました。この報告書は、今年の2月から各作業部会(WG)から発表されていた評価報告をまとめたもので、今後の地球温暖化による気候変動対策の根拠となるとても重要なものです。そして、この報告書を真摯に受け止め、これからの20年間で地球温暖化への対応を世界規模で着実に行う必要があります。

環境省:[IPCC統合報告書の日本語概要]

地球温暖化への対応としては、温室効果ガス(GHG)の排出量を削減すると共に、気候変動による様々な影響やリスクへの対応を同時に行う必要がありますが、そのためのコストは遅れれば遅れるほど大きくなり、対応が難しくなります。大気中の温室効果ガスの濃度を許容できる範囲に安定化するためには、やはり次の図にあるように排出量を2050年頃までに現在の半分以下にする必要があります(温度上昇を2.8℃以下にするカテゴリIあるいはIIの場合)。そのための経済的なコストや選択すべき技術なども報告書の中で列挙されており、まさにこの20年間に私達がすべきことのヒントが書かれています。
Ar4_syr_spm11

これまで発表された各作業部会の報告については、このブログでも取り上げています。それぞれの詳細なレポート(英語)もすでにIPCCのホームページで公開されていますので、必要に応じて詳しい内容を確認することが可能です。

この統合報告書の最後の方にある「長期的な展望」では、今後長期的に考えられる地球温暖化によるリスクを列挙しています。温暖化に伴う自然界への影響や種の絶滅、異常気象の増大、最貧国など温暖化の影響を真っ先に受ける国々、対応コストの増大、そして急速に進む極地域の氷の減少など、これらの地球温暖化のリスクは日に日に増大しています。これからの20年間は、これらのリスクへの対応も考えながら、温室効果ガスの大幅な排出削減にも取り組むことになります。

統合報告書は、以下の5つの主題(トピックス)から構成されています。

主題1:気候変化とその影響に関する観測結果
    気候システムの温暖化には疑う余地がなく、平均気温の上昇、雪氷の融解、海面水位の上昇が観測されている。地域的な気候変化により、多くの自然生態系が影響を受けている。

主題2:変化の原因
    人間活動により、温室効果ガスの濃度が産業革命以前の水準を大きく超えている。20世紀半ば以降の平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた。

主題3:予測される気候変化とその影響
    世界の温室効果ガス排出量は、現在の政策を継続した場合、今後20~30年間増加し続け、大規模な温暖化がもたらされる。

主題4:適応と緩和のオプション
    脆弱性を低減させるためには、強力な適応策が必要。適切な緩和策の実施により、今後数十年にわたり、温室効果ガスの排出量の伸びを相殺、削減できる。

主題5:長期的な展望
以下の5つの「懸念理由」が第3次評価報告書からますます強まっている。また、適応策と緩和策は、互いに補完しあうことで、気候変動のリスクを低減。既存技術および今後数十年で実用化される技術により温室効果ガス濃度の安定化は可能。今後20~30年間の緩和努力と投資が鍵となる。

  1. 極地や山岳社会・生態系といった、特異で危機にさらされているシステムへのリスク
  2. 干ばつ、熱波、洪水などの極端な気象現象のリスク
  3. 地域的・社会的な弱者に大きな影響と脆弱性が表れる
  4. 地球温暖化の進行に伴い被害が増大し、コストは時間的に増加
  5. 海面水位上昇、氷床の減少加速など、大規模な変動のリスク増大

01:22 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年11月16日 (金)

サステイナブルなニュース 第24号

石油価格の高騰が続いています。現在のような原油価格の上昇が始まった2000年頃は、ちょうど中国の化石燃料の使用量(CO2排出量の傾向と一致)が急速に増え始めた時期と面白いように一致します。中東にその多くを依存する原油の生産量は、ここ数年、頭打ちの傾向を示しており、世界の石油の生産量がピークを迎える"ピークオイル"というキーワードがエネルギー関係者の間ではすでに常識となりつつあります。この石油の需給バランスから容易に想像されるのが、原油価格の上昇です。このピークオイルと地球温暖化は、私たちが今後数十年間に渡って避けることのできない現実として目の前に横たわっています。

さて今週は、地球温暖化により変わりつつある金融(お金の流れ)や、新たなエネルギーとして注目を集めている太陽光発電の将来動向、そして賛否両論、その動向に注目が集まるバイオ燃料などに関するニュースをお送りします。解決策は決して一つではありませんので、多くの選択肢から正しいものを見極める力が大切だと思います。

****** サステイナブルなニュース 第24号 *****************

気候変動対策には根本な投資の流れの変化が必須、国連報告

8月末に国連の気候変動枠組条約事務局から発表されたレポートによると、今後25年間の気候変動対策においては、世界の投資や金融の流れのパターンを根本的に変える必要がある。レポートでは、気候変動に対する国際的な対策の進展に関連して、すでに存在するか潜在的な投資や金融の流れについて分析した結果、2030年には世界的な投資額の1.1%から1.7%程度の追加的な投資や金融の流れが必要になることがわかった。もう一つの重要な指摘は、温室効果ガスの排出量を2030年の時点で現在のレベルに戻すためには、2,100億ドル程度の追加的な投資や金融の流れが必要になるとしている。2030年には、世界での排出削減量の68%を発展途上国が占めるため、これらの国々への投資額が全体の46%に達すると予測している。

国連ニュース:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=23592&Cr=climate&Cr1=change
UNFCCC(国連気候変動枠組条約)発表資料:
http://unfccc.int/cooperation_and_support/financial_mechanism/items/4053.php
温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070905_164740.html

2010年の太陽電池の世界市場と技術開発を予測

富士経済がまとめた調査によると、2010年度の世界の太陽電池市場は2兆7,700億円に達し、2006年度の約3.7倍となる。市場は日本から欧州、北米、中国などの中進国、発展途上国へ拡大し、シリコン原料の逼迫によりシリコン依存度のより低い原料を利用したCIS系太陽電池などの多様な太陽電池の技術開発が進むとしている。日本国内の市場は、2010年度で2,162億円と今後3年間で1.7倍程度の伸びにとどまるが、製造については従来の電機業界から、材料や石油、自動車などのメーカーへと多様化する。一方、海外市場は、2006年度の6,325億円から2010年度の2兆5,554億円と約4倍の伸びが予測され、年率40%以上の成長が続くとしている。欧州ではすでにドイツが日本を抜き世界最大の市場となり、米国でもカリフォルニア州などで需要が急増している。アジアにおいても中国や韓国での需要が伸びており、ODAや世界銀行の支援を受けた発展途上国へも需要が広がると見ている。

富士経済プレスリリース:
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/070911_07072.pdf
日経プレスリリース:
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=169784&lindID=5

世界初、最新型ハイブリッドバスに第二世代バイオ燃料

東京都は、第二世代のバイオディーゼル燃料による最新型ハイブリッドバスのデモ走行を10月から都バス1系統において開始すると発表した。東京都では、「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を推進しており、CO2排出削減のために都バスにおけるバイオディーゼル燃料の先駆的導入に取組んでいる。すでに導入されている第1世代バイオディーゼル燃料(FAME)に引き続き、新日本石油とトヨタ自動車が共同開発した水素化処理技術によるBHD(水素化バイオ軽油)を採用する。このBHDは植物油等を水素化処理することにより従来の軽油とほぼ同じ成分となり、将来的には100%近い高濃度利用も可能となる。このデモ走行では、BHDを10%配合した軽油を利用し、日野自動車製のハイブリッドバス2両を運行する。ハイブリッドバスは、平成19年度に5両を導入する計画で、ディーゼルエンジンとモーターを組合せることにより燃料の消費を従来の15%程度抑えることができる。

東京都プレスリリース:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/09/20h9l400.htm

09:17 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年11月 9日 (金)

サステイナブルなニュース 第23号

つい2年ほど前までは太陽光発電の設備容量で日本が世界一だったのですが、すっかりドイツに抜かれてしまいました。太陽光発電装置の生産量ではいまだに世界一の様ですが、それも中国や欧州の企業に急速に追い上げられています。シリコンの調達力の差や国内市場の低迷が影響を与えているのでしょうか。今回は、スペインから「超大規模」な太陽光発電施設についてのニュースです。13,800kWというのは、通常の家庭用の4600世帯分ということでひとつの町の分という感じですね。装置のメーカは京セラということですが、日本のメーカも市場の成長が激しい欧州に目を向けているようです。日本国内でも2ヵ所で大規模な太陽光発電システムが稼動しつつあります。ひとつが、山梨県北杜市(2MW)、もうひとつが北海道稚内市(5MW)です。いずれもNEDOの「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」としてスタートしています。その他、環境省のメガワットソーラー事業も昨年度からスタートしており、長野県では飯田市佐久市の2ヵ所、そして高知県でそれぞれ1MW規模の太陽光発電導入事業が行われています。中でも飯田市の事業は市民出資を活用していることが特徴で、出資募集も近々開始される予定です。

                  [温暖化防止おひさまファンド]

前置きが長くなりましたが、今週のサステイナブルなニュースを3件、お送りします。最初がスペインでの超大規模太陽光発電(日本国内のメガワットソーラーのさらに10倍以上!)のニュース、そしてSRIと生物多様性と続きます。

スペインで超大規模な太陽光発電施設が完成

スペインのサマランカ市で出力13,800kWの出力を持つ超大規模太陽光発電施設が完成した。京セラは、この施設全体に過去最大規模の約7万枚の太陽電池を供給しており、約5000戸分の電力を賄うことができる。京セラは28年前に初めて海外向けの太陽電池の供給を始めており、そのときの出力8kWに比べ、実に1700倍に達している。設置面積は約36万平方メートルで、甲子園球場約9個分に相当する。スペインでは、ドイツなどの欧州各国で導入が広がっているフィードインタリフ制度(電力会社が再生可能エネルギーを通常の価格より高額で固定価格での買取りを保証する制度)により、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの市場が急速に拡大している。施設を建設したスペイン企業アバンツァリアソーラー社は、2004年に設立され、コンサルティングからメンテナンスまでのトータルサービスと資金調達業務をその運用と合わせて行っている。

京セラ・ニュースリリース:
http://www.kyocera.co.jp/news/2007/0902.html

東レが、代表的なSRI指標のひとつに採用

東レ(株)は、世界の代表的なSRI(社会的責任投資)指標であるダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス:DJSI World)に初めて採用された。本SRI指標の構成銘柄の見直しは毎年9月に行われ、9/24に発効する”DJSI World2007/2008”には、世界で318社が採用され、そのうち日本企業は東レを含み36社が採用されている。化学業種では、日本で東レが唯一採用された。このDJSI Worldは、1999年に米国の株式指数算出会社であるダウ・ジョーンズ・インデクシス社とスイスのSRI調査運用会社サムグループ社が提携して開発した株式指標で、世界のSRIファンドの銘柄選定に大きな影響を与えることで知られている。インデックス構成の見直しは、世界の企業2500社を対象に「経済」「環境「社会」の3つの側面から企業を評価し、業種毎に上位10%の企業を採用している。

東レ・プレスリリース:
http://www.toray.co.jp/news/manage/nr070914.html

生物多様性の国家戦略案がまとまり、意見募集へ

中央環境審議会に設置された生物多様性国家戦略小委員会は、第3次となる新たな生物多様性国家戦略の案を取りまとめ、意見募集を開始した。この国家戦略は、生物多様性条約に基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる政府の施策を体系的に取りまとめ、その目標と取組みの方向を示したもので、平成7年の第1次から5年程度を目途に見直しを行ってきた。案の特徴としては、生物多様性の重要性をわかりやすく解説し、地球温暖化が生物多様性に与える深刻な問題についての記述を追加している。レッドデータブックの改訂などこの5年間の生物多様性についてのデータを概説し、国のほか、地方公共団体、企業、NGOなどの取り組みの重要性を紹介している。さらに、生物多様性の保全をするために100年かけて回復する国土のグランドデザインを「100年計画」として提示している。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8794
第3次生物多様性国家戦略(案):
http://www.env.go.jp/info/iken/h191014a/index.html
生物多様性情報システム(J-IBIS):
http://www.biodic.go.jp/J-IBIS.html

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2007年10月29日 (月)

サステイナブルなニュース 第22号

国連環境計画(UNEP)が5年毎に発表しているレポート「地球環境概況(Global Environmental Outlook)第4版」"GEO-4"が先週発表されました。すでにIPCCの第4次評価報告書でも今年発表されているように、地球環境の状況は人類にとって一刻の猶予も許されないと本レポートでも具体的な項目を列挙して警告をしています。日本語版はまだありませんが、英語版がUNEPのホームページからダウンロードできます(500ページ、22MB以上)。

今週のサステイナブルなニュースをお送りします。産業界が実施した日本国内での地球温暖化に関するアンケートの結果や、国際的な環境NGOであるWWFと英国大手スーパーの協働、東京都の環境金融への取組みなどをご紹介します。

************** サステイナブルなニュース 第22号 ******************

地球温暖化に関するアンケート調査結果を発表

日本経団連の関連団体である(財)経済広報センターでは、全国に組織する公聴会員約2000人にインターネット経由で「地球温暖化に関するアンケート」調査を実施した。その調査結果では、地球温暖化が「身近な問題である」との認識が95%に達する一方、現在、京都議定書で日本が求められている削減目標は、「現状をみると、達成できない」という達成を疑問視する回答が79%となった。世代別では、若い世代ほど地球温暖化への関心が低いが、同時に削減目標達成については厳しい見方をしている。自らの地球温暖化防止のための行動については、「意識しているが、できる範囲だけで行動している」が75%ともっとも高く実際の行動の難しさを表すと共に、「積極的に行動している」という回答と合わせると90%を超え、環境を意識して何らかの行動をしている人が多いことがわかった。

経済広報センター・プレスリリース:
http://www.kkc.or.jp/release/2007/rel0810.html
経済広報センター「地球温暖化に関する意識調査報告書」:
http://www.kkc.or.jp/society/survey/enq_070810.pdf

英国大手スーパーがWWFと環境対策の新たなパートナーシップ

英国大手スーパーのマークス&スペンサー(M&S)は、WWFとの新しいパートナーシップを結び、M&Sが2億ポンドを費やして環境対策に取り組む5ヵ年計画「プランA」をWWFが支援する。この計画では、「2012年までに英国およびアイルランドの店舗をカーボンニュートラルにする」との目標を掲げる他、廃棄物の削減、持続可能な原材料の調達など5分野100項目に渡り対策を進める。顧客や従業員のカーボンフットプリントを計算できるツールをWWFのサイトで利用できるように提供し、カーボンフットプリントの削減を支援する。また、ボルネオや大西洋におけるWWFの環境保護プロジェクトへの融資なども行う。

英国WWFプレスリリース:
http://www.wwf.org.uk/news/n_0000004287.asp
温「断」化ニュース記事:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070910_190604.html

東京都が、日本で初めての環境CBO(社債担保証券)創設

東京都では、平成14年度から中小企業の資金調達を支えるためのCBO(社債担保証券)を実施してきたが、今年度から日本初の取り組みとなる「環境CBO」を創設する。この「環境CBO」の特徴として、従来のCBOに二酸化炭素の排出量削減という地球温暖化対策の視点を取り入れたこと。社債を発行するスキームの要件として、一定量の二酸化炭素の排出量削減の条件を設定し、中小企業における省エネの取組みを促す。「地球温暖化対策推進基金」を活用して、CBOの一部を東京都が無利子で購入し、社債発行利率を下げ、より多くの企業が参加しやすい仕組みとしている。この様な新たな金融商品の提供により、広く中小企業におけるCO2排出量削減の実現を支援するとともに、省エネの動きを醸成していくとしている。

東京都プレスリリース(8月31日):
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/08/20h8v400.htm
東京都の地球温暖化対策:
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sgw/index.htm

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2007年10月22日 (月)

サステイナブルなニュース 第21号

今年発表されたIPCCの第4次評価報告書の中に、温室効果ガスの排出量を減らす方法としてカーボン(二酸化炭素)に値段をつけるというものがありました。国や地方自治体レベルの政策として環境税や排出量取引などが注目されていますが、民間ベースの取組みとしてのカーボン・オフセットやグリーン電力証書などの取組みも広がっています。今回のニュースでは国際的な金融機関によるそんな取組みを紹介します。

現在、国の環境政策の基本的な方針を定めている第三次環境基本計画について、進捗報告の内容が現在パブコメ(意見公募)されています。

[環境省:第三次環境基本計画の進捗報告案などに関するパブコメ]
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8927

この環境基本計画での指標の扱いについて総合的に判断するために、検討委員会が開催されており、以下のように資料や議事録が公開されています。このブログでもご紹介したエコロジカル・フットプリントを中心にJFS指標など内外の指標を比較検討して、その活用を模索しているようです。

[環境省:第三次環境基本計画の指標の活用に関する検討委員会]
http://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/ei/kentou.html

********* サステイナブルなニュース 第21号 ************

環境省、来年度の重点施策をまとめ、概算要求

環境省は、地球温暖化問題への対応や循環型社会の構築などへの取組みなど、「環境立国・日本」の創造と発信をテーマに来年度の重点施策をまとめ、来年度予算の概算要求を行った。6月に閣議決定された「21世紀環境立国戦略」をベースに低炭素社会づくりへの本格的な取組み、生物多様性の保全を通じた自然共生社会づくり、3Rを通じた持続可能な資源循環、アジアの環境保全に向けた国際協力の強化(クリーンアジア・イニシアチブ)、環境から拓く経済と地域活性化、安全を確保できる生活環境行政の推進などの施策を提示している。平成20年度の環境省概算要求・要望額は一般会計と特別会計(エネルギー特会)を合わせて対前年度比21.2%増の2,685億円となっている。

環境省ホームページ「平成20年度環境省重点施策」:
http://www.env.go.jp/guide/budget/h20/h20juten-info.html

世界初、本格的なカーボン・オフセットサービスを行うカーボン銀行を創設

世界有数の総合金融サービス企業モルガン・スタンレーは、顧客に対して本格的なカーボン・オフセットのサービスを提供する「カーボン銀行(Morgan Stanley Carbon Bank)」
の創設を発表した。国際基準に基づき温室効果ガス排出量の算定および認証サービスを行っている国際認証機関DNVと提携し、モルガン・スタンレーの排出権取引のノウハウを活用することにより、顧客に対して広く提供されるサービスとしては世界初となる。気候変動対策に取り組む顧客が希望したときに温室効果ガスの排出量ゼロを達成するために、最高レベルの公認国際基準に基づき排出量の算定・認証から排出権の購入まで行い、カーボン・オフセット(温室効果ガス排出量ゼロ)の証明を行うワンストップサービスを提供する。

モルガン・スタンレー・プレスリリース(日本語訳):
http://www.morganstanley.co.jp/aboutms/pressroom/docs_ja/global/070814_ja.pdf
Morgan Stanley Press Release(英語):
http://www.morganstanley.com/about/press/articles/5371.html

積水ハウス、昨年度の環境共生住宅の建設実績、日本一

積水ハウスは、昨年度の「環境共生住宅」の建設実績で、建設戸数が1,638戸となり国内1位を達成したと発表した。「環境共生住宅」は、「地球環境の保全」、「周辺環境との親和性」、「居住環境の健康・快適性」の考え方に基づいて(財)建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が認定しており、平成18年度の全建設戸数は前年度比約5割増しの3,855戸となった。「環境共生住宅」の認定にあたっては、基本的な性能・機能である4分野の必須用件(省エネルギー性能、耐久性、立地環境への配慮、バリアフリーなど)を満たした上で、より高度でユニークと判断される提案を実施する必要がある。積水ハウスでは「省エネルギー型」として次世代省エネルギー基準に対応し、プレカットの構造部材を採用することにより「資源の高度有効利用型」に対しても「システム供給型」としての認定を受けている。

積水ハウス(株)プレスリリース:
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/newsobj900.html

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2007年10月16日 (火)

サステイナブルなニュース 第20号

最初に、アル・ゴア氏とIPCCがこの時期にノーベル平和賞を受賞したことは本当に意義深いことだと思います。サステイナブルなニュースも今回で第20号となりました。基本的に週1回のペースですので、約5ヶ月続いたことになります。そろそろ違った趣向でこの種のニュースをご紹介することを考えたいと思っています。ニュースについては、こちらのブログの方が断然情報の速さや数でかないませんので...

さて、今回のニュースでは原子力を取り上げています。日本に住む私たちは、電力の3割を原子力に頼っており、その良し悪しに関わらず無関心でいるわけには行きません。そのことを思い知らされたのが、先日の新潟県中越沖地震での柏崎刈羽原子力発電所の様々な影響です。幸い大きな事故にはつながらなかったものの、再稼動に向けた状況は予断を許しません。地震などのことに触れるために発行が遅れていた原子力安全白書がやっと発行されたというニュースです。その他に、国内ではまだまだ普及が進んでいない木質ペレット製造に関するニュースと地方自治体の地球温暖化対策の優秀事例紹介などです。

*********** サステイナブルなニュース 第20号 (記念号) ************

新潟県中越地震を踏まえて原子力安全白書が刊行

国の原子力安全委員会は、平成18年版の原子力安全白書を刊行した。本来7月下旬の予定だったが、7月16日に発生した新潟県中越沖地震において、設計時の想定を超えるゆれが観測されたことなどから、地震の影響に関する見解や今後の対応の方向性を別資料としてまとめた。白書の中では、過去の不正の総点検について特集するともに、耐震安全性に係る安全審査指針などの改訂についても取り上げている。すでに昨年9月に原子力発電所の耐震安全性を審査する際の指針である「耐震指針」を改訂し、既設の全ての原子力発電所について確認(バックチェック)が進められていたが、今回の地震により得られた新知見を評価し、耐震指針の見直しや、バックチェックへの反映など他の原子力発電所への水平展開を図るとしている。

原子力安全委員会「平成18年版原子力安全白書」:
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo18/mokuji.htm

三菱商事、大分県で木材からのペレット製造販売へ

三菱商事は、再生可能なエネルギーとして欧州で急速に普及が進んでいる木質ペレットについて日本国内での製造販売事業へ進出することを発表した。国内有数の林業集積地である大分県日田市において、国内最大の年間2万5千トンの製造能力を持つペレット製造設備を建設し、主に石炭ボイラー混焼用に販売をする。7月31日には製造販売事業を行う子会社「フォレストエナジー日田」を合弁で設立し、2008年1月の操業開始を予定している。木質ペレットの原料は、日田市を中心としたエリアで発生する杉樹皮(バーク)で、これを直径6mm、長さ20mm程度の円柱状に圧縮・成型して、CO2を排出しない(カーボンニュートラル)とみなすことができる固形燃料を製造する。欧州ではすでに数百万トン規模での生産や利用が行われているが、日本国内ではまだ数万トンの規模にとどまっており、本格的な普及が期待されている。

三菱商事プレスリリース(2007/8/20):
http://www.mitsubishicorp.com/jp/pdf/pr/mcpr070820.pdf

地方自治体の地球温暖化対策の優秀事例を紹介

国際的な自治体ネットワーク組織「イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会」の日本事務所「イクレイ日本」は、日本国内の地方自治体の地球温暖化対策の事例・成果を収集・整理し、優秀事例などとして公開している。調査は国内129自治体に行い、2003年から2005年度に実施された地球温暖化対策として普及啓発、率先実行(自治体自ら行う取組み)、削減施策などをまとめている。優秀事例としては温室効果ガスの排出削減効果の高い上位10%、230t-CO2/年以上の成果を上げた44事例を選んで紹介している。その他、削減効果だけでは評価できない創意工夫された独創的な8事例も取り上げている。率先実行では、ISO14001等の環境マネジメントシステムの運用やESCO事業の導入により成果を上げており、削減施策では、条例の制定や新エネルギー(バイオマス、太陽光発電)の利用促進の効果が大きいとしている。

イクレイ日本「地球温暖化防止事例・成果データベース」:
http://www.iclei.org/index.php?id=6889
イクレイ日本プレスリリース:
http://www.iclei.org/documents/Japan/200708PressRelease.pdf

12:21 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

地域発!地球温暖化防止戦略を考える

地域の知恵や資源を活かした環境エネルギーへの取組みが注目されています。以前にもご紹介した環境エネルギーセミナー(環境エネルギー政策研究所ISEP主催)が、まだまだ残暑が厳しい9月13日に開催され、私自身も司会者として参加しました。国内外の環境エネルギー政策を取り巻く状況や課題を整理し、より具体的な2つの実践報告(横浜市、飯田市)や研究報告(永続地帯指標)などから、新たな地域発の温暖化防止戦略についての非常に興味深い議論が行われました。

最初に、飯田哲也氏(ISEP所長)より国内外や地域の環境エネルギーを取り巻く政策課題について以下の様な問題提起がありました。自然エネルギーの世界市場が10兆円近い規模に拡大するなか、ドイツではこれまでの普及政策により風力発電の総設備容量が2000万kW以上に達し、風力産業の拡大や雇用創出効果などを含め「3つの配当」を得ることに成功しました。さらに、太陽光発電でも同様の効果が期待されており、EU全体では2020年までに30%という再生可能エネルギーの導入目標値を設定しています。一方、日本国内では従来型の補助金政策(供給・技術プッシュ型)が続いており、これを需要側の市場や地域社会を主体にした「プル型」に変える必要性を指摘しています。欧州での「環境エネルギー事務所」の事例や日本国内での市民風車や地域エネルギー事業への取組みなどについて紹介がありました。

続いて、環境省により3年前から行われている「環境と経済の好循環のまちモデル事業」を中心に、環境省環境計画課の大倉氏から基調講演があり、京都議定書達成に向けた国の取組み状況と合わせてこのモデル事業などの紹介がありました。平成16年度から始まり3ヵ年で全国19の地域で各地域の特徴を活かしたモデル事業。林業が参加な地域での木質バイオマスの熱利用、都市部でのヒートアイランド対策、省エネ事業や自然エネルギー(太陽光、BDFなど)の導入整備事業が実施されました。平成16年度に事業がスタートした地域では平成18年度までの3年間で事業がすでに完了し、その評価が現在行われています。環境省では地域における自然資本の活用を重要視しており、地域の特性を活かした都市計画の見直しや化石燃料に頼らず地域内で資金や資源が循環する地域づくりに関する事業を来年度に向けて検討しています。

地域発の実践事例として横浜市で2003年にスタートした風力発電事業について横浜市環境創造局の関川課長から報告がありました。事業化のポイントは、「目に見える“モノ”で示す」ための大型風力発電、環境教育による「次世代に向けたメッセージ」、「最小の費用で最大の効果を得る」ための民間資金の活用、そして「市民と共に取り組む」ための市民参加です。もともと市役所内の起業アイデアの募集の中で生まれたもので、住民参加型市場公募債(かざぐるま)による資金調達(2億8千万円)とY-グリーンパートナー制度(年間4500万円の企業からの10年間の協賛)によるグリーン電力証書の活用。昨年までに施設はすでに発電を開始しており、横浜港の新たな観光・環境教育施設としても注目を集めています。

2つめの地域エネルギー事業の実践として、飯田市での公民協働事業である「おひさま進歩エネルギー(有)」の挑戦とその成果について竹村氏から紹介がありました。飯田市では平成16年度に上記の「まちモデル事業」に採択され、様々な普及啓発事業や木質バイオマス事業の他、太陽光発電と省エネ事業を民間の事業会社への助成事業として実施しました。省エネ事業では、「商店街ESCO」として中小規模の施設に対する省エネの診断を行い、13ヶ所の施設の省エネ改修をサービサイジングとして提供。中心市街地に隣接し、もっとも規模が大きい飯田市美術博物館について、空調設備を高効率・省エネ型に更新し、40%近い省エネを実現。また、市内38ヶ所の保育園などの公共施設に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を設置した施設に販売すると共に、グリーン電力証書の販売やマスコットキャラクター(さんぽちゃん)が登場するパネルシアターによる環境教育を実践しました。

研究報告として千葉大学公共研究センターとISEPが共同研究を行った「エネルギー永続地帯」の紹介が千葉大学の倉阪准教授よりありました。「永続地帯」は、食料とエネルギーの自給が可能な地域を評価する指標で、市町村などの地域でその自給率を評価する試み。2006年度の研究では市町村あるいは都道府県毎に民生用電力需要対する再生可能な自然エネルギーの割合(自給率)の計算を行っており、自給率が20%超える都道府県は大分県、秋田県、富山県、岩手県の4県で、地熱発電や小水力発電の占めるウエイトが大きい。多くの都道府県で小水力(1万kW以下の水路式)が大きなウエイトを占めており、従来はあまり注目されて来なかった小水力の重要性を指摘しています。小水力は全国の自然エネルギーによる発電量の約6割を占めているが、地熱は大型の発電施設が多く18%、風力が12%、太陽光発電が6%。エネルギーの自給率が100%を超える「100%エネルギー永続地帯」の市町村は76あるが、逆に需要の大きい都市部では1%以下と自給率は非常に低く、グリーン電力証書の購入の様な形が期待されています。

セミナーの最後には、飯田所長をコーディネータにパネル討論を開催し、講演に対する会場からの質問などを受けて、引き続き各パネリストの方々から細かい回答やコメントなどがありました。短い時間の中でしたが、国全体の政策から、地域でのより具体的な事業の方向性や地域政策での指標の活用まで非常にレンジの広い具体的な論点が取り上げられた中身の濃いパネル討論でした。

なお、セミナーで発表された資料や議事録の一部は、以下のISEPのページからダウンロード可能になる予定ですので、ご参照ください。

ISEP環境エネルギーセミナー(第2回):「地域エネルギーによる新たな温暖化防止戦略」
http://www.isep.or.jp/event/070913sympo.html

05:13 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 4日 (木)

サステイナブルなニュース 第19号

このブログでもご紹介した9/13の環境エネルギーセミナーでは、私自身も司会を務めさせて頂きましたが、日本全体の温暖化戦略の課題から地域発の環境エネルギー事業への挑戦まで、とても興味深い講演やパネル討論がありました。一方、同じ記事でご紹介した北極海の氷の減少は、その後も止まらず9月16日に今年の最小面積となったそうです(朝日新聞9/23)。その面積は約420万平方kmとなり、1980年代の夏の最小面積の約700万平方kmから急激に減少しています。これは、今年IPCCから発表された減少のペースよりも30年先行していると言われています。

少し遅くなりましたが、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は、この北極海の氷の面積の減少と、ビジネスに与える気候変動の影響や環境に配慮した木材の選択ガイドについてのニュースです。

気候変動がビジネスに与える影響はどの程度報告されているか

地球温暖化による気候変動への取組みについて、多くの企業が持続可能性報告書で温室効果ガスの排出量やビジネス機会について報告しているが、自社のビジネスに与える影響やリスクについて触れている企業は少ない。KPMGとGRI(Global Reporting Initiative)は持続可能性報告書を作成している50社を対象に気候変動がビジネスに与える影響がどのように報告されているか調査を行った。90%の企業は報告を行っているが、その中で気候変動による訴訟リスク、将来的な規制リスク、異常気象による事業活動の混乱リスクといったビジネスリスクについての報告はほとんどなかった。さらに、財務面に与える影響について十分には説明されておらず、気候変動が企業間の競争に大きな影響を与えることが予想されるなど、リスクや機会を特定・評価したうえで、株主や投資家を含むステークホルダーへの十分な報告が求められているとしている。

KPMG Japanプレスリリース:
http://www.kpmg.or.jp/resources/newsletter/sustainability/200708/01.html

環境に配慮して木材を選択するためのガイドを公表

木材を購入・調達するときに、生産地の環境や社会的な影響に配慮した木材を積極的に選ぶことが求められている。そこで実際に家づくりをする人が環境に配慮して木材を選定できるように、主要な樹種の性質・強度などの情報と共に、原産地の森林環境を紹介し、違法伐採リスク、伐採地の環境負荷リスク、樹種の貴重性、輸送負荷などの指標を環境性能として示した「森林の見える木材ガイド」が公表された。日本は世界有数の木材消費国であると同時に、利用する木材の8割を海外に依存しており、環境に配慮した木材(フェアウッド)を選択することが、世界と日本の森林環境を維持・改善することにつながるとして、フェアウッド・キャンペーンの活動の一として製作された。

「森林のみえる木材ガイド」:
http://www.fairwood.jp/woodguide/index.html
「フェアウッド・キャンペーン」
http://www.fairwood.jp/

北極海の氷の面積が最小に、IPCCの予測を大幅に上回る減少

日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、海洋・大気観測データおよび衛星観測による北極海のデータを共同で解析し、北極海の海氷面積が観測史上最小となったことを確認し、さらに大幅な減少となる見込みであることを発表した。この減少は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による最新の報告書で予測されている速度を大幅に上回るもので、30年以上早く予測値に達する可能性がある。この減少速度の加速原因としては、地球温暖化による氷の融解により、太陽の日射を吸収しやすくなり、海洋の加熱が進むという悪循環などが指摘されている。地球温暖化による温度上昇は緯度が高い極地ほど大きく、海氷の減少は生態系の影響だけでなく、世界の気候パターンへの影響などが懸念されている。

JAMSTEC/JAXAプレスリリース:
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/index.html
IPCC第4次評価報告書(環境省):
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html

10:13 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月21日 (金)

サステイナブルなニュース 第18号

まだまだ残暑(?)が厳しい今日この頃ですが、そろそろ秋らしくなってもらわないと困りますね。少し間が開いてしまいましたが、恒例のニュースをお送りします。今回は、カーボンオフセットをさらに進めた”リカバリー”という取組みの紹介や、新しい国立公園の話題、そして私たちの生活に密着している食料自給率の話です。カーボンオフセットについては、現在、環境省の検討会が開かれており、日本での定着に向けて様々な議論が行われています。私も第1回の検討会を傍聴してきましたが、CO2削減に寄与する為には何が必要かという前向きな議論が行われており安心をしましたが、普及に向けた最低限のルール作りが期待されているようです。

[環境省:カーボン・オフセットのあり方に関する検討会]
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/conf.html

それでは、カーボンの”リカバリー”からニュースをお送りします。

NECが、社員を対象にCO2リカバリーツアー

近年、様々な活動に伴って発生するCO2を相殺する「カーボン・オフセット」を活用する動きが広がっているが、NECでは、地球温暖化防止の施策の一環として“CO2リカバリーツアー”を実施する。これは社員やその家族を対象に環境意識の啓発活動の一環として従来のエコツアーをグレードアップしたもので、8月に実施する「オーストラリア植林ツアー」や10月の「沖縄ビーチクリーンアップツアー」が対象となる。このツアーでは、旅行に伴って発生するCO2を、具体的な植林活動によって発生量以上に削減することを目的としており、旅行をすればするほどCO2排出量を削減できる。たとえば、オーストラリア・カンガルー島へのエコツアー(6泊8日)では、一人当たり約2トンのCO2排出量に対して、最低10本の植林を行うことにより約4トンのCO2削減効果を見込んでいる。

NECプレスリリース:
http://www.nec.co.jp/press/ja/0707/2503.html

29番目の国立公園として尾瀬国立公園が誕生

国内で29番目となる国立公園として「尾瀬国立公園」が8月30日に誕生する。尾瀬国立公園は、日光国立公園の尾瀬地域(25,203ha)に、周辺の会津駒ケ岳および田代山・帝釈山周辺地域(11,997ha)を加えた面積37,200haの区域。尾瀬地域は学術的にも貴重な湿原地帯として優れた原始的景観を有し、会津駒ケ岳などの周辺地域は自然性の高い森林景観と共に山地湿原が発達している。この新たな国立公園の誕生により、国内の国立公園の総面積は国土面積の5.52%となる。今年は自然公園法50周年を記念して各地で記念行事が開催されると共に、6月にはエコツーリズム推進法(来年4月施行)が成立し、地域の自然環境の保全に配慮しつつ、エコツーリズムによる地域・観光振興、環境教育の推進が求められている。

環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8671
エコツーリズム推進法について(環境省):
http://www.env.go.jp/nature/ecotourism/law.html

平成18年度の食料自給率はさらに低下し39%に

農林水産省が発表した平成18年度の食料自給率はカロリーベースで39%となり、平成8年度より10年間40%と低迷していたものからさらに1ポイント低下した。主な原因は、短期的には砂糖の原料となるてん菜の収量の低下に伴う生産の減少や、果実の生産量の減少、米の消費量の減少などがある。生産額ベースにおいても前年度の69%から68%に低下しているが、とうもろこしなど国際的な畜産用飼料の値上がりが影響している。食料自給率は、統計を取り始めた昭和35年には79%あったが、その後、主食や肉類などの食生活の変化によりほぼ一貫して低下している。食料・農業・農村基本計画によると50%以上の食料自給率が望ましいとしながらも、実際の目標は平成27年度で45%となっており、多くの取組みにも関わらず成果に結びつくことが難しいのが現状となっている。

農林水産省プレスリリース「平成18年度食料需給表について」:
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070810press_7.html

農林水産省「食料自給率の部屋」:http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/index.html

11:29 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月10日 (月)

サステイナブルなニュース 第17号

8月の猛暑に引き続き、今年は秋に入っても暑い日が続くという予報のようです。それでも朝晩は涼しく感じられるようになりましたが、今度は台風や豪雨が心配です。日本は、昔から水害との戦いを続けて来ましたが、水害の防止や水資源の確保は今でも重要な課題です。世界に目を向けると水資源の問題はかなり深刻になっており、日本のさまざまな貢献も期待されているようです。

今週のニュースは、京都議定書にからむ途上国での温暖化対策プロジェクトから、この夏の東京電力管内での需給逼迫問題、そして世界の水資源に関する話題です。温暖化対策プロジェクトから生まれる排出量削減クレジット(CER)は、京都議定書の目標達成に欠かせないだけでなく、国際的な排出量取引や、カーボン・オフセットなどビジネスの世界でも注目を集めています。東京電力の問題は、地震に伴う原発の停止に端を発しているとはいえ、原子力発電所のあり方や電力確保のリスク問題など多くのエネルギー問題に目を向けるきっかけになっています。

削減量の合計9千万トン超、途上国での温暖化対策プロジェクト208件目

温室効果ガス削減のために市場原理を活用する京都議定書の「京都メカニズム」はCDM(クリーン開発メカニズム)およびJI(共同実施)の国内承認案件が208件となり、計画されている削減量の合計が9千万トンを超えた。CDMでは先進国の企業などが途上国と共同で温室効果ガス削減に必要な技術や設備を導入する温暖化対策プロジェクトを実施し、削減された温室効果ガスの一部をクレジット(CER)として取得する。実施される途上国は中国から東南アジア、インドや南米の国々など10数カ国に上り、参加する企業も国内の商社から電力会社まで多岐にわたる。京都議定書の目標達成が危ぶまれる中、来年からの第一約束期間を控え、これらのプロジェクトから取得したクレジットについても大企業だけではなく小口化による中小企業での活用も検討されている。

経済産業省プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20070802001/20070802001.html
京都メカニズム情報プラットフォーム:
http://www.kyomecha.org/

猛暑の8月 、東京電力が原発の停止の影響で節電のお願い

東京電力では、新潟県中越沖地震の影響により柏崎刈羽原発の7基全て(出力820万kW相当)が停止したため、電力需要のピークを迎えるこの8月の間、大口の顧客を中心に節電への協力のお願いを強化している。サービス区域内の全ての顧客に対してもテレビや新聞を通じたお願いやチラシを全戸配布するほか、インターネットでは「でんき予報」により電力の供給能力と需要の状況をリアルタイムで公表している。現在の供給能力は6160万kWで、最高気温が33度を超えた8月6日の最大電力は14時過ぎのピーク時に5818万kWに達した。契約電力が500kWを超える大口の顧客に対しては、個別訪問により具体的な節電への協力を要請しており、ピーク時に電力の供給を調整することが可能な需給調整契約の拡大も進めている。

東京電力プレスリリース:
http://www.tepco.co.jp/cc/press/07073106-j.html
東京電力「でんき予報」:
http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html

水資源の大切さと地球温暖化の影響など「平成19年版日本の水資源」

国土交通省は、8月1日の「水の日」に合わせて恒例の「平成19年版日本の水資源」を発表した。今年の主要テーマは、地球温暖化の影響とそのリスク、世界の水資源と国際的な水問題解決への取り組みなどとなっており、日本国内だけではなく世界の水資源の実態が紹介されている。地球温暖化による気候変動により降水量の時間的な変動が拡大し、日本国内においても地域的な渇水リスクの増大が指摘されている。一方、世界の水問題は危機的な状況を深めており、依然として世界全体では約11億人の人たちが安全な飲料水を継続的に利用できない状態となっている。今年の12月には第1回アジア・太平洋水サミットが日本国内で開催され、この分野での日本のリーダシップが強く求められている。

国土交通省プレスリリース:
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/03/030731_.html
「平成19年版日本の水資源」:
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/H19/index.html

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2007年9月 6日 (木)

サステイナブルなニュース 第16号

地球温暖化をめぐる動きがめまぐるしい今日この頃ですが、いよいよ来年からの京都議定書の第一約束期間に向けて政府、産業界、地方自治体、NPOなどが様々な動きを見せています。政府のいわゆる「目標達成計画」は評価・見直し案について、現在パブコメが9/18まで行われていますが、やはり目標の達成が難しい状況になっているようです。今こそ、本格的な政策の転換を行う必要があるはずなのですが、もっとも排出量の多い産業界の意向なのか、企業や個人の自主的な取組みが対策の中心になっているのが現状です。

少し遅くなりましたが、今週のサステイナブルなニュースをお送りします。国内外で金融や企業の取組みが進みだしています。これから点から面への広がりが重要だと思います。

環境・エネルギーを対象分野とする投資ファンドが拡大

SBIホールディングス(株)は、みずほ証券(株)とのジョイントベンチャーとして(株)環境エネルギー投資を設立し、国内外の環境・エネルギー関連分野の事業者を投資対象としたファンドの組成・運営を行うことを7月に発表した。SBIホールディングスは、これまで日本最大級のベンチャーキャピタルとして、「IT」「バイオ」分野へ重点的に投資してきたが、次なる成長分野として「環境・エネルギー」を第三の重点投資分野と位置づけ、進出する。一方、みずほ証券は前身の(株)日本エネルギー投資への出資を従来から行っており、同社がすでに50億円規模のファンドを運営していたが、投資規模の拡大を目指してSBIホールディングスと共に150億円規模の2号ファンドの設立を予定している。

SBIホールディングス・プレスリリース:
http://www.sbigroup.co.jp/news/2007/0718_a.html

映画館・百貨店などで冷房温度を上げてクールビズ

3年目を迎えるクールビズの普及の一環として、映画館・百貨店・スーパーマーケット・銀行などのパブリックスペースにおいて冷房温度の設定を通常より数度高くする取組みがスタートする。環境省を中心進めている「チーム・マイナス6%」では、アンケートを実施し、冷房が効きすぎている賛同企業の施設を中心にこの取組みの導入を呼びかけてきた。このうち、ダイエーでは全国約500の全店舗で設定温度を28℃に徹底する。日本百貨店協会でも加盟94社(266店舗)において、各店舗で判断しつつ通常設定温度よりも2℃程度高めに設定する。三菱東京UFJ銀行でも、全店舗を対象に室温28℃を目途に設定をし、行員は服装を「クールビズ」とすると共に、お客様に温暖化防止活動への理解や協力を呼びかける。

チームマイナス6%: http://www.team-6.jp/
環境省プレスリリース:
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8611

世界の主要企業153社が、積極的な気候変動対策を宣言

7月にスイスのジュネーブで開催された国連グローバルコンパクト・リーダーズ・サミットにおいて世界の主要企業153社の経営者らが、「気候への配慮」と題された宣言に調印し、各国の企業や政府や積極的に地球温暖化による気候変動対策に取り組むことを呼びかけた。調印した企業自らも気候変動対策への取組みをスピードアップすることを宣言すると共に、ポスト京都への取り組みとして2013年以降に炭素市場制度が導入されることを目指している。具体的には、宣言に署名した企業は省エネルギーや製品・サービスの炭素負荷を削減する具体的な対策を講じ、自主的な目標を設定すると共に、達成状況を毎年報告する。各国政府に対しては、機能する炭素市場を構築するための法的・財政的枠組みや政策を早急に創設することを求めた。日本からは、リコーや日本航空などの企業が参加している。

国連グローバルコンパクト(日本語): http://www.unic.or.jp/globalcomp/
国連グローバルコンパクト・リーダーズ・サミット(英文)
http://www.globalcompactsummit.org/
「気候への配慮」参加企業と宣言文(英文):
http://www.unglobalcompact.org/Issues/Environment/Climate_Change/index.html

11:17 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月26日 (日)

サステイナブルなニュース 第15号

人口密度の高い都会の暑さは格別ですが、都市への人口の集中は、世界的な傾向のようです。サステイナブル・シティーという概念がありますが、適度な大きさの都市は持続可能なデザインが可能かもしれません。しかしながら、首都圏の様な無秩序な巨大都市は、もはや持続可能にすることは不可能に思えます。エネルギー、食料、資源を際限なく消費し、それらを廃棄し、その循環のためにさらにエネルギーを使用するという悪循環が続くからです。ヒートアイランドもそんな現象のひとつでしょうか。

今週もサステイナブルなニュースを3本お届けします。ヒートアイランド対策もそれなりには進んでいるという自己評価ですが、実際の評価はもっとしっかりとする必要がありそうです。排出権の活用や工場の環境配慮も本質的な部分を見失わずに行うことが重要ですね。

都市部のヒートアイランド対策が進展

地球温暖化対策の一環として都市部のいわゆるヒートアイランド現象に対策が進んでいる。政府が実施した平成18年度時点の進捗状況の点検結果がまとまった。それによると、対策は全般に渡って進展しており、特に燃費の良い低公害車の普及台数では、目標とする1000万台(平成22年度)を大きく上回る約1440万台(平成18年度末時点)がすでに普及している。その他、高度交通情報通信システム(VICS)による道路渋滞の緩和や、新築の住宅・建築物の省エネルギー化(平成17年度までに省エネ基準適合率30%達成)などが進んでいる。ライフスタイルの改善として定着しつつあるクールビズについては、平成18年度に約114万トンのCO2が削減されたと試算されているほか、省エネ機器への買い換えによっても平成17年度に500万トンのCO2が削減されたとしている。

環境省プレスリリース(2007年7月18日):
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8588

リース物件にCO2排出権を割り当てる新サービスが開始

三井住友銀リースでは、地球温暖化対策のひとつとして注目されている温室効果ガスの排出権をリース物件に割り当てる排出権付リース「カーボンニュートラルリース」の取り扱いを8月から開始する。海外で二酸化炭素などの温室効果ガスを削減したときに得られる排出権を調達し、それをリース物件に割り当てることによりその物件の使用に伴い発生する温室効果ガスをオフセットしてニュートラル化する。最近、発展途上国など海外から購入した排出権を小口化して国内企業へ仲介するサービスが大手都市銀行や信託銀行を中心に始まっている。三井住友銀行は、排出権を信託財産として取り扱うことの認可を取得し、ブラジルのバイオマス発電所の排出権を対象に、信託機能を活用した排出権の小口化サービスを開始している。

三井住友銀リース・プレスリリース(2007年7月20日):
http://www.smbcleasing.co.jp/
三井住友銀行プレスリリース(2007年6月18日):
http://www.smbc.co.jp/news/j600198_01.html

トヨタ自動車、工場での環境面の取組みを強化

トヨタ自動車は、工場での環境対応の強化の一環として自然を活用し、自然と調和する工場づくりを目指して「サステイナブル・プラント」と呼ばれる環境配慮の活動を開始した。主な活動は、太陽光や風力などの自然エネルギーやバイオマス等の再生可能エネルギーの活用によるCO2削減、工場の森作りによる地域貢献や生態系保護、「カイゼン」などによる飛躍的な環境パフォーマンスの実現など。ハイブリッド車プリウスを生産する堤工場をモデル工場と位置づけ、世界最大級となる出力2000kWの太陽光発電システムの導入や、外壁への光触媒塗装によるNOxなど有害物質の浄化、常緑広葉樹による工場内緑化や壁面緑化などに取り組む。この太陽光発電を中心としたCO2排出量の削減効果は年間5%に達するほか、高岡工場でエネルギー効率を飛躍的に向上させた「革新ライン」では、年間35%のCO2削減を見込む。

トヨタ自動車プレスリリース(2007年7月23日):
http://www.toyota.co.jp/jp/news/07/Jul/nt07_0707.html

10:16 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月21日 (火)

サステイナブルなニュース 第14号

お盆明けで暑さも一段落かと思いきや関東地方では猛暑が続いています。でんき予報で節電を呼びかけている東京電力も正念場を迎えているようです。さて、私も記事を書いている「環境info」という環境情報サイトで、自然エネルギーに関する記事を書きました。このブログでも何度か取り上げた内容ですが、こちらのサイトもよろしければご覧になってください。

少し遅くなりましたが、今週のサステイナブルなニュースをお届けします。

気象庁、「異常気象リスクマップ」を公開

気象庁は、異常気象や地球温暖化に関する対策に利用することが可能な情報として「異常気象リスクマップ」のウェブページを開設した。異常気象の増加が懸念されていることを背景に地域のリスク軽減対策や計画策定を行う地方公共団体やライフラインを担う機関、農業関係者等からは、大雨などの発生頻度に関する空間的・時間的に詳細な情報が求められている。このような要望に答えるため、異常気象の頻度等の実態やその長期変化傾向について、過去100年以上の降水量データから計算した全国51地点における確率降水量(例えば100年に1回というような極端な大雨の推定値)や全国約1300ヶ所のアメダス測定地点での降水量が100mm以上の日数などをわかりやすい図表で表している。

気象庁プレスリリース:
http://www.jma.go.jp/jma/press/0707/11a/hodo.html
気象庁「異常気象リスクマップ」:
http://www.data.kishou.go.jp/climate/riskmap/index.html

地域の自然エネルギーによる自給率を指標化

日本国内で地域の自然エネルギーによる自給率の試算結果が発表され、70余りの市町村では域内の民生用電力需要を自然エネルギーにより100%以上賄えることがわかった。地域のエネルギーの自給率を評価する「エネルギー永続地帯」と呼ばれるこの指標では、千葉大学公共研究センターとNPO環境エネルギー政策研究所との共同研究として、再生可能な自然エネルギー(太陽光、風力、地熱、小水力など)が地域の民生用電力需要をどれだけ賄うことができるか、市町村毎に試算されている。このうち小水力発電による供給量が全体の6割近くを占め、地熱や風力による発電と合わせると自然エネルギーの9割を供給している。都道府県別では、大分、秋田、富山、岩手の4県が民生用電力需要の20%以上を自然エネルギーにより賄っていることがわかった。

「エネルギー永続地帯」試算結果の公表について:
http://www.isep.or.jp/press/070709SustainableArea.pdf
「永続地帯ウェブサイト」:
http://sustainable-zone.org/

今年も白書がいろいろ

毎年6月から7月にかけては政府の各省庁から様々な「白書」が発表される。この白書には各省庁の前年度の政策への取組みだけではなく、その分野の参考情報が網羅的に満載されており、多くの白書はインターネットでもその内容を入手することができる。例えば、地球温暖化やごみの問題など環境問題については、今年から2種類の白書が合体した「環境・循環型社会白書」が環境省から発表されている。エネルギー安全保障の分野であれば、経済産業省資源エネルギー庁からの「エネルギー白書」、食料や農業分野の問題については、農林水産省からの「食料・農業・農村白書」、森林の問題については「森林・林業白書」などが毎年発表されている。内閣府からは、「国民生活白書」を始め国民の生活に密着した多くの白書が出されており、普段、新聞記事などで目にする多くの社会問題を扱っている。

「白書」一覧: http://www.e-gov.go.jp/link/white_papers.html
「環境・循環型社会白書」: http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/
「エネルギー白書」: http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm
「食料・農業・農村白書」「森林・林業白書」: http://www.maff.go.jp/j/wpaper/index.html
内閣府「白書」一覧: http://www.cao.go.jp/whitepaper.html

02:50 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月17日 (金)

地産地消の環境エネルギー戦略を考える

地球温暖化による気候変動の影響は、地球上のあらゆる場所で顕著になりつつあります。この夏の各地の洪水や異常高温、そして北極海の海氷の面積が過去最小になったという衝撃的なニュースがあり、地球温暖化の影響はIPCCの報告書を上回るスピードで進んでいるようです。

[海洋研究開発機構:北極海での海氷面積が観測史上最小に
-今後さらに予測モデルを大幅に上回る減少の見込み -]
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070816/index.html

そんな中、下記のセミナーがNPO法人環境エネルギー政策研究所主催で9/13(木)午後に東京都中野区で開催されます。市民出資を活用した横浜市や飯田市の地域エネルギー事業や、先日、新聞発表された「永続地帯」の研究報告などがありますので、ご興味のある方は是非、ご参加ください。

[ISEPセミナー:地域エネルギーによる新たな温暖化防止戦略]
http://www.isep.or.jp/event/070913sympo.html
※ちらし: http://www.isep.or.jp/event/070913sympo.pdf

参考URL:
[横浜市:ハマの風車]
http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/mamoru/furyoku/index.html
[飯田市:おひさま進歩エネルギー]
http://www.ohisama-energy.co.jp/
[エネルギー永続地帯]
http://sustainable-zone.org/
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第2回ISEP環境エネルギーセミナー(地球環境基金支援事業)
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地域エネルギーによる新たな温暖化防止戦略
-地域からはじまる公民協働の挑戦-
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京都議定書の約束期間を来年に控え、地球温暖化問題への懸念と関心がますます高まる一方、日本は削減どころか、温室効果ガス7.8%増(05年確報値)と、地球温暖化対策に難航しています。そうした中で、欧州の「地域エネルギー環境事務所」や市民風車など、ローカルでの新たな取り組みとその広がりが注目されています。このたび、環境省が平成16年から実施してきた「環境と経済の好循環、平成のまほろば事業」の第1次事業が完了し、環境エネルギー政策研究所が支援してきた長野県飯田市の「おひさま進歩エネルギー」も、無事に第1期の市民出資分配に漕ぎ着けることが出来ました。これを機に、今回のセミナーでは、従来の枠組みを越えて、新たな手法で環境エネルギー事業に取り組む地方自治体や地域の取組み報告を交え、知恵と協働をベースとする地域のエネルギー・温暖化戦略の新しい流れを探ります。
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日時:9月13日(木)13:30-16:45(開場13:15)
会場:なかのZERO 視聴覚ホール(定員100名/地下2階)
   東京都中野区中野2-9-7 Tel:03-5340-5000(代)
   JRまたは東京メトロ東西線の中野駅南口から徒歩8分
主催:特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
共催:「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク(GEN)、
    有限責任中間法人自然エネルギー市民基金、
千葉大学公共研究センター
後援:環境省、経済産業省、東京都(いずれも申請中)、
中野区、グリーンエネルギー購入フォーラム
協賛:おひさま進歩エネルギー(有)、(株)自然エネルギー・コム、
(株)自然エネルギー市民ファンド
参加費:一般1,000円、主催・共催団体の会員は無料

■プログラム
開会挨拶 田中大輔 中野区長
解題  「知恵と協働の地域エネルギー・温暖化戦略への新潮流」
     飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)
基調講演「環境と経済の好循環のまちモデル事業・第1次を終えて」
     大倉紀彰(環境省環境計画課 課長補佐)
実践報告1:「横浜発!ハマの風車への挑戦」
     関川朋樹(横浜市環境創造局 温暖化対策課長)
実践報告2: 飯田発!おひさま進歩エネルギーの挑戦」
     竹村英明(おひさま進歩エネルギー有限会社)
研究報告:「エネルギー永続地域から見えるもの」
     倉阪秀史(千葉大学法経済学部准教授)
 (休憩10分)
パネル討論:「知恵と協働の地域エネルギー・温暖化戦略」
     コーディネーター:飯田哲也
閉会挨拶

■お申込み方法
下記必要事項を明記の上、E-mail,Fax,Telにて9月10日(月)までに
ご連絡ください。
参加者氏名:
団体・会社名:
所属:
連絡先:(Tel,Fax,E-mail)
会員区分:(一般/ISEP/GEN/千葉大)

※ Faxの場合、以下のURLのちらしの裏面をご利用ください。
  http://www.isep.or.jp/event/070913sympo.pdf
※ これらの個人情報は、本セミナーに関するお知らせにのみ利用させて
いただきます。

■お問合せ先
環境エネルギーセミナー事務局(ISEP内)
〒164-0001東京都中野区中野4-7-3
E-mail:isep@isep.or.jp(件名に「セミナー申込み」とご記入ください)
Tel:03-5318-3331 (セミナー担当係) Fax:03-5319-0330
URL:http://www.isep.or.jp/

■本セミナーで使用する電気は、おひさま進歩エネルギー(長野県飯田市)
の太陽光発電からのグリーン電力でまかなわれています。

10:10 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月13日 (月)

サステイナブルなニュース 第13号

お盆休みに入り、先週ご紹介した東京電力のでんき予報の数値もだいぶ余裕がある状態になりました。先週の金曜日(8/10)は連日の猛暑により5951万kWまで達したようですが、国内の各電力会社でも最大電力がピークになったところが多かったようです。

来月9/13(木)に地域の環境エネルギーを考える以下のセミナーがISEP(環境エネルギー政策研究所)の主催で開催されますので、ご紹介します。平日の午後ですが、ご興味のある方はどうぞ。

地域エネルギーによる新たな温暖化防止戦略
-地域からはじまる公民協働の挑戦-
日時:9月13日(木)13:30-16:45(開場13:15)
会場:なかのZERO 視聴覚ホール(JR中野駅南口徒歩8分)
詳細: http://www.isep.or.jp/event/070913sympo.pdf

それでは、恒例のサステイナブルなニュースをお送りします。今回は、地球温暖化の影響予測と対策技術としてのハイブリッド列車、そして日本の青少年の状況に関する報告書に関するニュースです。

2030年までの地球温暖化の影響を詳細に解析

国立環境研究所は、2030年までの近未来の地球温暖化の影響をコンピュータシミュレーションモデルにより詳細に分析をおこなった結果を発表した。特に極端な高温や低温の発生確率に注目して解析した結果、陸上のほとんどの地点において極端に暑い昼や夜が増加し、逆に極端に寒い昼と夜の減少が予測された。温暖化の影響は2030年ごろまでは、自然の揺らぎにより覆い隠されてしまうかもしれないという従来からある指摘を否定したことになり、温暖化は遠い将来だけの問題ではなく、多くの人が人生の中で影響を受けることを示唆している。モデル計算は日本が世界に誇る地球シミュレータを用いて行われ、このような近未来の温暖化予測の詳細な解析は、世界初となる。

国立環境研究所プレスリリース:
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070702/20070702.html

世界初、JR東日本がハイブリッド列車の営業運転を開始

JR東日本では、環境への負荷提言をコンセプトにハイブリッドシステムを採用した鉄道車両を開発し、世界で始めて営業運転を開始した。7月31日より小海線(小淵沢~小諸間)にて運転が開始され、8月以降は1日4往復程度の運転が毎日行われる。省エネルギーによる燃料消費量の低減だけではなく、窒素酸化物や粒子状物質などの有害排出物の削減や騒音低減も達成している。ハイブリッドシステムは、発電機や蓄電池からの電力により電車と同様にモーターを駆動し、ブレーキ時にモーターを発電機として蓄電池に充電する。発車直後は、蓄電池によるモーターのみで運転し、加速時にディーゼルエンジンによる発電と蓄電池によるモーターを使用する。

JR東日本プレスリリース:
http://www.jreast.co.jp/press/2007_1/20070704.pdf

フリーターの人数は3年連続で減少し187万人、青少年白書

今年で49回目の発行となる青少年白書では、青少年の現状と青少年に関する施策を紹介している。第1部の青少年の現状では、最新の統計資料に基づいて、青少年の健康や安全、教育、労働などの現状を紹介。労働の現状としては、フリーターの人数が、平成18年では187万人と3年連続で減少しており、「ニート」と呼ばれる若年無業者も62万人と前年に比べ2万人の減少となった。一方、青少年(15~29歳)の失業者数は92万人で、失業率は全年齢の平均4.1%よりも高い水準で推移しているが、前年に比べて低下してきている。第2部の特集では、青少年へのキャリア教育の重要性が指摘されており、職業観や職業に関する知識・技能の育成とともに、自分の個性を理解して主体的に進路を選択する能力や態度をはぐくむ必要性を強調している。

内閣府「青少年白書」:
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper

01:46 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 6日 (月)

サステイナブルなニュース 第12号

中越沖地震により東京電力の原発が多数停止し、参議院選で政局が激動する中、いよいよ本格的な夏がやってきました。現在の東京電力の供給能力は6160万kWだそうですが、本日の電力需要ピークは5814万kWだったそうです。東京電力が毎日公表している「でんき予報」でわかりますが、毎日のピークは14時頃なので、この夏は関東地方の人は目が離せません。

ここ1年間の石油高騰や地球温暖化を取り巻く経済や社会的な動きを中心に書かれた環境エネルギー関連本を「非・環境派の経済学者」金子勝氏が出しました。国レベルの環境エネルギー政策の遅れと地域レベルの政策や再生可能エネルギーへの取り組みの重要性を強調しています(「温暖化いろいろ」で紹介されていました)。

「環境エネルギー革命」 金子勝+アンドリュー・デウィット
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475721393X/somethingsust-22

それでは、今週の「サステイナブルなニュース」をお送りします。注目はサミットに対するNGOの協働取り組みを取り上げた最後の記事でしょうか。

国内初CO2削減サービス向けのファンド「エナジーバンク」を設立

日本政策投資銀行と日本スマートエナジーの2社は共同で、CO2排出削減設備導入を行うエネルギーサービス向けに国内初のファンド「エナジーバンク」を設立した。ファンドの運営にあたっては、これまで天然ガスによる省エネルギー設備のサービス提供で600件以上の実績のある大阪ガスに委託を行い、日本スマートエナジーが削減効果の検証を実施する。日本政策投資銀行は、過去40年間で約3兆円の投融資を環境分野のプロジェクトに実施してきたノウハウがあり、これに大阪ガスの省エネルギー設備導入ノウハウ、日本スマートエナジーのCO2削減評価ノウハウを最大限に活用することにより、当初3年間で150億円分の省エネルギー設備を導入し、CO2排出量が増加し続けている民生・業務部門等におけるCO2排出削減に寄与することを目指す。

大阪ガス・プレスリリース:
http://www.osakagas.co.jp/Press/pre07/070622.htm

松下、世界中の事業所の環境データを毎月フィードバック

松下電器産業(株)は、世界中の事業所からの環境関連のデータを収集するとともに、その進捗状況や課題を分析し、毎月、各事業所へフィードバックする「環境パフォーマンス月度決算」のシステムを4月から本格導入した。これまで各事業所からのエネルギー使用量や廃棄物、化学物質排出・移動などに関する環境データを一元的に管理する「環境パフォーマンスシステム」を開発・導入していたが、従来は年1回の報告書作成に向けたデータ収集のみを行っていた。そこで2006年10月より毎月収集した環境負荷データと削減実績について、試行的に各事業所へ分析結果をフィードバックしてきたが、グローバルな環境負荷削減を加速し、環境経営のPDCA強化を目的に2007年度より本格運用を開始した。

松下電器産業プレスリリース:
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070622-3/jn070622-3.html?ref=news

国内のNGOが連携し、G8洞爺湖サミットに向けて提言

国内NGOによるドイツ(ハイリゲンダム)サミットの報告会が東京と札幌で開催され、気候変動や貧困問題に対するサミットの位置づけや、国内外のNGOの取り組み状況、これまでの課題や提言内容などが報告された。今年2月に、国内の90余りのNGOが分野を超えて連携し、来年7月に北海道洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて「2008年G8サミットNGOフォーラム」を結成した。「環境」「貧困・開発」「平和・人権」の各ユニットに分かれて地球規模の環境問題、途上国の貧困問題の解決と開発、人権の確立や平和の問題について、各国首脳が真剣に討議し、有効な取組みを約束し、かつそれらが守られるように、共同で働きかけを行っている。

2008年G8サミットNGOフォーラム:
http://www.janic.org/modules/tinyd2/index.php?id=39
ドイツ(ハイリゲンダム)サミット報告会の開催案内:
http://www.janic.org/modules/eguide/event.php?eid=10

11:45 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月28日 (土)

サステイナブルなニュース 第11号

関東地方の梅雨明けがはっきりしないまま暑い夏がやって来ました。欧州では記録的な熱波や豪雨が襲っているそうです。気候変動の影響が世界経済に与える影響は、予測よりも早い時期に明確になるかもしれませんが、その前に動き出した国や企業も多くあります。その様な動きもしっかり追って行きたいと思います。すでにブログの記事で取り上げた内容もありますが、今週のニュースをお送りします。

****************** サステイナブルなニュース 第11号 *******************

世界全体の再生可能エネルギーへの投資額は1000億ドル超

世界全体で持続可能な自然エネルギー(再生可能エネルギー)に投資された金額は、2006年に1000億ドル(約12兆円)を超えたというレポートが国連環境計画(UNEP)から発表された。これらの投資の中には企業買収(M&A)も含まれるが、直接的な投資だけでも700億ドルを超え、投資対象として風力発電が最も多く4割を占めている。バイオ燃料も26%を占め、太陽光発電の16%をすでに超えている。2005年から2006年の投資額の伸び率は40%を超えており、国別ではEUと米国の市場で全体の7割を占めているが、中国市場も9%を占めており、急速に伸びている。再生可能エネルギーは、技術開発の対象に留まらず、いまや環境と経済を両立させる為に欠かせない存在となり、最先端の投資対象となっている。

UNEP(国連環境計画)プレスリリース(英語):
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=512&ArticleID=5616&l=en

ブログ記事:世界中で変わり始めたエネルギーの中身
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/06/post_91e4.html
 
つながりが希薄化し生活満足度が低下、国民生活白書

6月に発表された「国民生活白書」は、昭和31年(1956年)以来50回目の発行となり、毎年、国民生活の背景にある重要課題を取り上げているが、今年は「家族・地域・職場のつながり」をテーマとしている。国民生活に関する調査によると、生活全般に対する満足度が低下する一方、「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める傾向が強くなっている。つながりと生活満足度の関係を見ると、家族、地域、職場の人とのつながりがある人ほど、精神的なやすらぎを得られる確率が高いが、実際は、家族や地域のきずなの希薄化や職場などでの人間関係が難しくなり、ある程度の距離を置いた付き合いを人々が望むようになっている。ワーク・ライフ・バランスの推進やきっかけの場を増やすなどにより、この「つながり」の再構築が必要となっているとしている。

平成19年版「第50回国民生活白書」:
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/10_pdf/01_honpen/index.html

ブログ記事:今年も白書いろいろ
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/07/post_de1d.html

中国の二酸化炭素の排出量が世界一に、2006年推計

オランダの環境評価機関(MNP)は、地球温暖化の主要な原因となっている二酸化炭素の排出量について、2006年の推計データとして中国が米国を抜き世界第1位なったと発表した。2005年の段階では、中国の排出量(19%)は米国(21%)に次いで第2位だったが、近年の急速な経済発展により予想よりも早いペースで排出量が増加した結果、世界全体の排出量の20%を超えた。中国の排出量は1年間に9%増加する一方、米国は1.4%の減少となっており、世界全体では中国の影響を受け2.6%の増加となっている。1990年と比較すると、世界の排出量は35%増加しているが、世界の工場と呼ばれる中国の排出量は2.5倍に達している。世界の増加分の半分近くは中国の増加分が占めており、地球温暖化対策においては中国の参加が不可欠となっている。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070622_180115.html
オランダ環境評価機関(MNP)プレスリリース(英語)
http://www.mnp.nl/en/service/pressreleases/2007/20070619Chinanowno1inCO2emissionsUSAinsecondposition.html

ブログ記事:カーボンのお値段はいくら?
http://hmatsuba.air-nifty.com/sustainable/2007/07/post_9576.html

08:56 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月21日 (土)

サステイナブルなニュース 第10号

このニュースも今回で10号となりました。今回のニュースは、すでにこれまでの記事の中で紹介しているものもありますが、何度でもお伝えしたいものばかりです。最後のドイツの太陽光発電のニュースが発表された直後に、ちょうどNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、「なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか」という本の無料配布が始まったのは、皮肉なものです。日本の技術者のこれまでの努力に敬意を払いつつ、それを十分に活かせない日本の再生可能エネルギー政策がもっと力強いものになる様に願わずにはいられません。

[NEDO:「なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか」]
http://www.nedo.go.jp/informations/other/190619_1/190619_1.html

************** サステイナブルなニュース 第10号 *****************

気候安全保障(Climate Security)に関する報告書が公表される

最近、英国を中心に地球温暖化に伴う気候変動を広い意味での安全保障の問題として認識し、「気候安全保障(Climate Security)」として取り上げる姿勢が国際社会で示されている。これらの動きを受けて政府の中央環境審議会「気候変動に関する専門委員会」において検討が行われ、その報告書が6月に公表された。国内での低炭素社会構築に向けた政策を確実に遂行し、国際的な交渉を促進させるためにも「気候安全保障」という概念を位置づけ、効果的に用いることが提言されている。昨年10月のスターンレビューや2月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書の発表などを受けて、本年4月には国連安全保障理事会でも初めて「気候変動」についての公開討論が行われた。

環境省報道発表「気候安全保障(Climate Security)に関する報告」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8447

アジア地域の省エネルギーを支援するためのセンターを開設

(財)省エネルギーセンターでは、経済産業省の支援により「アジア省エネルギー協力センター(AEEC)」を6月に開設した。このセンターは、アジア各国間における省エネルギーのネットワーク形成のハブとなることを目指し、情報の収集や提供を行うとともに、日本の省エネルギーの政策、各種制度、それらの運用方法、さらに優秀事例などの情報の発信を行う予定。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)やJETRO、JICAおよびJBIC(国際協力銀行)などの協力得て、アジア各国からの問い合わせに対応するなど、省エネ支援のワンストップサービスの機能を目指している。今年1月に開催された第2回東アジア首脳会議において日本から提言された「日本のエネルギー協力イニシアチブ」の中で設置が決まった。

省エネルギーセンター・プレスリリース「アジア省エネルギー協力センター開設」
http://www.eccj.or.jp/pressrelease/070618.html

ドイツの太陽光発電設備の導入が大幅に進み、日本は伸び悩み

2006年のドイツにおける太陽光発電設備の年間導入容量が110万kWに達し、2006年末の累積容量で300万kWを越えていたことがわかった。日本は、2004年までは太陽光発電の設備容量が世界一だったが、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を促進する政策の弱さなどから導入量が伸び悩み、2006年末で170万kW程度に留まっている。ドイツでは2004年から施行された再生可能エネルギー法により、固定価格買取制度が導入され、太陽光発電の場合、20年間という長期に渡り日本の3倍から7倍の価格で発電した電気の買取が保障される。このため、急速に太陽光発電設備への投資が進む一方、太陽電池パネルの供給が世界的に逼迫する事態にもなっている。なお、生産量では日本メーカが高いシェア(50%以上)を保っているが、欧州企業も急速にシェアを伸ばしている。

EU太陽光発電統計(英語):“Photovoltaic Energy Barometer”, April, 2007
http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/observ/baro178.pdf
エネルギー白書2007:「国内エネルギー動向」p.203
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007/index.htm
太陽光発電協会:「太陽電池 総出荷統計」
http://www.jpea.gr.jp/6/6-1.htm

08:43 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月14日 (土)

サステイナブルなニュース 第9号

7月としては、戦後最大の台風4号が日本列島を縦断しています。大型の台風が増加すると言われている地球温暖化による影響の表れなのでしょうか。先週は不都合な真実のDVDも発売され、再びあの映像を見た後だけに、益々その感を強くします。

今週のサステイナブルなニュースをお届けします。今回は、すでにドイツサミットも終わり、発表から1ヶ月近く経過した「21世紀環境立国戦略」の記事です。その他、今回は地球温暖化に関する記事ばかりになっていますが、保険の世界でも気候変動による災害の増加が懸念されています。

**************** サステイナブルなニュース 第9号 *****************

「21世紀環境立国戦略」が策定される

今年3月に安部首相により表明された「21世紀環境立国戦略」が、政府の審議会での集中的な検討を経て6月1日に閣議決定された。地球温暖化問題に対応した低炭素社会や循環型社会、そして自然共生社会づくりを進めることにより持続可能な社会を目指す。戦略的な取組としては、自然共生の知恵や伝統、環境・エネルギー技術、公害克服の経験といった強みを「日本モデル」とし、経済成長や地域活性化の原動力として、アジアや世界へ発信する。さらに、今後、数年で重点的に着手すべき8つの戦略を提示しており、気候変動問題の克服に向けた国際的リーダシップを始め、生物多様性の保全や3Rによる持続可能な資源循環なども提示している。さらに横断的な戦略として環境を軸とした国際貢献、経済成長、地域づくり、人づくり、仕組みづくりまで踏み込んでいる。

報道発表「21世紀環境立国戦略」の閣議決定について(環境省)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8434
「21世紀環境立国戦略」のページ(環境省)
http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/index.html

持続可能な社会実現へ、世界の保険業界の取組を報告

アジアからは唯一、東京海上日動火災保険が参加している国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の保険ワーキンググループ(IWG)から世界の保険業界の取組についての報告書が発行された。IWGでは、世界の主要な保険会社が「持続可能な社会と保険」について調査・研究を行っており、「保険が社会の持続可能な発展に貢献する役割」についてまとめている。具体的には、保険は「人々(People)」「地球(惑星Planet)」「利益(Profit)」の3つの要素に貢献するものとして、持続可能性に関わる世界規模の9つの事象(気候変動、発展途上地域への保険提供、退職後の収入、健康、人間が作り出すリスク、環境責任、天然資源、リサイクル、内部効率)に対する各社の取組や事例を取り上げている。

東京海上日動火災保険(株)プレスリリース「UNEP FI IWG報告書発行」
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/20070601.pdf
「UNEP FI IWG報告書(英語)」
http://www.unepfi.org/work_streams/insurance/index.html

「地球温暖化」に関心のある人は全体の9割以上、生活者の意識調査

博報堂が2004年度から毎年実施している「環境に関する生活者の意識調査」の分析結果が今年もまとまり、この一年間で、生活者の環境問題に対する関心度が大きく向上し、環境に対する行動姿勢も積極的になっていることがわかった。特に「地球温暖化」に関心を持つ人は、全体の9割以上の92.9%に達し、昨年の81.3%から大きく伸びた。関心の高さは具体的な行動にも現れており、「電気などをこまめに消す」「エアコンの温度設定を弱めにする」といった省エネ行動は9割近くに達し、生活にほぼ定着している。最近話題になっているレジ袋についても「買物袋を持参する」人が昨年と比べて1割以上も増え、女性においては半数を超え、さらに「環境への取組が進んでいる企業の商品を買う」人も増えて、生活者が実際に行動で応え始めている動きがみられる。

博報堂プレスリリース「環境に関する生活者の意識調査2007」
http://www.hakuhodo.co.jp/news/directNews.html?2007&20070606_0

11:11 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月12日 (木)

永続地帯を見つけよう

地域の環境エネルギー政策に関する研究として比較的新しい「永続地帯」という指標への取組みをご紹介します。私も参加した研究会での2006年度の成果として日本国内の市町村ごとの再生可能な自然エネルギーによる「エネルギー自給率」について試算し、その結果に基づく幾つかの政策提言を行っています。

地域のサステイナビリティ(持続可能性)を評価する指標として、「永続地帯」という考え方があります。これはエネルギーや食料の自給状況を指標化してその地域の発展や政策評価につなげようという新しい試みで、千葉大学の倉阪先生(環境経済学)が提唱しています。

永続地帯のうち「エネルギー永続地帯」について、ISEP(環境エネルギー政策研究所)と千葉大学の公共研究センターとの共同研究として、7月9日に以下のプレスリリースを行いました。

詳しい内容は、次の「永続地帯」のwebサイトをご覧ください。
http://sustainable-zone.org/

プレスリリース:「エネルギー永続地帯」試算結果の公表について

千葉大学公共研究センターとNPO法人環境エネルギー政策研究所は、共同で、エネルギー永続地帯の試算結果を公表しました。この試算は、日本の全市区町村について、区域での再生可能な自然エネルギーによる電力供給によって、区域の民生用電力需要を、計算上どの程度賄うことができるかを推計したものです。この結果、以下のような事項が明らかになりました。

(1) 小水力発電が日本の再生可能な自然エネルギー電力の約6割を占める 日本全体の再生可能な自然エネルギーによる電力供給量では、小水力が最も大きく、自然エネルギー供給量の59.8%を占めていることがわかりました。以下、地熱(18.1%)、風力(12.4%)、太陽光(6.0%)、バイオマス(3.7%)の順となっています。このような再生可能な自然エネルギー起源の電力供給は、日本の民生用電力需要量の3.35%にとどまっています。

Eizokufig1

(2) 4県で再生可能な自然エネルギーによって民生用電力需要の2割以上を賄っている都道府県別では、大分県(30.8%:地熱+小水力)、秋田県(26.3%:地熱+小水力+風力)、富山県(23.4%:小水力)、岩手県(20.2%:地熱+小水力+風力)が、各都道府県内の民生用電力需要の20%以上を再生可能な自然エネルギーによって供給していることがわかりました。

Eizokufig2

(3) 76の市町村が自然エネルギーのみで域内の民生用電力需要を満たしている市区町村別では、76の市区町村が再生可能な自然エネルギーのみで域内の民生用電力需要を満たしていることがわかりました。

以上の試算結果から、以下の5点を政策提言としています。

(1) 日本に適した自然エネルギーの種別として、小水力発電にもっと注目すべき。
(2) 地方自治体におけるエネルギー政策を立ち上げるべき。
(3) 国はエネルギー特別会計の一部を地方自治体の自然エネルギー普及に振り向けるべき。
(4) エネルギー需要密度が大きい都市自治体においては、自然エネルギー証書の購入などの形で、自然エネルギーの普及拡大に寄与すべき。
(5) 自然エネルギー発電の基礎データが統計情報として定期的に公表されるようにすべき。

プレスリリース資料本体、都道府県ランキング、市町村ランキングなどの詳細
情報は、 http://sustainable-zone.org/ をご覧下さい。

05:34 午後 環境 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2007年7月10日 (火)

サステイナブルなニュース 第8号

今週のニュースは、約1ヶ月前に発表された東京都の地球温暖化対策からです。三菱重工は米国から100万kWを超える風力発電設備を受注しました。欧州などと比べ温暖化対策では動きの鈍い日本国内ですが、一部では大きな動きが始まっています。

************** サステイナブルなニュース 第8号 *******************

東京都が国に先駆けて地球温暖化対策を具体的に策定

東京都は昨年12月に発表した「10年後の東京」の実現にむけた取組みのひとつとして、より具体的な地球温暖化対策に関する方針を策定し、発表した。まずは企業のCO2排出削減を協力に推進する仕組みつくりで、CO2を多く排出する大企業に対する削減義務と排出量取引制度の導入、さらに金融機関による環境投融資の拡大や実績の公開が含まれている。家庭においては「白熱球一掃作戦」や太陽光発電の普及促進、都市づくりにおいては建物の省エネ性能の義務化や都の施設への全面適用をルール化する。さらにハイブリッド車の大量普及やCO2を減らすことのできる自動車燃料の導入や「エコドライブ運動」の仕組みを構築する。特に中小企業と家庭の省エネ努力を支援する制度を構築し、都独自の「省エネルギー促進税制」の導入も検討するとしている。

報道発表資料:「東京都気候変動対策方針」の策定について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/06/70h61200.htm
東京都ホームページ「10年後の東京」:
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/10years_after/index.htm

三菱重工が国内の設備容量に匹敵する風力発電設備を米国より受注

三菱重工は、米国の複数の大手風力発電会社より過去最大の規模で風力発電設備を受注した。受注した発電設備の総容量は、日本国内で稼動する全ての風力発電設備容量149万kW(2006年末)に匹敵し、788基(136万kW)に達する。内訳は普及型の出力1000kW風車が377基と、現在最も大型の最新機種2400kW風車が411基となっている。風力発電は欧州や米国中心に急速に普及が進んでおり、米国は2006年末でドイツに次ぐ世界2位の累積導入量1163万kWとなっている(日本は13位)。2006年の新規導入量では245万kWと世界1位となっており、米国内の風力発電機市場は活況を呈している。三菱重工は国内メーカで唯一、国際風力発電機市場の中で一定の地位を占めており、今後さらなる事業拡大を進める方針。

三菱重工プレスリリース:
http://www.mhi-ir.jp/news/sec1/200705304591.html
技術解説「風力発電って何だろう」:
http://www1.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/egy/ey04/index.html

日産自動車、全従業員を対象に国際NGOと連携した環境教育を実施

日産自動車は、従業員の環境に対する基礎知識を啓発するため、国際NGOナチュラル・ステップと協働して「日産環境eラーニング」を開発し、6月より本格運用を開始する。昨年発表した「ニッサン・グリーンプログラム2010」の中で「従業員の環境マインド向上」を目標として掲げ、体系的な環境教育の拡充を行っており、今後グローバルに全従業員の受講を進める。基礎的な環境教育プログラムとして、会社の掲げる「3つの重要課題」(CO2排出量の削減、エミッションのクリーン化、資源循環)の背景となる地球環境問題や、それに対する取組みを学習する。ナチュラル・ステップは、スウェーデンで発足し、持続可能な社会の実現のための指針を科学的根拠に基づいて提供しており、世界11カ国に支部がある。

日産自動車プレスリリース:
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2007/_STORY/070528-01-j.html
ナチュラル・ステップ日本支部:
http://www.tnsij.org/

01:52 午前 環境 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年7月 8日 (日)

今年も白書いろいろ

毎年、各省庁から発表される「白書」には、各省庁が取り組んでいる様々な分野の情報が満載されていて、網羅的にその分野の現状を調べるには格好の情報源となっています。6月から7月にかけては、ちょうど前年度の統計情報や取組みの実績がある程度まとまって、この「白書」が発表される時期ですので、ここで日本の持続可能性に関係する白書をいくつかご紹介してみたいと思います。なお、この記事は、私も執筆している「環境info」というサイトにも掲載しておりますので、そちらのサイトも是非、覗いてみてください。

[環境info] http://www.kankyo-info.net/
 
まず最初に、環境省から発表されている「白書」の代表格が「環境白書」です。今年は、前年まで別々になっていた「循環型社会白書」と一緒になり、「環境・循環型社会白書」というとても分厚い白書となりました。今年のテーマは、「進行する地球温暖化と対策技術」、「我が国の循環型社会づくりを支える技術―3R・廃棄物処理技術の発展と変遷―」です。地球温暖化については、現状の紹介とその影響、対策技術の紹介に加えて制度や行動を伴った低炭素社会の構築について述べられています。3R・廃棄物処理の分野では、国内の優れた技術を紹介するというスタンスでこれまでの発展とこれからの国際貢献について述べられています。

[環境・循環型社会白書] http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/
H19

農林水産省からは、興味深い白書が3種類発行されています。「食料・農業・農村白書」「森林・林業白書」そして「水産白書」です。いずれも日本の重要な第一次産業を支える取組みが述べられています。今年の食料・農業関連のトピックスは、「食料自給率」「担い手への施策」「バイオマス利用と地球環境」「農村地域の活性化」などです。特に食料自給率については、近年40%で横ばいの状況が続いていて、農業や農村の活性化と合わせて根本的な対応が求められています。森林については、「美しい森林づくり」の推進、温暖化対策のための森林吸収源対策などがトピックスとして取り上げられており、林業・木材産業との関係やバイオマス資源としての扱いが重要になっています。水産については、特集として「我が国の魚食文化を守るために」と題して世界の中での日本の位置づけと課題について述べています。

[農林水産省:白書情報] http://www.maff.go.jp/j/wpaper/index.html

内閣府からは、普段あまり目にしない興味深い白書がたくさん発表されています。「防災白書」では、災害リスクの認識を高め、被害を軽減するための現状と取組みが紹介されています。「青少年白書」では、少子化が進む中で将来の日本を担う青少年の健康、安全、教育の現状を紹介し、「社会的自立」について特集しています。関連して、「少子化社会白書」も発表されており、国内の現状と「子どもの成長に応じた子育て支援策」、「働き方の改革」、「社会全体の意識改革」について述べられています。さらに「高齢社会白書」「障害者白書」「男女共同参画白書」「国民生活白書」も発表されており、関連するテーマを扱っていると考えることができます。「国民生活白書」の中では、「仕事そのものを生かしたつながり」ということで、私自身も活動している環境プランナーという民間資格のメンバー同士のネットワークなどが紹介されています。少し変わったテーマとして「食育白書」があり、「食」に対する意識について問題提起していますが、いずれも持続可能な社会を考える上で重要なテーマです。

[内閣府:白書、年次報告等] http://www.cao.go.jp/whitepaper.html
[防災白書] http://www.bousai.go.jp/hakusho/hakusho.html
[青少年白書] http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hakusho.html
[少子化社会白書] http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html
[高齢社会白書] http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
[障害者白書] http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/index-w.html
[男女共同参画白書] http://www.gender.go.jp/whitepaper-index.html
[国民生活白書] http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
[食育白書] http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/index.html

最後に、「エネルギー白書」ですが、今年の最新版が資源エネルギー庁のホームページで発表されています。地球温暖化問題とも密接に関連しているエネルギー問題ですが、今年のポイントとしては、石油ショック以来の日本の省エネなどへの取組みをレビューするとともに、国際エネルギー市場の動向や地球温暖化問題を巡る動きを詳細に調査分析しています。さらに、これらの動向を踏まえてエネルギーに関する課題の解決に向けた戦略を提示しています。エネルギーは食料と並んで経済や社会を支える根幹であり、地球温暖化問題とも絡んで、安全保障上も非常に重要な問題です。日本のエネルギー自給率は純粋な自然エネルギーでは4%程度しかなく、純国産エネルギーと言われている原子力を加えても20%程度しかありません。多くの人がこの現実を認識する必要があると思います。欧州を中心に再生可能な自然エネルギーへの取組みが積極的に行われており、中国や米国にもその動きが広がっています。日本においても、省エネルギーと合わせて、これからのエネルギー政策について活発な議論と取組みが行われる必要があります。また、原子力についても現在の状況を十分に知っておく必要がありますので、あえて白書を2つ紹介しておきます。

[エネルギー白書] http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/index.htm
[原子力白書] http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/index.htm
[原子力安全白書] http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo_kensaku.htm

02:38 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月 2日 (月)

サステイナブルなニュース 第7号

今週ご紹介するグリーン電力やCDP(カーボン・ディスクロージャ・プロジェクト)も、地球温暖化への対応として注目されています。私たち自身の生活の持続可能性を考えるワーク・ライフ・バランスについても取り上げてみました。

************** サステイナブルなニュース 第7号 *************************

国内最大規模のグリーン電力を使用するソニー

太陽光や風力などの自然エネルギーにより発電した環境価値のある電力を企業活動に積極的に利用する動きが広がっている。ソニーは、地熱発電による年間1000万kWh以上のグリーン電力を購入する契約を「グリーン電力証書システム」を提供している日本自然エネルギー(株)と締結し、すでに契約している風力発電による550万kWhと合わせて、国内の施設で利用する。ソニーは、6年前にこのシステムを電力会社などと共同で開発し、利用量を着実に増やして来た。東京銀座のソニービルでは、約75%の電力がこのグリーン電力でまかなわれることになる。ソニーは、WWFの「クライメート・セイバーズ・プログラム」に参加し、2010年までに温室効果ガスの排出量を2000年比7%削減する目標を掲げている。

ソニー(株)プレスリリース:
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200705/07-051/index.html
WWF「クライメート・セイバーズ・プログラム」:
http://www.wwf.or.jp/activity/climate/clmt-svrs/index.htm

企業は財務と同様に「炭素情報開示」も重視すべき

ニューヨークで開催された国連のCSD(持続可能な開発委員会)に出席したイギリスのピアソン気候変動担当大臣は、米企業との会合の中で、「気候変動のリスクに対する対策を講じるために、企業は財務情報開示と共に炭素情報開示も重視すべき」と提言した。この「炭素情報開示」は、多くの国際的な金融機関や保険会社が参加する非営利団体「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」において国際統一基準の作成が行われている。CDPは2002年から世界の主要上場企業に対して年に1度、温室効果ガスの排出量や排出対策について情報開示を求める質問状を送付して、情報の収集を行い、レポートを発行している。

イギリスDEFRAプレスリリース(英語): http://www.defra.gov.uk/news/2007/070509b.htm
EICネット記事:
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=16203
CDPホームページ: http://www.cdproject.net/
CDP日本語レポート(2006年):
http://www.cdproject.net/download.asp?file=CDP4_Japan_Report.pdf

ワーク・ライフ・バランスと幸福感を分析

内閣府の経済社会総合研究所により、少子化社会におけるワーク・ライフ・バランスと幸福感の関係性について分析を行ったレポートが発表された。この分析は、20~40歳代女性の幸福感として「主観的幸福度」は非金銭的な幸福感、「生活満足度」は金銭面を含んだ幸福感との仮説を立て、配偶関係・就業状態・子育てがどの様に影響を与えているかを分析している。その結果、所得が高いこと、結婚していること、夫の家事育児時間が長いことは、2つの幸福感を共に高めることがわかった。子供数は主観的幸福度にはプラス、生活満足度にはマイナスの影響を与えていることもわかった。

内閣府 経済社会総合研究所レポート:
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis190/e_dis181.html



07:09 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月23日 (土)

サステイナブルなニュース 第6号

空梅雨が続き、やはり地球温暖化のついてのニュースが多いと感じる今日この頃ですが、今週も恒例のサステイナブルなニュースをお届けします。

************* サステイナブルなニュース 第6号 *********************

全事業所に太陽光発電設備の導入を計画

三菱重工は、地球温暖化対策のためのCO2排出量削減の一環として、今年度末までに全事業所に太陽光発電設備を導入することを決めた。これまで導入した出力370kWの設備に加えて、これまで未設置だった5事業部と、既設分に追加導入を行い、全社総導入量を1090kWとする計画。これによるCO2排出削減量は、既設分も含め年間約340トンとなる。今回採用する太陽電池は、薄膜系電池の次世代機種として三菱重工が開発し、すでに量産を行っているもので、従来のアモルファス型と比べて発電効率が大幅にアップしている。また、シリコンセルを使った結晶型と異なり、原材料の制約が小さく、安定供給に優れた特徴がある。

三菱重工プレスリリース:「太陽光発電設備を全事業所に導入 2007年度末までに」
 http://www.mhi-ir.jp/news/sec1/200705164585.html

国際環境NGO(WWF)が地球温暖化防止対策に具体的提言

国際環境NGOの世界自然保護基金(WWF)は、5月15日に2050年までの中長期に渡る地球温暖化防止対策に関するビジョンを報告書としてまとめ、発表した。今後5年間が、地球温暖化防止にとって最後のチャンスとして警鐘を鳴らすと共に、現在のエネルギー効率化技術や再生可能エネルギーなどを総動員することにより、平均気温上昇を2℃までに抑制する温暖化防止はまだ可能であると具体的な予測モデルを基に提言している。ただし、世界各国が、CO2排出量を削減するための国際的な合意を今後5年間のうちに行い、省エネルギーや再生可能エネルギーの大幅な普及を2050年までに実現する必要があると指摘しており、日本に対しても高い技術力によりアジアでのリーダシップが期待されている。

WWFプレスリリース(英語):
http://www.panda.org/news_facts/newsroom/index.cfm?uNewsID=102400

東京都の「企業の森」第1号として協定書を締結

東芝は、CSR活動の一環として、東京都などと「企業の森」第1号として森林整備協定書を締結した。青梅市御岳の約4.7haの森林を「企業の森・東芝(御岳)」と名付けて、今後10年間にわたり「花粉の少ない森づくり運動」の一環として森林整備費を負担し、従業員の環境教育等の場として活用する。東芝は、2025年に創業150周年を迎えるが、CSRとして「150万本の森づくり」運動を世界的に展開し、国内外で総計150万本規模の森林整備に取り組んでいる。この「企業の森」は、和歌山県や三重県などで環境意識の高い企業などの参画により経済的な波及効果も含め着実に成果を挙げており、その取り組みが全国的に広がっている。

東芝プレスリリース: http://www.toshiba.co.jp/about/press/2007_05/pr_j2101.htm
東京都「企業の森」募集:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2006/09/22g9s700.htm
和歌山県「企業の森」募集&経済波及効果の調査結果:
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070700/kig_mori/kig_mori.html

09:34 午後 環境 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年6月16日 (土)

サステイナブルなニュース 第5号

恒例になりました「サステイナブルなニュース」第5号をお届けします。関東地方は梅雨入りしたにも関わらず晴天が続いていますが、まさに地球温暖化に伴う気候変動の一端を見る思いです。

*************** サステイナブルなニュース 第5号 *****************

「食育」の言葉を知っている人の割合は増加

私たちが生きていくうえで欠かせない食べ物について、どれだけ正しい知識を持ち、それを日々の食生活に生かしているかを考える「食育」。内閣府が、食育に関する意識調査を実施したところ、その言葉を知っている人は65%で、前回の平成17年の調査よりもやや増加した。食育を実践している人の割合は6割程度で、関心の高いのは「食品の安全性」や「食生活・食習慣の改善」。また、実際に家庭における規則正しい食生活の実践や食べ残しを減らす努力は9割以上の人が実践していると答えている。この「食育」の推進を目的に食育基本法が平成17年に施行され、内閣府を中心に食育の推進が行われており、「食育白書」が昨年発行されている。

内閣府意識調査(2007年5月): http://www8.cao.go.jp/syokuiku/tyousa/index.html
内閣府「食育推進」のページ: http://www8.cao.go.jp/syokuiku/index.html

地球温暖化防止のための排出権取引を小口化

地球温暖化防止のための対策として、排出権取引が注目を集めているが、民間企業による小口の取引はこれまで国内ではほとんど行われてこなかった。三菱商事では、三菱UFJ信託銀行と提携し、京都議定書が定める京都メカニズムのひとつCDM(クリーン開発メカニズム)より発生した排出権を信託し、信託した受益権を小口化して販売する計画を発表した。小口の需要者にとって足かせとなる管理業務負担を減らすことにより、排出削減目標を持っている中小企業などの小口排出者の目標達成を後押しすることが可能となる。

プレスリリース: 三菱商事「排出権信託契約の基本合意について」
http://www.mitsubishicorp.com/jp/pdf/pr/mcpr070425.pdf

米シティグループ、地球温暖化対策に10年間で500億ドル投資

米国シティグループは、今後10年間に渡り500億ドルを地球温暖化対策に投じることを発表した。市場や顧客による代替エネルギーやクリーン技術の開発および実用化を支援するための投資、融資などが対象となり、100億ドルを見込むシティグループ自らの事業活動における温暖化対策も含まれる。シティグループでは、2011年までに温室効果ガスの排出量を10%削減することを目標としており、世界中の施設においてグリーン電力の活用やLEED認証の取得などを実施する。クリーンエネルギーや代替技術に対しては、10年間で310億ドルを投資あるいは融資する計画。

温「断」化ニュース:
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070509_234026.html
シティグループ・プレスリリース:
http://www.citigroup.com/citigroup/press/2007/070508a.htm

11:43 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年6月10日 (日)

サステイナブルなニュース 第4号

今週もサステイナブルなニュースを3本お送りします。最近は、やはり地球温暖化や再生可能エネルギーに関するニュースがだいぶ増えて来ましたが、それ以外のニュースも少しずつ取り上げていきたいと思います。

********** サステイナブルなニュース 第4号 **********************

グリーン電力証書の利用団体数が増加中

風力発電などの再生可能エネルギーによる電力のグリーンな価値を企業や自治体で利用できるように、グリーン電力証書として発行している日本自然エネルギー(株)は、昨年度の契約数が始めて100を超えたと発表した。合計の契約電力量は一般家庭約2万軒分に相当し、CO2の削減効果としては、スギの木約195万本が1年間に吸収するCO2の量に相当する。例えば、ソーシャルネットワークサービス「mixi」を展開するミクシィ社では、インターネットサービスで使用する電力を風力発電やバイオマス発電でまかなうことにより環境への配慮をアピールしている。ある化粧品会社では、化粧品の製造ラインで使用する電力を風力発電によりまかない、環境に配慮した製品を製造し、販売している。

日本自然エネルギー(株)プレスリリース
「グリーン電力証書システム契約団体数が100を突破!!」
http://www.natural-e.co.jp/info/pdf/H19.4.24press.pdf

アジアの気候変動問題へ対応する2基金に120億円拠出

京都で開催されたアジア開発銀行(ADB)の年次総会において、主要テーマとして取り上げられた気候変動問題に対応して、日本が新たに創設される2基金に対して最大1億ドルを拠出することを表明した。総会の議長を務める尾身財務相が、議長演説の中でアジアの持続的成長のための日本のイニシアチブ(ESDA: Enhanced Sustainable Development for Asia)として明らかにした。創設される2つの基金は「アジアクリーンエネルギー基金(ACEF)」と「投資環境整備基金(ICFF)」。アジア各国での省エネルギー等の環境対策への取り組みを支援する。合わせて国際協力銀行(JBIC)を通じて今後5年間で総額20億ドルの円借款を供与し、「投資の促進」と「気候変動への対応」をADBと連携して促進することも表明した。

[第40回アジア開発銀行年次総会議長演説(日本語)]
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/adb190506.pdf

新丸ビルに環境戦略拠点「エコッツェリア」オープン

東京駅前の丸の内地区に新たに誕生した新丸ビル内に環境戦略拠点「エコッツェリア」が5月14日にオープンする。この施設は、三菱地所(株)が丸の内のまちづくりにおける環境共生の取り組みをハード・ソフトの両面から実施・展開するために創設した。施設は、環境関連の展示が可能な「オープンスペース」、研究会や交流の場として利用可能な「サロンスペース」そして地球環境を見える化(=可視化)する「触れる地球」ルームから構成されている。すでに大手町ビルで2005年にオープンして同様のコンセプトを持つ「大手町カフェ」と同じデザイナーが内装を手がけ、環境共生への気づきのきっかけとなる素材が多く配置されている。環境関連のセミナーや情報発信などにも注力し、丸の内発の新たな「環境文化」の創造を目指す。

[エコッツェリア]ホームページ: http://ecozzeria.jp/
[大手町カフェ]ホームページ: http://www.o-cafe.com/index.php

07:44 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月 8日 (金)

行動をしないリスクを考える

身近な危険や環境悪化には人はすぐに取り組むが、将来の地球温暖化や気候変動に対しては中々行動できないと言われて来ましたが、事態は次第に変わって来たようです。人は身近な問題では、いわゆる対策をするためのコスト(費用)に対して、行動(対策)をしない場合のコストやリスク("Cost of Inaction")が大きくなり、嫌でも優先順位を上げて行動をすることになります。地球温暖化や気候変動の問題でもこれまでご紹介してきた国際的な動きIPCCの第4次評価報告書などにより、行動のための優先順位が高くなりつつある様な気がします。

そんな中、最近の国際的な地球温暖化(気候変動)に関する動きについて良くまとめられている報告書が中央環境審議会から出ました。今後、私達が避けては通れない「気候安全保障(Climate Security)」という新しい概念について提唱しています。「安全保障」は、個人、企業、国そして国際社会が直面する破滅的なリスクを事前に回避するための枠組みですので、国の政策や経済における優先順位を考える上で、非常に重要な考え方です。

[EICネット記事]
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16635&oversea=0

[環境省:報道発表資料]
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8447

[気候安全保障(Climate Security)に関する報告]
http://www.env.go.jp/earth/report/h19-01/index.html

この報告書の中でも、"Cost of Inaction"という言葉が出てきますが、気候変動ではまさにこの認識が重要なようです。ちなみに昨年10月に発表されたスターンレビューでは、この行動をしないコスト(リスク)をGDPの5%~20%と見積もっています。これに対して、行動のためのコスト(費用)"Cost of action"は平均でGDPの1%というものでした。IPCCの第4次評価報告でも"Cost of Inaction"は世界のGDPの3%程度という分析結果が報告されています。

現在、ドイツで開催されているサミットでは、気候変動が大きなテーマとして取り上げられ、世界中がポスト京都議定書の枠組みがどうなるか注目していますが、これは2005年から始まったG8の気候変動プロセスの一環です。このプロセスの中には、G8だけではなく、中国やインドを含む主要20ヶ国(G20)の「対話」が含まれており、来年の日本でのサミットで最終的な成果が報告されることになっています。ちなみに、G8が排出するCO2は、2003年度で世界全体の45%で、G20まで入れると78%になり、その成果が2012年以降のポスト京都議定書に生かされれば、非常に大きな力となるはずです。果たして日本の提案する「2050年までに温室効果ガス排出量を半分以下」という提言は、いつから実現に向けて動き出すのでしょうか。

今年は、個人、企業、国そして国際社会にとって「気候変動」がより身近になり、「安全保障」の観点からでも世界中でその優先順位が上がり、具体的な行動を開始した年と位置づけられることを期待しています。

10:42 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月 4日 (月)

サステイナブルなニュース 第3号

毎週1回の配信を目指すサステイナブルなニュースの第3号をお届けします。今週は、海外そして国内の企業のCSR(企業の社会的責任)に関するニュース2件と、再生可能エネルギーを普及させる経済的な仕組みや政策に関する提言についてのニュースです(いずれも今年4月に発表された内容です)。

ウォルマートで、従業員が個人の持続可能性プログラムを推進

米国の流通業界最大手ウォルマートでは、従業員が自主的に個人の持続可能性についての目標に取組むパイロットプログラムPSP(Personal Sustainability Program)をさらに拡大すると発表した。昨年7月に8店舗からスタートしたこのプロジェクトでは、従業員個人が自主的に持続可能性に関する目標を設定し、より健康に良い食品を選んだり、コミュニティへの貢献や環境に優しい製品を使うなどの取組みを行っている。昨年10月には130店舗に拡大し、今年中には全米の130万人の従業員に拡大するとしており、海外の店舗への拡大も計画されている。昨年の成果としては、2万人の従業員が参加し、300人の従業員が禁煙を達成し、家庭でのリサイクルの活動を自主的に行ったり、地球温暖化を多くの人々に紹介する活動等、様々な取組みが行われている。

[米国ウォルマート・プレスリリース(2007/4/5)英語]
http://www.walmartfacts.com/articles/4933.aspx

新エネルギー財団が、太陽エネルギー普及促進に関する提言

財団法人新エネルギー財団では、毎年4月に新エネルギーの導入促進に関する提言を行っている。今年は特に太陽エネルギーを対象に普及促進に関する提言を行っているが、その最初の提言項目を「グリーン電力」の活用としている。既存の電力に比べて相対的に発電コストが高い太陽光発電を普及させるには、その環境価値を十分に評価するための仕組みが必要となる。グリーン電力は、グリーン電力基金やグリーン電力証書などとして民間での活用がすでに始まっているが、さらなる普及のためにはより具体的な政府による施策が必要としている。さらに、ライフサイクルを通じた太陽光発電の商品価値の向上や規制緩和などの普及策についても提言を行っている。

[新エネルギー財団:新エネルギーの導入促進に関する提言(2007/4/16)]
http://www.nef.or.jp/introduction/teigen/te_h18.html

住友林業が、CSRの一環として「クリーンファンド」へ投資

この3月に三井住友銀行が創設した「クリーンファンド」は、信託機能とリース機能を組み合わせた運用商品で、大手企業の環境貢献・CSRを目的とした投資ニーズと中小企業の環境対策への資金ニーズに同時に応えることが可能となっている。住友林業は、その出資第1号として5億円の投資を発表した。近年「環境等に配慮したお金の流れの拡大」が求められており、具体的なスキームを創ると共にそのインフラを整備することが金融機関の役割として重要となっている。具体的には三井住友銀行が受託者となり、環境貢献に積極的な大企業から金銭の信託を受けて、その信託を運用するリース会社を通じて中堅・中小企業の環境対策に必要な資金ニーズに直接応えるとしている。

[住友林業:企業の環境対策投資を支援する「クリーンファンド」への投資について]
http://sfc.jp/information/news/2007/2007-04-04.html

07:53 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月 1日 (金)

後は行動に移すだけ

今月6月は環境月間で、6月5日が「環境の日」だそうですが、この数日間に実に様々な地球温暖化問題などへの意欲的なビジョンや取組みの戦略が発表されました。

今年3月から安部首相の掛け声で検討が進められて来た「21世紀環境立国戦略」が異例のスピードで本日(6/1)、閣議決定されました。地球温暖化対策と持続可能な社会の「日本モデル」構築を前面に出して、新聞などでも話題になった世界全体での温室効果ガス排出量を「2050年までに半減」を打ち出しています。来週からドイツで開催されるG8ハイリゲンダム・サミットをめぐる動きとしても注目です。

[「21世紀環境立国戦略」が閣議決定(6/1)]
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8434
[21世紀環境立国戦略の紹介ページ]
http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/index.html
[21世紀環境立国戦略(本文)]
http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/21c_strategy_070601.pdf

国際的には、これまでご紹介したIPCCの第4次評価報告書や、EU首脳会議での20%削減の目標設定、WWFのレポート"Climate Solutions"など、多くの気候変動に対するビジョンや取組みが発表されています。

[WWF: Climate Solutions, WWF's Vision for 2050(英語)]
http://www.panda.org/news_facts/newsroom/index.cfm?uNewsID=102400

またこの政府からの発表に合わせるかのように、東京都の「気候変動対策方針」が発表されました。国に先駆けた意欲的な取り組みとして今年3月に発表された「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」の基本方針も示されています。いよいよ東京都も本気で取り組みを始めるようです。

[「東京都気候変動対策方針」について]
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/06/70h61200.htm

公共施設での省エネの方針もすでに打ち出しています。庁舎、学校、病院などの都の施設を最高レベルの省エネ仕様に転換することを目指しています。

[「省エネ東京仕様2007」の策定について]
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/05/70h5t100.htm

そして、今年も「クールビズ」として「夏季の省エネルギー対策」についての「お願い」が発表されました。内容がより具体的になっており、庁舎などでの冷房温度28℃やノーネクタイだけではなく、ESCO事業の推進や、民間企業や家庭に対しても省エネについてもより具体的に提案をしています。

[「夏季の省エネルギー対策について」]
http://www.meti.go.jp/press/20070530003/20070530003.html

この短い期間にこれだけの意欲的なビジョンや戦略が発表され、後はいよいよこれらを行動に移すだけのはずですが、そこには越えなければならない「壁」があるようです。それをひとつずつ取り除く作業から始める必要がありそうです。

10:30 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月27日 (日)

サステイナブルなニュース 第2号

今週も前回に引き続き、サステイナブルなニュース第2号をお送りします。いずれも1ヶ月程前にニュースになったものばかりです。日本国内のCO2排出量は増え続けており、食料自給率も完全に横ばいということで、この膠着状態を抜け出すには、果たして何が必要なのでしょうか。

*********** サステイナブルなニュース 第2号 *****************************

日本経団連が、CO2排出削減のヒント集を発表

日本経団連が、産業界の地球温暖化対策の一環として、CO2排出削減のための900のヒントをまとめた事例集を発表した。この事例集では、製品の製造段階などの工場での対策や、物流や旅客などの運輸関係、オフィスや商業施設など業務における対策にとどまらず、家庭や通勤といった業務外での対策も取り上げている。日本経団連は「環境自主行動計画」の中で、産業界の地球温暖化対策に取り組んでおり、2年前に最初の事例集を発表したが、今回はそれをさらに拡充したものになっている。

[日本経団連:地球温暖化防止対策事例集~CO2排出削減900のヒント~]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/029.html

食料自給率は8年間連続横ばいの40%

世界の食料需給が不安定さを増す中で、農林水産省は、2年前から「食料・農業・農村基本計画」に基づく行動計画を策定し、食料自給率に関する目標を設定した取組みを行っている。この3月に発表された「食料自給率レポート」によると、日本のカロリーベースの食料自給率は、昭和40年代には70%以上あったが、その後の肉類の消費増など食生活の大きな変化により急激に低下し、平成10年度から横ばいの40%が続いている。また、農地面積も年々減少しており、国民1人あたりの農地面積は主要な先進国と比べても極端に小さい。食料の多くを輸入に頼る状態が続いているため、国内生産の増大を基本とした食料安全保障という考え方も重要となってきている。

[農林水産省:我が国の食料自給率 ~平成17年度 食料自給率レポート~]
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/report17/jikyu01_17.html

CO2排出をゼロにできるエコな旅行を提案

JTB関東では、新しいエコツアーブランドGREENSHOESの中で、第一弾の目玉商品として「CO2ゼロ旅行」を共同開発し、4月より販売受付を開始した。年間10,000人の取り扱いを目指しており、旅行の際に移動などで排出されるCO2を、グリーン電力証書という仕組みを利用してオフセットする。JTB関東がこのツアーを販売、「ソニー・ミュージックコミュニケーションズ」がグリーン電力証書を調達し、「環境エネルギー政策研究所」がオフセットに必要なグリーン電力量を算出する。ツアーの代金の一部がグリーン電力証書を通じて、太陽光や風力発電などの自然エネルギーの維持拡大に利用される仕組み。

[JTB関東:エコツアーブランド「GREENSHOES」の第一弾「CO2ゼロ旅行」]
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=645

10:05 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月20日 (日)

サステイナブルなニュース 第1号

今週から、持続可能な社会を目指す様々な動きとして、「サステイナブルなニュース」を幾つかご紹介して行きたいと思います。

  ******  サステイナブルなニュース   第1号     2007/5/21発行 ********

[環境貢献リフォームとして累積で1万棟に太陽光発電システム]

積水化学工業(株)は、この3月末で既築住宅への太陽光発電システムの導入件数が累積1万棟を超えたと発表した。新築住宅への太陽光発電システムの導入は、1998年から開始されており、新築住宅の50%以上となる4万7千棟の実績があるが、既築住宅についても「環境貢献リフォーム」として積極的に提案を行ってきた。「環境貢献リフォーム」では、オール電化や遮熱・断熱リフォームなどと組合わせて、工事中のゼロエミッション達成などにも取り組んでいる。近年、環境問題への関心がリフォームユーザにも急速に高まっており、この太陽光発電とオール電化の組合わせは人気を集めている。さらに九州では、環境省の「ソーラー・マイレージクラブ事業」を2つの地域で実施し、CO2削減のための啓蒙活動を行っている。

積水化学工業(株)プレスリリース:
「既築住宅への太陽光発電システム搭載 累積で1万棟突破!」
http://www.sekisuiheim.com/info/press/20070423.html

[持続可能な社会の実現に向けた滋賀県の未来シナリオを発表]

滋賀県の琵琶湖環境科学研究センターでは、持続可能な滋賀県を実現するために2030年を目標とする未来シナリオを研究会の成果として発表した。2030年の環境目標としては「脱温暖化の実現のための温室効果ガス排出量の半減」、「琵琶湖環境の復活のためのヨシ群落面積の倍増などの数値目標達成」、「循環システムの構築のための廃棄物最終処分量の75%減」の3つを定めている。その上で、環境目標達成のために、具体的に地方公共団体や事業者などの主体毎の取り組みを提案すると共に、促進政策として持続可能な税制や金融面から経済的な利得を分かち合う「おうみ三方よし政策モデル」を提案している。また、環境目標毎に目標達成のための具体的なシナリオを提示しており、温暖化対策では、温室効果ガス排出量の50%削減が2030年には可能としている。

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター:
「持続可能な社会の実現に向けた滋賀シナリオについて」
http://www.lberi.jp/root/jp/01topics/scenario.htm

[大山千枚田、棚田千本のかがり火で環境保全をアピール]

東京に最も近い棚田として知られ、日本の棚田百選にも選ばれている大山千枚田(千葉県鴨川市)で、棚田などの日本古来の農業や自然環境の保全をアピールする夜間イベントが開催された。幻想的な夜の棚田で、千本余りのかがり火が、地元産の竹と環境に優しいバイオディーゼル燃料により点灯し、1000人を超える観客を魅了した。6年前から行われている棚田のオーナー制度で、棚田を第2の故郷とするカップルが結婚式を挙げるイベントも開催され、伝統的な舞踊や地元ゆかりの歌手の歌声などが披露された。主催したNPO法人大山千枚田保存会では、地域資源を活用し、都市農村交流や地域農業の活性化を進めると共に、鴨川市の新たな観光資源としてこのイベントを活用していく。

大山千枚田のホームページ:
http://www.senmaida.com/index.php


11:28 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年5月 4日 (金)

今ならまだ間に合うはず

地球温暖化による気候変動を「緩和」する方策を検討しているIPCC第4次評価報告書の第3作業部会からの報告が5月4日にタイのバンコクでありました。IPCCのホームページからサマリー(SPM)がダウンロード可能です(英語ですが)。日本語による概要も環境省から発表されています(5/7追加)。2月に発表された第1作業部会(科学的な根拠)および4月に発表された第2作業部会(影響、適応および脆弱性」と合わせて、これで全ての評価報告書が発表されたことになります。

[IPCC第4次評価報告書 第3作業部会(緩和策)英語のサマリー]
http://www.ipcc.ch/SPM040507.pdf

[IPCC第4次評価報告書 第3作業部会(緩和策)の日本語仮訳(GISPRI作成)]
http://www.gispri.or.jp/kankyo/ipcc/pdf/070515IPCCWG3-SPM(GISPRI).pdf

[IPCC第4次評価報告書 第3作業部会(緩和策)概要プレゼン資料(環境省作成)]
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/wg3_gaiyo.pdf

日本国内の新聞のWebサイトでも早速記事になっていました。今年は2月の第1作業部会の報告から新聞各紙が積極的に記事にするので、多くの人々が関心を持っているという証拠だと思います。

報告書のサマリー(SPM)の主な内容は、以下のとおりです。

(1) 温室効果ガスの排出傾向
温室効果ガスの排出量は、1970年から2004年の間に70%増加して、年間約500億トン(CO2換算)となっている。特にエネルギー供給時の排出量の増加が大きく、145%増加。

(2) これからの温室効果ガスの排出量予測
現在の気候変動や持続可能な開発についての政策を変えない場合には、2030年の排出量は2000年に対して25~95%増加する。

(3) 温室効果ガスの排出量シナリオ
以前発表された排出量予測シナリオ(SRES)に対して、それ以降に発表されたシナリオのCO2排出量は、ほぼ同じレベルとなっている。ただし、これらのシナリオの中で、現状よりもCO2排出量を低減できるものは少ないが存在する(SRESのA1TやB1に相当)。

(4) 2030年までの比較的短期間の緩和策
ボトムアップおよびトップダウンの手法いずれの検討結果でも、ほぼ同じレベルの結果が得られた。トップダウンの場合の緩和策の費用(コスト)と温室効果ガス排出量の削減効果は以下のとおり。

  • 20ドル/t-CO2eq: 90-180億トンCO2eq
  • 50ドル/t-CO2eq: 140-230億トンCO2eq
  • 100ドル/t-CO2eq: 170-260億トンCO2eq

このコストと削減効果を、100ドル/t-CO2eqの場合にセクター毎に見て行くと以下のようになります。もっとも削減の費用対効果が大きなセクターは建築物で、20ドル/t-CO2eqでもかなりの効果が期待出来るようです。

  • エネルギー供給: 24-47億トンCO2eq
  • 交通: 16-25億トンCO2eq
  • 建築物: 53-67億トンCO2eq
  • 産業: 25-55億トンCO2eq
  • 農業: 23-64億トンCO2eq
  • 森林: 13-42億トンCO2eq
  • 廃棄物: 4-10億トンCO2eq

それぞれのセクターでの有望な技術も今すぐ適用可能なものから2030年頃までに実用化が期待されているものまで列挙されています。以下は今すぐ適用可能な技術です。

  • エネルギー供給:効率向上、石炭から天然ガスへの切替、原子力発電、再生可能エネルギー(発電および熱利用)、CCS(天然ガスからのCO2除去)
  • 交通:燃費の改善、ハイブリッド車、よりクリーンなディーゼル車、バイオ燃料、モーダルシフト、自転車および徒歩、土地利用および交通計画
  • 建築物:照明の効率化、電気製品(特に暖房・冷房)の高効率化、調理ストーブの改善、断熱の改善、パッシブおよびアクティブの太陽熱利用など
  • 産業:消費者の家電製品の高効率化、熱および電気の再利用
  • 農業:土壌中への炭素貯蔵量が増えるための技術など
  • 森林:植林、森林管理、伐採の削減、木質エネルギーの活用など
  • 廃棄物:埋立てガスの利用、ごみ発電、コンポスト、リサイクルとごみの減量など

(5) 経済的な費用負担
 大気中の温室効果ガスの濃度を445~535ppmの範囲に安定化するための緩和策の費用は、2030年の時点での全世界のGDPの最大3%ほど。

(6) 様々な緩和策
セクター毎にライフスタイルを変える話から、エネルギー転換部門の温室効果ガスの排出量抑制、運輸燃料などについての緩和策が列挙されている。緩和策の費用に対して、経済的なメリットで費用が相殺(オフセット)される場合なども説明している。

(7) 長期的な緩和策(2030年以降)
大気中の温室効果ガスの濃度安定化のためには、できるだけ早期に排出量のピークを迎え減少へ向かう必要がある。その意味でこれから20~30年間の緩和策は非常に重要な意味を持つ。例えば、535ppm以下に温室効果ガスの濃度を安定化させるためには、2020年頃までに排出量はピークを迎え、2050年には2000年の30~60%削減となる必要がある。

(8) 緩和策の費用(2050年時点)
445~535ppmに温室効果ガスの濃度を安定化するための緩和策の費用は、2050年時点での全世界のGDPの最大5.5%ほど。

11:53 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年4月 7日 (土)

地球温暖化による影響の衝撃

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書が次々と発表されています。2月に発表された自然科学的根拠(第1作業部会)に引き続き、「影響、適応および脆弱性」を評価する第2作業部会の報告書のサマリーが昨日(4/6)公表されました。

[IPCC第4次評価報告書第2作業部会(影響・適応・脆弱性)SPM(英語)]
http://www.ipcc.ch/pdf/assessment-report/ar4/wg1/ar4-wg1-spm.pdf

[IPCC第4次評価報告書第2作業部会:記者発表のビデオ(英語)]
http://video.google.com/videoplay?docid=7670631343902527726&q=IPCC&hl=en

[IPCC第4次評価報告書第2作業部会(影響・適応・脆弱性)の公表について(気象庁)]
http://www.jma.go.jp/jma/press/0704/10a/ipcc_ar4_wg2_fix.html

[IPCC第4次評価報告書第2作業部会(影響・適応・脆弱性)SPM(環境省による仮訳)]
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/spm_interim-j.pdf

新聞などでも一部報道されていますが、その内容は「地球の自然環境は、今まさに温暖化の影響を受けている」という衝撃的なものとなっています。ベルギーのブリュッセルで開催された会合では、より衝撃的な数字やリスクが報告されていたようですが、欧州や日本などに対して、経済などへの悪影響を心配する米中などが反発し、今回の公表内容に落ち着いたようです。報告書では、すでに生じている主な影響として、以下のものを挙げていますが、これらの影響はすでに社会や経済へも影響を及ぼし始めています。

  • 氷河などが融けることによる、氷河湖の増加と拡大
  • 永久凍土地域における地盤の不安定化
  • 山岳における岩なだれの増加
  • 春季現象(発芽、鳥の渡り、産卵行動など)の早期化
  • 動植物の生息域の高緯化、高度地方への移動
  • 北極及び南極の生態系及び食物連鎖上位捕食者における変化
  • 多くの地域の湖沼や河川における水温上昇
  • 海面上昇による海岸侵食
  • 熱波による死亡、媒介生物による感染症リスク

水資源については、高緯度及び湿潤熱帯地域では利用可能性が10~40%増加するとしているが、多くの中緯度及び乾燥熱帯地域では10~30%減少するとしています。

生態系への影響としては、平均気温が1.5~2.5℃へ上昇した場合、20~30%の動植物の絶滅のリスクへ直面します。また、陸上生態系での炭素吸収は弱まり、逆転する可能性が高く、気候変動を増幅します。ツンドラや凍土からのメタン放出は、加速化する兆候があります。

食物については、世界的には、平均気温の上昇が1~3℃までであれば、食料生産量は増加する可能性もありますが、それを超えた場合は、生産量が減少に転ずると予測しています。

これらの影響に適応するには、現在実施されている内容では不十分であると指摘し、適応対策の強化を図ると共に、長期的には緩和策を組み合わせる重要性も指摘しています。また、温暖化が進み平均気温が1990年に対して2~3℃以上になる場合には、経済的にも適応に必要な正味のコストが増大する可能性があると指摘しています。

まだ、SPM(政策決定者向けサマリー)のレベルですが、項目毎にある程度詳しい内容が書いてありますので、これまで断片的に聞いていた温暖化の影響の大きさの全体像がはっきりと示されたことになります。いよいよ国連の安保理でも気候変動の問題が取り上げられるそうですので、「気候安全保障」について考えるべき時代になってきたようです。

日本国内での地球温暖化による気候変動の影響やリスクをまとめた資料が、環境省や気象庁から発表されています。もしかするとこちらの方が衝撃的かもしれません。

環境省「地球温暖化の影響 資料集」 http://www.env.go.jp/earth/ondanka/effect_mats/full.pdf

環境省「地球温暖化と感染症」 http://www.env.go.jp/earth/ondanka/pamph_infection/full.pdf

気象庁「異常気象リスクマップ」
http://www.jma.go.jp/jma/press/0703/28b/riskmap.html

12:43 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007年3月12日 (月)

2020年に20%が目標です。

3月8日と9日の2日間ブリュッセルで開催されていた欧州(EU)首脳会議で、環境エネルギーについて拘束力を持つ画期的な合意がなされました。まずは、ポスト京都議定書の2020年までにCO2排出量を20%削減すること(1990年比、他の主要国が賛同した場合にはさらに30%削減の用意)。さらに、このための対策としてEU全体のエネルギー消費量に対して再生可能エネルギーの割合を現在の約6%から20%まで引き上げることです。再生可能エネルギーの導入目標については古い発電所の多い旧東欧諸国や原子力発電を中心としているフランスが反対していましたが、EU議長国であるドイツのリードにより、合意に達したようです。合意された議長総括は以下のURLからダウンロードできます。

[EU議長総括 2007/3/9(英語)]

ひるがえって日本では、京都議定書の目標達成も怪しい中、電力における新エネルギーの利用目標量を検討する「RPS法小委員会報告書(案)」に対するパブコメ(意見募集)が3/8まで行われていました。そこに書かれている2014年の新エネルギーの利用目標は、年間160億kWhで、予測される全電力消費量に対して1.6%程度に過ぎません。

[RPS法小委員会報告書(案)]

多くのNGOなどが賛同している自然エネルギー202/20キャンペーンでも、2020年までに自然エネルギーの割合を20%まで高めることを目標にこのパブコメに対して緊急提案を行っています。私自身も次のような意見を送りましたので、ここでご紹介します。

[意見]

2014年までの「利用目標量」160億kWhは電力需要全体の1.6%程度にしか過ぎず、日本の危機的なエネルギー自給率4%や、地球温暖化防止への実効的な取組を考えるとあまりにも低い目標である。再生可能エネルギーを含む新エネルギー等の普及を本格化するためには、2014年までの利用目標量を10%以上の1000億kWh以上に引き上げるべき。

例えば「利用目標量」を京都議定書の第一約束期間中の2010年の目標を5%程度とし、長期的な2020年までの目標を20%と想定して、2015年までの目標を10%程度と設定する。また、この「利用目標量」の引き上げに伴い、義務量についても基本的には一律に「利用目標量」と同じ数値として(同一目標数値化)、各電力事業者の再生可能エネルギーを含む新エネルギー等に対する設備投資を加速する。

義務量を達成できない分については、RPS相当量の取引でカバーすることにより、RPS相当量などのグリーン電力の市場を国内に本格的に立ち上げ、温室効果ガスの国内外の排出量取引との取引(交換)も可能とすべきである。場合によっては必要なコストを国民が応分に負担できるように、環境価値を適切に評価した電力の自由化(グリーンPPSなど)、新規電気事業者の参入、柔軟な電気料金の体系を整備する。

[理由]

昨年10月に発表された英国のスターン・レビュー、2月に発表されたIPCCの第4次評価報告書などで明らかなように、いまや緊急の課題となっている地球温暖化問題は、単に京都議定書において温室効果ガスの削減目標を達成するだけでは明らかに不十分であり、2012年以降のポスト京都を睨んで脱温暖化が可能な低炭素社会に向けた長期ビジョン(2050年頃まで)をベースにバックキャスティングで考えることが重要である。

[スターン・レビュー] http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070216-1.html
[IPCC第4次評価報告書] http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070216-1.html
[低炭素社会ビジョン] http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070215/20070215.html

そもそも最初の新エネルギー等の「利用目標量」が、法施行前の電気事業者の新エネルギー等電気利用率を元に予測(フォアキャスト)した数値を前提に設定されており、地球規模の気候変動を抑制するための地球温暖化対策や国の安全保障にもかかわるエネルギー自給率の向上などの新エネルギー導入の本来的な目標とすべき値からはかけ離れたものになっている。

地球温暖化対策やエネルギー自給率の向上については、国のエネルギー政策の根本となるべきものあり、再生可能エネルギーを含む新エネルギー等の普及もその大きな一翼を担うものである。CO2の排出削減においても排出量取引の様な経済的な政策を取り入れることに削減目標の達成が実現可能となっているが、RPS法においても根本的な利用目標量の引き上げと義務量の同一目標数値化は、あらたな市場を作り出しRPS相当量の取引が活発化し、経済的なインセンティブにより再生可能エネルギーを含む新エネルギー等の普及が加速される。

   

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2007年3月 9日 (金)

日本の持続可能性ビジョンを考える

地球温暖化を真正面から取り上げた映画「不都合な真実」、英国「スターン・レビュー」そしてIPCC(気候変動に関する政府間パネル)からの第4次評価報告書の発表など、すでにご紹介したように昨年から今年にかけて地球温暖化が大きくクローズアップされています。日本がCO2などの温室効果ガスの排出量削減6%(1990年比)を約束している京都議定書は、いよいよ来年から第一約束期間(2008-2012年)を迎えます。政府もこの様な時期に「21世紀環境立国戦略」と呼ばれる日本としての新たな環境戦略の策定を始めました。6月までに新たな環境ビジョンと戦略を策定することになっているようです。

[環境省「21世紀環境立国戦略」]
http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/index.html

[中央環境審議会「21世紀環境立国戦略特別部会」]http://www.env.go.jp/council/32tokubetsu21c/yoshi32.html

実は持続可能な社会を実現する上で「日本の環境ビジョン」を示したものが、昨年4月に閣議決定された「第三次環境基本計画」です。「環境、経済、社会」の各側面を統合するための計画として以前にもご紹介をしました。

[第三次環境基本計画]
http://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/index.html

この計画の中で特徴的な取組として「超長期ビジョン」があります。2050年頃までの日本、アジアそして世界を展望し、持続可能な社会の「超長期ビジョン」をビジョンをバックキャスティング手法で策定するために、昨年6月から検討会が始まっており、国連大学の安井先生を座長にこれまで7回の検討会が開催されています。先日発表された「2050低炭素社会ビジョン」とも関連するテーマであり、持続可能な農業・漁業や廃棄物などについても議論が行われているようです。

[環境省:超長期ビジョン検討について]
http://www.env.go.jp/policy/info/ult_vision/

また、第三次環境基本計画の取組みとして、「指標」の活用が検討されてはじめました。1月に始まった検討会委員会では、世界各国の環境指標や持続可能性指標の仕組みを検討し、基本計画の達成度や進捗を図る”ものさし”として生かそうとしています。

[第三次環境基本計画における指標について] http://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/ei/index.html

この様な国の取組みだけではなく、NGOや地方自治体が環境やエネルギーについて持続可能な社会のためのビジョンを次々に発表してます。今年の日本の「持続可能性ビジョン」元年になるかもしれません。注目です。

[JFS指標] http://www.japanfs.org/ja/view/index.html

[自然エネルギー2020] http://www.renewable2020.jp/

[東京都再生可能エネルギー戦略] http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/04/20g43100.htm

[気候ネットワーク] http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2006-09-16.html

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2007年2月19日 (月)

70%削減の低炭素社会をめざす

地球温暖化防止のための京都議定書が2005年に発効してから、この2月で2周年を迎えます。この2年間、世界中の多くの人々の努力にも拘らず大気中の温室効果ガスの濃度は増え続け、世界の平均気温も上昇を続けています。特に最近は、世界各国で地球温暖化に伴うと考えられる異常気象が加速度的に増えている様な気がします。

一方、2008年から始まる京都議定書の第一約束期間で、日本は1990年比で6%温室効果ガス排出量を削減しなくてはなりませんが、2005年の時点ですでに8%以上増えているため、その達成はとても困難な状況となりつつあります。世界的にも、米国や中国など京都議定書に参加していない国々のCO2排出量が、急速に増え続けています。

この厳しい現実を少しでも変えるために、この半年間でも多くの警鐘が鳴らされて来ました。地球温暖化と世界経済の密接な関係を明らかにした昨年10月の「スターン・レビュー」は、日本語訳の作成や評価が国立環境研究所を中心としたチームで進められています。また、昨年世界中で公開され1月には日本でも公開された「不都合な真実」は、地球温暖化の真実を多くの人々に訴え、一人一人にその取組みを促しています。そして2月に発表されたIPCCの第4次評価報告書(気候変動の科学的根拠の概要)では、地球温暖化を人為的なものと結論付け、今世紀中の温度上昇をシナリオ毎に推定しています。その結果は、このまま行くと今世紀末には6℃以上の温度上昇というとても衝撃的なものでした。

この様な状況の中、世界第2位の経済大国日本は、果たしてどのような社会を目指すべきなのでしょうか?また、世界の中でどの様な役割を果たすべきなのでしょうか?その答えのひとつとして、国立環境研究所や多くの大学研究者が参加した3年間の研究プロジェクトの成果が、京都議定書発効2周年に合わせる様に発表されました。バックキャスティングの手法により2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出量を70%削減(2000年比)するためのシナリオが提示されています。基本は、50%以上の省エネ(エネルギー需要の削減)とエネルギーの低炭素化(自然エネルギーへの大幅な転換など)によるCO2をできるだけ排出しない社会です。2050年といえば40年以上先の未来ですが、私たちの子供たちの時代に実現すべき低炭素社会のビジョンとシナリオがより具体的に提示されています。

脱温暖化2050プロジェクト」成果発表
[2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討]
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070215/20070215.html

現在、エネルギー自給率が4%と極端に小さい日本は、エネルギー安全保障の面からもこの低炭素社会へのシナリオを確実に実現し、世界のモデルとなる必要があります。そのためには持続可能なエネルギーについての基本的な政策の実現と共に社会や経済を根本から変えることが求められており、ビジョンの実現に向けて政府、企業そして個人がそれぞれの立場で様々な取組みを続けられる必要があります。

地球温暖化についての科学的な根拠と、将来への脱温暖化シナリオ(ビジョン)はほぼ出揃いつつあります。これからは、その実現に向けた戦略が求められています。その意味で、今年中に発表されるIPCCのWG2(適応)やWG3(対策)の各報告書が注目されますし、EUの気候変動戦略スウェーデンの脱石油依存宣言など、より具体的な戦略をいかに作り実行するかが重要です。一方、日本国内では、発電における自然エネルギーの目標値を定めたRPS法がパブコメなどを経て見直しされる予定ですが、相変わらず欧州などに比べてとても低い目標レベルに留まっています。低炭素社会の実現に向けてこの70%削減のシナリオやビジョンをより多くの人が理解し、共有することから始める必要がありそうです。

11:52 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年2月 3日 (土)

地球温暖化の真実を知るために

真実は、人知を超える事があります。地球温暖化は正に人知を超えた真実であることが明白になり、そこに多くの科学者がその解明に取り組んでいる事実があります。

昨日(2月2日)、世界中の科学者が総力を上げてまとめた地球温暖化に伴う気候変動に関する最新の報告書の一部がIPCC(気候変動に関する政府間パネル)から発表されました。今回発表された報告書は、第1作業部会(WG1)が気候変動についての自然科学的な根拠をくわしく評価したものです。本文は近日中に公表されるはずですが、その概要がSPM(政策決定者向けの概要)として発表されています。今後、順次、第2作業部会(WG2)の社会経済・自然システムの脆弱性や影響、適応策などが4月に発表され、第3作業部会(WG3)の温室効果ガス削減などの緩和策が5月に発表されます。そして今年中には全体の総合報告書が発表されることになります。

[IPCC 第4次評価報告書WG1の政策決定者向け概要(英語)]
http://www.ipcc.ch/SPM2feb07.pdf

[IPCC 第4次評価報告書WG1の政策決定者向け概要(気象庁暫定訳)]
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1.pdf

早速、環境省、気象庁および経済産業省のホームページで、この概要についての速報が公開されています。環境省のページでは、この評価報告書の作成に実際に携わっている研究者などからの緊急メッセージという形をとっており、多くの人々に読んで欲しい内容です。一方、気象庁と経済産業省のページには、この報告書の概要が詳しく紹介されており、IPCCのこれまでの取組についてもわかり易くまとめられています。

[環境省:IPCC第4次評価報告書について]
気候の安定化に向けて直ちに行動を!
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message.html

[気象庁:IPCC 第4次評価報告書 第1作業部会報告書の公表について]
http://www.jma.go.jp/jma/press/0702/02b/ipcc_wg1.html

[経済産業省: IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書の公表について]
http://www.meti.go.jp/press/20070202009/20070202009.html

IPCCは、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により1998年に設立され、1990年の第1次評価報告から一貫して人類の活動による気候変動とその影響及び緩和策について、科学的、技術的、社会経済的な見地から評価をまとめ上げてきました。前回2001年の第3次評価報告書は、近年、多くの文献や発表で引用され、目にする機会が多いものでした。そこで述べられていた気候変動の状況が最近の観測データにより、より明白になり、6つのシナリオに基づく詳細なシミュレーションにより、今世紀末までの地球温暖化による気候変動の予測が行われています。6つのシナリオは以下のとおりです。

  • A1FI「高成長社会シナリオ」化石エネルギー源重視
  • A1T「高成長社会シナリオ」非化石エネルギー源重視
  • A1B「高成長社会シナリオ」各エネルギー源のバランスを重視
  • A2「多元化社会シナリオ」
  • B1「持続可能な発展型社会シナリオ」
  • B2「地域共存型社会シナリオ」

これら、いずれのシナリオにおいても2030年までは10年あたり0.2℃の温度上昇が続きますが、今世紀末までの温度上昇には大きな違いがあります。もっとも温度上昇が大きいA1FI(化石エネルギー源重視する高成長社会シナリオ)では、約4.0℃(2.4~6.4℃)と予測されています。一方、B1(持続可能な発展型社会シナリオ)では、約1.8℃(1.1~2.9℃)と予測されており、現在、究極的な目標値と言われている"+2℃"をかろうじて達成することができます。

これ以外の、概要(SPM)の主な内容は以下のとおりです。

  • 地球温暖化が起こっていることを断定し、原因が人為的な温室効果ガスであることをほぼ断定
  • 20世紀後半の北半球の気温は、過去1300年間の内で最も高温で、最近の12年のうち11年の平均気温は1850年以降で最も温暖な12年に入る
  • 過去100年に、世界の平均気温は0.74℃上昇し、上昇速度は加速している。
  • 海面の水位上昇のデータと予測を提示
  • 熱帯低気圧の強度が強まる予測
  • 積雪面積の縮小、極域の海氷の縮小、北極海の海氷が21世紀後半までに消滅する予測
  • 海洋の酸性化の進展し、海洋や陸地へのCO2の吸収が減少し、大気中のCO2の増加が加速

今年は、このIPCCの第4次評価報告書の発表が続きますので、引き続き注目して行きたいと思います。以前の記事でも書きましたが、今年はまさに地球温暖化とそれに伴う気候変動の「真実」が多くの人々にとって明白になり、具体的な行動を起こす年になると確信しています。

[参考情報]

[地球温暖化解説ページ(国立環境研究所)]
http://www.nies.go.jp/escience/ondanka/ondanka01/index.html

[地球・人間環境フォーラムGEF IPCC関連ホームページ]
http://www.gef.or.jp/ipcc/

[国立環境研究所 地球温暖化研究プログラム]
http://www-cger.nies.go.jp/climate/

05:48 午後 環境 | | コメント (0) | トラックバック (6)

2007年1月28日 (日)

「不都合な真実」を越えて

やっと映画「不都合な真実」を見ました。昨年米国で公開されてから、米国内にとどまらず世界中で様々な反響を巻き起こしていることを聞き、なんとか早く見たいと思いつつ、国内での公開まで待つ結果となってしまいました。翻訳本「不都合な真実」もやっと1月に発売され、早速購入しましたが、著者自らの人生と地球温暖化への取組みを絡ませながら、多くの写真やデータを取り入れた素晴らしい本です。

Futsugou

まず、最初に感じたことは、この映画が一人の人間が、地球温暖化による気候変動という人類全体の運命を左右する大問題に、全人生を賭けて取り組む姿を真正面から表現しているということです。地球温暖化については、その甚大な影響が明らかになるにつれ、多くの科学者、政治家、NGO、企業から多くの市民が解決のために取り組んできました。それらの人々の代表としてこの一人の政治家アル・ゴアが、この優れたドキュメンタリー映画に出演している様な気がしました。よって、地球温暖化という「不都合な真実」をすでに知っている多くの人々は、私を含め、この映画をみてとても感動し、勇気づけられたと思います。

地球温暖化は、米国の一部の政治家や企業にとって「不都合な真実」だったかもしれませんが、多くの人々がそれを乗り越えて「立ち向かうべき真実」として、解決に向けて着実に歩むことが重要だと思います。この映画は、地球温暖化をより効果的にプレゼンテーションする方法を示しているとも言われますが、それ以上に人間が困難に立ち向かい、より良い社会に変えることが、いかに尊いものであるかを教えてくれたと思います。学生時代から地球環境問題に取り組み、京都議定書などの国際舞台でも活躍し、大統領になる寸前まで上り詰めた政治活動、その後、1000回以上のスライド講演を地道に続ける、その粘り強さは本当に脱帽です。その活動を支える動機は、家族愛に根ざした人類全体への強い思いなのかもしれませんが、その思いが映画の全編に渡って伝わって来ます。

今年は、地球温暖化にともなう気候変動が例年にも増して大きくクローズアップされ、社会や経済が大きく動く年になりそうな予感がします。その動きを正しく捉え、正しい方向に進む仕組みを皆で整える必要があります。人間は、過去、多くの間違いを犯してきましたが、この地球温暖化への対応で間違えを犯すことは、人類の文明を滅亡へ導くものであるということが、この映画の中でも言われていたと思います。だからこそ、これは全ての人間にとって避けることのできない「モラル」の問題なのではないでしょうか。

「自分にできることから」という言葉がありますが、その際の動機の強さや目標によって、この「できること」の内容や範囲が明確に変わって来ると思います。「真実」を正確に理解することと、強い動機で「明確な目標」を持つことが重要だと、強く実感できた映画でした。

12:19 午前 環境 | | コメント (2) | トラックバック (12)

2007年1月 1日 (月)

2006年の振り返り その2

明けましておめでとうございます。
本年も「サステイナブルなもの」をよろしくお願いします。

新しい年を迎え気持ちを新たに、持続可能な社会の実現に向けて着実に活動をしていこうと思います。今年のテーマは、「結果を残す活動をする」ことと、「将来を見据えた活動をする」ことです。指標なども活用しながら、しっかりがんばって行きたいと思います。このブログでもその成果をなんらかの形で出せればと考えているところです。

さて、2006年の振り返りの後半です。前半では、比較的将来のビジョンやあるべき姿に関する記事が多かったのですが、後半は現実を見据えた重いテーマが多かった様な気がします。将来のビジョンを大切にしながらも、足元の現実をしっかり把握しながら前に進みたいものです。その意味で、昨年6月のヨーロッパ訪問は非常に貴重な経験でした。

[スウェーデンのバイオマスエネルギー事情] 木質バイオマス利用の先進国の事例です。

[スウェーデンの「持続可能な発展」指標] スウェーデンの持続可能性指標の紹介です。

[スウェーデンの脱石油宣言] 一歩先を行く2020年までの脱石油宣言です。

[ピークオイルと地球温暖化] 石油資源に関する現実と地球温暖化との関係に迫ります。

[木質ペレットはいかが?] 再生可能エネルギーの現実的な可能性のひとつです。

[スウェーデンの「持続可能な発展」指標 その2] 2006年に改訂されました。

[スターン・レビュー:気候変動の世界経済への影響] 厳しい現実と予測を多くの人が直視する必要があります。

10:15 午後 環境 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年11月13日 (月)

ピークオイルと地球温暖化

これまで私達の生活は、その多くの部分を安い石油などの化石燃料に頼って来ました。今でこそ発電に石油が使われる割合は10%以下になっていますが、全エネルギーの供給を表す一次エネルギーの割合では約50%を占めており、その石油の90%近くを中東地域からの輸入に頼っている状態です。1970年代の石油ショック以降、エネルギーの多様化はある程度進みましたが、日本経済の石油への依存度はいまだに非常に大きいと言わざるを得ません。

そんな中、昨年あたりからガソリンや軽油などの輸送燃料、そして重油や灯油などの加熱用の燃料が高騰を始めました。これは世界的な原油価格の高騰が直接の原因となっており、その根本的な原因が取り沙汰される様になってきています。中国などの発展途上国の石油の需要は急速に増えており、中国はすでに世界の一次エネルギーの15%を消費しています(日本は6%)。石油の供給量と需要量のバランスにより、その価格が決まると考えると、今後、石油の生産量が消費量に追いつかずにこのギャップが大きくなればなるほど、石油の価格は上昇を続けることになります。これまで増え続けて来た石油の生産量がピークを迎え、増え続ける需要に追いつかなくなる状態、これが「ピークオイル」です。

この「ピークオイル」がいったいいつ来るのか、「ピークオイル」を迎えた世界経済はどの様な影響を受けるのかを、専門家の知識を駆使し、様々な観点から書かれた本の日本語訳が最近出版されました。地球温暖化との関連や再生可能エネルギーの可能性について詳しく論じられていることが、従来のピークオイル本と大きく異なる点です。

[ピーク・オイル・パニック」 ジェレミー・レゲット著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861821037/somethingsust-22

著者は、石油の採掘に欠かせない地質学の専門家で、長らくその業界の研究者やコンサルタントを努めていました。石油業界では、「早期ピーク論」と「遅いピーク論」があるとされていますが、ここ数年は、様々な証拠から「早期ピーク論」が優勢になりつつあります。「早期ピーク論」では、ここ数年以内にピークを迎える説がもっとも有力であり、今まさにピークを迎えつつあるということが言われており、それを認めたくない多くの業界(石油業界など)と激しく対立しています。この「早期ピーク論」を支持する人達が集まっているのが、ASPO(Association for the Study of Peak Oil&Gas)であり、ピークオイルに関する様々な情報を発信しています。今年の10月に米国でピークオイルに関する国際会議も開催されました。また、昨年末には米国議会においてピークオイルに関する公聴会も開かれています。

その他、多くのピークオイルに関する本が昨年あたりから日本でも出版されています。

[石油の終焉] ポール・ロバーツ著
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334961819

[石油 最後の1バレル]  ピーター・ターツァキアン著
http://www.amazon.co.jp/gp/product/490123496X

いずれにしてもピーク・オイルが近いうちにやって来るとして、それをどう判断し、どの様な影響を受けるかを真剣に考える必要がありますが、その内容は人により大きく異なってきます。著者はその影響の大きさについて、大恐慌や世界大戦などの戦争と比較しており、世界経済への影響は1970年代の石油危機の比ではなく、まさに世界的な経済や社会の「パニック」と呼ぶべきものになるだろうと予測しています。そしてエネルギー資源の争いは過去の歴史を振り返ってもわかるとおり、戦争へとつながる可能性が高いのです。各国や各地域、そして企業や各個人は、その「パニック」の影響をできるだけ小さくすることを今から考える必要があります。エネルギーに関して言えば、それが再生可能エネルギーへの早急なシフトである(本格的な普及はパニックの後になる可能性が高いが...)。

日本においても、今年8月に「もったいない学会」が立ち上がり、石油資源がピークを迎えたときのことを想定した啓蒙活動を開始しています。会長の石井吉徳先生は、7月にピークオイルに関する本を出版しており、ご自身のホームページにおいても資源の価値を客観的に評価するEPR(Energy Profit Ratio)などの指標の重要性を強調しています。

[石油最終争奪戦-世界を震撼させる「ピークオイル」の真実]

地球温暖化は、まさに化石燃料を大量に消費した結果として発生しています。石油がピークを迎える時期と、地球温暖化が気候変動などの目に見える形で現れた時期とが一致していることはとても興味深いと思います。産業革命以降、ピークを迎えるほどの大量の化石燃料を消費したことが地球温暖化の直接的な原因になっているという言い方もできるかもしれません。また、ピークを迎えて石油の価格が高騰するので、世界中で石油の使用量を減らし、地球温暖化を防止する取組みをせざるを得ません(ここで、石炭やオイルサンドなどの非在来型石油に積極的に手を出してしまうと取り返しのつかないことになります)。

「ピーク・オイル」は、まさに現代文明を支える資源の「成長の限界」の象徴であり、地球温暖化による気候変動に対する警鐘のひとつとして重視する必要があります。もし、可能であればパニックによるハードランディングではなく、ソフトランディング(軟着陸)ひいては持続可能な社会へ転換するきっかけとすべき重要なキーワードだと言えます。

参考URL:

[ん! ピークオイル時代を語ろう]
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/

[訳者 益岡賢氏による 本の紹介]
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/books/peakpanic.html

[チェンジ・エージェント:システム思考で考えるピーク・オイル]
http://change-agent.jp/news/000043.html

[もったいない学会]
http://www.mottainaisociety.org/mainmenu.html

12:28 午前 環境 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006年4月25日 (火)

気候ターゲット2℃

「気候ターゲット2℃」という言葉が最近聞かれるようになって来ましたが、まだ一般にはあまり知られていないようです。これは、産業革命以前と比較して地球全体の平均気温の上昇が2℃を超えると、地球規模での気候変動のリスクが急激に増えるという研究をベースに、EUが長期目標として定めた温度上昇の限界値です。

先日もNHKスペシャル教育テレビ(サイエンスZERO)で気候変動に関する様々なリスクを具体的なシミュレーション結果に基づいて放送をしていました。京都議定書発効1年を迎え、国内でもようやく気候変動に関する問題提起が一般に広まって来た感じです(EUから遅れること何年?)。そんな中、気候変動のリスクについてとてもわかりやすく書いてある本が出ました。

2 2100年までの地球表面温度の予測結果が各ページに3年毎にカラー画像として示されており、ぱらぱら漫画の様に見ることができます。特に極地方の温度上昇の大きさには驚きます(10℃以上)。確か2050年以降には、北極海の氷が全て融解 する現象が起きるという予測があるそうです。また、いまのままいくと2026年~2060年の間に世界平均気温が目標上限値である2℃を超えることになる そうです。今すぐ全ての主体が正しい行動をすることが求められています。

この本の中に山本良一先生の提言する「+2℃突破を阻止する16のアクションプラン」が紹介されています。とても意欲的なアクションプランですが、これまでの地球環境問題への取組みに基づく率直な提言としてしっかり受け止める必要があると感じました。

1. チームマイナス6億トンを結成せよ
2. ボランタリー・シンプリシティ(自発的簡素)な暮らしをしよう
3. 碧厳録第三十六則 長沙、一日遊山す。長沙和尚の生き方に学ぼう
4. 環境立国に向けて各党の[環境マニフェスト]によって政権を選択せよ
5. 日本の3000の地方自治体は気候同盟を結成せよ
6. グリーン電力証書を購入して自然エネルギーを促進しよう
7. カーボン・オフセットサービスを利用しよう
8. 地球1個分の経済(One Planet Economy)を一刻も早く実現しよう
9. アメリカで盛んになったLOHASは、わが国では「環のくらし」と呼ばれている。「環のくらし」を広めよう
10. 2℃ブランドを推奨する
11. 一人ひとり地球温暖化対策を実行しよう。一世帯当たりの年間CO2削減量は...
12. 技術的解決の前に、哲学的解決がくるべきである
13. 天候デリバティブを利用しよう
14. ヨーロッパでCO2価格、1年間で3倍の値上がり。日本も早急に排出権取引市場を開設せよ
15. 社会的責任投資(SRI)を普及させるため日本も「最澄ファンド」や「空海ファンド」を創設してはどうか
16. 年末恒例のエコプロダクツ展を国民的行事にしよう

先週の土曜日(アースデイでしたね!)は、昨年12月に発表されたRSBS報告書(サステナビリティの科学的基礎に関する調査)に関するJEMASシンポジウムに参加してきました。発起人である山本良一先生や第三部「人間活動を支える環境サービス」を執筆した倉阪秀史先生、実行委員長の水谷広先生が講演を行っていました。山本先生は、上記の+2℃の話を中心に、気候変動のリスクを抑えるために日本が今すぐに社会的な意思決定をして行動する必要性を訴えていました。倉阪先生は、「環境が人間経済に与えるサービスの考え方」というテーマで、話をされていました。その中で、新しい政策原則と経済ルールを訴えていました。

[新しい政策原則]
1. 予防原則: 不可逆的で重大な悪影響の発生を予防する
2. 協働原則: 政策の企画、立案、実行の各段階で民間主体と対等な立場で
3. 補完性原理: 基礎自治体できることはまず基礎自治体で

[新しい経済ルール]
1. 環境負荷の原因に応じ負担
2. 環境サービスの受益に応じた負担
3. 人工物の設計者に対する負担

最後に水谷先生は、水の循環の大切について講演していましたが、過去の地球環境の形成に水がいかに重要な役割を果たして来たかを述べた後に、現在の世界が抱える水に関する問題やリスクについてわかりやすく紹介していました。

(1) 移す: 気候変動に伴う水の循環の異変
(2) 育てる: 食料危機に伴う飢餓人口の増大、土壌喪失
(3) 飲む: 衛生的な水の確保ができない(11億人) 新型感染症の増加

12:48 午前 環境 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006年4月 2日 (日)

持続不可能性その2

サステイナブルではないものの第2弾ということで「持続不可能性」で検索する(ググる?)と、そのものずばりの本がありましたので、とりあえず手に入れてみました。ちょっと難しそうな本ですが、これから読んでみようと思います。

持続不可能性 -環境保全のための複雑系理論入門-」、サイモン・レヴィン著、2003

原題は、"Fragile Dominion: Complexity and the Commons"で、数理生物学の権威である著者が、数式をまったく使わずに、複雑系としてのエコシステムについて、そのダイナミックスをわかりやすく説明をしています。本の最後にある「環境管理のための八つの戒」は、

(1) 不確実性を減らせ
(2) 不意の事態に備えよ
(3) 不均一性を維持せよ
(4) モジュール構造を保て
(5) 冗長性を確保せよ
(6) フィードバックを強化せよ
(7) 信頼関係を築け

となっていて、とても示唆に富んでいます。まさにエコシステムの複雑なシステムダイナミックスを理解する上で格好の本ではないでしょうか。ちなみに、著者は、昨年の京都賞(稲盛財団)基礎科学部門を受賞しています。

[2005年京都賞]

12:29 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月19日 (日)

環境基本計画への意見募集その2

先月まで、第三次環境基本計画(案)への意見募集(パブコメ)がありました。今回の環境基本計画には、持続可能性に関する考え方が多く取り入れられており、従来の環境基本計画から一歩も二歩も前進したものになっています。これを実効性のある政策や各主体の取組みにつなげられれば良いのですが... 皆さんも、是非、一度読んでみてください。

私も、初めてのこの様な「パブコメ」に意見を書いて見ました。書こう書こうと思いながら、結局〆切ぎりぎりに書いたので、なかなか自分の考えやきちんと書ききれていませんが、ひとまずここに公表してみたいと思います。

[中央環境審議会へ提出した意見] ※は案文中の整理番号

(1) 政府内のさらなる連携強化 ※30101

 環境省、経済産業省、農林水産省、国土交通省を始めとする関係省庁の連携をさらに強化すると共に、3年後を目標にこれらの省庁の関係部局を統合し、持続可能な社会の構築を目的とする「持続可能な社会省(仮称)」の設置を検討することを明記する。

(2) 各主体の役割 ※21724

政府のリーダシップを強化すると共に、国民が日頃生活の中で関わっている事業者(企業)、NPOおよびコミュニティなどによる環境配慮取組みがさらに進むように、環境価値の市場経済への内包やインセンティブを与える政策へ取り組む。特に広く事業者(中小企業も含む)の取組が、NPOやコミュニティの活動と連携する政策が重要である。

(3) 環境教育 ※21816

「持続可能な開発のための教育」への取組をもっと全面に打ち出し、これまでの補完的な環境教育ではなく、21世紀を生きるための必須要件として、学校教育だけではなく、社会人教育、企業内教育において体験学習や実践を重視した教育体系を再構築する。

(4) 気候変動への取組み ※21135

地球温暖化による気候変動のリスクが高まっている現在、これまでの経済優先の政策や国土開発を方向転換し、気候変動リスクの低減に向けた取組を重視していく。具体的には、国土の2/3を占める森林の積極的な保全と活用、人口の集中した都市の再構築など、長期的なビジョンに基づく取組が重要である。

(5) 京都議定書の目標達成とポスト京都議定書への取組 ※12602

国際社会へ約束した6%の削減目標を必ず達成するには、それ以上の国内目標を果敢に設定することが必要であり、それにより目標達成した後の今後50年を睨んだ政策目標を打ち出す必要がある。

(5) 環境経済的な政策の積極的な推進 ※12102

環境税、排出量取引など環境経済的な政策を、積極的に活用していくことが重要である。特に国内事業者とのパートナーシップを強化し、環境配慮を重視した産業構造へ誘導して行く必要がある。

(6) エネルギーや交通など産業政策への取組  ※21111 ※21124

環境への大きな負荷となっている化石燃料の使用量を大幅に減らすためには、エネルギー政策への積極的な関与が必要である。再生可能エネルギーの利用拡大はもちろん、省エネルギーへの本格的な取組、自動車利用の低減、公共交通の拡充、都市の再構築など産業政策と環境政策を連携した新たな取組が必要である。

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2006年3月18日 (土)

エコロジカル・フットプリントその2

今週は、持続可能性指標として有名なエコロジカル・フットプリントの第一人者マティース・ワケナゲル(Mathis Wackernagel)氏(Global Footprint Network主宰)のセミナーがあり、参加して来ました。主催は、私も会員になっているNPO法人エコロジカル・フットプリント・ジャパン(EFJ)で、2日間の講演で、100名近い参加者があり、関心の高さがうかがえました。

[マティース・ワケナゲル来日講演会]

以前もエコロジカル・フットプリント(EF)についてはこのブログに書きましたが、新しいトピックもありましたので、それを中心に書きたいと思います。

まずは、ワケナゲル氏が来日した目的ですが、EFをGDPの様に国の政策の主要な指標として扱ってもらうことを各国の政府にアピールしている活動の一環だということです。実際に今回の来日でも環境省への働きかけを行っているそうです。タイミングよく第3次環境基本計画(案)で指標の活用が含まれていて、環境省もとても前向きだったそうです。是非、実現すると良いと思います。

来日のもう一つの目的は、EFを活用するパートナーを探すことです。企業や地方自治体などがEFを活用して持続可能な社会を目指す活動を継続的に支援するパートナーが是非とも必要なようです。自治体でのEFの活用は、これまでもヨーロッパを中心に行われて来ました。その中の成功例として米国カリフォルニア州ソノマ郡のサステイナブルソノマを挙げていました。また、世界中の400以上の自治体が参加しているICLEIでも5都市ほどのパイロットプロジェクトを行うことを計画しているようです。

コミュニティにおいてEF使う際に気をつけた方が良いことを、これまでの経験から以下の様に述べていました。

  • 何に使うのか?を常に考える
  • 不利益と利益のバランスを考える
  • 小さく始めることが大切
  • ゆっくりやることが結果的に早く進むことになる

次に、国別に国連の人間開発指標(HDI)とEFの相関をプロットしたグラフです。これを見てわかるのは、右上の持続可能な領域にある国が一つも無いことです。かろうじて南米の国々がこの領域に近いことがわかります(HDIが0.8以上で、EFが平均値の1.8より小さい領域)。

EF1



続いて、"Footprint Neutral"という考え方です。EFの観点から、EFが増えた分をEFを減る活動で補填するという感じでしょうか。カーボン・ニュートラルと同じ様な考え方です。例えば、家を建てるときには、なるべくEFが小さくなるように建てるのはもちろんですが、それでも増えた分を、別の活動(省エネ、植林など)でできるだけ差し引きゼロの状態にするということだそうです。とても面白い考え方だと思いますし、わかりやすいですね。

それから、昨年の10月にWWFが発表したアジア太平洋地域に関するレポートについてです。このレポートには、EFを用いて様々な観点からアジア太平洋地域の持続可能性について書いてあります。私自身は、この様なレポートが公表をされたことを知りませんでした。その前のヨーロッパのレポートは、知っていたのですが... 日本のことも沢山出ている様ですので、是非、読んで見たいと思います(英語ですが...)。WWFのLiving Planet Reportのページからダウンロードできます。

[WWF Living Planet Report]

[WWF 生きている地球レポート アジア太平洋2005(英語)]

EF3

そして日本のEF勘定の話です。日本のEFの収支は以下の様になっています。

フットプリント(消費側): 4.27 gha/人
環境容量(供給側):     0.75 gha/人
赤字分:                    -3.52 gha/人

つまり、この3.52(gha/人)分の環境容量は、海外に頼って生活しているわけです。そして、このフットプリントの4.27という値は、世界平均2.19の約2倍となっています。実は、この2.19という数字も、地球全体の環境容量1.8に比べるとすでに1.2倍となっています。現在の人類は、地球1個の環境容量だけではすでに生活できなくなっています(環境の資産を食いつぶしている状態)。

最後に、EFに関するストック(資産)の話がありました。EFが、地球全体の環境容量を超えたのが、1980年頃と言われていますが、それからすでに2.5個分の地球の環境容量に関するストックを食いつぶしています。もし、このまま進んでいったら、50年後はどうなってしまうのでしょうか。それをシナリオで示していました。もし、これからある程度の低成長のシナリオで進んだとしても、50年後にはEFは現在の倍以上になり、地球50個以上のストックを食いつぶしてしまうことになるそうです。これは可能なのでしょうか?恐らくそれ以前に「成長の限界」を迎えることは、明らかです。それを見越して、持続可能な発展の方向に世界全体が方向転換できれば、地球18個分程度で済むというシナリオもありました。

非常に多くの示唆に富む有意義な講演会でした。講演会の後に日本での第一人者である和田善彦先生ともご一緒に会食に参加して直接お話しを聞いたり、本にサインをもらったりしましたが、ワケナゲル氏はとても気さくな方で、EFを普及させることに本当に情熱を注いでいて、それでいて自然体なところがとても感銘を受けました。ワケナゲル氏も、とても有意義な来日になったと喜んでいました。薬膳の中華もおいしかったです。

また、新しい情報があれば、書きたいと思います。

11:54 午前 環境 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2005年11月 1日 (火)

環境税

先日、JACSES(「環境・持続社会」研究センター)主催のシンポジウムで環境省の方から今話題の「環境税の具体案」の話を聞く機会がありましたが、その資料の中で各国のガソリン価格とその税金の比較がありました。ガソリンなどの化石燃料には、すでに多くの税金が掛かっており、そのことが環境税に反対する根拠になっていたりします。もっとも税率が高く、ガソリンの価格が高いのがオランダで、実に71%が税金です。以下、欧州の国は軒並み60%以上の税金が掛かっています。これに対して米国は21%の税率しかありません。ちなみに日本は57%です(ほとんどが道路特定財源の揮発油税:48.6円/L)。結果的に米国と欧州では倍以上異なるガソリン価格に対応してその消費行動が異なるのは当たり前という気がします。

ちなみに、日本の揮発油税からの税収は実に3兆円以上にもなり、道路整備の為の特別会計になっています。これに対して、原油などに対して課税される石油石炭税は、5000億円規模で、石油特別会計として新エネルギーの開発や普及などに使われているそうです(NEDO関係の補助金も含まれますね)。

今回、環境省が提案している「環境税の具体案」は、税収3700億円規模で、その用途は森林の再生、省エネ、自然エネルギー等の促進となっており、既存の特別会計分についても暫定税率の維持とそのグリーン化(地球温暖化対策への適用)を提唱しています。これまでの道路特定財源の用途を見直すのももちろん重要ですし、新たに環境税(炭素税)をしっかり導入して、エネルギー自給率の向上や持続可能な低エネルギー社会を目指すきっかけになることが重要だと思い