2012年4月29日 (日)

最新の情報はTwitterに連載中

ブログ「サステイナブルなもの」の更新を1年以上おこなっていませんでした。
今後、時期をみて再開できればと考えていますが、
とりあえず最新の情報はTwitterの方に連載中です。

[Twitter] 自然エネルギー関連の最新情報をつぶやいています。
http://twitter.com/matsubara_hiro

[Twilog] これまでのツイートを全てブログ形式で見る事ができます。
http://twilog.org/matsubara_hiro

[Web]

環境エネルギー政策研究所(ISEP)
http://www.isep.or.jp/

自然エネルギー政策ポータルサイト(JREPP)
http://www.re-policy.jp/

[最近のトピックス]

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT) 2012年7月スタート
http://www.re-policy.jp/jrepp/FIT-portal.html

「自然エネルギー白書2012」発刊
http://www.isep.or.jp/jsr2012

12:59 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年3月 6日 (日)

自然エネルギー白書2011

昨年に引き続き今年も自然エネルギー白書を発行することができました。昨年の2010年版は最初の白書ということで、発行までに1年近くかかりましたが、今回の「自然エネルギー白書2011」は、5ヶ月ほどの準備期間で発行することができました。激動の国内外の自然エネルギーの状況を反映して、特に政策パートに大幅なアップデートを行っています。入手方法などのご案内は、こちらのページをご覧下さい。チラシ(PDF)もあります。この白書は、多くの方のご協力により作成されていますが、私自身は、本文の担当部分の執筆と監修を担当しました。

Jsr2011_front

この自然エネルギー白書2011の主な内容としては、日本国内の自然エネルギー政策および導入状況を中心に、日本と取り巻く世界の状況や長期シナリオ、そして地域別の導入状況やポテンシャルなども紹介しており、自然エネルギーに関する様々な情報を取りまとめています。なお、昨年発行の2010年版については、全文をこちらのページで公開しています。

世界の自然エネルギーの状況については、REN21による「自然エネルギー世界白書2010」をご覧下さい。すでにISEPによる日本語翻訳版も公開されています。

また、この白書の中で特に詳しく取り上げられている固定価格買取制度(FIT)については、こちらの自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)が運営する自然エネルギー政策ポータルサイト(JREPP)も是非ご覧下さい。
固定価格買取制度(FIT)の特集ページを開設しています。

第5章で取り上げられている地域別導入状況については、ISEPと千葉大との共同研究「エネルギー永続地帯」の結果を取り上げています。エネルギー永続地帯については、こちらのポータルサイトをご覧下さい。導入ポテンシャルについては、環境省の平成21年度の調査結果などを参照しています。

02:12 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月 5日 (金)

インドでの再生可能エネルギーの国際会議

先週末にインドより無事に帰国しました。インドのデリーで開催されたデリー再生可能エネルギー国際会議(DIREC2010)に出席してきました。会議の内容を詳しく知りたい方はこちらJREPP(自然エネルギー政策ポータルサイト)DIREC2010特集ページへ。

この会議では、世界各国から再生可能エネルギーの専門家があつまり、世界で急成長している再生可能エネルギーについて熱く議論を交わしました。主催はインド政府、REN21という国際的な再生可能エネルギーのネットワーク団体が全面的に協力し、ドイツ政府とノルウェー政府が協賛しています。

この国際会議では日本のプレゼンスはほとんどありません。ちょうど政府関係者が名古屋で開催されていたCOP10で忙しかったせいも少しはあったかもしれませんが、日本人の参加者は10名もいなかったのではないでしょうか。日本の団体としては、ISEPから自分も含めて数名が参加しました。

会議での発表やサイドイベントでは、ドイツ政府やその関連団体がかなりがんばっていました。やはりこれまで再生可能エネルギー政策をリードしてきたという自負があるのでしょう。また、EUや米国の様々な再生可能エネルギー団体や企業が参加していました。後は、インドや中国などの発展途上国の勢いに目覚しいものがありました。欧州で成功した固定価格買取制度などの政策手法をすばやく導入し、先進国からの資金も国際的なスキームの中で調達しながら、再生可能エネルギーの分野で急成長を続けています。

日本は今や再生可能エネルギーの世界では、後進国になってしまったかのようです。いや、実際にすでになっているのかもしれません。中国やインドはすでに何歩もリードし、他の発展途上国もそれに続こうとしています。日本も、まだ今ならまだ間に合うかもしれませんが、現在、経産省を中心に検討されている固定価格買取制度は、再生可能エネルギーを国内で十分に普及させるためには、まだまだ検討の内容があるべき姿になってきていません。とても残念なことです。

インドでは、少なからずカルチャーショックを受けました。私自身が初めて発展途上国を訪れたせいかもしれません。とくにか、古く壊れかけた住宅から、最新の建築物まで、ニューデリーにはあらゆるものが「ごちゃまぜ」になっていました。ともかく成長の勢いが、日本の高度成長期を思わせます。

会議の詳しい内容やインドでの様子等は、また別の記事で書きたいと思います。

12:19 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月24日 (日)

グリーン熱証書とエネルギー永続地帯

先週は自分にとって大きなニュースが2つありました。自分自身が長く携わって来た活動で、それが世に出ることで幾ばくかの達成感があった一週間でした(うまくいかなかったことも幾つかありましたが...)。

ひとつは、グリーン熱証書です。再生可能エネルギーによる熱として太陽熱やバイオマスなどの環境付加価値をグリーン熱として証書化する仕組みです。グリーン電力証書の熱版として、もう4年近くも制度化に取り組んできましたが、この7月7日にグリーン熱設備の認定を受けたセントラル方式の太陽熱利用システム(越谷レイクタウン内のマンションに設置されています)からのグリーン熱が10月20日に日本で初めて認証されました。その認証されたグリーン熱量がグリーン熱証書として10月23日に発行されました。利用先は、現在開催中の第23回東京国際映画祭です。詳しくは、エナジーグリーン社のプレスリリースをご覧ください。

グリーン熱証書は、まだまだこれからの仕組みです。現在は太陽熱だけですが、今後、バイオマスや雪氷熱などに拡大される予定です。そのための認証の基準作りが来週から本格化します。バイオマスについては、私自身も積極的に関わっていますので、がんばって行きたいと思います。グリーン電力の方は、固定価格買取制度などの動向も新たな段階に入っていきますが、グリーン熱証書も今年あたりから再生可能エネルギー普及に向けた仕組みとして注目されています。経産省による熱の研究会も始まりました。

もうひとつのニュースが「エネルギー永続地帯」です。こちらも研究を始めて4年目になりますが、今年も都道府県別、市町村別の自然エネルギーの供給割合(いわゆるエネルギー自給率)の試算結果を「エネルギー永続地帯2009年版試算結果(速報版)」として10月22日に発表しました。昨年版の計算結果も見直しをして、比較を行っています。発表内容は、永続地帯ポータルサイトに掲載されていますが、発表資料はこちらです。こちらは、まだ確報版に向けてデータの集計などを行っていく必要がありますので、もうひと踏ん張りです。

日本国内全体の自然エネルギーの供給割合は、エネルギー永続地帯の試算でも3%程度です。ところが、都道府県別にみると10%を超える都道府県が7つあり、大分県は25%に達します。さらに市町村別にみると100%を超える市町村が57あります。昨年度あたりから東京都を中心に再生可能エネルギーに関する地域間連携の動きが始まっています。先日も10月21日に自分たちが主催する「再生可能エネルギー地域間連携セミナー」を開催したばかりですが、多数の参加者があり、関心の高さが伺えました。

いよいよ今週はインドのニューデリーで「デリー再生可能エネルギー国際会議」DIREC2010が10月27日より開催されます。自分も参加予定ですので、その様子は帰国後にご報告したいと思います。日本国内ではわからない、世界各国の自然エネルギーへの取組みを肌で感じて来たいと思います。

04:35 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月19日 (火)

第4の革命としての自然エネルギー

先週末、ドイツの自然エネルギー政策を中心となって推進してきたへルマン・シェア(Hermann Scheer)氏が10月14日に急死したとの知らせが飛び込んで来ました。私自身は面識はありませんが、自然エネルギーの世界では国際的に非常に著名な方でした。恐らく10月にインドで開催される国際会議DIREC2010にも出席する予定だったのではないでしょうか。本当に惜しい方を亡くしました。

3月にドイツで公開されたドキュメンタリー映画「第4の革命~エネルギー自立」"The 4th Revolution ! Energy Autonomy"では、主役を務めており、自然エネルギーに対する精力的なシェア氏の活動が描かれています。詳しくは、こちらのサイトへ。この映画を是非、日本でも見てみたいですね。欧州各国で上映されており、DVDの英語版も近々販売が開始されるようです。

こちらから8分程度の短縮版をYouTubeでみることができます(Community版)。

01:43 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月14日 (木)

千葉県銚子市内の風車群

関東地方で風車を見たいと思ったら千葉県の銚子ですね(銚子電鉄も有名です!)。この連休に思い切って見に行って来ました。風はあまり吹いていませんでしたが、天気も良くて、とてもきれいに風車群が見えました。こちらのページによると現在30本以上の風車が銚子内にあるそうです。

まずは、畑の中の真ん中に立っている数本の風車。欧州ではあたりまえになった風景ですが、日本国内でもまったく違和感はありません。

次に銚子ポートタワーからみた銚子市内の風車群です。

茨城県側の鹿島工業地帯の風車群も遠くに見えました。

畑の中の風車は間近まで行くことができましたが、風が弱かったせいか音はかすかな風切音だけでした。こちらのページによると、くろしお風力発電という事業会社が運営しているドイツのエネルコン社製の2000kW級の風車です。これが5本並んでいます。

12:47 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月13日 (水)

再生可能エネルギー地域間連携セミナー

今月は、10/12(木)に再生可能エネルギーに関する次のセミナーを開催します。そして、10月下旬はインドで開催されるDIREC2010に参加する予定です。DIREC2010についてはこちら。 

=============================
                 「再生可能エネルギー地域間連携セミナー」
=============================         http://www.isep.or.jp/event/101021seminar.html (発表資料もダウンロードできます)
             
 再生可能エネルギーの普及における需要地・供給地の地域間協力の意義及び最新状況を共有し、新たな政策創造・協力の基礎とする。また、10月27日~29日に開催されるDIREC2010(デリー国際再生可能エネルギー会議2010)に向けて、国内外の最新動向や取組みを提供する。
            
【開催日時】2010年10月21日(木)14:00~17:00(13:30開場)
【開催場所】TKP代々木ビジネスセンター 会議室
            
【参加費】資料代:1000円
【お申し込み】Email(semi1021@isep.or.jp)またはFAX(03-3319-0330)まで
                お名前、ご所属、ご連絡先(E-mail)をお知らせください。
            
【プログラム】(予定)
            
・ 地域間連携の意義と国際潮流            
   飯田哲也 NPO法人環境エネルギー政策研究所 所長

  ・ 緑の分権改革と事例報告(仮)
   堀尾正靱 科学技術振興機構 領域総括
            
 ・ 東京都と北海道・東北(6都道県)の生グリーン電力を核とした地域間連携(仮)
    谷口信雄 東京都環境局 課長補佐(再生可能エネルギー担当)
            
 ・ 地球温暖化対策における地域間連携への期待と政策最新状況(仮)
    立川裕隆 環境省地球環境局地球温暖化対策課調整官

 ・DIREC2010について(仮)

 岸上みち枝 イクレイ日本 事務局長         

            
 ・ パネルディスカッション「地域間連携の可能性」(仮題)
      進行:飯田哲也
            
      報告:東京都、神奈川県、埼玉県、川崎市(予定)
            
【共催】
 首都圏等気候変動政策連携プロジェクト(Metro CAP)
   グリーンエネルギー購入促進フォーラム(GEPF)
   自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)
   JST地域エネルギー・ファイナンス研究チーム(青森大学、名古屋大学、法政大学、九州大学、
 特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所 (ISEP)

01:20 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 4日 (月)

自然エネルギー政策ポータルサイト

自分が仕事で運営しているサイトのひとつ「自然エネルギー政策ポータルサイト」が全面リニューアルされました。今回のリニューアルでは、これまでのコンテンツを整理するだけではなく、現在注目されている「固定価格買取制度(FIT)」の特集ページや、今月(10月)の下旬にインドで開催されるDIREC2010(デリー国際再生可能エネルギー会議2010)の特集ページを新たに開設しています。

Jrepp_2

もともとこのサイトは2008年に発展的解消をしたGEN(「自然エネルギー促進法」推進ネットワークのサイトを引き継ぎ、自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)が中心になって自然エネルギー政策に関する様々な情報を発信するために運営されています(事務局をISEPが務めています)。

古くは、「自然エネルギー促進法」が議論されていた2001年度の資料からあり、正に日本の自然エネルギー政策の歴史が詰まったサイトです。もちろん、これまでの10年だけではなく、これからの10年を睨んだ情報発信をして行きたいと思います。その意味で、今回開設した固定価格買取制度の特集ページと、私も参加する予定のDIREC2010の特集ページはとても重要です。今後、できるだけ多くの方に意見を取り入れて、拡充をして行きたいと思います。

02:18 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月20日 (月)

固定価格買取制度の国際比較

先週の土曜日に立教大学で開催されたシンポジウム「エネルギー革命と買い取り制度の比較政治経済学」に参加して来ました。現在、欧州を中心に多くの国で採用されている再生可能エネルギーに対する固定価格買取制度(FIT)について、各国の制度を政治経済の観点から比較するという、とてもユニークなシンポジウムでした。

20100918

午前中は「政治経済学的な文脈」でパネル討論が行われ、トップバッターは金子勝氏。シュンペーターのように長期的な視点で経済を捉える重要性を指摘。地球温暖化を阻止する世界的なエネルギー転換への投資が重要と強調。

午後の前半のセッション「買い取り制度のケーススタディーI」では、ドイツ、カナダ、韓国での政策の比較が行われました。トップバッターのベルリン自由大学のミランダ・シュラーズ氏から、自然エネルギー政策の新進国ドイツの政策が紹介。自然エネルギー政策 にはエネルギー安全保障、新しい産業振興、そして気候変動政策など様々な側面があり、啓蒙や議論を通じて国民のコンセンサスを得ることも重要と指摘。

最後のセッションでは、制度のケーススタディとして日本、アメリカ(カリフォルニア州)、スペインでの政策の紹介。日本国内でもようやくFITの検討が始まっていますが、そもそもの検討のやり方から多くの課題があることが浮き彫りに。スペインのFITを紹介したデイビッド・ヤコブ氏は、FIT制度を設計する際のポイントや状況に応じて制度を柔軟に運用することの重要性を指摘。その中でFIT制度の設計についてまとめたWFC(World Future Council)のサイト、そして自らの著作"Powering the Green Economy: The Feed-In Tariff Handbook"を紹介。

世界の中で、再生可能エネルギーの分野で出遅れてしまった日本が、これからキャッチアップをし、如何に存在感を示して行くのか。正に岐路に立っていることを実感することができたシンポジウムでした。

11:16 午後 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月11日 (金)

「自然エネルギー白書2010」のご紹介

日本国内の自然エネルギーに関する始めての白書「自然エネルギー白書2010」を紹介するページをオープンしました。これまで日本の自然エネルギーに関する各種の情報をまとめて知ることのできる本はほとんどありませんでした。この白書は、私の所属するISEP(環境エネルギー政策研究所)が事務局を務める自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)が中心になって作成をしたものです。

【自然エネルギー白書2010】
http://www.re-policy.jp/jrepp/JSR2010/

まだ概要版だけが公開されていますが、本文の一部も近日中に公開予定です。全文は冊子として読むことができます。6月13日に本文の一部を公開しました。また全文を掲載した冊子の配布の申込みも開始しています。

JFS(ジャパン・フォー・サステナビリティ)がこの度オープンした「日本の再生可能エネルギーの現状」のページでも引用されています。

【JFS:日本の再生可能エネルギーの現状】
http://www.japanfs.org/ja/pages/029812.html

来る7/1には、パシフィコ横浜で「自然エネルギー政策シンポジウム」を開催します。現在、こちらの準備で大忙しです。今日は、会場の下見をしてきます。

【自然エネルギー政策シンポジウム】
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/

こちらのシンポジウムの詳しい情報は、次回、お知らせしたいと思います。

01:47 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 7日 (水)

グリーンエネルギー証書の普及に向けて

私もナビゲータを務めている「環境Info」という環境情報のポータルサイトに投稿した記事をこちらにも掲載しておきます。

               グリーンエネルギー証書の普及に向けて

 みなさんは「グリーン電力証書」と呼ばれる仕組みをご存知でしょうか。太陽光や風力など自然エネルギーを利用した発電により生み出される電力の環境付加価値を証書化し、企業や個人が購入することができるようにした民間ベースの仕組みです。グリーン電力証書の購入者は、日常使用している電力の一部を自然エネルギーから生み出された電力と見なすことができ、その購入代金は自然エネルギーの普及や維持などに使われます。

 2001年ごろから始まったこの制度もここ数年で認知度が高まり、自治体や企業が事業活動やイベントなどで使用したり、個人がグリーン電力付の商品として購入したりすることが当たり前になってきました。特に昨年は洞爺湖サミットがあり、環境への取り組みの一環としてこのグリーン電力証書がクローズアップされ、経済産業省の委員会でもガイドラインが策定されたり、普及キャンペーンが行われたりしました。現在、経済産業省が行っている「グリーンエネルギー・パートナーシップ(GEP)」や、環境NGOを中心に行われている「一億人のグリーンパワーキャンペーン」「グリーンエネルギー購入フォーラム(GEPF)」など、様々な普及活動も行われています。

 一方、日本国内ではカーボン・オフセットや国内排出量取引などの新しい仕組みが立ち上がってきています。これらの仕組みでは、温室効果ガスである二酸化炭素排出量の削減価値をクレジット化して取引をします。カーボン・オフセットでは主に発展途上国や新興国など海外での削減プロジェクトからの (京都)クレジットを扱うことが多いようですが、グリーン電力証書を使用する事例も増えてきました。

 カーボン・オフセットでのグリーン電力証書の扱いには二つの注目すべき動きがあります。ひとつは、グリーン電力証書をカーボン・オフセットにおける「削減努力」と見なすことです。省エネの努力で使用する電力を減らすだけではなく、グリーン電力証書を使うことにより使用した電力を自然エネルギーに転換したと見なすことができます。

 二つ目は、二酸化炭素の「排出係数」の扱いです。グリーン電力証書の使用によりカーボン・オフセットを行うには、二酸化炭素の排出削減量を導き出すための「排出係数」を決めることが必要です。現在はグリーン電力証書の使用者が決めていますが、今後、カーボン・オフセットの中での第三者認証制度、自治体の制度や国の温対法などで、より厳密に定められる可能性があります。このカーボン・オフセットについては、現在、環境省を中心とした「カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)」によって普及活動が行われています。

 グリーン電力証書に加え、最近、新たに「グリーン熱証書」の制度が注目されています。「グリーン熱」は文字とおり自然エネルギーが生み出す熱の環境付加価値に注目して証書化をするものです。現在は太陽熱、バイオマス、雪氷熱などの検討が進められていますが、将来的には地熱や地中熱なども対象として考えられます。東京都は太陽熱を利用する機器を大幅に普及させるために、平成21年度から新たな助成制度を開始しますが、この太陽熱利用機器の生み出す環境付加価値を使ってグリーン熱証書を発行し、企業などに購入してもらうことを計画しています。設備の認定や発生したグリーン熱の量を認証する第三者認証機関として「グリーンエネルギー認証センター」がグリーン熱証書の具体的な制度を検討し始めており、今年度中にはその姿が見えてくる予定です。

 このグリーンエネルギー証書制度は民間の自主的なものではありますが、国の制度を補い、日本国内の自然エネルギーの普及に大きく貢献するものです。また、私達が自ら使用するエネルギーについて考え、選択する機会を提供してくれる仕組みです。「グリーンエネルギー」を普及させる仕組みとしては、これ以外にも自然エネルギーへの投資を行う市民出資(コミュニティ・ファンド)や寄付を行う基金型(グリーン電力基金)など様々なものがあり、その輪が広がっています。

[参考リンク]

12:38 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月22日 (金)

再生可能エネルギーの将来ビジョン

前回ご紹介した「再生可能エネルギー展望会議」が昨日(2/21)グリーンパワーキャンペーンの中の分科会として開催され、パネラーとして参加して来ました。午前中に予定されていた米国からのゲストは急遽キャンセルになり、1時間遅れのスタートとなるアクシデントがありましたが、東工大の柏木先生による日本の再生可能エネルギー戦略の話から始まり、午後から環境エネルギー政策研究所(ISEP)の「2050年 自然エネルギービジョン」の紹介(飯田哲也所長)、そして再生可能エネルギーの供給側と需要側の視点からの2つのパネル討論が開催されました。

「2050年 自然エネルギービジョン」は、水力、太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーそれぞれの普及に関するビジョンを関係諸団体を交えて検討を行い、その検討結果をまとめたものです。まだ中間発表的な段階ですが、今年の洞爺湖サミットあたりを目指して、具体的な政策提言も含めたものにまとめ上げていくことになります。

パネル討論1では、風力、地熱、水力によるエネルギー供給について各団体からの発表がり、最後に国立環境研究所から「2050低炭素社会シナリオ」の紹介がありました。風力は、陸上風力の限界を踏まえ、洋上風力の普及をとても大胆に想定しています。地熱については、火山国日本の特有の自然エネルギーということで、発電や熱利用に関して大幅に普及するドリームシナリオを提示しています。中小水力(1万kW以下)についても、日本に適した発電方式ということで、既存水力に加えて大幅な普及を想定しています。国立環境研究所の藤野氏からは、初めにIPCCにおける再生可能エネルギーの検討状況の紹介があり、技術開発だけではなく、明確な根拠と戦略に基づく再生可能エネルギーの普及シナリオの重要性を強調していました。

私の参加したパネル討論2では、需要側で使われる分散型の再生可能エネルギーとして太陽光と太陽熱のそれぞれの団体から発表があり、太陽光は2030年ビジョン、太陽熱は2050年の普及シナリオが説明されました。その後、東京都の谷口氏から、石原知事の年頭挨拶を引用した気候変動対策への決意表明や、東京都の再生可能エネルギー戦略として、「太陽エネルギー拡大利用会議」の紹介、CO2削減のための総量削減や排出量取引などの戦略について具体的な話があり、先進的な東京都の取組みを改めて確認することができました。私の方からは、以下の4つの観点から「地域エネルギーの将来展望」についてお話をしました。

  • 長期ビジョン:2050年自然エネルギービジョンへ向かって
  • 持続可能性の指標:エネルギー永続地地帯から見えるもの
  • 自然エネルギーの普及:グリーン電力証書の活用
  • 環境と金融:市民ファンドによる地域エネルギー事業

2050年自然エネルギービジョンでは、国内エネルギー需要の50%以上を自然エネルギーで自給し、CO2排出量を75%以上削減することを目指しています。これらの自然エネルギーは、国内の各地域に分散して導入され、地域の特性を生かして共存していく必要があります。そのため、現在の各地域での自然エネルギー導入実績から各地域のエネルギー自給率を指標化した「エネルギー永続地帯」の紹介をしました。その後、地域間で自然エネルギーの環境価値を売買できる仕組みとして「グリーン電力証書」の紹介を、最後に自然エネルギーの普及を金融面から支える新しい仕組み「市民ファンド」について、事例(おひさまエネルギーファンドなど)も含めて紹介をしています。

会場からも活発な質問があり、とても有意義なパネル討論になったと思います。今後もこの様に様々な主体(ステークホルダー)と協働しながら、再生可能エネルギーの普及に向けて取り組む決意をあらたにした1日でした。

01:00 午後 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月21日 (木)

世界中で変わり始めたエネルギーの中身

世界中で持続可能な自然エネルギー(再生可能エネルギー)に投資された金額は、昨年ついに企業買収などを含め1000億ドル(約12兆円)を越えたというレポートがUNEP(国連環境計画)から発表されました。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、技術開発の対象に留まらず、いまや環境と経済を両立させる為に欠かせない存在となり、最先端の投資対象となっています。投資の原動力はもちろん気候変動への対応、原油価格の高騰などもありますが、各国の普及政策も重要なファクターです。牽引しているのはEUおよび米国の市場で、合わせて70%を越えていますが、中国の市場も9%を占め急速に伸びています。直接投資はこのうちの約700億ドルで、投資対象となっているエネルギーは、風力発電がもっとも多く、直接投資の4割り近くを占めています。バイオ燃料も26%を占め、急速な伸びを示しており、太陽エネルギーの16%をすでに越えています。2005年から2006年の投資額の伸び率は40%を越えており、その前年の伸び率80%を下回るもの、急速な成長を遂げています。

[UNEP(国連環境計画)プレスリリース]
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.asp?DocumentID=512&ArticleID=5616&l=en

[UNEP:報告書(英語)]
http://www.unep.org/pdf/SEFI_report-GlobalTrendsInSustainableEnergyInverstment07.pdf

Reinvestment2006

このEUでの再生可能エネルギーへの投資の伸びを象徴するニュースが飛び込んできました。以前の記事でもお伝えしたとおり日本は2年前ほどまで太陽光発電の発電設備能力が世界のトップでしたが、一昨年(2005年)、ドイツに抜かれ、さらに昨年(2006年)は、固定価格買取制度などの普及政策の効果もあり、ドイツは太陽光発電の設備能力を一気に110万kW以上増やしました。2006年末の設備能力は、300万kWをすでに越えており、日本の170万kWをすでに大きく引き離しています。

[EUROBSERV'ER: Photovoltaic Energy  Barometer(英語)]
http://www.energies-renouvelables.org/observ-er/stat_baro/observ/baro178.pdf

一方、風力発電では、もっとも普及の進んでいるドイツで、2005年末で 1810万kWの発電設備能力があります。風力発電はEU全体では4000万kW程度、全世界では6000万kW程度の設備能力となっており、太陽光発電の10倍以上の規模、原発60基分相当という大変な規模になっています。12年程前には全世界でも設備能力は400万kW程度でしたので、15倍近くに増えたことになります。米国では風力発電が2006年末でドイツに次ぐ世界2位の設備能力1163万kWとなっていますが、2006年の新規導入量では245万kWと世界1位となっています。この様にこの10年間で、EUや米国を中心に急速に風力発電が普及して来ましたが、日本国内の導入量は、2005年末で100万kWを少し超える程度となっており、EUの国々や米国に比べると導入が進まず、大きく遅れをとっています。

[REN21: Renewables 2005, Global Status Report]
http://www.isep.or.jp/GSR2005/GSR2005.html

EUや米国では急速に政策やお金の流れが変わり、普及が進んでいる再生可能エネルギーは、日本ではまだまだ普及が本格化していないのが現状ですが、これから日本国内でも状況が大きく変わることを予感させます。

09:51 午後 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月20日 (日)

普及が進む太陽光発電

最近の国内外の太陽光発電の普及状況について、少し古いですが2005年末の状況をご紹介します。トップを走っていた日本の太陽光発電ですが、いよいよ持続可能なエネルギーとして欧州を中心に世界各国の動きが活発になってきました。

日本国内で普及が進んでいる太陽光発電の歴史は半導体の開発と歩調を合わせており、海外で発明された5年後の1958年にはすでに国内で研究開発が始まっています。その後、この50年間に太陽光発電は飛躍的な発展を遂げ、いまや日本が世界トップの太陽光発電装置の生産国であると同時にトップクラスの発電能力を持つまでになりました。2005年末の日本国内の太陽光発電装置の発電能力は142万kW、原子力発電所1基分以上の発電能力を持つまでになっています(IEAの太陽光発電システムプログラムPVPSの統計データによる)。一方、ドイツが近年、再生可能エネルギーの積極的な普及政策により急速に太陽光発電などの導入を進め、2005年に発電能力143万kWと世界第1位となりました(1年間で約63万kWを導入)。全世界の2005年末の太陽光発電の能力は370万kWとなっており、日本はその38%程度を占めています。ちなみに、第3位は48万kWのアメリカ合衆国です。

Solar20070521
図:世界各国の太陽光発電導入量(2005年末実績値)[単位:万kW] “IEA PVPS”より

太陽光発電設備の生産量は2005年に世界中で150万kWに達しましたが、そのうち82万kWを日本のメーカが生産し、世界のトップを走っています。しかし、これだけ普及が進んでいる太陽光発電もやはりネックはその導入コストにあるようです。現在のkWhあたりの発電単価は約50円程度で、日本国内での一般家庭の買電価格23円 /kWhと比べても割高です。それでも10年前までは100円/kWh以上していたということですから、技術開発や国の補助金制度による普及政策も手伝ってずいぶんコストも下がってきています。ちなみにドイツでは1991年から固定価格制度が始まり、長期間に渡り固定した価格で自然エネルギーによる電力を電力会社が買取るように義務付けられており、2004年からは太陽光発電についてkWhあたり最大90円程度の価格に設定されているため急速に普及が進んでいます。

[参考URL]

IEA太陽光発電システムプログラム(PVPS): http://www.iea-pvps.org/index.html

REN21 Renewable 2005 Global Status Report(日本語版):http://www.isep.or.jp/GSR2005/GSR2005.html

REN21 Renewable 2006 Global Status Report(英語): http://www.ren21.net/globalstatusreport/g2006.asp

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2006年7月 5日 (水)

スウェーデンのバイオマスエネルギー事情

スウェーデンは、1991年には炭素税を導入し、すでに全エネルギーの28%を再生可能エネルギーにより供給しており、その半分以上(16%)をバイオマス燃料が占めています。今年6月に実際に見学した年間生産量8万トンの大規模ペレット工場の担当者によるとペレットの国内生産量は昨年1年間で150万トン(世界第一位)まで達し今年はさらに増えるだろうとのこと。国内熱需要の40%を地域熱供給の施設が賄っており、1970年代に主に石油を使用していたこれらの施設も、現在は様々なバイオマス燃料によりその62%を賄っています。さらに昨年10月には首相自ら2020年までの脱石油宣言(現在の石油依存率は約30%)を行い、さらなるバイオマスエネルギーの普及を計画しています。

スウェーデンのエネルギー政策」2006年4月 持続可能な開発省(スウェーデン)

バイオマスエネルギーに関してスウェーデンで二番目に大きい湖の畔にある南部の町ヨンショーピンで5月末に開催された第2回ペレット国際会議(Pellets2006)に参加をしました。バイオマスエネルギー国際会議(WorldBioenergy2006)と同時開催で、実際の現場を見て感じることを重視して“Know-howからShow-howへ"と銘打った会期中の見学会などで垣間見えたスウェーデンのバイオマスエネルギー事情について地域熱供給を中心に紹介します。

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グレンナ村の熱供給施設(ペレットボイラー建屋)

 

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グレンナ村の熱供給施設(ペレットサイロ)

 

ヨンショーピン近郊の村グレンナのペレット燃料による地域熱供給施設は地域のエネルギー供給会社が5年前から運営しており、村の半分にあたる1200世帯と契約して温水を供給しています。施設は2MWの出力を持つペレットボイラーを中心に45トンのペレットサイロ2基を持つ非常にシンプルな構成で、その地域に合わせた設計がされているにも関わらず、コンテナを活用した建屋などにより短期間での設置や移動が可能になっています。

 

スウェーデン首相の別荘地ハープサンド(Harpsund)にある農場においては、小規模の地域熱供給施設が4年前から稼動しています。農場にある16棟の建物に温水を供給しており、1台のチップボイラー(250kW)、2台のペレットボイラー(400kW+30kW)、太陽熱温水器(327平米)および40立米の蓄熱槽から構成されています。バイオマスと太陽熱を組み合わせた施設を政府が率先して活用している持続可能なモデル事業として非常に興味深いと感じました。

 

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首相別荘農園の熱供給施設(ペレットボイラー建屋)

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首相別荘農園の熱供給施設(太陽熱)

 

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CHP(電熱併給)施設の使用エネルギー種別

 

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CHP(電熱併給)施設の概観

人口2万人のエンショーピン市のCHP(電熱併給)施設は23MWの発電能力を持ち、6年程前からバイオマス燃料に本格的に切り替えて、電力自由市場での取引に加えて2003年施行のRPS法に基づくグリーン電力証書の取引を行っています。熱供給については135MWの供給能力があり、74kmに及ぶ配管網で市内1300箇所に熱供給しています。施設から排出される水に含まれる窒素や重金属を、施設周辺で栽培しているエネルギー作物(Salix)に吸収させて、それを再びバイオマス燃料として使用するという画期的な取組も行っています。

スウェーデンでは欧州の中でも進んだ再生可能エネルギー政策とあいまって各地域の特性や経済を生かしたバイオマスエネルギー利用が広く普及していることが実感できました。日本においても再生可能エネルギーに対するより明確な政策と共に、地域の特性にあった効果的な取組がバイオマスエネルギーの本格的な普及に求められているのだと思います。

12:18 午後 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年11月25日 (金)

再生可能エネルギー自給プロジェクト

持続可能な地域を目指して、再生可能エネルギーによる地域内のエネルギー自給への取り組みが各地で行われています。

[山梨県北杜市]
NPO「えがおつなげて」によるマイクログリッドによる自然エネルギー自給村構想に基づく、マイクロ水力発電についての公開実験とセミナーが開催されます。

http://www.npo-egao.net/biomass/

[京都府京丹後市]
NEDO委託事業による京都府京丹後市での「自然エネルギーとバイオガスを組み合わせた分散型エネルギー供給システムの運転開始」の情報です。

http://www.nedo.go.jp/informations/press/171118_1/171118_1.html

[青森県八戸市]
こちらは青森県八戸市でのマイクログリッドによるエネルギー自給プロジェクトです。

http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05102601J
http://neps.nef.or.jp/case_02_hachinohe.html

この様な、地域での再生可能エネルギーによるエネルギー供給への取り組みが各地で始まっています。いずれも規模はまだ小さいですが、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを中心としたエネルギー自給の先進的なモデル事業となっており、今後、様々な地域で同様の取り組みが始まることが期待されます。

[マイクログリッドプロジェクトについて(日本総研)]
http://www.jri.co.jp/thinktank/sohatsu/article/2004/07/05.html

01:11 午前 再生可能エネルギー | | コメント (0) | トラックバック (0)